ヨルダン:国王「イスラーム教の中に内紛が存在」
2014年10月21日付 al-Hayat 紙


■ヨルダン国王:イスラーム教の中に内紛が存在

【アンマン:AFP】

ヨルダンのアブドゥッラー二世国王は、王宮府が発表した声明によると、「イスラーム教の中で穏健派と過激派の内紛が起きている」と述べた。声明は、アブドゥッラー国王が月曜夜、多くのヨルダン議員との会見の中で述べた内容を次のように報じている。「全世界が穏健派と過激派の戦争状態にある。そして今日では、イスラーム教の中に内紛が存在する。だが残念ながら、われわれはアラブ人として、またムスリムとして、この状況の重要性を今まで認識してこなかった」。

また同国王は、「この過激主義はイスラム教に限ったものではないが、イスラエルの政策に見られる過激主義に相対するものだ」と続けた。そして、「イスラーム教の過激主義が存在すると同様、シオニストの過激主義も存在する。もしも過激主義が、すべての地域、またすべての国家勢力がその問題の克服を望むものならば、イスラーム教にしか過激主義が存在するとは言えず、むしろすべての側に過激主義が存在することを認識しなければならない」と述べた。

同国王は、「人々が認識すべきことは、問題が、穏健主義と過激主義の間にあるということだ。人々は、穏健主義と過激主義の方法の間で自らの立場を確定することが求められ、曖昧な立場を認めてはならない」と続けた。「イスラーム国」(ダーイシュ)がイラクとシリアの広範囲を破壊的な攻撃で占拠し、支配地域の拡大の為に激しい戦闘に乗り出している中、アブドゥッラー国王は、「対テロ戦争は長引くだろう」と警告した。声明によると、同国王は、「対テロ戦争は1、2年という短期間では終わらず、長期化し、数年間を必要とする。軍事的な戦争に必要なのが短期間であるなら、治安とイデオロギーにかかわる戦争はより長期間、おそらく10年や15年を必要とするだろう」と述べた。

そして、「ヨルダン・ハシミテ王国は過去も、そしてこれからも、テロリズムと過激主義――その起源、つまり宗教を名乗るものか、そうでないか、あるいは他のものを起源とするかにかかわらず、それを促進する全ての勢力――との戦いを続ける」と付け加えた。また、「兄弟であり友人である国々と共に対テロ戦争に参加するにあたり、近隣諸国と地域がそれぞれの混乱に苦しむ中、ヨルダンは国益の保護と治安の強化に注力する」と明らかにした。

なお米国は、(対イスラーム国)有志連合の筆頭として、8月8日にイラク北部の「イスラーム国」拠点に対して空爆作戦を開始した。

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( 翻訳者:倉持由貴子 )
( 記事ID:35628 )