スマトラの洪水で見つかった丸太の謎
2025年12月03日付 Kompas 紙
北スマトラ州南タパヌリ県バタン・トル郡アエク・ガロガ村で、洪水後に積み重なった丸太の上を歩く住民。
北スマトラ州南タパヌリ県バタン・トル郡アエク・ガロガ村で、洪水後に積み重なった丸太の上を歩く住民。


ジャカルタ、KOMPAS.COM配信-アチェ、西スマトラ、北スマトラ地域を襲った洪水の災害は、現在、世間の大きな関心を集める不可解な事態となっている。

インターネット上で出回っている数々の動画の中では、濁った色の濁流が住宅地をのみ込むだけではなく、巨大な丸太が何千本も、まるで制御不能な弾丸のように激流に押し流されている様子が映し出されている。

このおぞましい光景は当然のことながら大きな疑問を呼び起こした。切り揃えられたこの木材は一体どこから来たのか。これは純粋に自然の猛威なのか、それとも上流で人為的な過失があったのか。

要請
インドネシア国民協議会(MPR)副議長のエディ・スパルノ氏は、北スマトラ州南タパヌリ県バタン・トルで起きた洪水で、多くの大型の丸太が流されていることを受け、政府に違法伐採の疑いを捜査するよう求めた。

発見された木材は樹皮すら剥がれた状態で、川の上流域で行われた伐採の残りとみられている。

「我々はすでに法執行の問題について議論してきた。現在、我々の目の前にある大量の丸太が、いったいどこからきたものなのか。この問題については、後続の対応が必要だ」と去る11月29日に、エディ氏はジャカルタ南部のカサブランカ・ホールで語った。

同氏は、伐採が規則に従って行われたかどうかを明らかにするために、調査を行う必要があると主張した。政府はその許可の有無をたどって確認することができる。

しかし、もし違法に行われていた場合は、現行の規定に従って処罰されなければならない。

同様の出来事が再び起こり自然災害を引き起こさないよう、抑止力となる法の執行が必要だとしている。

(写真)
北スマトラ州南タパヌリ県バタン・トル郡アエク・ガロガ村で、洪水後に堆積した丸太を見つめる住民。

調査チーム
インドネシア共和国国会第IV委員会副委員長アレックス・インドラ・ルクマン氏は、今回の洪水時に大量の丸太が流されていた件を調査するため、政府に特別調査チームの設置を促した。

しかし同氏は、この緊急対応期間中は、まずすべての関係者が目の前の対応に集中するよう促した。

「特別調査チームは必要だと考えている。しかし、まずはこの緊急対応期間を終えることが先決である」と、去る12月1日に、アレックス氏はジャカルタの国会議事堂で語った。

その後、同様の事態が再び起こらないよう、政府に対して原因の究明と再発防止策を講じることが求められる。

インドネシア共和国国会第IV委員会の議員ダニエル・ジョハン氏が、洪水の際に丸太が出現した件を解明するため、政府に調査チームの設置を強く求めた。

この調査チームが、今後同様の出来事が再発しないよう防止策を講じることにつながると期待されている。

「我々は政府が速やかに調査チームを設置し、実際に何が起きたのかを把握するよう求めている。そうすることで、原因を明らかにするだけでなく、同じ事態を繰り返さないための根拠にもなり、国民も状況を明確に理解できるようになる」と同氏は述べた。

内務大臣が回答
ティト・カルナフィアン内務大臣は、丸太の出所を突き止めるため、現地の当局とともに調査を行うと述べた。

「現地の法執行機関による調査が必要である。いまの段階ではまだ回答できない」と、去る12月1日に、ティト内務大臣は中央ジャカルタの内務省で取材に応じて語った。

現時点で同氏は、流されてきた丸太の正確な出どころについて把握していないという。

また、同氏によると、流木となった木材については、違法伐採によるものだという説のほか、朽ちた木が流されたという説も流れている。

「違法伐採によるものだという話もあれば、朽ちた木だという話もある」と述べた。

暫定的な見立て
林業省は、今回の洪水によって流されてきた丸太の出所についても、調査を進めている。

同省の法執行総局長ドゥウィ・ジャヌアント・ヌグロホ氏は、これらの木材はその他用途地域(APL)に所在する土地権利保有者(PHAT)の所有物であると推測していると述べた。

「見た目や一般的な観察によると、あの木材は伐採されたまま放置されて朽ちかけた丸太である。我々は、それがPHATの現場から運び出されずに残っていたものだと推測している」と、去る11月28日に、同氏はオフィスで述べた。

(写真)
林業省法執行総局長のドゥウィ・ジャヌアント・ヌグロホ氏は、林業省流域管理・森林回復総局長のディヤ・ムルティニンシ氏とともに、去る3月20日に、自らの執務室で記者会見を行った。

同氏によれば、林業省の法執行部門は、PHATを利用した違法伐採による窃盗の手口を暴く作戦を頻繁に行なっているという。

これには、アチェ、北スマトラ、西スマトラ地域で発見された複数の事例も含まれている。

「まだ確認中で、現場へのアクセスも難しい状況である。担当者たちも今まさに調査しているところだが、PHATとの関係に私たちは疑いの目を向けている」と付け加えた。

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( 翻訳者:根岸聖純 )
( 記事ID:7234 )