ヨルダン:運輸部門で広がる抗議活動の動向(3)

2022年12月16日付 al-Quds al-Arabi 紙

■抗議行動の暴徒化がヨルダンの政治危機をエスカレートさせている

【本紙】

事態がこのように危険な方向に進むなか、ヨルダン国王アブドゥッラー二世はマアンに向かい、そこで亡くなった住民たちを弔問した。その際同国王は、「国民が経験している深刻な経済状況」に言及しつつ、ヨルダンが「祖国と国民の安全を侵すものを容認することはない」と警告した。

ヨルダン政府は抗議活動に対して「アメとムチ」の方法で対処した。当局高官らは、国王自身に始まり、政府や治安当局の高官らに至るまで、「平和的な抗議活動に対するヨルダン人の権利」への言及を繰り返した。当局は様々な暴力行為に対し脅迫や対立といった手段で応え、治安措置を強化した。当局はさらに、政治家らや労働組合の指導者らに加え、活動家らからなる大規模な集団を(彼らが「国家人権センター」の前で座り込みを行ったことで、数時間にわたって拘束されたのち)解放した。

直近の流血事態ののち対立は減少し、相対的な平穏が南部の諸県へと復帰した。殺人のための武器使用に訴えた層は、トラック運転手だけでなくヨルダン人全体が経験している深刻な経済危機の解決を望むデモ参加者たちの前線を弱体化させた可能性がある。

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翻訳者:内田かぐ美
記事ID:54711