子殺害・妻傷害のウクライナ人被告、法廷へ―アンタリヤ

2023年02月05日付 Cumhuriyet 紙

アンタリヤ県アランヤ郡で子ども二人を殺害し、妻を負傷させたウクライナ国籍のオレクシ・オレクシヨビチ・ナヴロツキ容疑者(38)に「親族内殺人及び殺人未遂」の併合罪により終身刑が求刑され、拘留されている裁判の二度目の審理がおこなわれた。同容疑者は法廷尋問のなかで 「どうやってやったのかわからない」と語っている。

ウクライナでの戦争から逃れてきたオレクシ・オレクシヨビチ・ナヴロツキ容疑者と妻のユリア・ナヴロツカさんは、昨年5月21日、滞在していたアランヤ郡サライ地区ギュゼルヤル通りのアパートホテルの一室で口論になった。

口論がエスカレートすると、ナヴロツキ容疑者はユリアさん、娘のテチアナちゃん(6)、息子のキルルくん(4)を刃物で刺した。ユリアさんは腕を負傷し、子どもらは死亡。拘束されたナヴロツキ容疑者は「故意による殺人」容疑で逮捕され、アランヤ郡L型閉鎖刑務所に拘留された。亡くなった姉弟の遺体は航空機で母国に運ばれ、ユリアさんは治療を終えたのちに退院した。

■元国会議員

オレクシ・オレクシヨビチ・ナヴロツキ容疑者は、ロシアによるウクライナへの宣戦布告後、まずイタリアに行き、2022年3月に家族とともにアランヤにやって来て、アパートに住み始めたことがわかっている。同容疑者はハルキウ州の国会議員だったこともあり、戦争前はハルキウの大学で講師を務め、経済学を教えていたという。

この事件はアランヤ第二重罪刑事裁判所によって審理された。息子のキルルくんと娘のテチアナちゃんの喉を刃物で刺殺したナヴロツキ容疑者は、「親族内殺人及び殺人未遂」の併合罪により終身刑が求刑されており、今回、二度目の法廷に立った。

■「事件のことを覚えていない」

アランヤ郡L型閉鎖刑務所に拘留中のナヴロツキ容疑者は、視聴覚情報システム(SEGBİS)を通して法廷に出席。同容疑者の通訳士と弁護士が同席した。通訳士を介して事件当日のことを覚えているかどうか尋ねられた同容疑者は、事件を覚えていないと主張し、 「どうやってやったのかわからない」と述べた。

ナヴロツキ容疑者の弁護士は、かつて同容疑者が法医学研究所から精神状態に問題ないとの報告を受け取っていたことに言及し、同容疑者を3日間監視下に置き、あらためて精神鑑定がなされるよう要求した。

法医学研究所の報告書では被告の精神状態が正常であると判断されていることから、裁判所は不足している書類を補完して拘留を継続することに決め、審理を4月28日まで延期した。


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翻訳者:原田星来
記事ID:54947