ロシア、アククユ原発で150億ドルをトルコに送金?

2022年07月29日付 Cumhuriyet 紙

ブルームバーグ誌による関係者への取材によると、ロシアがアククユ原発への投資のためトルコに対して3週間以内に150億ドルを送金するということだ。露・ロスアトム社は調達した資金の一部を有期限の支払いに使用し、残りを2年かけてトルコに投資する。

第4の、そして最後に建設される原子炉の基礎工事が先週開始されたアククユ原子力発電所について、露とトルコの間で驚くべき資金のやり取りがあった。

ブルームバーグ誌のフラト・コゾク記者が関係者の政府高官に取材した情報によると、ロシア国営原子力企業(ロスアトム)が既に予定している支払い並びに今後2年間の支払いのため、先週から約150億ドルを分割でトルコに送金しているということだ。

この報道の後、ドル-トルコリラ為替に波が生じた。朝の時点で1ドル=17.95TLだったものが、この報道を受けて1ドル=17.76TLに下落し、再び1ドル=17.90TLに上昇した。

■プーチン大統領からエルドアン大統領へのジェスチャー

ソズジュ誌の報道では、ヌレッディン・ネバティ財務大臣が仲介してロシアのウラジーミル・プーチン大統領とレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領の間で交渉が行われたという政府高官の話が取り上げられた。

政府高官の1人は、プーチン大統領が穀物回廊での平和のキーマンを担っているために、エルドアン大統領へのジェスチャーを送る役割を果たしていたと述べている。

■3週間で150億ドル

他の政府高官は、件の資金のうち50億ドルは先週トルコに送金されたと述べている。今週末までに50億ドルが、第二陣として送金される見込みだ。最後の第三陣は来週トルコに送られる。

ロスアトムは、送られた資金の一部を既に予定している支払いに充て、残りは2年かけてトルコに投資する。

■遅滞の懸念は軽減

ロスアトムのこの動きは、ウクライナ侵攻によりロシアへ加えられた制裁の影響でアククユ原発プロジェクトに遅れが生じるのではないかという懸念を軽減する。ロスアトムに関しては今日まで制裁は加えられていない。 

財務省はブルームバーグ誌の取材に対してコメントしなかった。アククユ原子力有限会社はメールでの取材申し込みに応じなかった。

ロスアトムは、本件が現在世界で進められている同様のプロジェクトの中でも最大であることを踏まえ、アククユ・プロジェクトに関する進捗にはトルコ側が言及した150億ドルが明らかな形で使われていると発表した。

■合計予算は200億ドル

2010年にロシアとトルコの間で調印された連携協定で工事期間が合意され、4基の原子炉を備え合計4800MW規模の発電能力を持つ原子力発電所の建設が計画されている。 

同プロジェクトにおけるロスアトムの出資比率は99%で、合計予算は200億ドル規模だ。発電所は2023年に稼働を開始し、2026年にはプロジェクトが完了する計画になっている。

発電所が全面稼働すると、トルコ国内の電力需要の10%が賄える。

ロシアとトルコの間で、自国通貨同士の為替と通商に関する会談とアククユ原発に関する資金の送金が行われた後、エルドアン大統領とプーチン大統領は8月5日にソチで会談を行う予定だ。


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翻訳者:神谷亮平
記事ID:53822