バングラデシュ産マンゴーのイギリスへの旅
2015年06月08日付 Prothom Alo紙

(5月16日付)バングラのマンゴーがイギリスに渡ろうとしている。つまりバングラデシュのレングラ種とアムロポリ種のマンゴーが英国に輸出されるのだ。今月中に2160キログラムのマンゴーが輸出される。バングラデシュのマンゴーの買い手は世界最大の小売業者であるウォルマートである。バングラデシュ政府の農業振興庁とFAO・国連食糧農業機関がこれを支援している。また技術面では果実栽培の分野での支援活動を職務とする国の機関・バングラデシュ園芸作物輸出振興基金が協力している。こうした協力体制によって、今後世界の市場に向けて定期的にマンゴーを輸出する体制が整った。
農業振興庁筋によると、当初はシャトキラ産マンゴーから始まり、毎週4モン(約150キログラム)ずつ、他の県のマンゴーがイギリスに輸出されることになっている。これまでに7県9郡の180人のマンゴー農家がウォルマートに輸出業者として名前を登録済みだ。今後は段階的にバングラデシュのマンゴーをヨーロッパやアメリカの市場へも送り出すための取り組みが行なわれている。
バングラデシュからのマンゴー輸出については、世界有数の商品購入会社であるインターナショナル・プロキュアメント・ロジスティクスと、農業振興庁、園芸作物輸出振興基金それにFAOが契約を締結している。これについて農業振興庁園芸局のS.M.カムルッジャマン局長はプロトム・アロ紙の取材に対し、「これまでバングラデシュの山岳地帯と住宅地にマンゴーの木を植える活動を推進してきた。これにより国のマンゴー生産は40万トン伸びるだろう。現在国内では、国民1人あたりのマンゴー消費量は1日に10グラムとなっているが、私たちは15グラムにまで消費を増やしたいと考えている。また世界のマンゴー市場において確固たる地位を築きたい」と述べた。
FAOの関係者によれば、輸出されるマンゴーが生産された果樹園では、生産の各段階で、農業振興庁とFAOのコーディネートで設置された専門家グループが査察を実施したという。査察後には、マンゴー生産で有害な化学物質の使用がなかったことを証明する許可証が発行された。その後さらに保健サービス局の実験室で安全性が確認された。こうした一連の検査すべてで安全が確認された後、ウォルマートは購入に同意した。
FAOの2014年の統計によるとバングラデシュは世界の7番目のマンゴー生産国であるが、これまで世界のマンゴー市場に参入できないでいた。海外在留邦人の需要に応じるために毎年少量のマンゴーが国外に出され、バングラデシュ人業者が販売を行なっていたが、昨年は、バングラデシュ産のマンゴーにはホルマリンその他の人体に有害な農薬が使われているとの風評のために、在留邦人向けにもマンゴーの輸出は止まってしまった。

農業振興庁の統計によれば、昨年バングラデシュの年間マンゴー生産量は94万5000トンだった。今年の生産量は100万トンを上回ると同庁は見ている。世界のマンゴー生産国の中で、生産量の伸び率ではバングラデシュが各国をしのいでいる。2012年には国内のマンゴー農園の延べ面積は3万7000ヘクタールだったが、今年の栽培面積は4万2000ヘクタールとなっている。
またFAOの統計では、2012年にはバングラデシュは89万トンのマンゴーを生産し世界で8番目のマンゴー生産国となった。過去2年間で年間生産量は増加し、100万トンを超えている。これは世界で7番目の数字だ。現在国内には1500万本のマンゴーの木が植えられている。
FAOによれば、現在世界最大のマンゴー生産国はインドで、それに中国、タイ、インドネシア、パキスタンが続いている。輸出量ではメキシコが世界一だ。フィリピンが2位で、以下パキスタン、ブラジル、インドの順となっている。

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(翻訳者:シャンティ)
(記事ID:423)