2006-09-18  ローマ法皇に対する抗議が拡大 ハムシャフリー紙

2006年9月18日付ハムシャフリー紙

【政治部】昨日、ローマ法皇に抗議する動きがイランで拡大する中、法皇ベネディクト16世は毎週日曜日の聖餐式で、自らの発言を詫びることなく、発言に対するムスリムの反発に改めて遺憾の意を表明した。

 昨日、抗議運動は声明の発表という段階から、全国各地、特にゴムとマシュハドでの抗議集会の開催へと発展した。ゴムの神学生らは同市にあるフェイズィーイェ学院で集会を開き、キリスト教宣教師とバチカン外交官らのイスラーム諸国からの追放を要求した。マシュハドでも、数千名の大学生・神学生らが座り込みの抗議運動を始めた。

 他方、イラン外務省は駐イラン・バチカン大使を外務省に召致し、法皇の発言に対するイラン政府の深い憂慮と抗議の念を伝えた。外務省西欧局長はこの中で、法皇が個人的に謝罪することでのみ、生じてしまった誤解を埋めることが可能だと強調した。バチカン大使はこの会見の中で、法皇には侮辱の意図などなく、ただ諸文化・宗教・文明間の暴力のない交流を強調したかったのだ、と釈明した。

 ▼ アルメニア人の反応

 他方、テヘランのアルメニア正教会代表は、宗教とムスリムの外的感情が傷つけられたことに遺憾の意を表明した上で、諸宗教の連帯・団結の必要性を強調した。この声明はさらに、法皇は世界のカトリックのキリスト教徒の指導者であって、キリスト教全体の指導者ではないと述べた。

 国会のアルメニア教徒選出議員であるゲオルグ・ヴァーレターン及びロベルト・ベグレリヤーン両議員は共同声明の中で、現在の世界は平和を必要とする状況にあり、諸宗教の信徒たち、宗教指導者たち、政治家たち、学識者たち、及び知識人たちの間で相互理解を確立することが肝要だとした上で、法皇が行ったこの種の発言は、きちんとした説明なくしては、神聖なる諸宗教の信徒たちの誤解を煽り、感情を逆なでし、信仰心を傷つける以外の結果を生まないだろう、と指摘した。

 ▼ ウラマーの反応

 シーア派の宗教的権威らによる広範な反応に続き、アーヤトッラー・サーネイーも声明を発表し、次のように表明した。「思考と理性、平和と安定、人道主義と愛を基礎としたイスラームの光り輝く法規範を理解し、対立を煽り明らかな虚偽に満ちたあのような発言は慎まれるよう、ローマ法皇閣下には期待したい。現在ローマ法皇閣下には、自身の発言を訂正し、キリスト教の偉人たちや過去の教皇がイスラームとキリスト教の双方に対して払っていた敬意・尊厳を傷つけ、テロリズムによる暴力を煽ることのないよう、期待する。熟慮することなく〔ビザンツ皇帝の〕あのような発言を引用し、諸宗教の信徒たちが神聖視するものへの侮辱に道を開くような言動は、好ましくない」。

 他方、セイエド・アフマド・ハータミー師は、昨日ゴムで開かれた神学生らの抗議集会について発言する中で、「法皇はもう一度イスラームのもとに来て、宗教家らの前で跪き、二度とこのような大胆な真似をせぬよう、イスラームをよく学ぶべきだ」と述べた。ゴム講師協会のメンバーである同師は、偉大なる預言者に関する法皇の発言は子供じみているとし、「法皇の発言から、彼がイスラームの初歩も正しく理解しておらず、イスラームに関する正確な認識を有していないことが明らかとなった」とも語った。

 〔後略〕

URL: http://www2.hamshahri.net/hamnews/1385/850627/news/siasi.htm#s33552

(翻訳者:斎藤正道)

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