高等選挙委員会委員長、「政治活動禁止」について発言

2022年12月17日付 Cumhuriyet 紙

懲役2年7カ月15日の実刑及び政治活動禁止の判決を受けたイスタンブル広域市のエクレム・イマムオールイ市長の大統領選候補に関しての可能性について、高等選挙委員会(YSK)のムハッレム・アッカヤ委員長は、「刑が確定したとしても、選挙には出れるが、(選挙に)勝ったとしても委任はできない」と発言した。

ハベルテュルクのコラムニスト、キュブラ・パル氏は、YSKのムハッレム・アッカヤ委員長に対して実刑に処され、刑が確定した状況において、政治活動が禁止となるイスタンブル広域市のエクレム・イマムオール市長の大統領候補に関しての可能性を質問した。アッカヤ委員長は、大統領に選ばれた人が選挙の後に「政治活動禁止」の判決が出たとき、選挙に勝っても委任される可能性はないだろうと述べた。

イマムオール市長へ下された刑の後に話題となっている「大統領候補」の件についてYSKのアッカヤ委員長へ質問をしたパル氏の得た返答は以下の通りとである。

・質問: ご存知のようにイマムオール市長には一つの裁判所の判決と司法手続きがあります。候補者になるかはわかりませんが、一般的な原則について質問します。ある大統領候補者が、選挙の日付が公表され、候補となることが高等選挙委員会によって正式に承認された後に選挙活動禁止となったとしたら、立候補は取り消されるのでしょうか。そうした状況においてその人物を候補とした単一ないし複数の政党は代わりに別の人物を候補として示せるでしょうか。

・YSKアッカヤ委員長:キュブラさん、候補の過程が決定する前に処罰が確定すれば、代わりに別の候補を立てることができるでしょう。しかし、刑罰が決まった後には本委員会は候補者リストに手を出すことはできません。選挙に出て勝利したとしても承認は得られません。

・質問:候補である間に刑罰が課されれば立候補は取り消されるのでしょうか。

・アッカヤ委員長:いえ、取り消されはしませんし、出馬をしたければ可能ですが、選挙で選ばれた場合において承認は与えられません。これには実例があります。例えば、最も近年であれば、ジェイランプナル市市長は、2019年に選出されましたが、当選後に彼に対して実刑判決が下されたことから、本委員会は承認を取り消しました。村長選挙でも往々にして起こり得ます。

・質問:それではそうした状況で選挙には誰が勝利することになるのでしょうか。

・アッカヤ委員長:二番目に最も票を得た方を承認します。

・質問:例えばの話ですが、2名のみが大統領候補として選挙戦を争ったとします。一方の候補に政治活動禁止の判決が下り、その人物が選挙戦からの辞退を表明すれば、残った候補は一人で選挙戦に出れるのでしょうか。

・アッカヤ委員長:はい、その状況においてはその一人の候補に国民投票の形式で行います。候補が一人になったとしても少なくとも50+1%の票を得る必要があります。法律には特に決選投票に関してこのことが明確に書かれています。「候補者が一人しか残らなければ、国民投票の形式で行われる」と。

・質問:初回の投票で(一方の候補が選挙戦から引くことになる事態が)生じた場合はどうですか。

・アッカヤ委員長:もちろん、同様に50%より多くの票を得なくてはなりません。

・質問:なので、例えば、エルドアンが単独候補となれば、彼が大統領となることに『賛成』か『反対』かの国民投票に転じる。では50%より多くの票に達しなければどうなるのでしょうか。

アッカヤ委員長:その場合は(その候補は)選ばれることはありません。新たなプロセスを開始します。

・質問:より理解を深めるために聞きます。公式の候補となった際に刑罰が課された人物が候補から退く権利はありますよね。

アッカヤ委員長:もちろんです。選ぶことが出来ます。完全にその候補の意思に委ねられた状況となります。選挙に出たければ出ることは出来ますが、当選したとしても承認は得られません。

・質問:裁判所の判決が選挙の後に確定した場合、どうなりますか。例えば、司法手続きが進行している最中に選ばれ、大統領として宣誓し、職務を開始したとします。そして、その2ヶ月後、政治活動禁止の判決が確定したとしたら、その状況ではどうなりますか。

アッカヤ委員長:まず、その状況ではすでに案件は我々、YSKの手を離れています。決定権限はトルコ大国民議会にあります。しかし大統領府は、不可侵で説明責任を負わないため影響は受けず、任期の終了まで据え置かれるでしょう。国会議員も多くの人が経験していることをご存知でしょうか。憲法における例外条項を除き国会議員資格は失われません。

YSK委員長より発言:承認は得られないが、選挙には戦には復帰できます。

・質問:それではその状況では選挙は誰が勝利しますか。

・YSKアッカヤ委員長:二番目に最も得票した候補を承認します。(インタビュー記事掲載後、アッカヤ委員長から電話があり、この質問への返答を訂正した。そして以下の文章を追記した)市長選挙においては二番目に最も票を得た人が勝利します。しかし、大統領選挙は市長選挙のようにはなりません。二番目に得票が多かった人は承認されません。というのは、50%より多数の票という条件があるためです。大統領として選出されるためには、単独候補となろうとも50%より1票でも多くの票を獲得しなければなりません。つまり、二人の候補のうち、一人が選挙日時が公開された後に有罪判決を受ければ、選挙で勝ったとしても承認は得られず、選挙に敗れることになります。その45日後の第一日曜日に再度大統領選挙を行うことになります。


この記事の原文はこちら

同じジャンルの記事を見る


翻訳者:関颯太
記事ID:54653