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2023-08-02 収監のBarış Pehlivan、その理由はここに (Cumhuriyet紙)

決して誰も殺していません。決して誰も強姦していません。決して誰にも薬物を売っていません。      もしこれらの重罪を犯していたのなら、恥ずかしさから生きることはできないが、政府は私に自由を与えただろう。      これは私にとって、とても難しい記事だ。私の記者生活は20年目になる。ニュースのテーマが私となるときは常に、ニュースそのものでなく、そのために私が支払った代償が話題にされると、気が滅入る。このために私は何日間も書けなかったのだ。でも、わかって欲しい。問題は私のことではないと私自身は知っ 全文をよむ

2023-05-25 Tunca Benginコラム―右派政党がより強力に (Milliyet紙)

2回目の投票まで2日残すところとなった大統領選挙では有権者の選択に大きくかかわる2つの重要な動きがある。愛国主義諸派と1回目の投票に行かなかった850万人近い有権者への訴えかけである。もちろん1回目の状況を維持する場合の話ではあるが、2回目の投票にむけた選挙活動のなかでは興味深い変化が発生している。まったく想定してされていなかったのは政治家による極右的な発言やふるまい、政局優先で党組織と有権者の頭を混乱させる政治戦略などだ。周知のとおり以前は様々なアプローチや詳細までの合意が含まれていた。世論の 全文をよむ

2023-02-14 Orhan Bursalıコラム「安全な建物はどうして建てられないのか」 (Cumhuriyet紙)

なぜ安全な建物が建てられないのか?必要な対策は?       震災後にいつも話題となるが、全くもって、1センチメートルほどの前進も見られないこの件をまたも扱うことになった。この件はそこらじゅうで話されている、何度も聞いたと言われ、読者の興味も引かないかもしれない。しかしながら、書かなければならない。       もっとも恐ろしいのは、建物が完全に瓦礫の山となってしまったことである。瓦礫の山の前に立てば、救命作業がどれだけ困難か、そして、90%の確率で救われていたかもしれない命の中のたった5%が救 全文をよむ

2023-02-12 Timur Soykanコラム:破壊のポリティクス (その他紙)

「今は政治をするときではない」と彼らは言う。彼らの政治こそがこの国を瓦礫の山にしてしまったというのに。      1999年8月17日から導入された震災税(deprem vergisi)で集めた384億ドルで、彼らはスーペルストラーダ〔注:大型幹線道路の一種〕や、メガプロジェクトを次々に行った。建築会社は儲かった。「我々が道路を作った」と票集めを行い、短期的な政治的利益でボロ儲けし続けた。      こういうことを言うと、彼らは声を張り上げるのだ。「今は政治をするときではない」と。      科 全文をよむ

2022-12-28  Zafer Şahinコラム「クルチダルオールか、イマムオールか?」 (Milliyet紙)

[共和人民党党首の]ケマル・クルチダルオール氏が大統領選に出馬するための眼前の最大の敵は、[善良党党首の]メラル・アクシェネル氏だろうか?      それとも、[イスタンブル市長]エクレム・イマムオール氏と[アンカラ市長]マンスル・ヤヴァシュ氏だろうか?はたまた、一向にクルチダルオール氏には好意的な視線を向けない、共和人民党派のメディアであろうか。実は、今列挙したどれでもない。      クルチダルオール党首にとっての最大の障壁は、党内で「アンカラではケマル派、イスタンブルではエクレム派」と言わ 全文をよむ

2022-05-17 NATO「拒否権」の幻想 (Cumhuriyet紙)

多くの有能なオブサーバーたちが述べたようにNATOがロシアを包囲した結果であるウクライナ紛争において一体何が起こり、終わったのか理解をすることそして様々な事件を確かな場所にもたらすために、トルコの将来における形づくりにおいて決定的な重要性をもつNATOを無視してはならない。まさにアメリカ合衆国、フィンランドそしてスウェーデンもまたNATOへと組み込まれるという意図が明らかにされると、北大西洋条約が再び議題となったのだ。ワシントンがその意図を発表したことを受けて、タイイプ・エルドアンもまた、この要 全文をよむ

2021-10-19  Güneri Cıvaogluコラム「エルドアンのアフリカ訪問」 (Milliyet紙)

エルドアン大統領は、アフリカへの旅行のために、フランスの「レファレンス」新聞のレ・モンド紙に対して「不安」を反映する回答を行った。      「トルコ大統領の、アフリカ大陸に対してのアグレッシブな観光というのはすでに一つの安全保障な構成要素を含んでいる。」      レ・モンドにおける記事の幾つかの文面というのは以下の通りである。      トルコ大統領のレジェプ・タイイプ・エルドアンは、現在に至るまでアフリカに対して15回のツアーで、30か国を訪問した。      エルドアンは、アフリカ大陸に 全文をよむ

2021-08-24 Doğan Hızlanコラム:カパル・チャルシュ(グランドバザール)の行方? (Hurriyet紙)

ウスキュダル大学社会学教授エブルフェズ・スレイマンが主導をして、「カパルチャルシュの職人が昨日から今日にいたるまで文化・観光的な貢献の社会学的歴史」について、アヴラシャ大学社会福祉学部ニルハン・カルカンデレル氏もまたアクティブな職責を担ったという調査が行われた。      以下のような問題の解答を議論している:      ■「カパルチャルシュの職人は終わってしまうのか?」      カパルチャルシュは、私そして私の世代の生活において重要な位置を担っています。ベヤズットで大学から出ます、そしてチュ 全文をよむ

2021-06-09 地中海の水温上昇、海洋全般の20%増し (Cumhuriyet紙)

世界自然保護基金(WWF)のスペイン支局が公表した報告書によると、地中海の海水の水温上昇は、他の海や大洋に比べ20%も早くなっていることが明らかになった。      WWFが公表した報告書によると、過去に行われた「地中海が熱帯化している」という警告を繰り返したWWFは、地中海の海水の急速な上昇の影響とともに、より暑い地域から地中海へ直接来る最低でも1000の外来種が新しく明らかになったこと、またこれらは在来種を駆逐し始めていることが伝えられた。      報告書において、地中海の水温は、他の地域 全文をよむ

2021-05-21 ソイル内相の攻撃に応えるージュムフーリエト紙 (Cumhuriyet紙)

スレイマン・ソイル内務大臣は昨夜、TRTニュースチャンネルの番組で我々ジュムフーリエト紙を再び槍玉に挙げた。      知られているように、トルコでは連立政権のとある声明によって直接助けられているマフィア指導者を含む犯罪組織の指導者、個人、黒い関係を持つ政治家、官僚らとの闘いが行われている。      この闘いで最も名前を聞く人の筆頭はスレイマン・ソイル内相だ。      マフィア組織と繋がりのある記者と親しい友人関係にあり、裏社会の指導者にメッセージを送り、政府関係者を守り話を聞かれないために 全文をよむ

2021-03-29 Barış Terkoğluコラム:この粉砂糖の費用はどこから捻出されたのか (Cumhuriyet紙)

長針は短針に迫り、やがて日が変わる。机から立ち上がった。「あなたに平安を」と言って別れた。大きな門から出た。ネクタイを緩め、上着のボタンをはずした。自分のものではない世界から自分の希望に向かって歩みを始めた。      皆が『粉砂糖』について話している。さらに、少しちゃかしている。しかし、問題はとても深刻である。キュルシャト・アイワトオールが吸い込んだ粉は、トルコの今日の状況を説明している。      世界の首都でカクテルを飲んでいる時、あるいは、高級車から降りて別の高級車に乗る時、ナイトクラブ 全文をよむ

2021-03-02 Sami Kohenコラム「米の中東政策はどう変わるか」 (Milliyet紙)

ワシントンにおいて、先週の金曜日に今まで秘密理に保たれていた「カシュクチュ・レポート」が公開されることそして、それを見る進展の数々は、アメリカ合衆国のサウジアラビアを含める中東政策における一つの変化のシグナルとして捉えられている。      ジョー・バイデン大統領は、職務を始めた1月20日から現在に至るまで、前任であるドナルド・トランプ氏の政策から離れた道における初となる歩みを進めたようだ。外交政策において、とりわけイラン、湾岸諸国、イエメン、パレスチナのような中東の諸問題において採った新たな姿 全文をよむ

