最高検察庁がナディム・マカリム氏の海外への渡航を禁じた理由
2025年07月02日付 Kompas 紙
去る6月23日、クロームブックをベースとしたノートパソコンの調達に関する汚職疑惑事件に関して、最高検察庁の捜査官による取り調べを終えたナディム・マカリム元教育・文化・研究・技術大臣
去る6月23日、クロームブックをベースとしたノートパソコンの調達に関する汚職疑惑事件に関して、最高検察庁の捜査官による取り調べを終えたナディム・マカリム元教育・文化・研究・技術大臣

ジャカルタ、KOMPAS.com 配信

最高検察庁は元教育・文化・研究・技術大臣であるナディム・マカリム氏の海外への渡航を禁じた。


最高検察庁の法律情報センター長であるハルリ・シレガル氏は、2019年から2022年にかけて教育・文化・研究・技術省で発生したクロームブックノートパソコンの調達に関する汚職疑惑事件についての捜査を円滑に進めるため、ナディム元大臣の海外への渡航は妨げられたと述べた。

知られているように、ナディム氏は2019年10月23日以来、教育・文化大臣を務めていた。その後、2021年4月、教育・文化省は研究・技術省と統合され、教育・文化・研究・技術省となった。
同氏は、2024年10月20日にプラボウォ・スビアント氏がインドネシア共和国大統領に就任し、第7代インドネシア共和国大統領ジョコ・ウィドド政権の時代が終わるまで、教育・文化・研究・技術大臣を務めた。

ハルリ氏は、ナディム氏が去る6月19日から今後6か月間、海外への渡航が禁止されると明らかにした。「そうだ(海外への渡航を禁止された)。去る6月19日から今後6か月間だ」と去る6月25日、ジャカルタにてハルリ氏は語った。

知らなかった

出国禁止措置をめぐり、ナディム氏側は正式な通知をまだ受け取っていないと述べた。


同氏の弁護士であるホットマン・パリス氏は、自身とナディム氏は、警察庁や政府から出国禁止に関する書類や情報を、正式には受け取っていないと述べた。
「知らされていない。ニュースで知った」とホットマン氏は去る6月20日に連絡を受けた際に語った。

同氏は、去る6月28日の報道から3日後の30日までの間に、ナディム氏の海外渡航禁止に関する正式な声明は受け取っていないと述べた。
最高検察庁による捜査

ナディム氏は海外渡航の日程より前の去る6月23日、最高検察庁の特別犯罪担当副検事総長直属の捜査官による取り調べを受けていた。
同氏はクロームブックノートパソコンの調達に関する汚職疑惑事件に関して、取り調べを受けた。12時間の取り調べの後、同氏が証人として取り調べを受ける目的は、法的手続きに従うインドネシア国民としての責任を果たすためだと述べた。

「私が今日、一国民として公正かつ透明な法の執行を求め、最高検察庁にいるのは、民主主義とクリーンな政府にとって重要な意義を持つ」と同氏は発言した。

一方、ハルリ氏は、ナディム氏が大臣としての権限を追求するような質問を、少なくとも31個は浴びせられたと述べた。質問内容について、調達プロセスについての認識から従業員への流通、販売業者側とのやり取りがなかったかどうか、といった内容まで及んだ。
「(ナディム氏に対し)このクロームブック調達のプロジェクトの実行に関連した99兆ルピアの予算の使用に関して、大臣の立場としての知識はどうか質問がなされた」とハルリ氏は述べた。
その上、同氏は、ナディム氏がプログラムの計画内容や、ある販売業者との特定の関係についても執拗に質問を浴びせられたと述べた。
「クロームブックに関する、グーグル社等々によって行われた申し入れなど、いくつかの関係が存在している。その点については依然として議論中である」とハルリ氏は説明した。
クロームブック事件

報道によると、このクロームブック調達の汚職疑惑事件に関して、すでに捜査段階に移行しているにもかかわらず、最高検察庁は未だに容疑者の特定に至っていない。

ハルリ氏は、2020年の技術教育関連の設備の調達支援に関係した技術研究を作成するように技術チームを誘導するため、複数の関係者による悪質な共謀があったとの疑惑を、捜査当局が依然として詳しく捜査していると述べた。


同氏は「クロームOSをベースとしたノートパソコンの使用を誘導するためだ」と述べた。

しかしながら、クロームブックの使用は必須ではなかった。なぜなら、2019年、教育・文化・研究・技術省の教育通信技術センターにより、1000台のクロームブックを使用した試験が行われたが、その結果が効果的ではなかったからだ。

この経験を踏まえ、技術チームはウィンドウズOSの仕様を使用することを推奨した。
しかし、当時の教育・文化・研究・技術省は、この調査をクロームOSの使用を推奨する新たな調査に差し替えた。

予算面では、ハルリ氏はクロームブックノートパソコンの調達に9兆9,820億ルピアもの予算が費やされたことを明らかにした。

内訳として、3兆5,820億ルピアは教育ユニットの資金で、約6兆3,990億ルピアが特別配分資金からであった。

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( 翻訳者:田尾一馬 )
( 記事ID:7166 )