■これらは決して愛国心ということにはならない
エルドアン首相は、公正発展党の党キャンプの閉会式で行った演説でも(フラント・ディンク氏)殺害に関する評価を行った。エルドアン首相は「このような事件によってトルコを自閉的環境に陥れる、悲観的な状況や憤慨することへ引きずり込むことを(犯人等が)考えているのならば、これを成功させることは絶対にできない。国民の存在意義に対し平和と安定を願う人々には、どんな可能性もある。しかし、(このような事件は)決して愛国心ということにはならない」と述べた。トルコが獲得した平和な環境に影を落とそうと企む輩には、いずれ深い失望が訪れるとエルドアン首相は主張する。またエルドアン首相は次のことを述べた。「責任のあるものたちすべてに呼びかける。これは突如発生した事件ではない。この問題以前にもゲリラ行為を経験している。これらは突発的な事件ではない。この事件に関して、私たちは団結する必要があり、また国民の将来を考える必要がある。もし国内外でトルコに悪しき行いを企てているのなら、それを企てる人々すべてが悪業の報いを受けることになるだろう。」
■マフムット氏(公正発展党)は、寡頭制を提案しているのか
昨夜終了した公正発展党の第八回協議評価会議には、国会議員等の目立った提案と批判が起こった。公正発展党のアリ・アイドゥンオール議員(バルックケシール県選出)は、諸大学において、民族主義者行動党のように寡頭制に移行することを提案した。450万人の有権者が、初めて投票することを思い出させたアイドゥンオール議員は、「民族主義者行動党は、諸大学で大変な実力を持っている。私たちも民族主義者行動党のように学長を任命すべきだ」と述べた。この提案に回答しなかったエルドアン首相は、マフムット・ドゥルドゥ議員(ガズィアンテップ県選出)の「組織体のリーダーを、前もって行われる選挙で明らかにするべきだ」という提案に対して、次のような強い反発心を露にした。(エルドアン首相は)「マフムット氏、寡頭制を提案しているのですか」。メフメット・ユルマズジャン議員(カフラマンマラシュ県選出)が党の得票率が落ちたことを発表したことに憤慨していたエルドアン首相は、最新の世論調査で公正発展党が31.7パーセントの支持を得ていることを述べた。エルドアン首相は、「共和人民党が13パーセント、民族主義者行動党が6パーセント、正道党が5パーセントという結果が現れている。私たちは、さまざまな組織にアンケートを依頼しているので、比較させてみることもできましょう。得票数が低下したアンケート(結果)を知りつつ説明した。これは一種の政治戦略である」と述べた。エルドアン首相は、アール党首(正道党)が「平原で政治」(注1)と述べたことが正道党を(政治的に)終わらせたことも主張した。
(注1)2006年秋ごろ正道党のメフメット・アール党首がクルド労働者党のゲリラ活動に関して、「山岳地帯で武力行使をする代わりに平原で政治を行わせなさい」とクルド労働者党に恩赦を与えているような発言したことに、国軍参謀総長ヤシャール・ビュックアヌット将軍が憤慨した背景がある。アール党首は、クルド労働者党が行っている政治活動と武力行為を互いに切り離すことが望ましいというのがこの発言の目的であったこと、そして武力だけでなく社会経済的な広い意味でのテロ対策が必要であると弁明している。
URL: http://www.zaman.com.tr/webapp-tr/haber.do?haberno=490915
(翻訳者:稲葉毅)
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