2020-12-21 Ahmet Hakanコラム: 新年を家で祝うのは禁止で、ホテルで祝うのは自由 (Hurriyet紙)

当局者は家で大勢で新年を祝うのを望んではいない。      彼らは、これを「禁止」の範囲に入れている。   [違反すれば]罰則は何か。全く明らかでない。   禁止を破ったとどのように明らかになるのか。隣人が隣人を通報することによって、と思う。どこから見ようとも、味気ない施策である...。      しかし、人々の健康を考えると…。この味気なさを心の中でのみ込んで、全く非難できない。      私が非難するのは以下の矛盾に対してである。   家で新年を祝うことを禁止する一方、ホテルで祝うことは自由 全文をよむ

2020-12-19 ギュレン派クーデターへの過程における12月17~25日事件 (Hurriyet紙)

7月15日クーデタに至る過程のうち最も重要な通過点の一つは、12月17日〜25日事件だった。      彼らが訴訟を通して行ったクーデタの企みが成功しないまま、彼らは最終的に、最後の手段でトルコ国軍内のギュレン派勢力を行動に移させた。私たちはそれを7月15日クーデタ未遂事件と呼んでいる。私は12月17日〜25日の本当の側面は書かれなかったと思うが、しかし7月15日クーデタを理解するためには12月17日〜25日を振り返らなければならない。今私が一つ一つ挙げていく、事件前後のこれらの介入はギュレン派 全文をよむ

2020-12-02 Sedat Enginコラム:ようやく発表の感染者数、過去にさかのぼるべき (Hurriyet紙)

保健省が隠ぺい体質の政策をやめて、COVID-19テストで陽性となった全ての感染例を先週から発表し始めることによって、初めて感染規模を、データベースでより現実味のある形で私たちは見始めるようになった。      このようにして、実際の「感染者の合計」が、つまりはCOVID-19テストが陽性となった全員の合計が「感染者」として発表されることで、テストが陽性で症状を示した人たちの4倍以上にのぼるということが明らかになった。例えば、先週水曜日の夜に行われた発表では、一日に2万8351人の陽性者、この内 全文をよむ

2020-08-03 Didem Özel Tümerコラム : 公正発展党、イスタンブル協定から撤退の準備 (Milliyet紙)

公正発展党は、ここ暫く議論され、イスタンブル協定として知られる「女性への暴力とDV防止及び対策に関する欧州評議会協定」に関して大枠で決定を下した。2月にエルドアン大統領が国会議員と集って議論した際に、再度取り上げられ、ここ三四回の党中央執行委員会で議題となったイスタンブル協定に関して、「撤廃すべきか、議論すべき項目について解決を見つけるか」との問いは、党内で「撤廃しよう」という答えとなった。このことが7月14日に行われた党中央執行委員会で決定されたとみえる。なぜなら、撤廃が大統領の署名入りの大統 全文をよむ

2020-07-31 Ali Sirmenコラム「モスクについての嘘ーアヤソフィア」 (Cumhuriyet紙)

アヤソフィアを完全にモスクへ転換することについて、異議と議論が続いている。モスクは一時、政治の焦点となることが見込まれる。モスクを政治の中心へ、政治をモスクの中心へ据えることは、AKP(公正発展党)の古典的な手法だ。もちろん、この手法は嘘と混ぜ合わされて用いられている。      この件について、おなじみの嘘の一つは、「アタテュルクとイノニュがモスクを閉鎖し、物置とし、また娯楽の場に、そしてトイレにした」というものである。      歴史家のスィナン・メイダン氏は、2巻からなる『共和国の嘘』の最 全文をよむ

2020-07-29 Barış Dosterコラム:誰がアタチュルクを呪うのか? (Cumhuriyet紙)

先週のアヤソフィアにおける式典で金曜礼拝の説教に際し、アタチュルクと共和国の建国者たちに対する宗務長官の言葉が、トップニュースになっている。名前を挙げることなく、共和国建国者たちを呪う宗務庁長官の、アタチュルクに関する考えは、秘密のものではない。今回にいたっては、自身のハードルをかなり上げてしまったため、非常に大きな反発を呼んだ。辞任が求められたのである。この件に関して司法へ訴えを起こした者たちもいる。トルコ国内外で、また与野党で、宗教・宗派・民族アイデンティティ・リベラリズム・社会主義・ナショ 全文をよむ

2020-07-25 Ahmet Hakanコラム:ここまで集まるとは!―アヤソフィア礼拝 (Hurriyet紙)

もちろん、長年積み重ねられてきた大きな期待が、大きな興奮の波になると私は考えていたし、ここ最近最もよく言い表される憧憬が現実のものとなり、大きな熱狂となることも想定していました。   言わずもがな、故ネジプ・ファズル氏が大衆に朗詠したアヤソフィアの詩を聞いた人々が、通りへ繰り出すだろうことも疑っていませんでした。   そして当然、群衆が「アヤソフィアでの最初の礼拝」のために、スルタンアフメト広場へと流れていくことも承知していました。   この出来事が壮大な祝祭となるであろうこと、特に公正発展党の 全文をよむ

2020-05-20 Abdulkadir Selviコラム:コロナ禍の中のアンケートは何を示す? (Hurriyet紙)

コロナウィルが、健康分野のみに影響を及ぼしているとお考えなのであれば、それは間違っている。      恐らくは、健康問題同様に、経済でもその影響は明らかなものとなった。それは政治をも形づくっている。ジェナル(GENAR)は4月28~5月3日に3000人に対してアンケートを実施し、このアンケートはコロナウイルス禍における日々の政治を明るみにするものである。読者の皆様を数字で辟易させることなく、一般的な動向をここにお伝えしたく思う。      ■エルドアンに対するHDPとSP支持者の関心      全文をよむ

2020-04-11 Ahmet Hakanコラム:コロナ感染について聞きたい10の質問 (Hurriyet紙)

新型コロナ感染が発生した日から多くの質問が出ては、それに対する回答も数多く出されてきた...しかし、同じ質問に対して異なる回答が出されるために頭は混乱するばかりだ...例えば数多くの質問をして回答を受け取ったにもかかわらず、まだ解決に至ることのできない問題が多くある...それらの中から10個の問題を、ヒュッリエト科学委員会の非常に著名な先生方にこれから率直に質問してみようと思う。先生方からの回答があり次第、皆さんにもお伝えする。     質問1:このウイルスは夏になっても感染力が弱まることはない 全文をよむ

2020-03-07 Barış Dosterコラム:ロシア・トルコ首脳会談で誰がどれだけ勝ち得たか? (Cumhuriyet紙)

ロシアとトルコの両国は、モスクワで行われたサミットにおいてイドリブでの停戦を決定した。これは前向きな前進だ。停戦に関しては、トルコ政府、ロシア政府、シリア政府も満足している。しかし、当事者らが何を望み、どれほどの利益を得るかという観点から見ると、勝者はロシアであることがわかる。その理由について順に述べよう。     1:サミットは合計で6時間にも及んだ。今回の会談において頑なであったのはロシアのプーチン大統領であり、当初は会談を望んでいなかったためにしつこく約束を取り付けたのはトルコ側であった。 全文をよむ

2019-12-18 Mehmet Soysalコラムー独りぼっちの旅―アルメニア問題 (Hurriyet紙)

アメリカのいわゆる「アルメニア人の虐殺」という中傷による政治的復讐に応えて、アメリカの歴史における虐殺の数々を書き記すつもりだということを表明した…。      アメリカの歴史家であるジャスティン・マッカーシー教授は、『1915年:ヴァンでのアルメニア人反乱』というタイトルの書籍で事件の本当の姿を資料の数々とともに提示している…。      彼はこう言っている。      -ムスリムの市民の中で発生した最初の大虐殺は、戦争が始まった時期にロシア人たちがディル、バシュカレ、サライ地方を占拠したとき 全文をよむ

