ハノイで「アーカイブ資料を通したフランス文化の痕跡」展覧会
2017年12月07日付 VietnamPlus 紙
ドゥメール橋。現在のロンビエン橋(写真:国家第一アーカイブズセンター)
ドゥメール橋。現在のロンビエン橋(写真:国家第一アーカイブズセンター)

 12月7日に、ベトナム国家記録アーカイブズ局はフランス[省庁間]アーカイブズ局と協力して、ヴー・ファム・ハム通り18番(ハノイ市)で「アーカイブズ資料を通したフランス文化の痕跡」展覧会を開催した。
 これはインドシナ[中央]図書館とアーカイブズ庁の設立100周年記念を機に、越仏外交関係樹立45周年に向けて開催されるイベントである。
 展覧会の開幕スピーチで、チェウ・ヴァン・クオン内務省次官は、過去何年間も、ベトナムにおけるフランス植民地時代のアーカイブズ資料という共通の記憶遺産を保存するという使命を持って、ベトナム国家記録アーカイブズ局とフランス・アーカイブズ局は、この貴重なアーカイブズ資料の価値を活かすために多くの意義ある活動を実施する協力を行ってきたと述べた。
 クオン次官は、この展覧会は両国のアーカイブズ局間の常に発展している一連の協力につながる活動であると強調した。
 これは、大衆、特に若い世代や研究者が、両国の歴史と文化に関する興味深い事柄を探求、発見するためにより多くの情報と資料を得る良い機会になるだろう。それにより越仏双方の国家アーカイブズ機関間で、アーカイブズ資料の価値を発揮する新しいプロジェクトが更に数多く実施され、両国の大衆の関心を集めることになるだろう。
 この展覧会では、フランスの特徴が濃いが首都ハノイの一部となった代表的な[物や内容を示す]150点の文書、写真、展示品などを紹介している。
 主催者によると、これらの文書の原本は現在、フランス・アーカイブズ局の国立海外文書館やベトナム国家記録アーカイブズ局の国家第一アーカイブズセンターに保管されているという。
 この展覧会は、「東アジアの一都市からヨーロッパ様式の一つの首都へ」、「西洋教育の受容」、「アーカイブズの記憶を保存する使命」、という3つのテーマに分かれている。
 数々の作品がヨーロッパ風の外観を持つ首都ハノイのイメージを見せる。インドシナ総督府、トンキン理事長官府、裁判所、オペラハウス、郵便局、ルイ・フィノー博物館、インドシナ大学、フランス女学校、保護高等学校、インドシナ政庁財務部、ハンコー駅やロンビエン橋…などのような、多くの代表的な建築がハノイ市の遺産になった。
 特定の歴史の時代の[都市]計画と建築の痕跡は、古風でもあり近代的でもある魅力的なハノイを生み出し、ベトナムと外国の観光客にとって魅力的な訪問先となった。
 また芸術作品は、フランス人の登場に伴い19世紀末に西洋教育が受容され、徐々にベトナムに導入されたことを反映している。
 この時期に建設された学校はいまだ、今日のハノイにおける学校制度の不可欠な部分である。チューヴァンアン、チャンフー、薬科大学、美術大学などのような各学校の教室やドア枠、廂の絵や写真にも、教育におけるフランスの痕跡が色濃く出ている。
 記憶を保存するという使命を持ち、植民地期のアーカイブズ資料は、ベトナムにおけるフランス文化の影響の痕跡を鮮やかに忠実に描写している。この重要な使命に特にフランス人が関心を寄せたことは、1917年にインドシナでアーカイブズ業務を管理するためにインドシナ[中央]図書館とアーカイブズ庁が設立されたことによって示されている。この機関の誕生は重要な節目となり、ベトナムのアーカイブズの転換点となった。
 展覧会は2018年3月7日に終了する。

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( 翻訳者:森葵 )
( 記事ID:4095 )