アファン・クルニアワンへの正義を待ち望む-ブリモブ装甲車にひかれたオンラインバイクタクシー運転手
2025年08月31日付 Kompas 紙

東ジャワ州マランでの抗議集会に参加するバイクタクシー運転手ら
ジャカルタ、KOMPAS.com 配信 – オンラインバイクタクシー(オジョル)運転手のアファン・クルニアワン氏(21)が、去る8月28日夜、中央ジャカルタのプンジェルニハンで警察の機動隊(ブリモブ)所属の装甲車にひかれ死亡した。
この事件は抗議の波を呼び、警察当局が謝罪する事態となっている。また、身柄を拘束された機動隊員7人に対し、透明性のある法的手続きを行うことが約束された。
バイクタクシーが装甲車に轢かれた経緯
事件は、去る8月28日のデモで、インドネシア国会議事堂前から解散させられた群衆が、中央ジャカルタのペジョンポンガン地区で再び騒乱状態となったことから始まった。
一般人が撮影しSNSで広く拡散された映像には、「ブリモブ(Brimob)」と書かれた装甲車が、逃げ惑う市民の中を高速で走る様子が映っていた。
その混乱のさなか、アファン・クルニアワン氏は必死に逃げようとしたが、装甲車は彼の体をひいてしまい、最終的に命を落とした。
この出来事は現場にいた群衆の怒りをかき立てた。当初解散しようとしていたデモ隊は、その後再び装甲車を取り囲んだ。
7人の機動隊員を逮捕
インドネシア国家警察は迅速に行動し、装甲車に乗っていた機動隊員7人を逮捕した。「現在、加害者7人はすでに確保している」国家警察職業安全部門長アブドゥル・カリム警察監察官は、アファン氏の搬送先のチプト・マングンクスモ国立病院(RSCM)で述べた。
7人の機動隊員はジャカルタ警視庁機動隊所属であるため、中央ジャカルタ・クウィタンで取り調べを受けた。
その後、ジャカルタ警視庁により7人の名前が公表された。アイプダ・M・ロヤニ、ブリプトゥ・ダナン、ブリプダ・マルディン、バハラカ・ヨハネス・ダヴィット、バハラカ・ジャナ・エディ、ブリプカ・ロマット、コンポル・コスマスである。
取り調べは、国家警察本部職業・安全部門と警察機動隊司令本部職業・安全部門の合同で行われた。
「その隊員らはジャカルタ警視庁機動隊所属のため、取り調べはクウィタンで行った」とアブドゥル・カリム監察官は語った。
初期調査の結果、アファン氏をひいた装甲車の運転手はブリプカ・ロマットであることが判明した。
一方、運転席の隣にはコスマス・カジュ・ガエ警部補が座っており、彼は機動隊先鋒部隊である第4連隊C大隊司令官を務める中級将校である。
残る5人、アイプダ・M・ロヤニ、ブリプトゥ・ダナン、ブリプダ・マルディン、バハラカ・ヨハネス・ダヴィット、バハラカ・ジャナ・エディは車両後部に座っていた。
「これが現在までに確認できた暫定的な結果だ」とアブドゥル・カリム監察官は述べた。
事件に使用された警察機動隊の戦術車両も、現在は証拠品として機動隊本部に押収されている。
「車両もすでに確保している」と同監察官は付け加えた。
国家警察長官と首都警察長官が謝罪
国家警察長官リストヨ・シギット・プラボウォ大将は機動部隊の装甲車にオンラインバイクタクシー運転手が轢かれた事件を受けて、すぐに謝罪の意を表明した。
「このような事件が起きたことを非常に遺憾に思い、心より深くお詫び申し上げる」と、同長官は8月26日夜に述べた。
同長官はすでに、国家警察内部の監察部門に対し、この事件を真剣に処理するよう指示したことを明らかにした。
また、ジャカルタ首都圏警察のアセップ・エディ・スヘリ警察庁長官も謝罪し、遺族に対して病院の費用、葬儀費用、葬儀後の儀式など、すべての費用を負担する責任を負うと述べた。
「私たちはすでに被害者のご家族と話をしており、病院の費用や今後の必要経費について、すべてこちらで負担することになっている」と、同長官は語った。
