12年ぶり、トルコ軍艦、イスラエルに入港

2022年09月04日付 Milliyet 紙

イスラエルのNATO協力の一環として、トルコ軍艦が12年ぶりにイスラエルの港に入港した。

(外電サービス)トルコとイスラエルの外交関係正常化を受け、2010年以来12年ぶりにトルコ軍艦がイスラエルに入港した。イスラエルメディアのニュースでは、NATO演習の一環として軍艦TCGケマル・レイス (F-247)が、米ミサイル駆逐艦 USSフォレストシャーマンを伴ってイスラエルのハイファ港に入港したと報じられた。軍艦TCGケマル・レイスは、地中海での哨戒任務の枠組みでNATO定期海洋任務グループ 2(SNMG2) に参加することが明らかになっている。
イスラエルメディアはTCGケマル・レイスについて、「トルコ海軍が有する最も近代的な軍艦のひとつ」と評価し、トルコ海軍の軍艦がイスラエルに入港したことは「注目に値する」とコメントしている。両艦ともにイスラエルに数日間停泊することが明らかになっており、その間に燃料を補給し、存在感を示すだろうとされている。イスラエル国防省は発表のなかで、両艦の到着は「イスラエルのNATOとの協力と支援の一環」だと強調した。一方、イスラエル国防軍とトルコ軍艦は、演習やその他の軍事的交流のいずれも共にしないことがわかっている。 なお、TCGケマル・レイスは、2010年に起きたマヴィ・マルマラ号事件をきっかけに(トルコが)イスラエルとの関係を断絶して以来、初めてイスラエルに入港した軍艦となる。

■軍事協力は1960年代から

トルコとイスラエルの防衛産業、安全保障協力、情報共有、軍事訓練分野での協力関係は1960年代にスタートし、1994年に署名された防衛協力協定ならびに1996年の軍事訓練協力協定でピークに達した。両国は非常に長きにわたって、毎年、海空軍合同演習を実施していたが、関係悪化後、イスラエルはこの軍事演習をギリシャおよび南キプロス政府とともに行うようになった。2010年のマヴィ・マルマラ号事件に関してはイスラエルが謝罪したことで解消されたものの、2018年に米国がエルサレムをイスラエルの首都であると承認したことを受け、トルコは在イスラエルトルコ大使をアンカラに召喚した。さらに同年、パレスチナ人に対する(イスラエルの)介入により、アンカラ政府はイスラエルに対し大使の撤退を要請。そのため先月までは大使代理レベルが両国を代表していた。2021年のトルコの外交政策正常化戦略に伴って、3月にイスラエルのアイザック・ヘルツォーク大統領がレジェップ・タイイプ・エルドアン大統領を訪問した際に最初のコンタクトがあり、その後、先月になって正常化プロセスを完了させるための最重要ステップである両国大使の任命が決定されたとの発表があった。


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翻訳者:原田星来
記事ID:54004