シリア:コレラ感染が国内全土に拡大

2022年10月25日付 al-Quds al-Arabi 紙

■国連:コレラがシリア全県に広まる

【ニューヨーク:アナトリア通信】

国連は25日、コレラがシリア全土で急速に広まっていると警告し、3カ月間の対応計画のために3440万ドルを要求した。

国連は、この資金は16万人以上の医療サービス支援や、500万人の清潔な上下水道のために必要だ、と語っている。

また、国連人道問題調整事務所(OCHA)の責任者であるリナ・ギラニ氏は安保理で「2万4000例以上のコレラ疑いの症例が報告されており、シリアの14県すべてで感染が確認されている」と語った。

さらに、ギラニ氏は、現在までに「少なくとも80人がコレラで亡くなった」と続けた。

そして、「戦争でズタズタにされたこの国の全土で数百万人が深刻な水不足に直面している」と語った。

ギラニ氏は「危機はいっそう悪化する」だろうとし、「現時点から今年12月までの予想では、(雪、雹、雨の)予想降水量が平年より少なく、気温は平年以上となる可能性が増している」と語った。

さらに、「もしこれが現実のものとなれば、既に深刻な水不足をさらに悪化させるだろう」と続けた。

そして、最も必要としているシリア人たちに人道支援を提供するため、国境を越えたアクセスを継続、拡大するよう促した。

一方、レバノン保健省は19日、「コレラが国内の広い範囲に広まっており、患者の大半はシリア難民である」と発表している。なお、同省は10月6日、国内で1993年以来初となるコレラ感染者を(北部)アッカール県で確認したという。

コレラは水を媒介とした病気であり、治療を受けられない場合、患者の生命を脅かす激しい下痢を引き起こす。


この記事の原文はこちら

同じジャンルの記事を見る


翻訳者:国際メディア情報センター
記事ID:54354