展示会「ベトナムにおける世界資料遺産」注目を集める
2016年05月16日付 VietnamPlus 紙


 5月16日、フエ阮朝王宮で展示会「ベトナムにおける世界資料遺産」が開催され、多くの旅行客や研究家の注目を集めた。
 フエ遺跡保全センター教授であるファン・タイン・ハイ博士によると、世界資料遺産(世界記憶遺産とも呼ばれる)は、世界中の多くの国と地域で、破損や忘れ去られるリスクのある、貴重な資料の保存と閲覧に関する需要の増加によって、ユネスコが1992年に始めたものである。
 記憶遺産は資料形式の文化遺産を記録するもので、その資料には本、映画、写真、音声(録音によるもの)、または筆跡や草稿があたる。
 今回の展示会「ベトナムにおける世界資料遺産」は、阮朝の木版、黎―莫朝(1442-1779年)の科挙の石碑、ヴィン・ギエム寺(バクザン省)の木版、阮朝の硃本を含む、4つの資料遺産の価値を紹介した。これらはいずれも、ベトナムの世界資料遺産として、ユネスコに認定されている。
 阮朝の木版は、2009年7月31日にユネスコに認定されたベトナムで初めての世界資料遺産である。現在この木版は、ラムドン省ダラット市の第4国家公文書センターで保存されている。
 阮朝の木版の次に黎―莫朝の科挙の石碑が2011年7月27日に世界資料遺産のリストに入った。(それ以前に、この遺産は2010年3月9日にアジア太平洋地域世界記憶遺産に資料遺産として登録されていた。)
 2012年5月16日、ユネスコは続いて、ヴィン・ギエム寺(バクザン省)の木版をアジア太平洋地域世界記憶遺産に資料遺産として登録した。
 そして2014年5月14日、阮朝の硃本もアジア太平洋地域世界記憶遺産に資料遺産として登録された。
 この機会に展示会ではさらに、世界資料遺産登録に向けてユネスコに提出する書類を作成中の3つの「遺産候補」であるフエ宮廷の建造物群の詩文、フエ仏教の木版、ハティン省フックザン校の木版も紹介した。
 ファン・タイン・ハイ博士によると、これまででトゥアティエン・フエ省は4つの世界レベルの遺産を持っている。フエの建造物群、宮廷音楽のほか、阮朝の木版、阮朝の硃本が世界記憶遺産の2つとなる。フエ宮廷の建造物群の詩文が登録されれば、フエでは栄誉を得る5番目の遺産となる。

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( 翻訳者:樋口由里子 )
( 記事ID:2600 )