2019-12-05 Sedat Erginコラム:NATO首脳会議ートルコをめぐる米仏対立 (Hurriyet紙)

12月4日、ロンドンで行われたNATO(北大西洋条約機構)首脳会議が閉幕した。この首脳会議は、フランスのエマニュエル・マクロン大統領の「NATOの脳死」発言に起因する議論が形作った雰囲気の中で行われた。      ニューヨークタイムズの報道によれば、マクロン大統領のこの言は、ドイツのアンゲラ・メルケル首相から、11月にベルリンで行われた食事会で同大統領にあまり外交的とはいえない回答を引き出した。   メルケル首相は次のように話したのだ。「事態を混乱させるあなたの政治スタイルは理解しています。しか 全文をよむ

2019-11-09 Abdulkadir Selviコラム:米・露、秘密の合意はあるのか? (Hurriyet紙)

2019年10月15日   「米軍がマンビジュから撤退する際、ロシアとシリア政府の旗を掲げた軍用車がマンビジュに侵入していた。」   2019年10月16日   「米軍撤退後の基地はシリア軍の管理下に置かれた。米軍が撤退したマンビジュやタブカ、アインイーサ、ラス・アルアイン南部及びハセケの農地等を含むテルタミルのような重要地域には、シリア軍やロシア軍が侵入した。」   2019年10月19日   「アメリカ軍はコバーニーから撤退する際に、シリア軍及びロシア軍と遭遇した。」   アメリカとロシアは 全文をよむ

2019-10-26 Barış Dosterコラム:アンカラ・ソチ合意ー勝者と敗者 (Cumhuriyet紙)

トルコはこの数日でシリア問題解決及び「平和の泉」作戦に関することとして、まずアンカラでアメリカと13条に及ぶ合意を、その後ソチでロシアと10条の合意を締結した。これらの合意により、トルコはシリア北部で行った軍事作戦をロシア及びアメリカに承認させた。そして、PKKは以下のPYDとYPGのテロ組織らを国境線から32キロメートル以南へ撤退させることに成功した。しかし、テロ組織に対し大国が支援を行うことを止めることはできなかった。結果、テロを完全に無力化させるまでには至らなかった。   当該地域への大国 全文をよむ

2019-10-16 Abdulkadir Selviコラム:シリア政権との対話とシリア新情勢 (Hurriyet紙)

エルドアン大統領は、メルケル首相と会談した際に「あなた方はテロ組織をNATOへと加えたのに、私たちだけが知らないのではないか」といって問いかけた。メルケル氏は、「いや、それは違う」と返答をしただけで済ませてた。      エルドアン大統領と各大臣が「平和の泉作戦」に関連して、各国首脳陣たちとおこなった電話会談でも似たような状況が起こっている。フルシ・アカル国防相は「平和の泉作戦」に関連して他国の国防大臣達に電話で「あなたたちの国へ榴弾砲が落ち、生後9か月の赤ん坊が命を落としたら、あなたは一体何を 全文をよむ

2019-10-15 Sedat Erginコラム:シリア2012年の均衡、激変 (Hurriyet紙)

昨夜(14日)、このコラムを書き始めようとパソコンに向かって座ったら、トルコとシリアの国境沿いのユーフラテス川の東も西の地域(の状況)も継続的に進展しており、ある地点での勢力均衡が鮮明となったが、いくつかの地点においては物事がどの方向に向かうのか不明瞭であると思われる、多数のアクターが武器を手にして、その地域に存在しているという極めて緊張する、論争すべき構図があった。      おそらく、このコラムが印刷されその後、今朝読者に届くと、地域の状況はこの原稿を構想した瞬間と比較すると、多くの変更点が 全文をよむ

2019-10-15 サッカー欧州選手権予選、仏と引き分けー「敬礼」が波紋 (Cumhuriyet紙)

UEFAは、ドイツ、フランスの申し入れにより、フランス対トルコ戦において、「ナショナルチーム」がゴールを決めた際に見せた喜びの行為に対し調査を開始した。      NTVニュースによると、UEFAは、ドイツとフランスの申し入れを受けて、フランス対トルコ戦でのトルコナショナルチームのゴールの喜びに関して調査を開始した。      我が国のナショナルチームは、対フランス戦でカーン・アイハン選手が試合開始81分に放ったゴールの後、トルコサポーター側のエリアに向かい、軍隊式の敬礼を行った。「平和の泉作戦 全文をよむ

2019-05-18 Abbas Guclu―教育新時代? (Milliyet紙)

国民教育省は、改革案を発表した省庁の中で先陣を切った。      なぜか?なぜなここは頻繁に大臣が変わる省庁であり、その都度就任する新しい大臣は新しい改革パッケージを説明するからである。      この17年間で、この国を同じ政党が統治していたが、教育システムは少なくとも17回変わった。      エルカン・ムムジュ、フセイン・チェリク、ニーメト・バシュ(チュブクジュ)、オメル・ディンチェル、ナビ・アヴジュ、イスメト・ユルマズそして今のズィヤ・セルチュク各氏だ!   レンガを次から次へと積み上げ 全文をよむ

2019-03-28 Abdulkadir Selviコラム:保守派のなかの自問の広がり (Hurriyet紙)

地方選挙が近づく中、浮動票の割合が高いことが注意を惹いている。浮動票の割合は27~30%にまで達したと言われていた。      選挙までの残り日数が数えるほどとなり、私は世論調査会社と話をした。ここ2週間で浮動票の割合は減少している。世論調査会社・GENAR研究所のイフサン・アクタシュ所長は、浮動票の割合は8~10%であるとしている一方、オプティマル研究所のヒルミ・ダシュデミル所長は「6~7%まで減少した」と述べている。       野党勢力の浮動票の割合は低い。浮動票の有権者はその大半が公正発 全文をよむ

2019-01-25 Sedat Erginコラム:プーチン・エルドアン会談の2テーマ会談を読む (Hurriyet紙)

一昨日、モスクワで行われたレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領とロシアのウラジミール・プーチン大統領の会談の結果は「イドリブ及びユーフラテス川東岸-安全地帯」と2つのテーマのもとで評価できる。      1つ目から始めよう。イドリブでの危機は特に急を要するものだ。なぜなら、昨年9月のソチ合意でエルドアン・プーチン両大統領が決定した、イドリブにおける「非武装地域」の設置に関して、今月初め以降、全ての計算が狂っているためだ。テロリスト集団・アルカイダ系のタハリール・アル・シャーム(HTŞ)が、トルコ 全文をよむ

2018-09-24 Abdulkadir Selvi コラム:エルドアン大統領、アメリカ投資家との会合の舞台裏 (Hurriyet紙)

■エルドアン大統領は、国連総会のためにアメリカに      エルドアン大統領の予定にトランプ大統領との会談は計画されていない。しかし、エルドアンは、アメリカに出発する前に「アメリカ側から要請があれば検討する。現在は検討してはいない」と話して扉は開けたままにしておいた。国連の会議中あるいは会食中に両首脳の間に接触があったとしても驚きはない。両国間で生じた緊張関係の後には対話が必要である。しかも、いつも以上にである。エルドアンがアメリカ滞在後のドイツ滞在も同じくらい重要である。ドイツ訪問はEUとの関 全文をよむ

2018-09-10 Abdulkadir Selvi コラム:地方選で地位を去る指導者が現れうる (Hurriyet紙)

■地方選の雰囲気が急速に現れている      公正発展党は11月から12月に、共和人民党は10月から11月に自治体首長選挙の候補者を公示するだろう。この地方選の特徴は、連立である。公正発展党の関係筋では民族主義者行動党との連立の点で重要な進展がありうると言われている。エルドアン大統領と民族主義者行動党バフチェリ党首は、連立について決定するために今週会談をすると見られている。      地方選での連立の呼びかけは、バフチェリ党首が行った。同党首は、「トルコが存立に向けて継続的に戦っている時代に、民 全文をよむ

