■ タラバーニー大統領、「空港閉鎖のため」テヘラン訪問を延期
2006年11月25日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
イラク政府高官が自制を呼びかけ、当局がバグダード市内に「無期限の」外出禁止令を敷いたのにもかかわらず、イラクでは昨日も流血の宗派主義的暴力がひきつづき発生した。バグダードではシーア派の武装グループがスンナ派の居住地区を襲撃し、モスク4ヵ所に放火、礼拝客に襲いかかった。この攻撃で少なくとも30人が殺害された。木曜日にバグダードのシーア派地区であるサドル・シティーに対して行われた、2003年3月にアメリカによるイラク侵攻が始まって以来もっとも多くの犠牲者を出した爆破攻撃への報復と見られる。
これに先立って、イラク北部タッルアファルのシーア派地区の市場では自爆攻撃者2人が自爆し、死者の数が23人に上った。またバグダードの複数の地区に迫撃砲弾が落下した。このため宗派間の緊張が増大し、イラクが全面的な内戦へ突入する恐れが出てきている。
アメリカ政府は、少なくとも215人の死者を出すという結果になった木曜日の一連の爆破事件を非難し、「ブッシュ大統領と(ヌーリー・アル=マーリキー首相は来週、イラクの治安と、平和と安定の確立への道筋について話し合うため(アンマンで)会談を行う」と述べた。しかしシーア派指導者ムクタダー・アル=サドルの支持者たちは、もしも会談が行われた場合にはイラク政府および国民評議会から自分たちの政治勢力を脱退させると警告した。
ブッシュ大統領とマーリキー首相は、アメリカ軍撤退開始の可能性を高めるため、イラクの治安部隊により一層の支配権を付与する方策について話し合うものと見られる。
水曜日と木曜日に予定されているブッシュ大統領とマーリキー首相の会談に先立ち、テヘランにおいてイラクのジャラール・タラバーニー大統領とイランのマフムード・アフマディーネジャード大統領の会談が今日予定されていた。タラバーニー大統領の今回のイランへの訪問は、シーア派民兵組織への援助を通じてイラク国内の抗争を激化させていると米国から非難されているイランからイラクの安定を実現させるための支援を取り付けるために計画されたものである。しかし昨夜タラバーニー大統領は外出禁止令の結果としてもたらされた「バグダード空港の閉鎖」により訪問を延期すると発表した。
イラン当局は、アメリカ政府がシリアおよびイランに「善意」の証拠を示してイラクの危機の打開に貢献するよう呼びかけたことを受けて、タラバーニー大統領の訪問中にシリアのバッシャール・アル=アサド大統領にもテヘランを訪問するよう呼びかけるという外交的な措置をとろうと試みていた。
イラン大統領府の広報局によれば「[マフムード・アフマディーネジャード大統領は]シリアのバッシャール・アル=アサド大統領およびイラクのジャラール・タラバーニー大統領に対して、イラク問題について協議を行い、相互の誤解をといて解決策を見出す試みのために、テヘランを訪問するよう呼びかけた」とのことである。
しかしこの提案はダマスカスかバグダードにおいて、或いはどちらの首都においても、受け入れられなかった。イランのマヌーチェフル・モッタキー外相は木曜日に「そのような会談は日程に上ってはいない。…準備が整い次第、このような首脳会談の開催が発表されるであろう」と述べた。
シリア政府はアサド大統領が首脳会談に出席する可能性については沈黙を守った。おそらく、イラン政府が微妙な立場に置かれることのないよう配慮したものと思われる。
URL: http://www.tufs.ac.jp/common/prmeis/data/nahar/061125nahar_class.mht
(翻訳者:南・西アジア地域言語論(アラビア語メディア翻訳))
編集 ニュース一覧ヘ