バングラデシュ、AIIBに10億ドルの融資求める
2017年08月04日付 Prothom Alo紙

バングラデシュはアジアインフラ投資銀行(AIIB)に対し、7つのプロジェクトについて計10億ドルの融資を求めた。1ドル80タカ換算で800億タカとなる。
バングラデシュを訪問中のD.G.パンディヤン副総裁と昨日(8月3日木曜日)ダカの中央省庁合同庁舎での会談のあと行われた記者会見で、バングラデシュのアブル・マル・ムヒト財務大臣はこのことを明らかにした。インド出身のパンディヤン氏は5人いるAIIBの副総裁のひとりで、今週水曜日にダカに到着した。パンディヤン副総裁はAIIBの投資担当部門の責任者でもある。
会見でムヒト財務大臣は、「AIIBの副総裁と会ったのは今日が初めてだ。AIIBはこれまで創設された銀行(援助や開発協力を目的とした国際機関)のなかでは最新のもので、中国が資金の主な拠出国となっている」と述べた。
財務大臣はさらに「私はAIIBの業務開始にあたって開かれた開業式には参加したものの、6月に行われた第1回年次総会には出席できず、次官による参加となった」と語った。AIIBは2016年1月に正式に発足し、バングラデシュは創設メンバー国となっている。
AIIBの理事会は昨年半ば、電力・エネルギー部門での開発のため、バングラデシュ向けに1億6500万ドルの融資を承認した。これは同銀行による初の融資承認だった。
ムヒト財務大臣は「バングラデシュではAIIBの融資によりすでに電力とエネルギー部門の2つのプロジェクトが進行している。ひとつは電力供給のための送電線の整備と拡張事業で、もうひとつは天然ガスのインフラ能力改善プロジェクトだ」と語った。
新たな7つのプロジェクトは、電力と鉄道関連がそれぞれ3、もう一つは道路関係となっている。ゴジャリアの石炭を使った火力発電、国内西部における送電の改善、チョットグラム地域の電力事情の改善と強化、ボリシャルのドゥムキ道路橋建設などが含まれている。
「AIIBによる融資の利率は、世界銀行や他の開発協力機関よりも若干高い2%となっている」と財務大臣は述べた。
AIIBとの関係構築は、政府の東方志向の政策の一環なのか―記者からのこの質問にムヒト財務相は「そのように言って差し支えない。なぜなら誰もが知っているように今はアジアの時代だからだ。しかしながらアジアではインフラの大規模な整備が必要となっている」と答えた。
大臣はさらに「アメリカは先進国であるが、もともとが消費主義の国なのだ。アジアの人々には節約が習いとなっている。一時期は日本がその良い見本だったが、今は中国が上回っている。もちろん韓国やインドもその好例となっているが」と述べた。またムヒト氏は今月中国を訪問することを明らかにしたが、中国との間で進んでいる共同プロジェクトとAIIBの融資には何の関係もないと語った。
AIIBのパンディヤン副総裁は「我々にとって、バングラデシュはとても重要な国だ。そのため、AIIBが最初に承認した融資はバングラデシュ向けのものだった」と語り、AIIBの融資は長期にわたるものだとした。
バングラデシュの経済は拡大しつつあり、人口も増加していることに触れたうえで、パンディヤン氏は「バングラデシュのインフラ分野の需要は日に日に増えている」と指摘した。
バングラデシュは通常、世界銀行(ADB)、イスラム開発銀行(IDB)、JICAなどから融資を受けてきたが、AIIBの創設により、バングラデシュにとっては低金利による融資を受ける対象がさらに増えることとなった。
AIIBの払込資本金1000億ドルのうち三分の一は中国が拠出している。「安価で高品質」がアジアのインフラ整備へのAIIB融資の謳い文句だ。同銀行の最初の年次総会は北京で行われたが、今年開かれた第2回年次総会は韓国での開催となった。さらに3回目の総会は来年6月インドのムンバイで開かれることが発表されている。

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(翻訳者:金城康介)
(記事ID:687)