エジプト軍全権掌握に、トルコ各党一斉に批判声明
2013年07月03日付 Milliyet 紙

ヒュセイン・チェリキ氏は、「ムルスィーを政権につけた大衆は、自身の票や名誉を守るべきだ」と述べた。
共和人民党(CHP)のファルク・ローオール副党首は、エジプトで、さらに事態が悪化することを我々は望まないと述べると共に、「あらゆる場所でもそうであるように、軍が政治に介入することが適切なことだとは思わない」と発言した。大統一党(BBP)のムスタファ・デスティジ党首は、エジプトの軍事クーデターにおいて、国際的な帝国主義勢力の力が関与していると述べ、エジプト国民の民主主義を守る必要があると呼びかけた。


公正発展党(AKP)の副党首であり同党のスポークスマンでもあるヒュセイン・チェリキ氏は、エジプトで軍が政権に介入したことに関して「ムハンマド・ムルスィー大統領は、軍の行動に対し抵抗しないのか、抵抗すれば内戦が起こるのか。現在、我々は知る由がないが、2日前に軍が与えた警告に対するムルスィー大統領の屈しない姿勢を評価するべきだ。ムルスィー大統領が、戦車や砲弾に対して抵抗しうる状況にあるのか。我々は分かり得ない。ムルスィー派が軍や反ムルスィ―派と衝突すれば、流血沙汰になる。そのようなことを我々は認めない」と述べた。
エジプトにおける危機に関して、アナトリア通信の記者に対しコメントしたチェリキ氏は、この国で民意によって選ばれた政府に対し、まず警告が与えられたこと、そして今、実際にクーデターが起こされたことを明らかにし、「このクーデターには外国の支持もある。西洋諸国の幾つかの国は、ムスリム同胞団の活動が政権に及ぶことを受け入れられない、受け入れたくないと思っている。まず広場で人々を動員し、その後警告を発し、今、クーデターを起こ した」と話した。
チェリキ氏は、エジプトでの出来事が、1960年と1980年のクーデターで、トルコで起こったことと似ているとし、「これは、エジプトが発展途上であることを示している。この出来事が、エジプトで起こったことを残念に思っている。イラン、エジプトは我々の兄弟である。イスラム諸国においても重要な位置を占めている」と述べた。

<中略>

■CHPのファルク・ローオール副党首:CHPとして我々は、エジプトで事態がさらに悪化することは望まない。

CHPのファルク・ローオール副党首は、CHPとして我々は、エジプトで事態がさらに悪化することは望まないと述べつつも、「あらゆる場所でもそうであるように軍が政治に介入することが適切なことだとも思わない」と述べた。
ローオール副党首は、アナトリア通信の記者らに対し、エジプトでは事態が急速に進んでいると述べた。
CHPとしては、エジプトで事態がさらに悪化することは望まないと強調し、あらゆる場所でもそうであるように軍の政治への介入が適切であるとも思わないと述べた。
またローオール副党首は、エジプトで起こった出来事が、ホスニー・ムバラク政権を倒し、アラブの春により始まった民主主義化プロセスの障害となるとし、この事態がエジプトへの民主主義の到来を遅らせることになるだろうと述べた。ローオール副党首は、この出来事がアラブ世界にも悪い影響を与えうると発言し、“軍は政権に介入することによって生じる緊張状態を防ぐだろう”という見解に対し、この状態を深刻に受け止めていると述べた。

■大統一党(BBP)ムスタファ・デスティジ党首:「エジプトのクーデターで、国際的な帝国主義勢力の力が関与しているのは明らかで確実である。」

大統一党(BBP)ムスタファ・デスティジ党首は、エジプトにおけるエジプトの軍事クーデターには国際的な帝国主義勢力の力が関与しており、エジプト国民の民主主義を守るべきだと述べた。デスティジ党首はアナトリア通信の記者に対し、世界のどこであろうと本当の、裏のない選挙でもって選ばれた合法な政府が、不正な方法で政権から引きずり落とされることは、今日まで認めていないし、今後も認めないと述べた。
ムスタファ・デスティジ党首は、「国民に銃身を向け、国民の意志を覆す戦車を、我々は受け入れたことはないし、これからも受け入れない」と述べ、続けて以下のように述べた:

「1年前、国民に選ばれて就任したムルスィー大統領が、今晩、軍事クーデターで退任させられることは、この文脈において受け入れられない。人の権利と自由を攻撃する最も大きなクーデターの1つとして我々はみなしている。エジプトにおけるクーデターには国際的な帝国主義勢力の力が関与していることは明らかであり確かだ。兄弟であるエジプト国民の自由、安全、繁栄の創出に努めていた合法なムルスィー政権が、不当な手段で退けられたことに関して、イスラエルとエジプトの間のキャンプ・デービッド合意の破棄に向けた動きも影響していると我々は思っている。」

デスティジ党首はエジプトにおけるクーデターが、少し前にトルコで起こったゲズィ公園運動への評価と言う観点で、良い教訓であり、良い例であると強調し、「エジプト国民に“お大事に”と言う言葉を掛けたい。エジプト人の兄弟には、民主主義や、自らの意志、選択を支持し、それらを守るよう呼びかける」と述べた。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:田中けやき )
( 記事ID:30679 )