携帯市場で遅れ取る国内ブランド
2018年03月18日付 Prothom Alo紙
http://www.prothomalo.com/economy/article/1452456/
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バングラデシュの携帯電話市場で、中国ブランドの優位性が増し続けてきている。2017年には、その前の2年と同じく、スマートフォンの市場で中国ブランドが売上幅で最大の伸びを達成した。これにより、国産の携帯電話ブランドはかなりのマーケットを失う結果となった。
携帯業界関係者によれば、現在全世界で生産される携帯電話のうち85%を中国が占めている。生産と供給体制両面で中国が持つ競争力は、ほかのどの国にも太刀打ちできないものだ。この理由で、ファーウェイ、オッポ、シャオミ、ビボ、テクノといったブランドの存在感が世界中で徐々に増してきている。手頃な価格とブランドの信頼性があることで、バングラデシュの消費者たちも、こうした中国製の携帯電話を買うことに意欲的になっている。
中国の携帯電話ブランドの成功のもう一つの大きな理由は、意欲的なマーケティング戦略である。中国の携帯各社は商品販売と宣伝に巨額の投資を行っている。さらにこうしたブランドは、商品の品質向上のための研究にも継続的に投資している。
携帯電話輸入業者たちによると、2017年にバングラデシュに輸入されたスマートフォンは計810万台だった。このうち中国ブランドは180万台だった。2016年にはこの数字は94万台、2015年には16万台、そして2014年にはわずか1万2000台だった。つまり、バングラデシュにおける中国製の各ブランドのスマートフォンのマーケットは、たった3年で150倍に増えたことになる。
中国ブランドのこうした伸長の結果、国内ブランドのスマートフォンの輸入(注:バングラデシュの携帯電話会社は生産を海外に委託していることが多い)は2017年には減少した。シンフォニーなど国内ブランドのスマートフォンの昨年の輸入台数はその前年の570万台から500万台に落ち込んでいる。同様に様々な世界的ブランドのスマートフォンの輸入も減少した。2017年にはこうしたブランドの輸入は131万台で、2016年には134万6000台を記録した(アップル、サムスンなどの)こうしたブランドの輸入は17年には131万台に減少している。
スマートフォンと通常の携帯を合わせて、バングラデシュの携帯電話の市場の大きさは現在少なくとも1000億タカ(約1300億円)である。そのうちスマートフォンの市場は700億タカ(約910億円)だ。国内では2012年からスマートフォンの販売が始まった。その年、スマートフォンの売り上げは30万台だった。それがこの5年間で30倍以上に増えた。
中国ブランドの中ではファーウェイがバングラデシュの市場におけるスマートフォンの販売で先頭を切っている。昨年、同社は約80万台のスマートフォンをバングラデシュにもたらした。現在バングラデシュの国内市場では、ファーウェイの12種類の4Gモデルスマートフォンが販売されている。価格帯は1万1990タカ(1万5千円)から8万3900タカ(11万円)だ。ファーウェイ・コンシューマービジネスバングラデシュ社のジアウッディン・チョウドゥリ・副カントリーマネージャーは、「ファーウェイはバングラデシュのスマートフォン市場で好調な業績を上げており、去年顧客から大きな反響があったことをわが社はとても喜ばしく思っている」と語っている。
一方、シンフォニーモバイルの専務でバングラデシュ携帯電話輸入者協会・BMPILの事務局長を務めるザカリア・ショヒッド氏は「2017年に中国の各社は好調だったが、我々のビジネスは期待通りには行かなかった。しかしシンフォニー社は間もなく国内での携帯電話の組み立てと生産を始める。これにより、シンフォニーのような国産ブランドの存在感が市場で強くなるだろう」と話した。
国内ブランドのひとつ、ワルトンはすでにダカ近郊ガジプル市のチョンドラにある自社工場で携帯電話の生産と組み立てを始めている。さらに、いくつかの国内ブランドはバングラデシュ国内で携帯電話の組み立てを行う計画を持っている。
中国製の携帯電話に太刀打ちできないということでは、バングラデシュばかりでなく、隣国インドの国内ブランドも同様だ。市場調査会社インターナショナル・データ・コーポレーションIDCのデータによると、2017年に中国ブランドが占めるインドの携帯電話市場の割合は53%だった。他方でマイクロマックス、ラバ、インテックス、カーボンのようなインドのローカルブランドによる占有率はわずか12.5%にとどまった。インド政府は国内ブランドのビジネスを守るために、外国からの携帯電話の輸入にかかる関税の税率を高めたが、中国ブランドの優勢をとどめることはできなかった。インド市場を手に握るために、シャオミ、ビボ、レノボ、オッポ、ファーウェイなどの中国各社は現在インドで携帯電話の生産と組み立て用の工場を建設している。
テレコミュニケーションと情報技術研究機関ラーン・アジアのアブ・サイド・カーン上級研究員はプロトム・アロ紙に、「携帯電話はプライス面で極めてデリケートな商品だ。しかしただ値段が安ければ良いというものではない。顧客の(使いやすさなどの)経験も重要だ」と語った。

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(翻訳者:井口里紗)
(記事ID:739)