中国側、ベトナムの勅封のオークションを一時停止
2023年04月20日付 VietnamPlus 紙
【写真】記者団に質問を促すドアン・カク・ヴィエット外務省副報道官
【写真】記者団に質問を促すドアン・カク・ヴィエット外務省副報道官

中国側、ベトナムの勅封のオークションを一時停止


上海文化観光局の代表は、このオークションを一時停止し、ベトナム側と連携し関連情報を提供する用意があると発表した。



4月20日午後、外務省定例共同記者会見において、ドアン・カク・ヴィエット外務省副報道官は、中国のオークションに出されたベトナムの複数の勅封についての情報として、在上海ベトナム総領事館は文化スポーツ観光省、フート省人民委員会と協議の上、外務省の指示に従い、上海の各当局に連絡して協議し、これらの勅封のオークションを一時停止するよう申し入れたと発表した。

在上海ベトナム総領事館はまた、上海側に勅封に関する情報提供を要請した。

4月19日、上海文化観光局の代表は、このオークションの一時停止を決定し、ベトナム側と連携し関連情報を提供する用意があると発表した。

ドアン・カク・ヴィエット外務省副報道官は今後、外務省も文化スポーツ観光省や関係各地方政府、在外公館と連携して引き続きこの件を調査、協議し、今後の対策、措置を講じる予定であることを付け加えた。

文化スポーツ観光省によると、オークション会社「上海陽明拍売社」のウェブサイト上の掲載情報に基づくと、2023年4月 22日のオークションに出される現物オークション部門に、12冊の勅封に関する情報が載せられている。その中の3冊はフート省タムノン県ジナウ村のクォックテー寺院遺跡に所蔵されていた可能性があり、残りの9冊の勅封は、ハノイ、バクニン、ハーナム、ハイズオンの4地方のものである。

同時に、オークションにかけられる現物リストにはまだ多くのベトナムを起源としベトナム各地の遺跡などに関連がある可能性がある現物や勅封がある (その中にはハーナム省やナムディン省などのまだ売られていない勅封8冊もある)。

立憲君主制時代から1945年の8月革命の成功までのベトナムの行政文書制度において、勅封とは、爵職を功績があった人物に授け/封じ/加封/追贈したり、神に授け/封じ/加封するために朝廷(王) が公布した行政文書である。

勅封は、宗教・信仰の環境の中で維持され、歴史的遺跡の中で祀られ、村落共同体全体で世代を超えて保存されてきた。それは一種の文化財であり、希少な資料であり、多くの面で価値があり、学術的性格を持つというだけでなく、ベトナム村落の住民共同体の精神生活における神聖なものであるために、それを維持し守っていく必要がある。

文化スポーツ観光省は、遺跡、博物館や、各地方の直接管理ないし国が管理する責任のある関連地点における現物、遺物、古物などの管理責任を明示している。

しかしながら、ベトナムと中国は共に文化財の不法な輸入、輸出及び所有権移転を禁止し及び防止する手段に関する1970年ユネスコ条約の締約国であり、その中で 1970年ユネス条約の各締約国は共に「財産を所有する締約国の要請に従い、この条約が関係両国において効力を生じた後に輸入されたあらゆる文化財を回復し及び返還するため適当な措置をとる」ことを約束している。


【写真】記者団に質問を促すドアン・カク・ヴィエット外務省副報道官

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( 翻訳者:池本仁美 )
( 記事ID:6672 )