世界で大きな反響を呼んだ、フランスのジャーナリストによるベトナムに関する小説が出版される
2015年04月25日付 VietnamPlus 紙

 国土統一40周年を記念してキムドン出版社は、ベルギー人の作家・ジャーナリストであるジャック・ダノアの小説『世に戻る』(原題"La Terre Gourmande")をベトナム人読者向けに出版した。この作品はベテランのジャーナリストであるファン・クアンによりベトナム語に翻訳・紹介された。
 この作品は歴史の多くの隠された部分を理解させてくれる時事的な小説であるだけでなく、人間の運命と思考の葛藤を理解し、時代精神にあふれた人道的思想と生活について考察した小説である。
 かつて1950代のフランスで有名な舞台俳優だったジャック・ダノアは、時局に対し、とりわけ植民地主義に従属させられた国々の人民の民族独立闘争運動に自身の声をあげるべく、俳優業に別れを告げた。
 彼はルクセンブルク放送の戦場特派員になり、ベトナムに来る前には、アルジェリア、コンゴなどアフリカの多くの地で仕事をした。彼は、アメリカ軍とその手先による罪悪を直接自分自身の目で目撃し、アメリカ帝国主義の陰謀や手段を告発する、多くの現地報告を行なった。
記事を書く他にジャック・ダノアは著作や詩作をし、戯曲を書き、50冊近くの本を出版した。彼は多くの賞を受賞し、その中にはベルギー王室アカデミーのフランス語文学の大きな賞が含まれる。
 小説『世に戻る』は、旅行客、骨董品密売人、クメール人難民、ジャーナリスト、政治家、商人、軍隊士官、慈善活動家、スパイなど、さまざまな人がいるカンボジア・タイ国境地方を背景にしている。
 この小説は多くの短い断片から構成されている。多くの視点から、多くの語り手によって、異なった語り口で、時には独白になり、時には日記の形態を取り、時々は対話になったりし...、ジャック・ダノアは登場人物に周囲で生じていることについて感じていることや知っていることを自ら自分の考えを述べさせている。
 その地域で起こっている事実は、各登場人物の視点を通して次第に浮彫になる。ばらばらのような繋ぎ合わされた断片が徐々に結合されて、空間的・時間的・心象的な広さと深さをもった全体図をつくりだしている。
 1985年に発表された時、この小説は世界で大きな反響をよび、この国境地方で起きている多数の事実を明るみに出すのに貢献した。ジャック・ダノアの本の中のベトナム人兵士像は実に美しい。
 典型的なのはチャンという白髪混じりの知識人将校で、何か国語も操ることができた。彼は森の中で気絶していたクメール・ルージュの兵士を救い、危険をものともせず治療のためにその人を背負って老医師の家まで連れていった。
 ジャック・ダノアはチャンの記憶を通してベトナムの強い力を理解している。それはまさに、平穏で美しい故郷のための堅固な意志と何ものも屈服させることができない信念である。
 爆弾と死が常に隣り合わせの場所で、最も静寂な時に、ハノイはチャンの記憶のなかに現れる。最も甘美で魅力的なハノイが。「ハノイはベトナムで最も美しい女の子です。ハノイは深く入り込むのが最も難しい都市でもあります。沸き返っていますが、それは表面的に見せているにすぎません...」
 ハノイは、チャンとその同志たちが犠牲や苦しみを恐れず戦闘した原動力だった。ジャック・ダノアの小説『世に戻る』のなかで最も素晴らしい描写の一つは、ハノイに関して書いているくだりである。

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( 翻訳者:高木陽奈子、塙真知恵、榛澤萌 )
( 記事ID:1425 )