パレスチナ大統領、ファイヤード財務相に非常事態政府の組閣を任命
2007年06月17日付 al-Quds al-Arabi紙

■ アッバース大統領、ファイヤード財務相に非常事態政府の組閣を任命
■ イスラエルは新内閣と協力し、アメリカは経済封鎖を解除
■ ハマースは合法政権に対するクーデターとの見解、マシュアル政治局長はハマースに権力掌握の意思があることを否定

2007年06月17日付クドゥス・アラビー(イギリス)HP1面

【ラーマッラー、ガザ:本紙ワリード・アワド、アシュラフ・アル=ハウル】

 パレスチナのマフムード・アッバース大統領は、軍事部門の戦闘員がガザ地区の完全支配に成功したハマースのイスマーイール・ハニーヤ首相率いる内閣を解散した翌日、サラーム・ファイヤード自治評議会議員を非常事態内閣の首相に指名した。

 ハマースはファイヤード氏の首相指名を合法的に選ばれた政府に対するクーデターであり、パレスチナのあらゆる法律に逸脱しているとの見解を示した。

 ハマースのサーミー・アブーズフリー報道官は、「これは合法政権へのクーデターであり、パレスチナの法律とあらゆる国民的合意からの逸脱だ。我々はマフムード・アッバース大統領に対してこの措置を撤回するよう呼びかけ、現行内閣の閣僚でもあるサラーム・ファイヤード氏に対してこの違法な任命を拒否するよう呼びかける」と述べた。

 欧米やイスラエルの高官らは金曜日、「合衆国とイスラエルは非常事態政府をバックアップするため、ヨルダン川西岸地区への経済制裁を早急に緩和することを検討している」と明らかにした。

 あるイスラエル高官は匿名で、「イスラエルのエフード・オルメルト首相とアメリカのジョージ・ブッシュ大統領は、来週ワシントンでいくつかの措置について議論する予定であり、その中にはイスラエルが代理徴収している税金の一部をアッバース大統領に引き渡す問題も含まれる」と述べた。またパレスチナ高官らは、「アメリカのブッシュ政権が、ハマースが政権についた際に課せられた援助物資の搬入禁止措置を解除すると伝えてきた」と語った。

 あるイスラエル高官は金曜日に、「新しいパレスチナ非常事態内閣が中東和平カルテット(米・EU・国連・露)の課した条件に応じ次第、財政分野を含む完全な協力を再開する用意がある」と述べた。

その頃ハマースはガザ地区の軍事・行政施設への支配を確立し、恐れと警戒が入り混じった静けさが地区を覆った。

ファタハ所属の治安部隊の拠点をハマース戦闘員が制圧したことを祝して数千人のハマース支持者らが通りに出て、ハマースとその指導部を支持するスローガンを繰り返した。この一連の動きの中で解任されたイスマーイール・ハニーヤ首相は、平穏と自制を保ち、パレスチナ人民のモラルに反する家屋に対し、いかなる措置をも取らぬように求めた。

他方で、ハマースのハーリド・マシュアル政治局長は金曜日、ハマースがパレスチナの権力掌握を意図していることを否定し、問題はファタハとの間にあるのではないと強調した。マシュアル氏はダマスカスから、「問題はファタハ、あるいは兄弟であるアッバース大統領との間に存在しているのではない。我々は彼の正統性を尊重するし、彼の正統性には議論の余地はない。彼は選挙で選ばれた大統領であり、我々は国民和解のために彼と協力する」との声明を出した。

またマシュアル氏はファタハとハマース間の危機への根本的な責任は国際社会にあるとし、「イスラエルの犯罪に沈黙した国際社会に事件の根本的な責任がある。パレスチナの内部危機に根本的な責任を負うのは国際社会であり、我々もその責任の一端を担う」と語った。

アッバース大統領の政治顧問を務めるアフマド・アブドゥッラフマーン氏は金曜日、マシュアル氏が衛星ニュースチャンネルのアル=ジャズィーラを通じてダマスカスの本拠地から対話を呼びかけたのに対し、ハマースとのいかなる対話をも拒否した。

(後略)

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(翻訳者:新谷美央)
(記事ID:11203)