バングラデシュ進出の日本企業の73%が利益拡大見込む~ジェトロ調べ~
2019年03月31日付 Prothom Alo紙


バングラデシュで事業を展開している日本企業のうち62%は、2019年に営業利益が増加するとしている。この比率はアジア・太平洋地域の20の国と地域のなかで2番目に高く、バングラデシュよりも上に位置するのはラオスのみとなっている。隣国のミャンマーやインド、パキスタンの数値はバングラデシュより低い。
さらにバングラデシュでビジネスを⾏なっている日本企業の 73%が今後1、2 年の間にバングラデシュ国内における事業を拡大する予定だと述べている。2008 年の時点ではバングラデシュに進出した⽇本企業はわずか70社に過ぎなかったが、2018年にはその数は278社に増えている。
⽇本貿易振興機構(JETRO)が行った調査から、こうしたことが明らかになった。バングラデシュ商⼯会議所(JBCCI)は⽇曜日(3月31日)に行った記者会⾒でこの調査の結果を発表した。アジア・太平洋地域で事業を行っている⽇本企業を対象としたこの調査は2018年10月9日から11月9日にわたって実施された。
ダカのグルシャンにあるジェトロの事務所で行われた会⾒にはジェトロの新居⼤介ダカ事務所長、JBCCIのムハンマド・ショリフル・アロム副会長、タレク・ラフィ・ブイヤン事務局長、コビル・アハメド理事、ミジャヌル・ロホマン理事らが出席した。ジェトロ新居所長はJBCCIの会⻑も務めている。
この日の会見で新居所長は、バングラデシュの国内市場の拡⼤と⽣産コストの低さがこの国への投資を後押ししているものの、投資環境には多くの障害があると述べた。バングラデシュでは商品の品質を確保することが困難で、また労働者の技術も低い。税⾦の⽀払い手続きも複雑で通関に多くの時間がかかる。投資対象国としてバングラデシュは非常に可能性に富んだ国とは言え、自己満足にあぐらをかいていてはならず、数多くある障害を取り除いていかねばならないと新居所長は語った。
ジェトロの調査によれば、今回の調査対象となった20の国と地域のうち、海港での通関手続きに最も時間がかかるのはパキスタンで、輸入手続きを完了するのに必要な日数は16.6 ⽇となっている。バングラデシュでは15.8 ⽇、ミャンマーでは 13.3 ⽇、インドにおいては 12 ⽇かかる。一方空港での通関に最大の時間がかかるのはバングラデシュで、輸入手続きを終えるのに 7.9 ⽇が必要となっている。
新居所長はさらに、バングラデシュでは商品の品質管理と労働者たちの技能も日本人たちを悩ます理由になっているとした。多くの労働⼒を入手することができ、それは労働集約型の産業にとっては利点だが、高度な技術が必要とされる生産現場では、高い技能を持った働き手が必要とされる。
労働者の質、⻑時間の通関⼿続き、複雑な税⾦システム、企業ガバナンスの⽋如等の 問題で向上が⾒られなければ、バングラデシュは投資獲得の分野でミャンマー、ラオス、カンボジアといって国に遅れをとることになると新居所長は述べ、さらにこうした国々はすべてASEAN のメンバー国であるが、バングラデシュは SAARC 以外の地域連合に属していないとも指摘した。

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(翻訳者:松岡明里)
(記事ID:822)