賛否両論の中、政府がスハルト元大統領に「国家英雄」を授与した根拠
2025年11月10日付 Kompas 紙
去る11月10日、スハルト元大統領が「国家英雄」となることについて説明する、称号・勲章・名誉評議会のファドリ・ゾン議長(文化大臣兼任)
去る11月10日、スハルト元大統領が「国家英雄」となることについて説明する、称号・勲章・名誉評議会のファドリ・ゾン議長(文化大臣兼任)

賛否両論の中、政府がスハルト元大統領に「国家英雄」を授与した根拠
ジャカルタ、Kompas.com配信―インドネシア共和国のプラボウォ・スビアント大統領は、賛否両論ある中、「国家英雄」の称号をスハルト元大統領に授与した。
称号・勲章・名誉評議会のファドリ・ゾン議長は、この決定は長い時間をかけて慎重に検討されたと述べた。
「手続き上の問題点は一切なかったと認識している」と、同議長は去る11月10日、ジャカルタの国家宮殿で行われた10名への「国家英雄」の称号授与式後に述べた。
同議長は、称号・勲章・名誉評議会が、スハルト元大統領の独立初期の功績や、政権期間に国家を発展させた功績といった数々の貢献を、「国家英雄」授与の根拠としたと説明した。
「スハルト元大統領の功績、特に、闘争に関する功績が意味するものは何かが研究されてきた。その中には、3月1日の総攻撃、アンバラワでの戦闘、スマランでの5日間の戦闘に参加したこと、西イリアン奪還に向けたマンダラ作戦の司令官になったことが含まれる」と同議長は述べた。

「また、すでに読み上げられたと思うが、スハルト元大統領の5か年計画における取り組みは、貧困の削減や経済の活性化に貢献した。当時私たちは600%台に至る異常なインフレを経験し、経済成長率もマイナスだった」と同議長は続けた。

さらに、スハルト元大統領には多くの学校を建設した功績や、インドネシア共産党九・三〇事件を阻止した功績があるとされる。
「したがって、優れた学校の設立や、当時インドネシア共産党九・三〇事件を通じて行われた反乱を鎮圧したことも含め、非常に多くの功績がある」と同議長は述べた。
同時に、同議長は、スハルト元大統領の汚職事件や重大な人権侵害への関与を裏付ける証拠はないとも述べた。
「それは憶測にすぎない。その憶測はいまだかつて証明されていない」と同議長は続けた。
同議長は、スハルト元大統領を「国家英雄」とする取り決めは、草の根レベルから始まり、地方レベル、そして中央政府へと順を追って進められてきたことを強調した。
「下からのボトムアップな決定で、れっきとしたプロセスを経ている。法的にも、その他の点においても、一切問題はない」と同議長は続けた。
知られている通り、スハルト元大統領を「国家英雄」とする案は、反対する立場の者がいたため、注目を集めた。
去る11月10日、ジャカルタの国家宮殿にて、インドネシア共和国のプラボウォ・スビアント大統領はスハルト元大統領に対し、正式に「国家英雄」の称号を授与した。
この称号授与は、去る11月6日に制定された、「国家英雄」の称号授与に関するインドネシア共和国大統領令の第116/TK/2025号に基づいて行われた。
スハルト元大統領のほか、さらに9名が「国家英雄」の称号を授与された。その中には労働活動家マルシナ氏も含まれている。

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( 翻訳者:荻野勇貴 )
( 記事ID:7227 )