与党連合の大統一党、イマムオール判決を批判

2022年12月18日付 Cumhuriyet 紙

トルコ与党連合の大統一党 (BBP)ムスタファ・デスティジ党首は、民族主義者行動党(MHP)バフチェリ党首やエルドアン大統領の考えとは異なり、エクレム・イマムオールイスタンブル広域市長に科される可能性のある政治活動禁止判決が、「バランスを欠くもの」になりうるとした。「こうしたことが政治活動禁止につながることには終止符を打たねばならない。それが私の意見だ」と述べた。

イスタンブル広域市のエクレム・イマムオール市長が、高等選挙管理委員会 (YSK)委員らを侮辱したとして訴えられた裁判の第8回審理が開かれた。裁判審理では、イマムオール市長に「委員として職務にあたる公務員らを侮辱した」罪により、2年7カ月15日の禁固刑が下された。また、イマムオール市長の政治活動禁止措置がとられた。

このイマムオール市長への政治活動禁止と禁固刑について公正発展党(AKP)レジェップ・タイイプ・エルドアン大統領が初めて言及した。 エルドアン大統領は、この判決に大統領らは無関係だと主張し、「この件は、一人の人間が選管委員らを侮辱したことに対する司法的判断だ」と述べた。

一方、MHPのバフチェリ党首は、イマムオール市長に下された禁固刑について、自身のSNSアカウントで「手品のようにシルクハットから出てきたウサギ(予想外のもの、考えられないもの)というわけではない。むしろ裁判所判決の終了後に、あらかじめ台本の書かれた映画がサラチハーネ(イスタンブル市庁舎)で上映されることは(判決への抗議として行われたサラチハーネ集会)、明確なひとつの作戦だ。その作戦のねらいはCHP党首である。労働党(IP)党首とイマムオール市長が喜びの中で抱擁し、それでもなお“この歌はここでは終わるはずはない”(注:エルドアン大統領がイスタンブル広域市長時代に有罪判決を受けたことにかかわる詩、歌のアルバム名Bu şarkı burada bitmez:有罪判決を受けたため“国の指導者”にはなれないと言われたエルドアンが大統領になっている事実を象徴するもので、ゆえに自分たちの可能性を示すもの)と合唱するのは子供だましでしかない」と話した。

■与党連合の動揺

トルコ与党連合の大統一党ムスタファ・デスティジ党首からは、エルドアン大統領やバフチェリ党首の考えとは異なり、判決を批判する声が上がった。

ハベルトゥルクTV放送で、ジャーナリストのセレプ・ベラト氏とキュルシャド・オウズ氏の質問に答えたデスティジ党首は、エクレム・イマムオールイスタンブル広域市長に下された実刑判決に関するコメントで、イマムオール市長に適用されることになる政治活動の禁止は「バランスを欠くもの」になると述べた。

デスティジ党首はハベルトゥルクTV放送で、ジャーナリストのセレプ・ベラト氏とキュルシャド・オウズ氏の質問に回答。イマムオール市長が「最高選挙管理委員会委員を侮辱」したことに対して起こされた訴訟で、市長に2年7カ月15日の禁固刑が下されたことについて、同党首は、トルコ刑法において「政治活動禁止令がなくなる」ことを望んだ。

また、「私の意見では、あれは侮辱の一種。それでもトルコの法律や刑法から、こうしたことが政治活動禁止令につながることに我々は終止符を打たねばならない。これが私の意見だ」と述べた。番組司会者であるセレプ・ベラト氏の「(侮辱することが)刑罰につながるとしても、それが政治活動の禁止になるのはバランスを欠くとおっしゃっているのですか?」との問いに、「そうだ、バランスを欠く」と答えた.


■「誰かがケマル氏を弱小候補に見せかけている」

デスティジ党首は野党の大統領候補の議論にも触れ、次のように話した。「ケマル・クルチダルオール氏の立候補には強い要望がある。我々は、CHPや(野党党首)会談で全党首とは言わないまでも一部が承認していたという情報を得ている。誰かがケマル氏を弱小候補に見せかけているが、私は同意しない。ケマル氏は、現在、トルコの野党が出馬させることのできる最有力候補だ。私は、彼はあらゆる層から票を集めることのできる高い能力を有していると思っている」。


この記事の原文はこちら

同じジャンルの記事を見る


翻訳者:原田星来
記事ID:54690