夢のポッダ橋実現へ

2020年12月13日付 Prothom Alo 紙

先週木曜日(2020年12月10日)、橋脚をつなぐ全てのスパンが設置され、ポッダ(パドマ)多目的橋の基本構造の最も重要とされる作業が終了した。これにより川の両岸が繋がれた。ポッダ橋の実現に向けた大きな節目だ。車両の通行に向けこの橋がいつ開通するのか、国民はその日を待ち望んでいる。
待望のポッダ橋建設に向けて2009年、アワミ連盟政府は、待望のポッダ橋の建設計画に向けての一歩を踏み出した。プロジェクトの完成は2014年とされた。しかしこの建設計画の主要金融機関だった世界銀行が、「汚職疑惑」を持ち出して融資を中止した。ほかの融資機関も世銀に従ったが、後になってこの疑惑が間違いであったことが証明されている。
ポッダ橋建設計画の先行きが不安視され始めたとき、シェーク・ハシナ首相は、自国資金で橋の建設に取り組むことを発表した。国内外の多くの専門家は、この計画の行方について懐疑的だったが、首相が翻意することはなかった。そして2018年の完成を目指してポッダ橋建設がスタートした。設計の変更、洪水、河川浸食などの理由から、目標とされていた期限までに工事を終えることはできなかった。さらに今年3月にコロナウイルスが流行したことで、作業はより一層遅れることとなった。プロトム・アロ紙によれば、昨11月の段階でポッダ橋建設の進捗状況は82.5%となっている。橋梁主要部の工事は91%終わり、治水事業については76%まで進んだ。
3千19億3千万タカ(約3690億円)を投じて建設中のポッダ橋はバングラデシュ最大の開発計画である。6.15kmの長さを持つこの橋は、南部の21県とほかの地域を直接結ぶことになる。これにより、南部地域の経済・社会発展ばかりでなく、商業活動が拡大し、工業化も進み、雇用機会も増加することが期待される。ポッダ橋が開通すれば、かつては取り残されていた南部が鉄道網に含まれることになり、またバングラデシュが将来的にアジアを貫く鉄道やハイウェイと結ばれることにもなろう。さらにモングラ、パエラ港を経由して、ネパールやブータン、またインドの北東部への物資輸送が容易になる。専門家たちによれば、ポッダ橋開通により1〜2%の経済成長が見込まれるということだ。
ポッダ橋建設の主要部分を請け負ったのはチャイナ・メジャー・ブリッジエンジニアリング社だが、さらに多くの機関や企業が加わっており、この大規模建設計画に参加している国は、バングラデシュを含む14カ国にのぼる。様々な国の専門家たちがバングラデシュを訪れ、またいろいろな国の機械や資材が使われている。海外の技師や技術者ばかりではなく、バングラデシュ出身の70人の技師と5千人の労働者がポッダ橋の建設工事に携わっている。この建設計画は単なる開発プロジェクトではない。国民の願望と実力の結合物なのだ。
このプロジェクトはいつ完成するのかという問いかけがある。ポッダ橋プロジェクト委員会のM.シャミム・Z.ボスニア委員長は「ポッダ橋が稼働するまでにはさらに1年半が必要だ」と述べている。そうなった場合、完成時期は2022年6月中となる。専門家の中には、より多くの人員を充てれば橋の稼働時期を前倒しにすることは可能という声もある。また政府の政策決定者の中には、2021年12月16日の戦勝記念日または2022年3月26日の独立記念日に開通日を合わせたいと考える人もいる。
これらの記念日への国民の思い入れは強く、それが実現すればそれは非常に素晴らしいことである。しかし今回の場合、現実を考慮に入れることが最も重要だ。どのような形であれ、先を急ぐべきではない。我々にとって誇りであるこの建設事業において、僅かでも欠陥、脆弱面があったとすればそれは決して望ましいことではない。然るべき時に完成することこそが望まれている。


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翻訳者:小野田 莉子
記事ID:923