アラブ連盟改革委員会が報告:憲章の見直しと市民権の概念強化
2013年03月26日付 al-Hayat 紙

■アラブ連盟改革委員会が報告:憲章の見直しと市民権の概念強化

2013年3月26日『アル=ハヤート』

【ドーハ:ムハンマド・アル=マッキー・アフマド】

今日(26日)ドーハで開かれるアラブ首脳会議は「アラブ連盟改革・発展のための独立委員会」による報告が議論する。報告は一昨日(24日)アラブ諸国の外相らが提出したもので、同連盟の憲章の見直し、2つのアラブの司法・人権裁判所の設立、より広範な市民社会組織による決定への参加、アラブ安全保障・平和評議会の行動規範の再考、民族の起源または宗教的信条を問わず共通したアラブ・アイデンティティー概念の強化を呼びかけた。

本紙がアラブ高官筋から入手した同報告の文書によると、報告は「アラブ連盟憲章の見直しと、発展過程の継続を可能にする恒常的な仕組みの設立」を呼びかけている。報告は「連盟の憲章は、制定から60年以上経たものであり、この間共同行動の概念や諸分野は発達した。見直しは、こうした発達に歩調を合わせることである」と述べた。また同報告は「アラブ連盟が1945年の構図が反映された第一世代の地域機構のモデルから、EUやアフリカ連合などの最新世代の地域機構の成功および失敗から教訓を引きだす新しいモデルへと移行すること」を求めている。

また同報告は「共通するアラブ・アイデンティティーの上に成立し、その勢いを活用するアラブの行動の将来像を策定することで、そのアイデンティティーの定義がより包括的かつ例外の少ないものになり、個人および集団ごとの定義を集約すること」を求め、さらに「個人の民族の起源または宗教的信条、特定の宗派への所属、アラブ世界の中に永住しているかどうかを問わず、アラブ人の定義がアラブ国家の国籍を所有するすべての人間を意味するものになる市民権の原則の将来像作り」を求めている。

同報告は、この概念が「われわれアラブ諸国内の多様性および文化的多元性の尊重に最も近いものである。そして、誰がムスリムなのかキリスト教徒なのか、スンナ派なのかシーア派なのか、アマーズィーグ(ベルベル人)なのかクルド人なのか、あるいはその他の何かなのかということに関する話よりも有意義なものである」と明言している。

同報告は「アラブの重要な共同行動の諸分野を政治的相違から中立化する」ことの必要性を強調しており「水と電気のアクセスに関するプロジェクトや産業プロジェクト、市民の移動や財・サービス・資本の流通の自由」などを挙げている。

(後略)

(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:辰巳新 )
( 記事ID:29558 )