ベトナム語、世界20大言語の一つに認定される
2020年10月21日付 VietnamPlus 紙
『Babel:20言語で世界一周』はオランダの言語学者、ガストン・ドーレン氏の著作である。
『Babel:20言語で世界一周』はオランダの言語学者、ガストン・ドーレン氏の著作である。

 著作『Babel:20言語で世界一周』の中で言語学者のガストン・ドーレン氏はベトナム語について興味深い内容を著した。

『Babel:20言語で世界一周』はオランダの言語学者、ガストン・ドーレン氏の著作である。 
 同氏は心血を注いでそれぞれに異なる言語を研究した。同氏は最終的に世界の6,000もの言語の中から20の「話者数の多い」言語を選び、それらについて執筆している。
 作品の最初の章でガストン・ドーレン氏は、9,500万人以上の話者がいるベトナム語について記している。
 同氏は、一年以上ベトナム語学習に注力し、この言語には多くの難関があることを認識した。
 「ベトナム語は6つの声調を持ち、声調が異なると意味が完全に変わるほか、9つの付帯する記号や、発話者の性別、尊重の度合いを表す多くの代名詞がある」とドーレン氏は述べる。
 「ベトナム語の文章は、1つから6つの文字による単語の非常に特異な集まりであり、理解し覚えるには丸暗記しなければならない」と同氏は明らかにした。
 作品の最初の章で、作者は次のように述べている。「私の知る他のどの言語にも、これほどまでに多くの符号をもつ言語は無い。幼い頃、父の”Paris Match”という雑誌がとても奇妙なものに感じられたのは、éやàといった文字や無数のアポストロフィがあったからだ。しかし、ベトナム語に比べればフランス語はより単純で平易なものに感じられる。9つを下回らない互いに異なる記号があるために(á,à,ả,ã,ạ,â,ă,đ,ô,ơの表記が用いられるが、私はơを人々がこの文字に用いる「ヒゲのo」という正統ではない呼び方が好きである)、ベトナム語は目が敏捷な人に向く言語である。これらの記号は、正確に発音するために欠かせないものだが、覚える際の負荷に多大に貢献している。ヨーロッパの多くの言語にある動詞の活用が難しい?ベトナム語に比べればどうということはない」
 著作は、当初2018年に英語で出版された。ガーディアン紙は、この本は「言語についての興味深い説明がされており、言語の多様性を称揚している」とコメントした。
 『創世記』(旧約聖書の第一書)によると、昔、同じ言語を話していた人々は、共に天国に届くようにとバベルの塔を建設した。バベルの塔が日に日に高くなるのを見た神は、異なる言語を創造し、言語の不統一を起こし、人々が以前のように容易に協力できないようにしてこの事業を阻止したという。バベルの塔は、人類の言語の多様性を代表する存在となった。
 世界にどれほどの言語があるかを示すのは、非常に難しいことの一つだ。ドーレン氏は、6000という数は今日の世界で話され書かれている言語の推定数を出すときに一般に言われる数であり、平均して125万人に一つの言語があることになる。
 「これは驚くべき多様性であり、私たちは何と巨大なバベルの塔の下に暮らしていることか!6000以上の言語があるということは、互いに異なる文化の世界観で満たされた6000もの精神的宇宙があるということだ」とドーレン氏は言う。
 難解な学術書とは異なり、『Babel:20言語で世界一周』は言語学の知識を持たない人でも読みやすく、楽しみながら学ぶことができる本である。
 各章は、言及する言語についての短い説明から始まり、異なる呼び名、語族、話者数、文法の基礎事項、発音と文字の書き方、さらには借用語の情報も記載されている。もちろん、これらの数字には明確な根拠はない。というのも、言語に関する統計値は変動するものだからだ。筆者は、多くの情報源を調べて統計を総合し、分かりやすく覚えやすいように平均値をとったとしている。

 著書の中で著者は、多くの言語が失われることで、民族の遺産や伝統の消失を招くことについての危惧を表明している。初歩的な統計から、地球上の少なくとも75%の人々は、この本の中で述べられている20言語のうち1つを使って交流できることがわかる。大言語の普及は、何百何千もの小言語の衰退を招いている。これは悲劇であり、もしすべての大陸でその土地の言語が使われなくなってしまえば、それは言語の中に記号化されている価値ある知識が失われることと同義である。
 ガストン・ドーレン氏は言語学者でありながら多言語話者でもあり、オランダ語、リンブルフ語、英語、ドイツ語、スペイン語を話すことができると同時に、フランス語、アフリカーンス語、フリジア語、ポルトガル語、イタリア語、カタルーニャ語、デンマーク語、ノルウェー語、スウェーデン語、ルクセンブルク語、エスペラント語を読むことができる。
 ドーレン氏は、著名な言語学雑誌“Onze Taal”に連載を持つほか、ブログ“Language Writer”を編集している。

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( 翻訳者:山本美帆 )
( 記事ID:5560 )