トルコ・イスラエル関係、正常化へ

2022年08月18日付 Cumhuriyet 紙

両国の関係は、4年続いた不和の後に正常化のプロセスに入った。両国は、今年の接触の後、関係を最高レベルに引き上げることを決定した。

年初にトルコとイスラエルの間で開始された正常化プロセスの結果、両国は外交関係を再び互いに最高レベルに引き上げることを決定した。この決定の一環で、相互に大使がアンカラとテルアビブに近いうちに任命されることが発表された。

トルコにいるイスラエル人観光客に向けた「イランによる」テロ攻撃をトルコの情報機関が阻止したこと、イスラエルとの諜報関係を再開したこと、民間航空協定に調印した後に、両国は昨日、関係が「完全に正常化した」シグナルを送った。

■イスラエルの最初の声明

この件に関する最初の声明は、イスラエル首相官邸によって行われた。声明が伝えるところでは、セダト・オナル外務副大臣とイスラエル外務省のアロン・ウシュピズ次官との電話会談で、両国間の関係を再び完全な外交代表レベルに引き上げることと、大使任命を行うことにについて合意した。また、イスラエルのヤイル・ラピド首相の、「トルコとの関係を新たにすることは、地域の安定にとって重要なメリットであり、イスラエル市民にとって重要なニュースである」との発言を引用した。

メヴリュト・チャヴシュオール外務大臣もこの決定について語った。同外相は、ラピド首相のアンカラ訪問の際に大使任命の取り組みを開始することに合意したと述べ、「この取り組みの結果、イスラエルからこのような前向きな措置が生じました。もちろん、私たちもトルコとしてイスラエルへの大使任命を決定しました。今後のプロセスについては、すでに閣議決定もあり、任命される大使たちについては名前を大統領に提示した後、プロセスを正式に開始します」と述べた。

■パレスチナが議題に

チャヴシュオール外相は、「私たちは引き続きパレスチナ、エルサレム、ガザの権利を守り続けます。またこの問題に関する我々のメッセージが直接大使レベルでテルアビブに伝えられることも重要です」と語った。アンカラの米国大使館は声明の中で、「トルコとイスラエルが、両国間の関係を正常化する中で相互に大使を任命するというニュースを歓迎する」と述べた。

■4年間の不和

両国は、2009年のダボス会議以降、様々なレベルの緊張を経験し、2018年から代理大使レベルで維持してきた関係を今年初めより正常化することを決定していた。まず初めに、イスラエルのイツァク・ヘルツォグ大統領が3月にアンカラを訪問し、タイイプ・エルドアン大統領と会談した。その後、チャヴシュオール外相は5月にイスラエルを訪問し、ラピド外相は6月にトルコを訪問した。ラピド外相の訪問の際に、両国の外交関係を再び最高レベルに引き上げる取り組みを開始することが決定されていた。

■「プロセスは前向きに評価できる 人選が決め手」

かつて駐テルアビブのトルコ大使を務めたナームク・タン氏は、この件に関して本紙に論評を行い、イスラエルで選挙後に起こる状況は正常化プロセスに影響を与えないだろうと述べ、さらに「この決定はイスラエルにおいて党を超えた決定です。国の政治家らよる総合的評価を受けることなく、そのような決定を下すことはありません。そのため選挙で誰が勝とうとも、この決定は後戻りすることはありません。」と述べた。

関係の完全な正常化が「遅いものの前向きなステップ」であると述べるタン氏は、「この次のステップはさらに重要です。大使となる人物を正しく選択することは、このプロセスに密接に影響するでしょう。両国がキャリア外交官を任命すること、外交の機微を知っており、イデオロギーと関わりのないプロの大使によって事が進められることは、非常に重要です。こうした場所へ政治的任命を行うことは、両者間で信頼の構築に努めている時期には、予期せぬ破綻の原因となりうるためです。」と話した。


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翻訳者:小鉄礼子
記事ID:53917