謝罪は、機動部隊の代表者からも行われた。ブリモブ・クウィタン基地では、ジェミー警部が指導部を代表して抗議していたオンラインバイクタクシー運転手たちと面会した。
同警部はデモ参加者の代表者を抱きしめながら、「私たちは被害者に深く哀悼の意を表す。遺族への責任は私たちが負う」と語った。
謝罪があったにもかかわらず、抗議する群衆は国家警察長官の解任を要求し続けている。学生たちによる演説では、この事件は現場での警察の過剰行動に対する国家警察の指導力不足を露呈したものだと批判された。
アセップ長官はカレットビヴァック墓地を訪れた際に群衆に罵られることもあった。同長官が立ち去る際に、緑色を纏ったオンラインタクシー運転手数百人が「殺人犯!徹底捜査しろ!」と叫んだ。
騒動は警察がバリケードを設置するまでに及んだ。いくつかのミネラルウォーターのペットボトルが本部長の方へ投げつけられた。
謝罪が大衆の怒りを未だ抑えられていないということが、緊迫した状況に表れていた。
リストヨ長官は国家警察委員会などを通じて透明に法的手続きを行うと再び強調した。
遺族は公正公平を求める
ジャカルタ中心部のメンテン地区の斎場ではアファン氏の家族が悲しみに包まれていた。母親は目に涙を浮かべながら息子の遺体を撫でているようだった。
オンラインタクシー運転手仲間は緑色を身に纏って参列し最後の別れを告げた。
「故人の父からは公正公平を求める旨を伝えられた」とアセップ長官は述べた。
同長官によると、本部は被告らを厳しく処分することでその要求を受け入れるとしている。
遺族は謝罪だけでなく、加害者への法的処罰の確実性も望むと明言している。
彼らは、捜査過程の透明性と加害した警官をかばうような行為の防止を要求している。
他方、数千人のバイクタクシー運転手が、カレットビヴァック公共墓地までアファン氏の遺体に同行し、見送った。
バンバン氏(21)によると、これは運転手仲間の連帯意識の表れであるという。
同氏は、「市民からも共感を得ていて、彼らも同じように悲しみを感じたようだ」と話した。
その他のバイクタクシーの運転手らも、アファン氏をひいた警察機動隊員7人が厳正な法的処罰を受けることを望んでいる。
「そしてより重要なのは、透明性をもって処理されることだ」とブルハン氏(28)は語った。
被害者遺族は、法的手続きを導き続けることを約束したバイクタクシーの団体から精神的・物質的支援を受けている。
彼らは、アファン氏のための正義は遺族だけのものではなく、警官の暴力への対抗の象徴でもあると強調した。
透明な法的プロセスを約束
国家警察は、7人の機動旅団隊員に対する取り調べを透明に行うことを確約した。彼らは現在、さらなる調査のために国家警察本部のプロフェッショナル・プロポーション課へ移送されている。
「透明かつ客観的に行い、外部機関も関与させる」と、国家警察広報課のトゥルノユド・ウィスヌ・アンディコ広報部長兼警察准将は述べた。
国家警察は、本件について刑事的側面と倫理的側面の両方を引き続き精査している。運転手が下士官だったとされるが、捜査官はこの悲劇に関与した他の6人の隊員の役割についても調べを進めている。
リスティヨ・シギット国家警察長官は、バイクタクシー運転手が機動隊の装甲車にひき殺された事件の解明において「隠蔽は一切ない」と強調した。
「関係するすべての者を必ず処分する。隠すことは何もない」と同長官は語った。
一方、使用された装甲車も現在、機動隊本部に押収されている。これは技術的な捜査およびさらなる証拠確保のために行われている。
被害者の遺族とバイクタクシー運転手仲間のコミュニティは、法的手続きの進行を引き続き見守っていくと約束している。彼らは、この事件が謝罪や金銭的補償だけで終わることを望んでいない。
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( 翻訳者:近帆乃香 )
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