シリア:ホルムズ海峡に代わるエネルギー輸送経路としての潜在的役割
2026年05月02日付 al-Watan 紙
■イラク産の原油がシリア経由で世界市場へ…ホルムズ海峡危機を受け、ラビーア・ヤアルビーヤ経由の陸路輸出を開始 シリアはエネルギーの代替ルートとしての役割を強める
【ダマスカス:本紙】
イラクは、イランによる恫喝と結びついたホルムズ海峡危機が続くなかで、シリア側の第2の陸路国境通行所であるラビーア―ヤアルビーヤを通じた原油輸出を開始した。
この通行所はハサカ県の最北東部に位置しており、専門家らは今回の動きについて、シリア領がエネルギーの代替的かつ安全なルートとしての役割を強めるものだとみている。
イラク税関庁のサーミル・カースィム・ダーウード長官は前日、報道声明で、シリア領を通じて原油を輸出する新たな陸路通行所の運用を開始したと発表した。
その目的は、他の通行所への負担を軽減し、ホルムズ海峡危機の下で従来の輸送ルートに伴うリスクを減らすことにあるという。
ダーウード氏は、「ラビーア・ヤアルビーヤ通行所を通じた原油輸出の開始は、イラクの物流環境が発展していることを示す重要な指標であり、国境通行所を、歳入を支え、地域貿易の動きを活性化させる有効な経済的原動力として位置づけるものだ」と述べた。
同氏はまた、税関庁が次の段階の要請に対応し、組織的な業務効率を高めるため、国境拠点の開発と近代化に向けた計画を引き続き実施していると説明した。
イラクは、ラビーア・ヤアルビーヤ通行所を通じた最初の原油輸出作業に着手し、第1陣としてタンクローリー70台をシリア領方面へ送った。
これは輸出ルートを多角化し、陸路通行所を通じた貿易・エネルギー輸送の効率を高めることを目指す戦略計画の一環である。
イラクは先月にも、シリア中部のワリード・タンフ通行所を通じ、シリア領経由で原油輸出を始めていた。この原油は、地中海に面するシリアのバーニヤース港を経て、欧州市場や米州市場へ運ばれるという。
こうしたイラク側の措置は、米国・イスラエルを一方とし、イランを他方とする戦争により、ホルムズ海峡の閉鎖危機が続く中で取られたものである。
イランは、世界のエネルギー供給の20%が通過していた重要なホルムズ海峡を支配しており、その結果、イラクの原油輸出は今年3月に約80%減少したとされる。また、イラクの原油生産量も日量400万バレル超から、およそ110万バレルまで減少し、石油収入は約70%落ち込んだ。
これに対処するため、イラク政府は、最低限の輸出の流れを維持する緊急計画の一環として、速やかに動いた。キルクーク―ジャイハーン線の再稼働、シリアとの陸上輸送の活性化、さらに代替通行所を通じた輸出通過を円滑にするための地域的な調整を進めている。
本紙に対し、専門家らは、イラクの一連の措置が、現時点では陸路、将来的にはパイプラインを通じて、シリア領をエネルギーの代替回廊として位置づける動きだと指摘した。
背景には、ホルムズ海峡の治安上のリスクと、同海峡を支配するイランによる恫喝があるという。
一方イラク国境通行庁のウマル・ワーイリー長官は、イラク政府がラビーア・ヤアルビーヤ通行所を通じた原油輸出の第1回作業開始を発表したと述べた。
ワーイリー氏によると、タンクローリーの台数は、採用されている組織上・治安上の手続きに従い、関係政府機関の直接監督の下で増やすことが可能だという。
同氏によれば、今回の措置は、ラビーア・ヤアルビーヤ通行所を原油輸出の戦略的回廊として活性化する出発点となる。これにより、他の通行所への負担を軽減し、販売ルートを多角化するだけでなく、国民経済を支え、歳入を増やすことにもつながるという。
ワーイリー氏はさらに、「今後の段階で見込まれる活動規模に対応するため、同通行所の受け入れ能力を高め、インフラと物流サービスを整備する作業が進められている」と述べた。
同氏は、陸路通行所を通じた原油輸出は、販売ルートを多角化し、従来ルートに伴うリスクを減らすための重要な選択肢だとした。
イラクとシリアの当局は今年4月20日、ラビーア・ヤアルビーヤ通行所を再開していた。この通行所は、治安情勢の悪化により13年以上にわたって停止していた。
イラクはシリアとの貿易交流を強化し、貨物輸送と人の移動を円滑にすることを目指している。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
( 翻訳者:国際メディア情報センター )
( 記事ID:62065 )