日本外相の表彰状が故ファン・フイ・レ教授に贈られる
2018年10月17日付 VietnamPlus 紙
ファン・フイ・レ教授・人民教育者と研究業績『ベトナムの歴史と文化』
ファン・フイ・レ教授・人民教育者と研究業績『ベトナムの歴史と文化』

 10月17日、ハノイにて、日本国政府と日本外務省河野太郎大臣に代わり、梅田邦夫在ベトナム日本国特命全権大使は、日越両国の学術交流及び日本研究専門家の育成、加えて両国人民への東遊(ドンズー)運動の紹介といった多大な貢献により、歴史学教授であり人民教育者であった故ファン・フイ・レ教授に対し、表彰状を追贈(訳注:死後に官位や勲章を与えること)した。
 これらの業績は、ベトナム-日本両国の相互理解向上に寄与した。
 贈呈式の挨拶で梅田邦夫大使は、ファン・フイ・レ教授はベトナムの一流の歴史学者であるにとどまらず、日越関係に関する深淵な理解を持った学者であり、日本とベトナムの相互信頼、友好関係の発展に絶大な貢献を行ったと述べた。
 多くの分野にまたがる教授の貢献の中でも、1987年の越日友好会議で副議長を務めた際にファン・フイ・レ教授が友好の懸け橋を担ったことは特に語られるべきものである。
 教授が参加してきた多くの文化交流事業の一つが、両国の学術研究活動であった。教授は、およそ16世紀のホイアンと日本の歴史的な関係性を明らかにすることに大きな貢献を果たし、現在の両国の友好的な交流関係の基礎を築いた。
 ベトナム歴史学会の会長という立場で、ファン・フイ・レ教授は日本とベトナムの学術交流や、ベトナムにおける日本研究専門家の育成に多大な貢献を果たした。
 2005年、教授は東遊(ドンズー)運動の100周年記念シンポジウムを指導して成功させ、2010年には、愛国志士ファン・ボイ・チャウ死去70年並びに浅羽佐喜太郎医師死去100年の記念活動も行った。
 上記のような事業により、東遊(ドンズー)運動並びにファン・ボイ・チャウ志士と浅羽佐喜太郎医師の間の誠実な友愛が両国人民に知れ渡った。このことは、両国の外交史上の重大な成果だと言える。
 1995年、ハノイ国家大学人文社会科学大学東方学科主任に再任されて以降、ファン・フイ・レ教授は特に専門分野としての日本学の発展に関心を寄せた。教授はベトナムにおける日本学研究の研究幹部育成並びに質の高い日本学研究の発展に多大な貢献を果たした。
 自身の話の中で、梅田邦夫大使はベトナムに着任してからの2年間に、2017年5月及び2018年1月の二度、ファン・フイ・レ教授に会う機会があったと述べた。大使は教授とベトナムの現状や越日関係について、多くの有益な情報交換を行うことができたこと、新たにベトナムに着任する幹部陣には、常々教授の話を共有しているとも語った。
 「教授にはまだお伺いしたいことが多くありました。そのためもあり私は教授のご逝去に深い悲しみを覚えています」と梅田邦夫大使は述べた。
 家族を代表し、ファン・フイ・レ教授の妻であるホァン・ニュー・ラン夫人は、日本政府及び日本外務大臣が教授の越日友好関係に対する貢献を認めたことに対し、心からの感謝の言葉を表明した。
 ホァン・ニュー・ラン夫人の述べるところでは、ファン・フイ・レ教授は、早期から文化の多様性と国際的な学術協力の重要性に着目していた。ベトナムにおける学術領域の国際交流を促す仕事において、教授は日本の協力を常々高く評価していた。「80年代、彼は日本の多くの一流の教授たちとの協力関係を構築しました。40年間にわたって、一学者として、夫は両国の相互理解がより深まるよう努力して参りました。私は、夫が構築に尽力した二国間の学術協力のネットワークが強く発展し続けることを切望しております」と、夫人は感激しつつ述べた。

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( 翻訳者:小泉友佑 )
( 記事ID:4594 )