ロシア・ウクライナの捕虜交換、トルコの仲介が貢献

2022年09月23日付 Milliyet 紙

エルドアン大統領の計らいによりウクライナ・ロシア間で行われた捕虜交換が国際的に話題になっている。専門家は、プーチン・ゼレンスキー両大統領が信頼している唯一のアクターがトルコだとしたうえで、衝撃的なメッセージを発している。

レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、第77回国連総会のために訪れているアメリカでテレビ出演し、重要な発表を行った。そのテレビ放送では、ウクライナとロシアが200人の捕虜交換に合意したという情報が世界で最初に発表された。

トルコの計らいにより設けられたこのプロセスは昨日までに進捗を見せた。国際的な通信社は、トルコ政府の仲介により実現した捕虜交換が完了したと報じた。

エルドアン大統領も同じ時間帯に声明を出し、この歩みが戦争終結に向けて大きな価値を持つと述べた。最初に対外発表された情報によると、捕虜交換の対象となったウクライナ兵215人のうち108人がアゾフ大隊所属だった。大隊長とその補佐役も捕虜交換の対象となった。以前には彼らは処刑される予定だと発表されており、ロシアはこのプロセスにおいて後退しないと何度も述べていた。

TRTのセルタチ・アクタン記者の報道によると、ロシア側はウクライナ議会に対し親露派として知られる野党・生活のために党のヴィクトル・メドヴェジュク党首など50人以上のロシア兵を解放させたということだ。メドヴェジュク氏はただその分野で有名な人というだけではない。同時にロシア・プーチン大統領の「友人」の1人だ。

交換される面々がこれほど重要なため、このプロセスがどうやって進められ、国家がこれをどのように実行したのかという質問が浮かんだ。ブルサ工科大学国際関係学部の研究員であるアリ・ブラク・ダルジュル博士が、この問題に対する答えとこのプロセスの他の詳細について話してくれた。

■捕虜交換はトルコから世界へのメッセージ

ダルジュル博士は、捕虜交換はトルコから世界へのメッセージであると強調する。ダルジュル博士は、トルコ政府がアンタルヤ・イスタンブルで開催されたサミットで、穀物に関する協定や捕虜交換など価値のある合意を果たしたと述べ、積極的な中立政策の重要性を強調した。

ここでダルジュル博士は重要な余談を挟み「国家は問題に対して真っ向から介入すること、あるいは積極的に中立であることのどちらがより効果的か?」という問いが投げかけた。彼はその答えも述べている。

すべての問題を自ら評価することで、積極的な中立政策は問題への介入よりもより効果的であり得るということをトルコが世界に示している。これは他の国々にとっても重要な詳細だ。

捕虜交換は戦争ではしばしば見られる状況だ。最も戦闘が激しい場面であっても、一時的な停戦の確保と捕虜交換は可能だ。トルコが仲介して行われた捕虜交換はこの典型だ。しかし、このプロセスについて注視が必要な点がいくつかある。例えば、アゾフ大隊の司令官は戦争の終結までウクライナに入国できない。彼らはアンカラに留まる。これがなぜ重要なのか?ロシアのプーチン大統領・ウクライナのゼレンスキー大統領はいずれもエルドアン大統領への全面的な信頼を表明している。ウクライナもロシアも、トルコが表明した内容を実行することを無条件に信じている。そうでなければこのような状態にはならない。

■国家諜報機関は近年、この領域でとても活発

ダルジュル博士は、フランスのマクロン大統領が「ロシア・ウクライナの両方と直接首脳レベルの関係を築いている唯一の国がトルコだということは受け入れられない」と述べたことに触れた。トルコはこのことにより、国際舞台でどれほど重要なアクターであるかを再度示すことになったのに加え、捕虜交換に関する諜報のプロセスについて考えを述べた。

「この取引は、我々に知らされていなかったとしても、国家諜報機関により進められた可能性が非常に高い。同機関は近年、諜報外交の名の下とても価値のある業務を承認している。アラブ首長国連邦、イスラエル、エジプトなどの国々に対する諜報活動のそれぞれが好例だ。

もちろん、国家諜報機関の業務はこれに限らない。アゾフ大隊の司令官らの身柄がアンカラにあった間、全てが国家諜報機関によりコントロール・調整されていたと考えても驚きはない。

これら全てを踏まえて行われた捕虜交換がどれほど重要なものか、そしてこれをできる国がトルコ以外にないことがはっきりわかる。トルコ政府のこの動きに希望を抱いており、平和に向けた扉が開いてほしい」

■何があったのか?

・トルコの仲介により、ロシアとウクライナの間で200人の捕虜交換が行われた。合意の枠内で5人のウクライナ捕虜がトルコに移送された。残りの捕虜はウクライナ領内で交換された。
・ウクライナ大統領府は、合計215人のウクライナ兵が捕虜交換により帰還し、この内108人がアゾフ大隊所属だと発表した。解放された人々の中には、アゾフ大隊のデニス・プロコペンコ司令官やスヴヤトスラフ・ポロマル副司令官らが含まれていることがわかった。
・ロシアは、ウクライナ議会で親露派として知られる野党・生活のために党のヴィクトル・メドヴェジュク党首など50人以上のロシア兵の返還を受けた。


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翻訳者:神谷亮平
記事ID:54100