2018-08-22 Yorgo Kirbakiコラム:ギリシャ政府、クーデター未遂犯難民申請受理の背景 (Hurriyet紙)

ギリシアの行政裁判所は、7月15日以降に逃亡したクーデター未遂兵らのうちスレイマン・オズカイナクチュ氏を難民として認め、ギリシア政府の反対も却下したスキャンダラスな決定で醜い理由を記した。決定理由では、オズカイナクチャ氏がクーデター未遂に参加し、ギュレン派(FETÖ)のメンバーであるという事が立証できなかったと主張された。      7月15日クーデター未遂の一日後に軍用ヘリコプターによってデデアーチュ(アレクサンドゥロポリス)市へと逃亡したFETÖの8人の兵士のうスレイマン・オズカイナクチャ元 全文をよむ

2018-08-04 Sedat Erginコラム:米土対立、なぜ、今回は違うのか? (Hurriyet紙)

ついこの前、3週間前の7月11日にブリュッセルで開催されたNATO首脳会議の際に撮影された写真では、廊下でかなり親密な様子の米土両国指導者の姿が写っており、写真を見た者はトルコと米国の指導者の関係性は水も漏らさぬ緊密なものであると確信したものであった。      写真ではドナルド・トランプ米国大統領とレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領が大親友しかしないようなやり方で双方の手を固く握り振っている様子が写っている。      この写真をくれたトランプ大統領は約2週間後、イズミールで拘留中の米国人ア 全文をよむ

2018-07-16 Abdulkadir Selvi コラム:新閣僚へ期待すること (Hurriyet紙)

1920年4月23日アンカラのハジュ・バイラム・ジャーミー(モスク)で金曜礼拝が行われた。礼拝後、聖なる旗が掲げられ、祈りを唱えながら議会の前まで運ばれた。羊を生贄として捧げて祈りを行った後、最長老であるスィノプ県代表シェリフ・ベイのスピーチとともに第1議事堂は開幕した。      この日から98年後、大統領と閣僚がハジュ・バイラム・ジャーミーで礼拝後、第2議事堂に集まった。      閣議は第2議事堂で行われたが、第1議事堂の精神が支配的であった。      トルコは、総選挙の6月24日にとと 全文をよむ

2018-07-08 Abdulkadir Selviコラム:新制度、新メンバーで船出 (Hurriyet紙)

議会の初日、我々は国会内にいた。      メヴリュト・チャヴシュオール外相が、公正発展党(AKP)のネジャティ・チェティンカヤ氏と勢いこんで話していたとき、お茶を出した給仕が持っていたお盆が床に落ち、コップが割れた。チャヴシュオール外相は、「コップが割れるのは、いい兆しだ。初日に議会の邪視が現れたのだ」と言った。た邪視が現れたのかは分からないが、新期の議会は多少の期待と驚きの中で始まった。      元大臣のアハト・アンディジャン氏を善良党国会議員として、またアブデュッラーティフ・シェネル氏を 全文をよむ

2018-06-18 Abdulkadir Selvi コラム:選挙一週間前、選挙動向 (Hurriyet紙)

選挙規則のためアンケートの結果は公表されず、推測もできない。しかし、アンケートが行われていないとは考えてはいけない。      重要な調査機関は、犠牲祭の初日にアンケート調査を完了した。著名な別の機関は、今週中にアンケート調査を完了させるだろう。世間に公表されないアンケート調査をなぜ行うのかと尋ねたところ、「公証人に承認させる」と述べた。国際金融機関は、6月24日以降を予測するためにアンケート調査を行っている。さらに評判だけのために何十億と費やしてアンケートを行っている世論調査機関もある。選挙規 全文をよむ

2018-05-28 Abdulkadir Selvi コラム:新政府システム草案 (Hurriyet紙)

タイイプ・エルドアン大統領は、選挙演説をエルズルムから始め、イスタンブルで完了させる予定だ。      エルズルムでの注目により上機嫌で戻ったエルドアン大統領は、最終週をイスタンブルに充てる予定である。イスタンブルの区毎、地区毎に回って演説を行う予定である。「イスタンブルを失うものは、トルコを失う」とはエルドアンの言葉である。しかし、同時に「イスタンブルで勝ったものは、トルコでも勝つ」という姿勢を生んだのも彼である。      エルドアンは選挙遊説が始まると、一方ではライバルとの論争を始める。他 全文をよむ

2018-03-14 アブドゥルカーディル・セルヴィ・コラム:アフリーン包囲の作戦は? (Hurriyet紙)

オジャランは、2015年3月から2016年10月までの間、イムラル島で一緒に収監されていたPKK(クルディスタン労働者党・非合法組織)メンバーのチェティン・アルカシュとナスルッラー・クランにアフリーンに関する最重要指令を伝えた。      アフリーンに衣服の工房を建設するような報道があったと指摘し、「今は、衣服の工房ではなく武器や弾薬の工房を建設する時」と語った。この発言は組織(PKK)からの指令として承認されている、アフリーンでは強制徴募が開始され、市の中心部及び郊外において、コンクリートブロ 全文をよむ

2018-01-31 Sedat Erginコラム:なぜロシアは、シリア問題でトルコに協力するのか (Hurriyet紙)

トルコがアフリーンで始めた「オリーブの枝作戦」で得た最も重要な結果の一つは、ロシアとの関係がより親密になったことであり、これはお互いの協力に大きな加速をもたらした。      ロシアは、アフリーン軍事作戦でなぜトルコに領空を開いたのか?シリアでトルコを援助する姿勢をとることにはどんな目的があるのか?   この質問の答えを探すとき、以下のような予想と観察をすることができる。      1)ロシアの国益に見合うから   ロシアのこの動きは、最近の対トルコ関係で優勢な一般的な方向性と一致している。ここ 全文をよむ

2018-01-23 Sedat Erginコラム:アフリーン攻撃、みえてきた結果 (Hurriyet紙)

先週の土曜日に始まったアフリーン攻撃がトルコにとってまずどのような結果を生んだのかは ―回廊問題の他― 以下のように評価することができる。      最も重要な結果のうちの一つは、シリアの将来の再構築の時期に、トルコがこの作戦により自身を利害関係者の中に強い影響力を持って定着させたことである。      この国の戦争に何かしらの形で関わっている、すべてのアクターたちが、将来のシリアを現在より自身達の望む方向へ導こうとしている中、トルコは昨年「ユーフラテスの盾」作戦により影響力を手にして以降、交渉 全文をよむ

2018-01-19 Taha Akyol コラム:アフリーン作戦へ (Hurriyet紙)

トルコはアフリーン作戦を決定し、おそらくこの先マンビジュ(トルコ語名メンビチ)作戦へと進むだろう。    今回の法律における軍事的側面は、非常に重要である。なぜなら、クルド人民防衛隊(YPG)支配下にあるアフリーンは、農村部ではなく都市なのだ…    ユーフラテス・シールド作戦よりも、今回の状況は複雑だ。7つの町と365ヶ所の村落から構成されるアフリーンの州全体の人口はおよそ40万人であり、その40%がクルド人だ…PKKやYPGが「西部」と呼ぶ3州の1つだ。こうした理由から、テロ組織はアフリーン 全文をよむ

2018-01-10 Abdulkadir Selviコラム:ギュルと決別、バフチェリと共闘へ―エルドアンの選択 (Hurriyet紙)

民族主義者行動党(MHP)バフチェリ党首の「2019年の私たちの候補はエルドアンだ」という発言に対するエルドアン大統領の返答を知るために、本紙は公正発展党(AKP)のグループ会議に参加した。      大統領は演壇に上がった。ところがどうしたのか?私たちがバフチェリ党首についての話を期待する中、彼はアブドゥッラー・ギュル氏の話題に移った。エルドアン大統領は初め、12月12日にカスタモヌ県でスピーチをした。「あなたはケマル・ベイのボートに乗っている」(訳注:ケマル・クルチダルオール党首率いるCHP 全文をよむ

2017-11-23 Abdulkadir Selviコラム:ザッラーブ捜査を政治・経済的にみると・・ (Hurriyet紙)

