英エコノミスト誌、トルコを侮辱

2023年01月20日付 Hurriyet 紙

イギリスの週刊誌であるエコノミスト誌は、トルコで行われる選挙に関して準備した分析の中で物議をかもす表現を用いた。CNNトルコの放送に参加した専門家たちはエコノミスト誌の表紙をとんでもなく傲慢な攻撃と論評した。

ロンドンを中心とするエコノミスト誌は今週号で論議を呼んだ。

表紙にトルコ国旗の上の三日月にレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領のシルエットが描かれた同誌は、選挙分析の中で「災難の瀬戸際にあるトルコ」という表現を用いた。

■「とんでもなく傲慢で低俗な攻撃」

CNNトルコ放送に参加した安全保障・テロの専門家、ジョシュクン・バシュブウ氏とイスタンブル商科大学教員のウウル・ヤスィン・アサル准教授は、雑誌の選挙分析の中にある物議をかもす表現を生放送の中で論評した。

番組のメルテム・ボズベヨール氏の質問に答えたニシャンタシュ大学のジョシュクン・バシュブウ氏は、雑誌の表紙に関して「これはとんでもなく傲慢で低俗な攻撃だ。」と述べ、以下のように続けた。

「エコノミスト誌は2017年の国民投票でも似たようなことをした。西側諸国はトルコを決して見捨ててはいけないという見出しを作った。ヨーロッパへ助言したが、敢えてこれに応えるものは無かった。国民投票以前に出版をおこなって、何か変更を加えることができたか、そんなことは決してない。この見出しも私たちにとって驚くことではない。低俗な表現、攻撃を含んでいる。理性の働いていない表現がある。

■「このような層に備える必要がある」

エコノミスト誌は何をしようとしているのか?これを尋ねられていると思うが、私からしてみれば驚くことではない。エコノミスト誌が独裁者を見たいのならダイアナ妃の殺害に関する記事を書いて独裁者が誰であるのか見ればいい。これに関して記事を書いた記者は現在いない。そこでこの話題に関して私たちは厳しく書いた。即座に霧消した。エコノミスト誌が独裁者を探しているのなら自分の国に目を向けるべきだ。これらの発言が意図的なものであることを決して忘れてはならない。トルコ国民は何事にも臆さない。

トルコはあなたになぜそこまで興味を抱かせるのか。帝国主義者の組織は、トルコの発展に非常に不快になる。フランスでも不快だ。現在、こうも言える。こうした選挙を通じて、この先アジア、中東、バルカン諸国、アフリカの運命を描かれる、と言っている。トルコがとても重要な措置を講じるのを、これらの展開を密接に見守る必要がある、と言っている。こうしたことをグローバルな帝国主義者の論理をもとに発言している。悪魔が思いつかないようなやり方、方法を今後私たちは見ることになろう。国内外のこのような層に備える必要がある。」

■「トルコの民主主義に向けた明らかな攻撃だ」

イスタンブル商科大学教員のウウル・ヤスィン・アサル准教授は、この件に関し論評を行い、「特に政治的なコミュニケーションでは5W1Hという方法がある。このやり方でこの動きを見てみると、問いの答えの中には世界経済に方向性を与えたいエコノミストがいる。この準備は前々から計画されていたが、前倒ししたのが分かる。作為の事実はその中で作られている。投票で政治が築かれるトルコの民主主義は強いものだ。この選挙ではエコノミスト紙に他のマスメディアも加えられることになるだろう。問題をさらに世界規模で検討すると、選挙日程が発表されるや否や、彼らが世界にどのようなイメージを与えたいかがすぐにわかる。現在、トルコの民主主義に向けた明らかな攻撃の最中だ。各国々は独自の論理と議論[の展開]を望んでいるため活用している。次回の選挙は単にトルコだけではなく、世界にとっても決定的なものになるだろう。」と述べた。

■「エルドアン大統領のみならずトルコ国民も」

安全保障・テロの専門家のバシュブウ氏は、この直接的な脅迫と低俗な攻撃はエルドアン大統領に対してのみならずトルコ国民にも向けられたものであると強調し、「彼らは以前も、『選ばれた独裁者』だと言った。独裁者を選ぶ国民と言いたいのだ。」と述べた。

■なぜエルドアン大統領が標的に?

バシュブウ氏はエルドアン大統領がなぜ標的になったかに関して、以下のように説明した。

「私たちは西側のすべての罠を破壊したあるリーダーに言及している。私たちは彼らがトランプ氏を使い物にならなくするだろうと言っていたら、本当にそうなった。彼らが倒すことのできない唯一の指導者はエルドアン大統領である。エルドアン大統領はますます強くなって現れる。2023年に防衛産業で到達点を見ることになろう。野党から船を売却するなどの発言があった。これらは偶然なのか、いやそうではない。エルドアン大統領はギリシャに対し挑発的な政策に採る、と述べている。

非常に興味深い。ギリシャが誰の側で用いられるのかがよくわかる。しかし、西側諸国は、トルコは挑発的だと言っている。[駐トルコ米大使の]フレーク氏は、トルコとアサド政権の関係正常化に反対だと言っている。これは正常化のプロセスだが、アメリカが望んでいるのは非正常的なプロセスだ。全く政治を知らなくても、西側が標的にしているという理由のみで、エルドアン大統領を支持するべき、と口にしてもいいのだ。これらの攻撃はエルドアン大統領を通してトルコ国民に向けて行われている。

アサル准教授もギリシャでも選挙が近づいていると指摘し、「トルコの外交政策はギリシャとシリアとのバランスを維持している。これは外交政策上で達成されるべき目標だった。選挙期間にこうした報道が増えよう。」と述べた。

■与党のトゥラン副代表の反発

CNNトルコ・アンカラ代表のディクル・カノヴァ氏の質問に答えて公正発展党(AKP)会派副代表のビュレント・トゥラン氏は、エコノミスト誌の表紙を批判し、「20年間で15回選挙が行われた。国民以外に私たちは問いかけることはなかった。エルドアン氏の運命とトルコの運命はまるで表裏一体だ。エコノミスト誌が私たちを良く思っていないのは誇っても良いことだ。「『エルドアンでなければなんでもよい』という考え方は国内・国外でも存在する。私たちが独裁制に向かって歩みを進めているとはどういった意味なのか?もしそうなら、選挙を行うか?」と述べた。


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翻訳者:大屋千寛
記事ID:54854