ベトナムにおける文化の多様性:理論・実践・政策
2020年12月14日付 VietnamPlus 紙
ハットサーム(伝統的歌唱の一つ)の演目
ハットサーム(伝統的歌唱の一つ)の演目

 ベトナムの文化の多様性は、生活様式・慣習・信仰・芸術・食文化・地方の知識などの文化的表現に表れている。

 文化研究所(ベトナム社会科学院所属)は12月14日にハノイで「ベトナムにおける文化の多様性:理論・実践・政策」というテーマで文化報告会議2020を行った。
 フォーラムは研究者がベトナムの各地・各民族の文化の多様性についての研究結果を発表し、議論する場となった。
 会議の開幕スピーチで、准教授で文化研究所所長のグエン・ティ・フオン・チャム博士は、ベトナムは伝統が多様で文化的特徴がそれぞれ異なる多民族国家の一つであると述べた。ベトナムの文化の多様性は、生活様式・慣習・信仰・芸術・食文化・地方の知識などの文化的表現に表れている。この実践と表現の多様性や豊富さは、各民族の持続的存在、アイデンティティや人間性の豊かさにとって重要な基礎である。
 そのため、この会議は文化の多様性に関する理論の問題、ベトナムや世界各国の文化の多様性に関する政策、過去と現在のベトナムにおける民族と民族集団の文化の表現様式、現代における文化の多様性の保存と発揮に関する問題、中でも政策的解決と実践のための行動についての討論に重点が置かれた。

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 民族学研究所のグエン・コン・タオ博士は、ベトナムにおける民族文化のアイデンティティへの視点について議論し、伝統文化と結びついたベトナム民族の文化的アイデンティティは、伝統的な家で暮らしたり、伝統的な舞踊を踊ることができたり、伝統的な歌を歌うことができたり、伝統的な楽器を使うことができたり、15歳以上で自身の民族の字を読み書きできるといった、伝統的な生活様式に従う現在の民族の割合が上昇したことを通じて現れていると述べた。
 さらにベトナムにおける民族の文化的アイデンティティも、言語・文化・自覚意識と同一であるが、これらは具体的な空間において明確な形で表現されるにとどまっている。
 チャン・クオック・フン講師(民族委員会所属民族学院)は、中心的人物に接近することで少数民族の文化の多様性を共有し、それぞれの集団の文化実践における焼き畑耕作、病気治癒、求婚、婚礼、労働交換、婚礼後の水汲みといった文化的生計的実践は、その民族ではない人間からすると「奇妙」で「普通ではない」が、その主体となる民族や集団の経済・社会・文化・霊魂的生活においては、それらは常に何らかの価値や論理性を持っている、と強調した。
 同様に、もし少数民族の視点、特に死者を「深く掘り、固く埋める」慣習を持つ民族の視点から見れば、改葬はもしかしたら「普通ではない」し「奇妙」で「衛生的ではない」かもしれない。しかし、北部デルタのベトナム人の価値観に則ると、これは彼らの霊魂的生活の中では非常に重要な意義を持つものである。
 会議では、参加者たちが討論に参加し、これまでのベトナムにおける文化の多様性の価値を保存し発揮する政策を提案した。

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( 翻訳者:秋山由莉奈 )
( 記事ID:5715 )