レザ・ザッラーブ被告が自白したことに関する証拠は、日に日にその確証を強めている。ザッラーブ被告の弁護人らが、連邦検察と一月半にわたって交渉を行ったという情報も明確となった。ザッラーブ被告の名前は裁判から除外された。    ザッラーブ捜査には、2つの重要な側面がある。    1.経済的側面    2.政治的側面    経済措置が、ハルク銀行やハカン・アッティラ被告の件で進められることは周知予想される。ヒュッリイェト紙ワシントン支局のジャンス・チャムルベル記者は、「ザッラーブ裁判の足音…このデリケー 全文をよむ

2017-10-17 Abdulkadir Selviコラム:エルドアンとギョクチェキは何を話したのか? (Hurriyet紙)

政治議題にアンカラ市長、メリフ・ギョクチェキ氏が上がっている。      先週は、罷免に反対したギョクチェキ氏。罷免はされまいと、「私を罷免できるのならしてみなさい」と話した。が、今週は、風の流れは逆になった。ギョクチェキ氏は、罷免の決定を受け入れたのだが、名誉ある罷免を求めた。      ギョクチェキ氏が有終の美を求めるまで自然な流れはなかった。「私の子孫に何と説明しようか、不正でもあったのか、はたまた私はギュレン派なのか。どうして辞任などしようか」との発言には人間的な部分がある。皆、名声・体 全文をよむ

2017-08-03 Taha Akyolコラム:死刑論ポピュリズム (Hurriyet紙)

クーデター容疑者への法廷審議にあたり、市民が抗議の声を上げ、死刑を求めている。      裁判官を侮辱するようなことでもなければ、法廷の外で、裁判に賛成でも、反対でも、デモはできる。   7.15が国に与えた恐ろしい被害を考えれば、そうした反応は当然だ。   問題は、国家の要人や政治家、法律家、市民指導者らがどのように振る舞ったかだ。      ■「死刑を求める」      アクンジュ基地は、クーデター未遂の「震源」とされた。私はその起訴に関するニュースをTVで見た。AKPのケチオレン地区組織か 全文をよむ

2017-07-30 Murat Yetkin コラム:ジャーナリスト逮捕に終止符を (Hurriyet紙)

ジュムフリイェト紙の裁判は、新聞記者の拘束が国内における不公正と国外における不安定さを増さないよう、新聞記者の拘束が終わるべきであることを、皆に改めて示すものとなる必要がある。      昨日(28日)、イスタンブル第27重罪裁判所での公判5日目、拘束された新聞記者である我々の同僚の気分は良好だった。アブドゥッラフマン・オルクン・ダー裁判官が休憩を言い渡した際、軍警察の間にいたものの、友人たちと健康を尋ねる機会を得た。      自身の体調は非常に優れて見えたが、(拘束されたジュムフリイェト紙の 全文をよむ

2017-06-30 Taha Akyol コラム:中東の問題、さらに深刻に (Hurriyet紙)

シリアやイラクの問題は中東の結びつきにおいてさらに大きくなっているように見える。   なぜなら、アメリカとロシアが関与を増しているように、バルザーニーの独立宣言とカタール・サウジ危機によって地域の緊張が完全に高まることは、我々の前の困難が増大することを示しているからだ。   この問題は、トルコから見れば第1級のテロ問題である。ISのテロと、トルコから見れば国の全体性と主権の危機であるPKK/PYDのテロ…。シリアやイラクの問題は、PKK/PYDのテロの根源である。      ■PKKの地中海への 全文をよむ

2017-06-19 Nuray Mertコラム、どこから始め、どう説明しようとも (Cumhuriyet紙)

先週はコラムを書かなかった。選挙前のロンドンに行っていたからだ。もちろん、休暇ではなく、少しロンドンがどうなっているのかを取材したかったからだ。実際に、ロンドンは非常に活発で陰鬱だった。私は、西側世界を夢のある国としてみている人間ではない。      私が若かった頃に広く流布していた「人々は地下鉄の中でさえ本を読んでいる」といった噂をまったく真に受ける必要がないことを若い頃から理解していた。なぜなら、地下鉄でジョン・ロックやシェイクスピアではなく、安っぽい小説を彼らが読んでいることを知っていたか 全文をよむ

2017-06-08 Akif Beki コラム:カタール孤立、真の標的はトルコ? (Hurriyet紙)

「本当の狙いはエルドアン」というコーラス隊は、まさに仕事中      サウジアラビア王国、湾岸の首長国、エジプトは、カタールを封じ込めてしまったのか…。      彼らはすぐサズを手にして、「トルコが為に鐘は鳴る」とフォークソングを奏で始めている。      狙いはエルドアンを潰すこと…、カタールでの仕事が終わってから矛先がトルコに向けるつもり…、「ウンマの希望」にひざまずかせることじゃないか、などなど…。      では「お決まりの調べ」の友よ、「陰謀を触れ込む」同朋よ...!カタール首長であ 全文をよむ

2017-05-27 Fikret Bila コラム:NATOとPYGの関係の行方 (Hurriyet紙)

タイイプ・エルドアン大統領がNATO(北大西洋条約機構)サミットのため訪問したブリュッセルにおいてEU首脳らと行った一連の会議から出された結論は、現状維持の決定であった。    相互に厳しい見解が出された今回のプロセスにおいて、「トルコはEUと断絶しているのか、EUはトルコとの関係を断ち切っているのか」という問題は、軟化プロセスに置き換えられてしまったように見える。トルコとEUは、数年間にわたる行程表で合意した。トルコの加盟プロセスという観点から、この1年間で相互的に打ち出される施策の数々は決定 全文をよむ

2017-05-18 Abdulkadir Selviコラム:エルドアン・トランプ会談の行間を読む (Hurriyet紙)

高い関心を持って期待されていたエルドアン-トランプ間の会談が実現した。      トルコとアメリカの関係は収束・一時休止に収まらないように見える。      まず、両国の指導者のボディ・ランゲージについて私見を分かち合いたい。      大統領エルドアンは、信頼を示す赤いネクタイをつけていた。赤は同時に共和党のシンボルカラーだ。トランプは選挙運動においてオバマ前大統領と行った引き継ぎ式において赤色のネクタイを選んだ。エルドアンもこのネクタイを着用することで一つのジェスチャーをしたのだ。同じジェス 全文をよむ

2017-05-12 Murat Yetkin コラム:訪米で直面する、エルドアンの重要な選択 (Hurriyet紙)

タイイプ・エルドアン共和国大統領は、5月12日、中国訪問に出発する際の発表で、中国よりもアメリカを重要視した。      なぜなら、本当の問題はアメリカとの間にあるからである。      エルドアンは、中国から直接飛行機で移動し、5月16日にアメリカ大統領ドナルド・トランプ氏と面会する予定だ。      この会談決定はそんなに簡単ではなかった。      トランプ氏が2016年11月に選挙で勝利した際、初めてのお祝いのメッセージを送った首脳たちの1人であったエルドアン大統領だが、それから何の反応 全文をよむ

2017-04-17 Murat Yetkin コラム:勝つには勝ったが、今後の運営はさらに難しい (Hurriyet紙)

ことの法的な局面があり、51%であれ、タイイプ・エルドアン大統領が予想したように60%であれ、まったく問題ではない。      エルドアン大統領は10年来目論んでいた目標を達成し、大統領制へと到達した。もはや民族主義者行動党(MHP)のサポートも必要ないということを鑑みれば、「大統領による統治システム」といった、実際誰もが何なのかを分かっている、まわりくどい表現も必要ない、と思うのである。      エルドアン大統領が勝利を発表したが、5500万人弱の有権者のうち86%が票を投じた国民投票で「賛 全文をよむ

2017-04-13 Abdulkadir Selviコラム:あと3日、最後の構図 (Hurriyet紙)

