トルコ・ギリシャ対立の舞台裏

2022年10月08日付 Milliyet 紙
欧州首脳サミットを取り上げたギリシャ・メディアは「プラハでの闘争」「夕食会での事件」「エルドアンとミツォタキスの喧嘩」「トルコ・ギリシャ関係に赤信号」「トルコによる尋常でない挑戦」といった見出しを出した。

初めて招集された欧州政治連合のサミットについて、トルコとギリシャによる発表が波紋を広げている。ギリシャ・メディアは、トルコのレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領とギリシャのキリヤコス・ミツォタキス首相のプラハ訪問を「同じ都市に2人の外国人」という見出しで報じており、今日の見出しは全てサミットの話題だった。

エスノス誌の見出しは「トルコ・ギリシャ関係に赤信号:エルドアン大統領による新たな挑戦とギリシャ政府の現在の反撃」だった。また同誌は大見出しに「エルドアン大統領がギリシャに与える脅威:何も言うことはない、夜は突然に来る」と書き、他のニュースを報じた。

スカイ・テレビはウェブサイトで「プラハでエルドアンが脅威を与えた:聞いていた人はいなかったが、ギリシャ側は未回答の事項はないと述べている」という見出しを掲載した。同サイトは、指導者同士の会食で起こったこととして「エルドアンの激しい叫びとミツォタキスの厳しい反応」とスキャンダル記事のような見出しに載せた。

ト・ヴィマ誌は「夕食会での事件、エルドアンの脅しとミツォタキスの反応」という見出しで報じ、エルドアン大統領が論調を変えずにギリシャを槍玉に挙げていると主張した。同誌は「エルドアン大統領は刺激されていないがギリシャを攻撃することにした」と評し、ミツォタキス首相が素早く反応したと報じた。

他のニュース記事は「プラハでミツォタキスとエルドアンが喧嘩:島嶼部における我々の主権に関する質問を中断」という見出しで報じ、両首脳が出席した食事会での出来事を「険悪な一幕」と評した。

ト・ヴィマ誌は他にも、プラハでのサミットについて「アナスタシアディス(キプロス大統領)とエルドアンの握手」「エルドアン、ミツォタキスに対し『私の話に機嫌を悪くされた』」という見出しで始まる記事を書いた。

CNNギリシャは「トルコによる尋常でない挑戦:プラハでエルドアンとミツォタキスの関係は緊迫化、首相が同盟国に明かす」という見出しの記事を書いた。また、CNNは「ミツォタキス、エルドアンの脅しに厳しい反応」というタイトルの記事を出した。

「プラハでの闘争:ミツォタキス・エルドアン間で一触即発、島嶼部の主権に関する質問は棚上げ」という見出しの記事を出したタ・ネア誌は、トルコ・ギリシャ両国の指導者が6月末にNATOサミットで一緒に写った写真を掲載した。

タ・ネア誌によると、エルドアン大統領が記者会見で「キプロスの権利を奪おうとするミツォタキス氏は私の話に機嫌を悪くされたようだ」と述べたということだ。

ギリシャで最も有名なインターネットサイトの1つであるin.grも、プラハサミットを大きく取り上げた。同サイトは「ミツォタキスとエルドアンによるレスリング」と評し、ギリシャ政府がトルコ側を、プラハで「扇動」を行おうとしているとして非難していると報じた。

「ミツォタキスは島嶼部の主権に関する質問に厳しい反応、エルドアンは怒り」という見出しを選んだインターネットサイト「プロト・テマ」は、トルコ・ギリシャ両国の指導者が夕食会で互いに視線を向けすらしなかったと報じた。

親政府派として知られるエレフテロス・ティポス誌は「プラハで熱い事件:エルドアンのショーは失敗、ミツォタキスの喉を潤す対立」という見出しの記事を書いた。

カシメリニ誌は「ミツォタキスとエルドアンの間の緊張:島嶼部の主権に関する質問」という見出しで記事を出した。同誌は、エルドアン大統領が話し終えた後、ミツォタキス首相が足早に演壇に向かって歩いていき、エルドアン大統領に対し直接返答を行ったと報じた。

カシメリニ誌は他の記事で、エルドアン大統領がギリシャの記者による質問に答えたことを取り上げている。「エルドアン大統領『我々を脅かすのがどの国であっても、知っておくべきなのは『夜は突然に来る』ということ』」という表現を用い、エルドアン大統領のメッセージを取り上げた。エルドアン大統領の記者会見では1人の記者が「『夜は突然に来る』という表現は、ギリシャに対し攻撃を行う可能性があることを意味しているのですか」と質問した。

CNNギリシャは、質問に対する回答として「エルドアン大統領はギリシャに対し、欧州から脅威を与える」という見出しで報じた。

ギリシャ・メディアは、フランスのエマニュエル・マクロン大統領とエルドアン大統領の間の会話についても報じた。タ・ネア誌は「マクロンからエルドアンへ:トルコ・ギリシャは交渉のテーブルに戻るべき」と、ト・ヴィマ誌とエレフテロス・ティポス誌は「マクロンからエルドアンへ:国際法を尊重せよ」という見出しで報じた。

トルコ・ギリシャ間の関係が平穏だった夏が過ぎ、8月末にトルコのF-16戦闘機がレーダーで追跡されたことで、2020年の後退さえもマシと言える時代に突入した。トルコ・ギリシャ両政府から毎日のように何かしらの発表がある中、トルコの無人機がエーゲ海で島嶼部に武器を輸送していたギリシャ軍艦を捉えたことで事態は揺れ動いた。米国の軍用車がサモス島・ミディリ島に輸送されたことが判明し、トルコが何週間もの間問題提起していた説が立証された。ローザンヌ条約・パリ条約では、ギリシャはエーゲ海東部の島々の武装を禁じられている。


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翻訳者:神谷亮平
記事ID:54199