タリバンの脅威:その残虐行為を許さない

2015年01月07日付 Prothom Alo 紙
(12月18日付)パキスタン全土で半旗が掲げられ、三日間国家は喪に服すことが発表された。パキスタンの人々は今、テロの暴力に悩まされているこの国でも前例のない深い悲しみに沈んでいる。というのも、学校で132人の子どもたちを冷静な表情のままで打ち殺すような残虐な事件は、かつてパキスタンで起きたことがなかったからである。私達は、バングラデシュ国民を代わり、犠牲になった子供たちの親族を含む悲しみに打ちひしがれたパキスタンの人々に対し、深い哀悼の意を表すとともに、この卑劣な攻撃を行なったパキスタンのタリバンを断固として非難する。
ペシャワルの学校で火曜日に起きたその虐殺事件は、他の普通のテロ事件とは異なったものだ。事件は、パキスタン軍が運営する公立学校にタリバンの戦闘員たちが押し入り、生徒や教師たちを人質にするというようなものではなかった。テロリストたちは何の要求も口にすることがなかった。ただできる限り多くの子どもたちを殺害する目的で学校に侵入し、そしてそれを実行に移したのだった。それも無差別に発砲するのではなく、一発ずつ狙いを定めて撃ったのだ。全く落ち着き払った態度で繰り広げられたこの残虐極まる行為を―それも心の柔らかな子どもたちに対して―どのように解釈できるのだろうか。
タリバン側から出された声明によれば、パキスタン国軍が国内の少数民族が多く住む地域で、タリバンに対して実施している掃討作戦への報復として、今回の攻撃が行なわれたという。この事件を通して、タリバンの精神的な残忍性がはっきりと浮き彫りになった。パキスタンの悲しみに沈んだ国民と声を合わせ、世界中の平和を希求する人々はひとつになってこの残忍な行為を非難している。
パキスタン国軍トップのラヒル・シャリフ将軍は、タリバンをパキスタンの地から根絶やしにする決意を表明し、事件のあった日と同じ火曜日にタリバンが優勢な地域で10回を越える軍用機による攻撃が行なわれた。今度はタリバンがパキスタン軍による大反撃にあわなければなるまい。しかし、単に軍事的な方策でタリバンのテロ行為を終わらせることは不可能なことがこれまで既に分かっている。パキスタンでこのテロ行為が行なわれている政治的、社会的な要因をまず根絶させ、その後にテロに対する戦いを始める必要があろう。


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翻訳者:小林加奈
記事ID:373