一人の共和人民党(CHP)幹部と対談した。      「7月15日はコントロールされたクーデター未遂と言って自分が術中にはまってしまった」と語っていた。      公正発展党(AKP)の幹部の一人とも対談した。      「キャンペーンの序盤に反対者らの批判に対しての回答を準備してしまったことで間違いを犯してしまった。その代わりに新体制がトルコに何をもたらすのかを説明しなければならなかった。」CHP党首ケマル・クルチダルオールは口酸っぱく皆に選挙に行くよう呼びかけている。クルチダルオール氏によれ 全文をよむ

2017-04-06 Murat Yetkinコラム;あと10日、イエスとノーは拮抗 (Hurriyet紙)

 昨日、トルコの主要アンケート会社3社の幹部と4月16日の国民投票の結果予測について話をした。数値については皆様にお伝えしない。       なぜなら、1つには各社がまだフィールドワークを完了していないからだ。2つ目には、大まかな予測では「イエス」と「ノー」の差が2~4%で、これは統計的な誤差の範囲内だからだ。つまり2%の差がある、と言った場合のその差は、どちら側にも有利に捉えられるかもしれないのだ。3つめには、まだ10日残っているとはいえ、政治的な基盤は脆く、バランスが絶えず変化しているからだ 全文をよむ

2017-03-21 Abdulkadir Selviコラム:国民投票イエス派・ノー派の新戦略 (Hurriyet紙)

投票まで27日を残し、イエス派・ノー派両陣営では戦略が再び見直されている。      まず公正発展党(AKP)陣営について確認されていることを共有したい。      ―エルドアン大統領が遊説を始めるとともにAKP支持層における浮動票率は減少し始めている。初期段階で9%ほどの浮動票率が減少を見ている。      ―浮動票率の大きな減少は確認できていない。今もなお無党派層は高い率を維持している。結果を左右するのは無党派層の選択となるだろう。      ノー派陣営では2つの構造が見られる。人民の民主主 全文をよむ

2017-03-17 Sami Cohen コラム:オランダ選挙結果が意味するもの (Milliyet紙)

マルク・ルッテ首相は、直接的なライバルであるヘルト・ウィルダース氏を選挙で負かした…。実際には首相のリベラル政党である自由民主国民党(VVD)は後退したが、議会の150議席のうち33席獲得して第一党の地位を守ることに成功した。これに対し、ウィルダース氏の極右民主政党である自由党(PVV)は進展を見せたが、20議席を獲得して第二政党にとどまった…。      今回のオランダ選挙ではこの二つの政治家にすべての人々の注目が集まっていたため、選挙結果のこの面はより一層関心を集めている。しかし、VVDとP 全文をよむ

2017-03-14 Aslı Aydıntaşbaşコラム:ヨーロッパとの軋轢は誰にとっても好都合 (Cumhuriyet紙)

この軋轢において「正しい」者は一人もいない。しかしヨーロッパとの間に生じた悲劇は誰にとっても好都合だ。      アンカラは、トルコ人関係者らの国民投票選挙遊説を中止したヨーロッパに対し、日に増して厳しい言葉で圧力をかけ、投票まで1ヵ月を残した今、国家主義者層に「賛成」票を集める機会を見出している。   ドイツで中止されたあらゆる集会が、オランダに着陸しなかった全ての飛行機が、「賛成」キャンペーンをまたひとつ強化している。「殴って喚かせろ、ヨーロッパは聞くがいい!」というスローガンのもと7月15 全文をよむ

2017-02-09 Taha Akyolコラム:暴走戒厳令 (Hurriyet紙)

憲法裁判所のコントロールなき決定で、戒厳令は「制限とバランス取り」がないまま施行されている。      昨日も330人の学者を含む4464人が公職を追放された。   憲法学が専門のイブラヒム・カブオール教授も大学を追放された。      我々はカブオール教授とは別の憲法認識を持っており、議論したこともある。しかしながら、一人の法学教授が、広くは学者が、いかなる罪状も手続きも無しに、ただ戒厳令が作り出した「制限のない」影響力によって大学から追放されるのを良しとすることはできない。      カブオ 全文をよむ

2017-01-26 Abdulkadir Selviコラム:「国民投票は盤石ではない」という心配 (Hurriyet紙)

ビナリ・ユルドゥルム首相は、国民投票戦略を議論するために諸大臣と、アンカラのギョルバシュにあるヴィラーイェトレル・エヴィで夕食をとった。      大臣はスーツやネクタイを着用していたが、会合は公式のもの以上に意見交換をするという形で行われている。会合はブレインストーミングの形で進んでいる。      現行の問題が机上に据えられる。そうして60−70%の割合で議論は沸騰していない。逆に事実に基づく分析が行われている。さらに幾分不安や懸念の雰囲気すら漂っている。「国民投票は盤石なものではない。かな 全文をよむ

2017-01-21 Fiklet Bilaコラム:女性議員の「乱闘」にみる、暴力の種類 (Hurriyet紙)

社会生活の現代における一つの到達点は、いかなる性別であっても暴力に訴えるべきではないということである。      人権、法の支配、民主主義の基礎となる思想、表現、信条の自由を基礎として発展してきた現代の文明は、いかなる人によって行われるものであれ、あらゆる暴力を禁止している。      このために、今日、暴力は思想的な闘争の道具として認められるわけにはいかない。国際法でも国内法でも暴力は罪として認められ、刑罰を与えらえれる。このような状況であるにもかかわらず、社会的・政治的代表のもっとも上部に位 全文をよむ

2017-01-19 Murat Yetkin コラム:米土関係の、試練 (Hurriyet紙)

ドナルド・トランプ新大統領が就任宣誓する1月20日の前に、トルコ−アメリカ関係におけるわだかまりの克服に向けて、一連の非公開の接触が持たれた。      大西洋評議会において以前のアメリカ政権におり、現在トランプ氏を「外部から支援」する委員会が、トルコで2日に渡る重要な会談を行った。      委員会はまずイスタンブルでTÜSİAD(トルコ経団連)と会い、その後は主にアンカラで海外経済関係協議会、トルコ―アメリカ実業協議会と会談した。      アンカラではタイイプ・エルドアン大統領、ビナリ・ユ 全文をよむ

2017-01-12 Murat Yetkin コラム:1月13日が、キーとなる日 (Hurriyet紙)

法務大臣ベキル・ボズダーは昨日A‐ハベルで大統領制[に関わる]憲法が340以上の得票で通過すると信じていると述べた。       本当に民族主義者行動党(MHP)の支持を背後に得た公正発展党(AKP)をひるませるものはなく、大統領制はもはや通過したも同然なのだろうか?       そうであれば、憲法の第175条が据え置かれる中、アフメト・アイドゥン国会議長代理が私たちに何が起きたとしてもと言いながら票を見せながら投票したお祭り模様はなんだったのか。       AKPの議員たち、さらにはMHPの 全文をよむ

2017-01-09 Murat Yetkinコラム:トルコの岐路 (Hurriyet紙)

トルコは、現在直面しているのと同様の2回の岐路にたち、今日に至った。      一回目の岐路は、1923年に解放戦線の勝利により、ムスタファ・ケマル・アタテュルクの主導のもと、スルタン制から共和制へと移行するという議会の決定である。      二回目の岐路は、1945年の第二次世界大戦の戦火を避けたトルコが、イスメト・イノニュの主導のもとに多党制に移行した決定である。そこでは、もう一人の解放戦線の英雄、ジェラル・バヤルのリーダーシップも貢献した。      冷戦の期間中、躓きながらも前進していた 全文をよむ

2017-01-04 Murat Yetkinコラム:ISに、世俗派・イスラム派の区別なし (Hurriyet紙)

新年の最初の時間でのレイナ襲撃を、殺人を「当然」と喜びを感じるまでに盲目な人以外すべては衝撃を受けた。      だが、公正発展党(AKP)政権と党執行部は違う形で衝撃を受けた。なぜならイスラム国(IS)のこの行為は、ちょうどヌマン・クルトゥルムシュ副首相が1月2日に閣議のあとに述べたように、以前の事件とは全く違っていたからだ。      以前の事件はどのようなものだったか?見てみよう。      ISが2015年10月10日アンカラで平和集会のために駅前の集った人びとを襲い、103人を殺害し、 全文をよむ

