バングラデシュを知るための66章
2017年11月08日付 Prothom Alo紙


バングラデシュを取り上げるということでは、日本はおそらく他の国よりも進んでいる。バングラデシュについて書かれたものや、バングラデシュの詩人や文学者の作品を日本語に翻訳した本の数は決して少なくない。それにも関わらず、バングラデシュという国を包括的に紹介する書籍は、日本であまり多くは見かけない。バングラデシュについて全く知らない人や少しの知識しかない人にバングラデシュを知ってもらうための一番手っ取り早い方法は、国に関して書かれた本を日本の市場で容易に手に入るようにすることだ。
観光でバングラデシュを訪れる人たち向けのガイドブックはいくつか出ている。しかしそういったものでは旅行以外のことはよく分からない。
バングラデシュについてもっと深く知りたいという人たちのことを念頭に置いて2003年に明石書店という著名な出版社がある本を出した。エリアスタディーズ、つまり地域研究シリーズの一冊として出版されたために、当然ながら、バングラデシュの社会、文化、政治、宗教的慣習などから、国の外交政策や隣国との関係に至るまで様々な事柄が取り上げられた。その当時、本のタイトルは「バングラデシュを知るための60章」だった。2009年にはその改訂版が出ている。
それから8年が経ち、バングラデシュにおいても様々な変化が起きている。その結果、明石書店はさらなる改訂版を出すのに代えて、全面的に書き直すことを決めた。そのようにしてできたのが「バングラデシュを知るための66章」である。この新刊書は今年の10月発売された。
編集にあたったのは4人の日本人研究者で、バングラデシュ関連の研究者、教育者、ジャーナリスト、社会活動家、外交官など多くの人が執筆した文章をまとめた形となっている。400頁を超えるこの本は、人・国・水、生活に息づく文化、経済・産業、社会開発の諸課題、マイクロクレジット、ソーシャル・ビジネス、NGO、ODA、都市・人口問題、地方・農村・農業、チッタゴン丘陵地帯・少数派の人々、バングラデシュと世界の関係の9つのテーマをもとに構成されている。
これらのテーマが示すように、ただ一般的にバングラデシュを知るための本ではなく、むしろバングラデシュの様々な事について知りたいと思っている人々の欲求を満たすことがこの書籍の基本的な目的である。
聖心女子大学の大橋正明教授、日本のアジア経済研究所の研究員村上真弓さん、東京外国語大学の日下部尚徳講師、そしてNTTデータ勤務のコンピューターエンジニアで社会活動下でもある安達淳哉さんの4人が共同でこの本の編集を行った。
バングラデシュを知りたいという日本の人たちの欲求を満たすのに、この本が重要な役割を果たすであろうことは間違いない。

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(翻訳者:林香理)
(記事ID:702)