Ismet Berkan コラム:EU加盟交渉‐今すぐ決断する必要はない(Radikal紙)
2005年10月12日付 Radikal 紙

10月3日以来、トルコはEU完全加盟の交渉の席に座っている国となった。事実はそれだけである。単純なことだ。しかしここ何日か野党や一部のコラムニストらを筆頭に、ある人々はこの事実を覆い隠し国民に「トルコは完全加盟の下位となる、第2の枠で加盟する」と信じさせようとしている。くだらない議論を続けることになるかもしれないが、このコラムに書いておこう。なにせ彼らは多くの人の頭を混乱させることに成功したのだから。

事実を簡単に言うとこうだ。EUは、ある説によれば9万、別の説では10万以上の枚数分のノウハウを、つまり知識の集積をタダで、それどころかお金を付けて我々にくれているのだ。それでも足りないとばかりに、このノウハウを一刻も早く実践するよう我々を後押ししている。そのために飴とムチの政策をとっている。これらのことがあった上で、これまで我々が安定した状態を作れなかったために来なかった外国資本の投資がトルコに来るようになるのだ。

今反対派は我々がこれらのことを見ないようにしようとしている。見ないようにしないと我々の新聞は侮辱されることになる。「交渉の公報」と言われてしまう。我々は、我々を侮辱する者たちと同じレベルに立って無礼な返答をすることはしない。しかし彼らの言う「第2枠での加盟」または「特別協力関係」といった問題について少し話してみることに意義はある。なぜなら私の見た限り、主要な野党はこの点において最も大きい混乱を作り出したからである。

EUは労働力と資本と物の自由な流通という考えの上に建設された連合だ。もしトルコがEUに入ってもこの3つの自由な流通のうち、例えば労働力の自由な流通に入れないのなら、本当に第2枠での加盟という意味になるだろうし、これは受け入れられないことだ。では受け入れられるのはどんなものだろうか?例えば一定の期間、7年だとか10年といった間は上記のような制限があるというのなら受け入れられるだろう。実際に、特定の期間はEU法のある部分が施行されない国々がある。ドイツ国民はデンマークで土地を買うことができない、ポーランド人はイギリス以外の国に働きに行くことはできない、などだ。

ただ、主要な反対派が我々の目を逸らせるのに成功した点がある。それは、もしトルコへなんらかの制限を加えることが検討されるとしても、そのことに対して今から決定を下す必要はないという点だ。全ての交渉が終わって、「加盟協定」と言われる協定が書かれる時に決断すればよい。
トルコが何日も費やした問題はこれだけのことなのだ。交渉が終わって加盟協定の時がきたら、その時点で誰が政権についていてもその人が、トルコが第2枠での加盟にならないようできる限りのことをするだろう。私の名にかけて言うが、どんな政府であってもトルコ政府が第2枠での加盟を受け入れることがあるとは私には到底考えられない。さらに、政府が受け入れたとしても議会が承認しないだろう。自分たちを、少しでいいから信じよう!

10月2日と3日の外交的駆け引きで最も重要な、それどころか唯一重要だったのは、交渉の目標がはっきりとした形で完全加盟となること、他の代替案が議定書に入らないようにすることだった。それは達成されて、終了した。残りは今話してもどうしようもない、10年15年後の問題なのだ。


Tweet
シェア


現地の新聞はこちらから
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:加賀谷 ゆみ )
( 記事ID:1075 )