2017-01-03 Serpil Çevikcanコラム:レイナ襲撃、その背景 (Milliyet紙)

2017年が大変な一年になるということを、私たちは新年が始まった直後、最もつらい形で思い知った。   イスタンブルのナイトクラブ「レイナ」で起きた銃撃事件で、39人が亡くなり、多数のけが人が出た。   これまでに、トルコ国内でISが犯行声明を出したのはアタテュルク空港の事件のみであったが、今回の襲撃対してISが犯行声明を出した。治安部隊は、あらゆる方面に捜査を拡大している。   昨日この記事を書き始めたとき、テロリストの身元が判明し、拘束に向けた大きな進展があったという情報が入った。昨日私が話を 全文をよむ

2017-01-02 Nuray Mertコラム、怒り、それだけ (Cumhuriyet紙)

責任が「国を統治する人以外」の全員にあると宣言された悲劇を私たちはまた経験した。あなた方にひとこと言わせてもらおうか。国を統治する人々がいかなる状況でも「責任」を負わない国ではあらゆる悲劇が起こるのである。私は、単に「安全措置」の問題の責任について述べているのではない。なぜならば、「安全」も結局のところ政治的な問題であり、どれほど安全措置を取ろうとも弱点はあり、根本的な措置は政治的な措置であるからである。そうした状況で、 政治について私たちが語らなかったならば、言葉は必要ない。私たち皆が現状に怒 全文をよむ

2016-12-21 Abdulkadir Selviコラム:ロシア大使暗殺、問題はトルコ全体へ (Hurriyet紙)

ロシアのアンカラ大使カルロフ暗殺を計ったメヴリュト・メルト・アルトゥンタシュの興味深い関係が明らかになった。      暗殺犯は警官であり、7月15日のクーデター未遂後、エルドアン大統領がアンカラで参加した8つのプログラムで任務についていたようだ。大統領府の警備班のすぐあと、建物内の警備メンバーの一員であった。ああ、幸いそこでなにも起こらなくてよかった。      7月15日のクーデター未遂の日、彼は朝7時45分に所属するアンカラ機動隊総局に来た。一日分の健康診断書を手渡し去ったフェトフッラーテ 全文をよむ

2016-12-05 Selcuk Sirinコラム:経済危機脱出の3条件:公正・自由・教育 (Hurriyet紙)

長年“そろそろ来るぞ!”と言っていた経済危機は姿を現し始めた。ここにどのようにして私たちが至ったかというテーマにおいて様々な意見があったとしても、ここからどのようにして脱するかというテーマにおける1つの意見の一致がある。構造改革が条件だ!今、議会に議席を持つ4つすべての政党が選挙の公約文において発表したものだ。なぜなのか?      ■なぜ構造改革?      トルコは旧式の農業、安値の観光業、もしくは建設業で得られる10万ドルの国家収入の境界に達した。8年間その境界で推移している。実際に、あの 全文をよむ

2016-12-05 Murat Yetkinコラム : ギュル前大統領の背後に隠れて (Hurriyet紙)

前大統領アブドゥッラー・ギュルは、昨日、自分の名を冠してカイセリに建てられた博物館兼図書館の開館日である12月4日の前日、CNNトルコのインタビューで国政の将来という点から重要な言葉を述べた。      ハカン・チェリキの質問には表情に忍耐を保つため笑顔で「以前にも40回この質問を受けた。そして、私は『政治活動をやめた』と答えてきた。腹意をもつ周囲がこれを表明している。」      この質問を度々される原因は確実にある。       最後の波は、イギリスのトニー・ブレア元首相と行った会談とヨルダ 全文をよむ

2016-11-28 Nuray Mertコラム:EUとの軋轢が増す中で・・・ (Cumhuriyet紙)

私は欧州連合とトルコのEU 加盟プロセスを最も批判しているうちの一人であり、一方でトルコのEU への完全加盟をどんな時も信じたことはない。EU 加盟プロセスは双方の誠意の無いプロセスとして行われ、終わりを迎えた。いや、EU 加盟プロセスを民族主義者であるために批判するのではなく、「民主主義、権利そして自由の闘争」が外部からの圧力によってはなし得ないと考えていたために批判するのである。一方で、EU が単なる政治的原則による集合体ではなく、最低限の文化的な親和性も必要としていると考えていたし、今も 全文をよむ

2016-11-11 AliSirmenコラム:アタテュルクとケマリズム (Cumhuriyet紙)

ムスタファ・ケマル・アタテュルクが死去してから78年、ケマリズムに対する苛烈な攻撃は更に強まった。共和国と世俗主義の不倶戴天の敵が、独立戦争の指導者をイギリスのスパイだと告発するほど熾烈に攻撃した理由は理解できても、血迷い、結果としてあらゆる後進性を助長する羽目になっている口先だけの左派の言う理論はとても理解できるものではない。      ムスタファ・ケマル・アタテュルクの人生は、大成功を収めた優れた「無二の人」の物語ではない。それは、皆がもう駄目だと思った時に戦い、国を興し、伝説の霊鳥シームル 全文をよむ

2016-11-08 Abdulkadir Selviコラム:死刑と大統領制に関する新たな局面 (Hurriyet紙)

エルドアン大統領とMHP(民族主義者行動党)のバフチェリ党首の会談後、大統領制と死刑制は新たな局面を迎えた。   「死刑を規定する法案あるいは提案がトルコ大国民議会(TBMM)に提出された場合、MHPはそれに応じる」というバフチェリ党首の主張は、死刑制に関する議論の方向を転換した。死刑導入の可能性が高まった。      死刑は誰のために導入されるのだろうか?   1- フェトフッラー・ギュレンとクーデター参画者   2- オジャランとクルディスタン労働者党(PKK)所属のテロリスト      M 全文をよむ

2016-11-04 Murat Yetkin コラム:政府はギュレン派一掃の本筋に戻れ (Hurriyet紙)

昨日議会で共和人民党(CHP)議員のレヴェント・ギョク氏のジュムフリイェト紙に関する問いかけに答える際、ベキル・ボスダー法相の顔からは困惑が読み取れた。      昨日、11月2日にCHP副党首のセリン・サイェク・ヴォゲ氏が議題として取り上げた、ODA・TVのヴァルシュ・ペフリヴァン氏の報道は正しかったと分かった。そう、ジュムフリイェト紙がギュレン派組織(FETÖ)とクルディスタン労働者党(PKK)両方とつながりを持っていると主張する検察官のムラト・イナム氏自らが、ギュレン派組織に関する調査対象 全文をよむ

2016-11-04 Murat Yetkin コラム:HDPに関する過ちとその後 (Hurriyet紙)

人民の民主主義党(HDP)の共同党首であるセラハッティン・デミルタシュとフィゲン・ユクセキダー、そして議員らが、11月4日未明に拘束され、その後逮捕されたこと、それ自体非常に大きな出来事であった。   しかしながらこの文について、ほかの言い方をすることも可能だろう。では、実際にそうしてみよう、読者のみなさんにも、そのように読んでほしい。さらに言えば、声を出して読んでほしい。      トルコ大国民議会の第三の会派を有する野党の党首と議員らが、逮捕された。      耳にどのように響くだろうか?  全文をよむ

2016-10-25 Taha Akyolコラム:憲法をつくる (Hurriyet紙)

大統領制についての議論はもっとも民族主義者行動党(MHP)で問題となっている。MHPはメラル・アクシェネルを解任し、続いてウミト・オズダーも解任を求められた。      MHP党首バフチェリの「粛清期間に入った」という言葉を思い起こせば、続いて第3の解任もあり得るだろう。メラル・アクシェネルはかねてより大統領制には反対である。先日もオズダーともにMHP議員のユスフ・ハラチオール、ヌリ・オクタンとイスマイル・オクは大統領制に反対であると発表した。      彼らも解任されてしまうのだろうか。   全文をよむ

2016-10-24 Zeynep Oralコラム:フランクフルト・ブックフェア (Cumhuriyet紙)

