ギリシャ、クレタ島に米製F35配備

2022年07月21日付 Milliyet 紙

米国大使を含む団体がクレタ島のスダ基地に上陸した。 彼らはF-35ジェット機の前で多くの写真を撮り、トルコを標的にした。 またギリシャメディアは「トルコ人は恐れた」という見出しを掲げた。

その切り札を東地中海でトルコと共有するギリシャは、再びアメリカの後ろに隠れそれに挑んだ。 トルコは2020年7月に軍艦を含む調査船団を地中海に派遣した。 トルコの行動に打つ手がなくなったギリシャはフランスとアメリカに加えエジプト、イスラエル、アラブ首長国連邦、サウジアラビアとの共同訓練に着手した。
ギリシャ政府は過去2年で兵器に数十億ユーロを費やした。ギリシャはフランスからジェット機「ラファール」と軍艦を購入し、フランスは昨年3月に空母シャルル・ド・ゴールを首都アテネに送った。

緊張の中公然とギリシャの味方につく米国は、クレタ島のスダ基地に空母を派遣した。 アメリカ海軍空母ドワイト・D・アイゼンハワーが率いる特殊部隊は22隻の軍艦と5,600人の兵士で構成され、ギリシャを支援するために米国によって東地中海に展開された。
スダを東地中海の基地にした米軍は、当時の国務長官マイク・ポンペオ氏をクレタ島の基地でもてなした。 ポンペオ氏はギリシャのミツタキス首相と一緒にアメリカの空母上でポーズをとった。
2020年の夏から毎週ギリシャ軍と訓練を行ってきたアメリカの関心は、地中海のみに留まらなかった。クレタ島からテッサロニキまでエーゲ海のほぼ全域をカバーする共同訓練にギリシャとアメリカの特殊部隊の兵士らが参加した。 ギリシャメディアは、アメリカがギリシャに永続的な基地を手に入れたと伝えている。

■F-35を公式に要求した

アメリカは現在、ギリシャの持つF-16戦闘機の近代化を行っている。 トルコをF-35プログラムから削除したアメリカは、トルコに割り当てられている戦闘機をギリシャに与えることを議題に掲げた。
ギリシャ国防相のニコス・パナギオトポウロス氏は、今週、米国首都ワシントンでもてなされた。ペンタゴンで米国国防長官のロイド・オースティン氏と会談したパナギオトプロス氏は、正式にF-35に対するギリシャの要求を伝えた。

■ジェット機の前で取られたポーズ

アメリカがトルコに売る準備をしているF-16戦闘機を防ぐためにワシントンでロビー活動を行っているギリシャ政権は、ジョー・バイデン大統領が青信号を出したことに怒りを示している。 ギリシャ出身の政治家が支配するグループは先週下院でトルコへのF-16の納入を困難にさせる法案を可決した。
5月以来緊張が落ち着かないエーゲ海での最近の挑発は、予想されていた通りクレタ島のスダ基地で行われた。 ギリシャのニコラス・デンディアス外相、ニコス・ハーダリア国防副大臣、コンスタンティノス・フロロス参謀長、テミストクリス・ブロリアス空軍司令、アテネの新しい米国大使であるジョージ・ツニス氏がクレタ島に上陸した。

代表団はスダの第115空軍基地とマラーティー海軍基地を訪問し、ギリシャとアメリカの戦闘機が共に離陸する「ポセイドンの怒り-22」という訓練を見学した。 デンディアス氏、ハーダリア氏、フロロス氏、ブロリアス氏、ツォニス氏も、スダに持ち込まれたアメリカのF-35戦闘機の前で多くのポーズをとった。

■NATOのアカウントで公開

さらに、ギリシャのパイロットがF-35ジェットを使っている写真が米軍のNATOアカウントから公開された。

■トルコへの言及はなかった

ギリシャメディアと話したデンディアス外相は、明確なメッセージを伝えるためツォニス米国大使と共にハンヤに来たと述べた。
「アメリカとギリシャは拡大主義に対し肩を並べて立っている。アメリカとギリシャは国家主権と領土保全に対するあらゆる種類の脅威に反対する。両国の戦闘機とともに兵士は東地中海でここ数日間国際法保護のため留まっている。」
ニコラス・デンディアス外相は、この訓練が民主主義、安定性、安全、国土の一体性の保護の指標であることを繰り返し強調してきた。

■米国大使:ヨーロッパの8か国だけにある

ギリシャ・アメリカ間の軍事協力がこれほど高いレベルであることに対する喜びを表明したツォニス米国大使は、ギリシャへのF-35の供給を「非常に重要」であると述べた。
「ヨーロッパの8カ国だけがF-35戦闘機を持っています。F-35の抑止力を見られるでしょう。さらにギリシャがアメリカや他のNATO加盟国との間でより大きな相互協力を実施していることも分かるでしょう。アメリカは東地中海の安定と安全を支持しています。私はそれを非常に明確にしたいのです。」
CNNギリシャは、「F-35がスダに」というタイトルのニュースで、クレタ島の基地が将来F-35ジェット機を保有するだろうと伝えた。

■To Vima誌:トルコ人は恐れた

ギリシャのToVima誌は、ギリシャの兵器計画がトルコ人を怖がらせたと書いた。 トルコメディアで早急な対応が必要であるという分析があるとするTo Vimaは、特にアメリカから来たF-16のニュースの後、トルコでは懸念が高まっていると主張した。

■ターニングポイント:ワシントン訪問

ギリシャとアメリカの関係が、5月に再びトルコ・ギリシャ間の緊張を高めた。ギリシャ独立戦争の200周年を記念して米国首都ワシントンで5月17日に歓迎されたギリシャのミチョタキス首相は、ホワイトハウスでジョー・バイデン大統領と会談した。ギリシャ国旗の色である青と白のネクタイを身に着けた大統領は、ミチョタキス首相に「私はジョー・ビデノプロスです」と挨拶した。
ミチョタキス首相は米国議会での演説でトルコを標的とし、トルコがプログラムから排除されたF-35ジェット機のギリシャへの売却についてもワシントンで議論された。
ミチョタキス首相は米国議会で、キプロスで二国家解決を絶対に受け入れないことを強調しトルコを非難した。

「親愛なる議員の方々、過去48年間にヘレニズムの終わりのない苦しみの原因となった開いた傷を忘れないでください。キプロスの分裂について話しています。私がバイデン大統領にも言ったように、キプロスの誰も二国家間解決を受け入れることはありません。」
キプロスに関する声明が議員から称賛されたギリシャの指導者は、トルコの名前を出すことなく領空侵犯にも触れた。
5月23日月曜日のエルドアン大統領の「私にとってミチョタキスという人はもういない」と話し、ワシントン訪問後のギリシャの喜びを壊した。


この記事の原文はこちら

同じジャンルの記事を見る


翻訳者:小鉄礼子
記事ID:53786