洪水とサイクロンによる今年の被害額は260億タカに:世界銀行の試算
2017年08月14日付 Prothom Alo紙

洪水やサイクロンをはじめとする自然災害によるバングラデシュの被害総額は平均で毎年3億2000万ドル、バングラデシュの通貨では260億タカに及んでいる。
世界銀行はこの数字をあげ、「洪水、山崩れ、地震、サイクロンのような自然災害後の救援活動や復興を目的で迅速に融資を実行したい」としている。
世界最大の融資機関の世界銀行はこのたび、自然災害によるバングラデシュの被害情報を発表し、新たな借款を提案した。借款の総額は2億5千万ドル、約200億タカであり、国家財政援助として供与される。
世界銀行のこの提案をめぐって、バングラデシュ財務省の経済関係局(ERD)はすでに検討を始めている。この借款の条件は他の融通性のある低金利の融資と同様、低い金利となっている。
ERD筋によれば、この提案は7月23日に世銀のダカ事務所からERDの職員に対し行われた。世界銀行のIDA(国際開発協会)が融資を担当することになる。バングラデシュはIDAから定期的に融資を受けているが、今回のものはそれとは別になる。।’
世界銀行ダカ事務所のチーフ・エコノミスト、ジャヒド・ホセン氏は昨日(日曜日)プロトム・アロの取材に答え、「この融資が実行されれば、バングラデシュは被災後の課題への対応のための新たな財源を確保することになる。融資は即時実行されることになる」と述べた。
ジャヒド・ホセン氏はさらに、被災直後には医薬品や食糧品輸入、インフラ建設など様々な用途のために、世界銀行のこの基金が充てられるとして、「これは保険を使うようなものだ」と語った。
ERDの関係者によると、バングラデシュは3年ごとにIDAから一定額の低金利の融資を受けている。2014年の7月から2017年の6月までの3年間ではIDAはバングラデシュ用に43億万ドルを積み立てた。さらに向こう3年間で同額の融資を準備していると言われる。しかし、この融資は特定のプロジェクトに対して行われるもので、世銀としてはこの融資と並んで2億5千万ドルの財政融資を行いたい考えだ。
バングラデシュが融資受け入れに同意すれば、今後3年の間に何らかの天然災害が発生した際、緊急の救援活動ばかりでなく、復興プロジェクト用としても資金が得られることになる。
こうした融資を受けるにあたっては、関係国の政府は世銀に対し、前もって、洪水、地震、山崩れ、台風、干ばつなどどのような自然災害が対象となるかを通知しておかなければならない。
世界銀行から支援の提案が行なわれた直後、ERDは災害管理省、環境森林省、地方行政局の意見を求めた。またどのような災害時に世銀の基金から出費されるかを決定するため、省庁をまたいだ会議が近く招集されることになっている。
「バングラデシュはサイクロン、洪水、地震、そして干ばつに見舞われやすい国である」と世界銀行の提案書には書かれている。2017年の世界気候変動リスク指数では、危険度の高い国としてバングラデシュは世界で6番目となっている。洪水やサイクロンによるバングラデシュでは毎年GDPの2.2%にあたる32億ドル(2,560億タカ)の被害が出ている。
世界銀行はさらに、2000年から2013年の間の自然災害による被害額を合計すると100億ドル(約8,000億タカ)に上るが、救援活動・再定住・再建のために得られた資金は20億ドル(1,600億タカ)に留まったとしている。

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(翻訳者:金城康介)
(記事ID:685)