2006-06-10  ザルカーウィーの殺害で学生生活にも悪影響(サバーフ・ジャディード紙)

■ ヒブヒブの学生たち、広範囲な拘束が続き恐怖が充満するなかで学年末試験に向かう

2006年06月10日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HP1面

【バアクーバ:「イラクの声」通信社】

 ディヤーラ県ヒブヒブ地区の住民らが土曜日に語ってくれた目撃証言によれば、米軍によって完全に包囲された地区の上空を米軍のヘリコプターが早朝から旋回し、恐怖が一帯に広がる中、ヒブヒブの学生達が学年末試験に向かった。

 「イラクの声」通信社の女性記者がディヤーラ県高官のひとりにこうした治安措置と地区への道路封鎖の状況について質問したところ、同高官はそうした状況の存在は認めたものの、一切のコメントを拒否した。

 また「イラクの声」が昨日朝に行った電話インタビューで別の目撃者は、ヒブヒブでは一昨日から広範囲な拘束作戦が続けられており、また同地区の樹木を伐採する準備のため、米軍が数十台のブルドーザーを運び入れたのを住民らが目にしたと語った。

 こうした恐怖に包まれる中、ヒブヒブの学生たちは足取り重く学年末試験に向かったが、その目には今起きつつある、あるいは道中遭遇するかもしれない出来事への恐怖がにじんでいた。

 中には子弟を学校に送り、試験が終わるまで待って、家に連れ帰る家族もあり、ウンム・ハイサムもそうした一人だった。彼女は息子が妹を学校まで送るというのを心配し、自分自身で送迎することにしたのだ。

 学生の一人、ハーリド・ハズアルは、「一昨日もその前日も騒ぎのせいで勉強できなかったけど、試験に行くよ。神様がついてるさ」と語った。一方、女子学生のノハー・アリーは「学生に何の罪があるの」と問い、「この地区がかくまった人たちについて、私たちに責任は無いわ。なんで私たちが罰せられなきゃいけないの?」と述べた。

 他方、ディヤーラ県ハーリス郡ヒブヒブ地区の学生の親達は、子どもたちが試験を受けられるよう、ヒブヒブ全体を爆破するとの噂が流されて地区全体が恐怖に陥っている状態を終わらせて欲しいとイラク政府に懇願した。

 米軍とイラク軍共同で一昨日、「イラクのアル・カーイダ機構」リーダーのアブー・ムスアブ・ザルカーウィーが殺された家の周辺の家屋や農園からは、すでにほとんどの住民が避難している。

URL: http://www.tufs.ac.jp/common/prmeis/data/sabahjadid/060610sabahjadid_class.mht

(翻訳者:南・西アジア地域言語論(アラブ・メディア翻訳))

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