首相、新世代の経済回廊の三つの主要な内容を提案
2024年11月07日付 VietnamPlus 紙

首相、新世代の経済回廊の三つの主要な内容を提案


首相は、GMS(訳注:大メコン圏Greater Mekong Subregion)はその活動と発展において世界の全体的動向を把握し、メコン地域固有の開発ニーズに応えつつ、革新と創造を継続しなければならないと強調した。


【写真1】第8回GMS会議でスピーチを行うファム・ミン・チン首相(ベトナム通信社)


ベトナム通信社特派員によると、11月7日午前、第8回大メコン圏(GMS)首脳会議が、中国雲南省昆明市海埂会議場で盛大に開幕した。

会議にはカンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、中国、ベトナムの政府トップ、代表団長、アジア開発銀行(ADB)総裁や多くの国際機関及び地域機関の代表者が出席した。ファム・ミン・チン首相は、ベトナム高官代表団を率いて会議に出席した。

各代表らは、過去30年のGMSの発展の軌跡を振り返り、メコン川流域の発展への協力体制の多大なる貢献、中でも、交通、エネルギー、情報通信のインフラの構築、工業及び農業の生産能力の向上における貢献を高く評価した。

12,500km以上の道路と1,000km以上の鉄道が建設され、3,000MW近くの電力を生成し、2,600km以上の送電線が形成され、165,000世帯以上に電力を供給することができた。2021年から2024年の期間だけで、GMSはこの地域で500以上の開発プロジェクトを実施するため、約1,330億ドルを動員した。

南北と東西の経済回廊は、国家間の経済的な協力と連結の実質的モデルになり、地域の貿易と投資の促進と、海港、空港や大きな経済的中心地と遠隔地を結ぶことに貢献している。

第8回GMS会議は、技術革命の広範かつ多方向的な影響を深く認識し、「イノベーション主導の発展を通じて、より良いコミュニティを目指して」をテーマとして選択した。

中国の李強首相は開幕の挨拶で、イノベーションは経済成長の重要な原動力であると強調した。中国は、イノベーションの成果を移転し、ハード及びソフトインフラの連結を推進し、政策の連結、基準の調和、民間交流を通じてメコン圏の結合を促進し、行来を円滑にする準備があることを表明した。加盟国の企業や専門家に対し5年数次メコン-瀾滄ビザを支給することを約束した。

各首脳は、メコン圏におけるグリーン改革とデジタル改革のプロセスに寄与する科学技術の目覚ましい進歩を促すための協力を強化する必要性を強調した。これに従い各首脳は、デジタル化、グリーン改革、連結という3つの主要な柱を備えたGMSイノベーションシステムを構築することで合意した。

デジタル化については、GMSはデジタル人材の育成に関するプログラムやプロジェクトを促進し、国境を越えたデジタル経済の連結やデジタル経済の発展のための法的枠組みの構築を推進する。

グリーン改革については、GMSは天然資源、特に国境を越えた水資源の持続可能な利用と総合的管理において、環境に優しいグリーン技術を効果的に適用する各加盟国への支援に注力し、生態系と生物多様性を保護し、スマート農業を発展させる。

連結については、GMSは国境を越えた連結に関する創造的な解決の促進に注力し、管理機関と政策策定機関の間の対話を奨励し、知識、技術的解決法やビジネスモデルを共有する。

各首脳はまた、GMSと他の地域及び圏域の協力の体制やイニシアティブとの間の連携を奨励し、メコン圏の発展に新たな力を生み出すこと目指すとした。


【写真2】第8回大メコン圏(GMS)会議の本会議(ベトナム通信社)


会議でファム・ミン・チン首相は重要なスピーチを行い、32年間のGMS協力から得た教訓を要約し、新たな発展段階における体制の適切な方向性を指摘した。

首相は、メコン圏の国際統合と発展の進展におけるGMSの戦略的役割を確認し、GMSの成功から得た5つの貴重な教訓を強調した。第一は、平等かつ広範な協議の実施と共通利益のための加盟国間のコンセンサスの強化についての教訓。第二は、各国及びメコン圏の実際のニーズに即した実質的な協力戦略とプログラム構築に関する教訓。第三は、住民やコミュニティを中心とした協力についての教訓で、環境保護に即した経済的連結を促進する。第四は、各加盟国の努力と、ADB及び開発パートナーの協力を結び合わせることについての教訓。第五は、困難を力に変えて乗り切るという教訓で、困難であるほど我々はより
多く努力、決意、団結し、協力と発展を共に促進する力を生み出す。

首相は、GMSはその活動と発展において世界の全体的動向を把握し、メコン地域固有の開発ニーズに応えつつ、革新と創造を継続しなければならないと強調した。

こうした考えから、首相は、GMSがイノベーションを中心とした新世代経済回廊の開発に注力し、伝統的経済回廊の限界を超えるべき時が来たと考えているとした。そこに基づき、首相は新世代経済回廊の以下の3つの主な内容を提案した。

第一は、多主題、多分野、多段階の結合を志向する技術とイノベーションの回廊である。焦点が当てられるのは、技術とイノベーションにおける体制、政策、能力、及び人的資源と財政的資源を含む資源の不足を克服できるよう各国を支援することである。

第二は、伝統的な成長力を更新するとともに、新たな成長力を推進する経済成長回廊である。交通インフラ、工業・農業生産のプロジェクトと並行してGMSは、半導体、人工知能、新素材、クリーンエネルギーの回廊を構築し、デジタルプラットフォームを構築し、デジタル市場を拡大し、企業と労働者のデジタルスキルを向上させるための投資を拡大する必要がある。GMS域内の資本、商品、サービスの流れの円滑化において実質的かつ効果的な変化を生み出す必要がある。

第三は、持続的かつ包括的で、経済成長と環境保護の調和を確保し、人間を開発の中心、主体とし、人間が開発の原動力、資源、目的であるグリーン回廊である。GMSは、環境と生態系、自然災害管理、気候変動への対応に関する協力プログラムを更に推進する必要がある。GMSはまた、メコン・瀾滄川の効果的、持続的、公正かつ合理的な管理と利用において、メコン川委員会との協力を特別重視し、国境を越えた水源の総合的管理への技術の運用に協力する必要がある。

ファム・ミン・チン首相は、GMS加盟国が団結し連携して課題に対応する必要があることを強調し、「時間の重視、知識の重視、突破のための革新、遠くまで進むための創造性、前進するための統合、力をつける団結」の観点から、今回のサミットは、GMSのビジョンと目標の実現化に貢献することを確信すると述べた。


【写真3】第8回大メコン圏(GMS)会議の本会議でスピーチを行うファム・ミン・チン首相(ベトナム通信社)


首相は、ベトナムが引き続き加盟国や開発パートナーと緊密に協力し、革新的で創造的、ダイナミックで持続的に開発され、繁栄する大メコン圏を共同で構築していくことを確認した。

この会議は、GMS加盟国が共同宣言と2030年までのGMS発展のためのイノベーション戦略を全会一致で可決し、成功に終わった。この会議ではまた今後展開される、気候と環境、デジタル化、投資、ジェンダー平等、医療、貿易書類のデジタル化に関する6つの文書が承認された。

これに先立ち、GMS協力の枠組みの中で、11月6日午前、経済回廊沿いの知事と市長のフォーラムが開催された。これは、中国が先導して昆明で定期的に開催されており、GMS6加盟国の地方政府間及び企業間の交流や、長期的安定的協力の促進を目的としている。


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( 翻訳者:岩瀬陽香 )
( 記事ID:7119 )