マレーシアにおけるベトナム人の聖母道信仰の実践の実演
2016年11月18日付 VietnamPlus 紙
ベトナム人の聖母道信仰の実演
ベトナム人の聖母道信仰の実演

 11月17日夜、マレーシア首都クアラルンプールにおいて、ベトナム人の聖母道信仰の実践の実演が、国内外から集まった大勢の観客の前で披露された。 
 在マレーシア・ベトナム大使館のファム・カオ・フォン大使によると、これは大使館が外務省とベトナム信仰文化保存研究センターの協力と援助を得て開催した、ベトナム文化の夕べにおける活動である。
 外務大臣秘書官でユネスコ問題担当政府首相特使であるファム・サイン・チャウ氏はこのイベントでのスピーチで、実演の目的はこの特色ある信仰文化の形を独特で多様なベトナム文化同様に、世界の人々により理解してもらうことだと発言した。
 ユネスコ無形文化遺産保護条約(2003年)の政府間委員会が、ベトナムから提出された「ベトナム人の三府聖母道信仰の実践」の書類を審査するまでにあと十日余りだという背景があるので、この実演会は重要な意味を持つ。
 この実演会は、ベトナム独特の信仰文化の一形態について、観客たちにたくさんの奥深い印象を残した。
 観客はまた、ベトナム人の聖母信仰がもたらす意義を高く評価した。それは母の担う役割を尊重し高めると同時に文化や宗教、民族の文化の多様性を保つことやジェンダーの平等などを重視し、ベトナム人の積極的な環境保護の姿勢や自然と密接に結びついている安定した生活を願うということである。
 ファム・サイン・チャウ氏によると、聖母道はベトナム人が創り出したベトナム起源の信仰である。ベトナム人の三府聖母道信仰(四府聖母信仰と呼ぶ地域もある)は16世紀からベトナム北中部の各省で実践されていた儀礼の一つである。
 これはとても独特な芸術の形態であり、人々の母-宇宙の中心に対する尊敬の念や相互作用を表している。それは地の母、水の母、森の母のイメージである。これらは女性の地位や役割、ジェンダーの平等を重視し、美しい将来のために環境保護や森林保護、水の保護の問題や持続的発展を重要視するというユネスコの精神を体現したものでもある。
 またさらに神や民族の英雄から各地方の普通の人物やそれぞれ異なる民族に至る様々な儀礼様式を持つベトナムの聖母信仰は、宗教や文化、民族の多様性に対して尊敬の意を表しているのである。
 これらはユネスコが常に掲げ、人類の持続的発展のための重要な要素として見なしているものである。

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( 翻訳者:菊地紗希、西晶子 )
( 記事ID:3049 )