国の状況が悪化することがないように(社説)

2025年04月25日付 The Daily Siasat 紙
執筆:ズルフィカール

隆盛や名声に驕ることなかれ
それが落ち目にならぬよう

ペヘルガームで起きたテロ攻撃はインド中を震えあがらせている。人々は強い不安やテロリストに対する強烈な怒りを感じている。人々のこうした反応や怒りは当然であり、自然なふるまいだ。非武装で無力な観光客に突然銃撃し、命を奪うことは非人道的な行いであり、最も強い言葉で非難されるべきだ。ナレーンドラ・モーディー首相の「テロやテロリストは永久的に根絶されるだろう。」という発言は必ず実行されなければならない。テロ行為はいかなる状況、いかなる場合でも許容されうることではなく、一切の正当化の余地もない。すべての場合においてテロ行為は非難されなければならず、その根絶のためには一人ひとりが声を上げることが必須だ。政府も、テロリストの牽制にいかなる余地も残してはならず、人々の感情を尊重するため、可能な限りの手段を講じるべきだ。テロリストとその非人道的活動に関しては、鉄槌を下さなければならないことに異論の余地はない。しかし、こうした極めて残忍で卑劣な攻撃の後で、一部の勢力は国内の状況を混乱させようとしている。国内でヒンドゥー・ムスリムの分断を煽る企てが実行されている。ある宗派を別の宗派との対立するよう仕向ける活動が始められている。発生したテロ攻撃は全インドへの攻撃であり、全インド国民がこのことに憤りを覚えている。このような中で、社会におけるヘイトや分断を増幅させようとする企みも一部の方面から行われており、そのような分子も厳重に処罰される必要がある。今日、全国が声を一つにしている。テロリストに対し最も強い言葉が投げかけられている。政府も厳しい対処を示唆している。このような中で、国民が声を同じくして団結すべきであり、実際にそうなっている。しかし、こうした状況を悪化させ、宗教色を付与しようと企む分子も存在しているが、その企みも非難に値する。
インドは広大な国であり、約15億の人々がここに住んでいる。そのような中での思想的な対立はあり得るし、意見の対立は自然なことである。だが、ペヘルガームのテロ攻撃については、全国民が意見を一致させて非難している。犠牲者に哀悼の意が表され、追悼が行われている。全国の市民が憤っている。彼らはテロリストとテロ行為が永久に根絶されること、この国が平和と平穏のゆりかごとなることを求めている。カシミールの人びと自身がテロに対し怒りと憤りを表したそのやり方も称賛に値する。また、宗教の違いに関わらずカシミールの人々が、被害者を助けようとし、なだめ、慰めたことも称賛に値する。観光客たちを救うためにムスリムの青年が命をなげうったことも国中で称えられている。全インド人がこの問題について団結し、テロリストに対して処置がとられるよう求めているという便りは世界中に届けられている。このような臆病で残忍なテロは二度と繰り返させず、そして責任を持つ者たちに処罰が下されなければならない。国中が声を一つにして犠牲者に哀悼の意を表しており、彼らの悲しみに皆が共感している。国中でこの件に関してデモを行いつつ連帯の意が表されている。
これは極めて辛く悲しい出来事だ。すべてのインド人がカシミールの犠牲者に自分たちの胸を痛めている。これは国のために表明された国民感情だ。これは国の人びと同士の憐情の表れだ。この状況を悪化させるための企みが一部の方面からなされている。しかし国民はそのような企みを拒絶し、非難もしている。政府にもそのような分子を根絶する必要がある。困難と苦痛にみちたこの時に宗派的な憎悪を広める者たちをも白日のもとにさらし、厳しい処罰を下すことが必要だ。


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翻訳者:川出航也
記事ID:1185