国連での首相の演説(社説)
2017年09月23日付 Prothom Alo 紙

バングラデシュ時間の昨日金曜日(9月22日)早朝、国連総会で行った演説で、シェーク・ハシナ首相はミャンマーに対し暴力行為、殺戮、及び迫害の停止とロヒンギャ難民たちをただちに帰還させることを求めて5項目の提案を行ったが、そこにはバングラデシュを含む世界中の平和を望む人々の強い希望が反映されている。首相は、ある国で民族迫害が起きた際には、国連や国際社会は黙っていることはできないとも述べた。バングラデシュは人道的理由によりロヒンギャ難民を保護しているものの、この事態は国際社会にも果たすべき責任がある。
何百年にも渡って、ロヒンギャムスリムたちはミャンマーで暮らしているにも関わらず、ミャンマー政府がこうした人たちの市民権を認めず、基本的な権利や人権を奪ったままであることは極めて遺憾である。8月25日、警察と軍の駐屯地へのテロ攻撃を名目に軍はその地でロヒンギャたちに対し前例のない迫害を行い、国を捨てることを余儀なくしている。それもノーベル平和賞受賞者であるアウンサンスーチー氏が国を率いているこの時期にだ。
この危機の克服のために首相が示した提案では、ミャンマーに国連事務総長の調査団の派遣、民族や宗教を問わず全ての国民の安全確保、国連の監視のもとに安全地帯の設置、および(ロヒンギャたちの現状調査のため、アウンサンスーチー氏が昨年、国連前事務総長を代表として設置した諮問機関)コフィ・アナン委員会の勧告を実現することが述べられている。こうしたことの実現は時間がかかるけれども、今すぐ始める必要がある。
この世界最大の国家を持たない民族(注:プロトム・アロ紙による)を守り、自国の地に帰還することができる環境を整えるようミャンマーに強いるためには、国際社会がシェーク・ハシナ首相の提案に従って動く必要があろう。かつてさまざまな国の平和への道のりに国連は積極的な役割を果たした。多くの国々で政治的な暴力を停止することに国連安全保障理事会が有効な役割を果たすのを私たちは見てきた。ミャンマーでロヒンギャの人々への迫害を停止し、バングラデシュに避難している難民を送還することに、国連が勇気ある役割を果たすことが期待されている。また、コフィ・アナン委員会の勧告を実現することをミャンマーのリーダーであるアウンサンスーチー氏は述べている。シェーク・ハシナ首相はテロリズムや好戦主義をバングラデシュ政府は決して容認しないということを繰り返し述べている。首相は「我々は戦争ではなく、平和を欲する。我々が目指すのは経済発展であり、人間を滅ぼすことではない。我々が欲するのは人間の福祉である」と述べた。平和や人間の福祉に対抗して国内外でうごめく悪辣な勢力に対し、力強い戦いを続けていかなければならない。
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翻訳者:吉川みのり吉
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