フランクフルト・ブックフェアは、世界中のブックフェアの中でも最大で、歴史あるフェアの一つである。今年で68回目を迎える。   120カ国から約8千社の出版社が参加し、見込まれる来場者数は30万人だ。今年の名誉招待国は、オランダとベルギーのフラマン地方である。(2008年のフェアでは、トルコが名誉招待国であった。)今年のメインテーマは、「思想と表現の自由」だ。この自由のために、今も続く闘いとデジタル市場。そして、世界の関心を集めるフェアの開会式に大きな感動を与えたアスル・エルドアンの手紙だ。刑務所 全文をよむ

2016-10-22 Verda Ozerコラム:モースルで、トルコは何を求めているのか (Hurriyet紙)

ヴィクトル・ユーゴーの有名な言葉がある:「世界中のどの軍隊も時に適った考えにはかなわない。」時が来れば何者もそれを止められない。トルコにとってのモースル問題もまさにその通りだ。      トルコは、モースルに関して国際法に基づき、拘束されている権利がある。これまで使ってこなかったこの権利を使うべき時が来た。しかしここで言っているのは軍事力を行使することでも、土地の奪い合いをすることでもない。      まず簡単にこれまでの経緯を説明しよう。モースル問題がローザンヌで解決できず、当時の国連である国 全文をよむ

2016-10-21 Ismet Berkanコラム:作るしかないないなら、まともな大統領制を (Hurriyet紙)

民族主義者行動党(MHP)のデヴレト・バフチェリ党首は、今週と先週、大統領制の出口を明らかにした。      私の理解では、デヴレト・バフチェリ党首はMHPが受け入れられる類の変更のある提案がくれば、これを国民投票に諮るために必要な支援を行うと語った。      つまり、国会はこの先真摯に憲法改正法案のために動くということだ。      現時点で、こんな問題が出てくる。公正発展党(AKP)はどのような大統領制の提案を持ってくるだろうか?AKPは、大統領制を示すのか、それとも政党に結びついた大統領 全文をよむ

2016-10-20 Unal Cevikozコラム:モースル作戦に参加すること、しないこと (Hurriyet紙)

モースル作戦に加わること、加わらないこと、本質的な問題はなにか。      大規模なモースル作戦がついに始まったが、トルコは満足していない。      作戦が始まったからではなく、その中に参加していないがために、一つの不幸という波が、国を襲っている。      トルコにおいて人々の幸福を図る係数が日に日に落ちている昨今、「戦争ができないから不幸だ」と思わせる状況が、どうして、この欲求不満な気持ちを私たちにいだかせるのかを明らかにすることは意味があるだろう。      有志連合軍はシリアにおいて、 全文をよむ

2016-10-10 Bülent Şıkコラム:164トンのレモンはどうなったのか? (Cumhuriyet紙)

「少数派の声―西トラキア新聞」、という名のインターネットサイトに掲載されたニュースによると、6月に行われた検査でトルコから輸入された164トンのレモンに農薬残留が見られたので、この生産物がトルコに返品された。農薬は、農産物の製造において使用されるのだが人体や環境の健全さに有害な化学物質である。      数ヶ月前のこのニュースが今日性を失ったかのように思われませんように。EU加盟国で食の安全を保証すること、消費者の健康を守ることを目的に設立された連絡体制である、「食と飼料の緊急連絡システム(RA 全文をよむ

2016-10-08 Murat Yetkin コラム:米国、トルコへモースルでPKK排除を保証 (Hurriyet紙)

トルコとイラクの間でモースル作戦に対する動きの減速が強まる一方、アメリカがモースルに関してトルコにPKK(クルディスタン労働者党)排除を保証していたことが分かった。      政府高官からの情報によると、9月27日にアンカラを訪れたアメリカの政府関係者たちがこの保証を口にした。アメリカ側はイスラム国からのモースル奪還のため準備を進めていた作戦に「PKKやPKKと繋がりのある」いかなる組織も含めないという保証をトルコ関係者に提示した。名前を明かさない条件でヒュッリイェト紙に情報提供をしたこの関係者 全文をよむ

2016-10-04 Fikret Bila コラム:近代文明の水準へ到達することとEU加盟 (Hurriyet紙)

トルコ国民は7月15日の流血沙汰のクーデター計画に対して民主的で世俗主義の共和国を支持し、クーデター計画を制圧した。      7月15日の代償は重かったが、私の見解では、最大の収穫はこれである。      その夜、明るみに出た真実は、偉大なるアタテュルクが築き、「最大の作品」と言い、若者に託したトルコのために、彼が描いた道筋と示した近代文明の水準のゴールが、トルコ国民によってすでに我がものとされているということだ。      国民は軍による後見、民主主義と世俗主義を破壊し築かれる後進的宗教国家 全文をよむ

2016-09-13 Ismet Berkanコラム:正義は復讐のためではなく、国家の基本である (Hurriyet紙)

第二立憲君主制が1908年に宣言されたとき、オスマン帝国支配下のすべての地域で街頭に出て行った、喜びに満ちた群衆が掲げたスローガンのひとつで、フランス革命の有名なスローガンである、「自由・平等・友愛」に、一つのコンセプトを加えた。それは「正義」である。   私たちはどういうわけか、国家をとても愛しており、それを聖なるものとして見ている文化に属している、そして、すべての裁判所の法廷には「正義は国家の基礎である」と書いてあることを誇りに思っている。      正義は、本当に国家の基礎である。 正義を 全文をよむ

2016-09-12 Murat Yetkinコラム:政府の危険な計画 (Hurriyet紙)

いよいよ犠牲祭という時に、私たちが書いているテーマを見て下さい。この難しい時期に私たちは何をしようか。      そして、政府の危険だが、うまくやれば見返りの大きな計画が始まった。      昨日、9月11日にスレイマン・ソイル内相の署名入りで28人の市長が職を解かれ、代わりの職務代理が任命された。      市長のうち4人は、7月15日のクーデター未遂の背後にいたと疑われている「フェトフッラー派テロ組織(FETÖ)」つまりギュレン派とつながりがあるとして職を解かれた。3人は公正発展党(AKP) 全文をよむ

2016-09-11 Akif Beki コラム:宗務庁の「教団」登録提案を考える (Hurriyet紙)

メフメト・エミン・オザフシャル宗務庁副長官は、アル・ジャズィーラに語った。フェトフッラー派テロ組織(FETÖ)のような組織が危険要素とならないために、教団の登録制を提案した。      これは考慮に値する。   一時しのぎの対策によってFETÖを排除することはできる。しかし、新たなFETÖのようなものの出現は防げない。宗務庁の人々はそれぞれ構造的な対策を熟考しており、これは期待が持てる。   では、ジェマートとタリーカはどのように登録されるのか?      ***      イスラム世界におけ 全文をよむ

2016-09-02 Nuray Mertコラム:ああ、最後のチャンスを逃すのか? (Cumhuriyet紙)

今まで多くのチャンスを逃してきた。解決策を見つけられていないのだ、トルコは!2000年代に「軍部の後見との闘い」「民主的改革」を唱える一方で、我々がたどり着いたのは保守派が権威をもつ政治的構図である。2013年にはクルド和平プロセス、交渉と言っていたが、事態はさらに悪化した。      7 月15日に起こったクーデター未遂事件の後、人々は「民主主義」という言葉を口に出せなくなってしまった。緊張状態が僅かに緩まったとは言うが、我々は今回もまたチャンスを逃す方向へ確実に歩みを進めているのだ。     全文をよむ

2016-08-25 Murat Yetkinコラム:ジェラーブルス攻撃の舞台裏 (Hurriyet紙)

トルコ政府は8月20日金曜日に作戦開始を決めた。      タイイプ・エルドアン大統領が開いたイスタンブル、タラビヤのフベル邸での緊急安全保障会議で最新の諜報情報が議論された。      イスラム国の兵士が8月12日にマンビジュから北へ、トルコ国境に近いジェラーブルスに向かって逃走する写真が既に広まっていた。      しかし報告はアメリカ空軍と特殊部隊の支援によるマンビジュ奪還に大きく貢献した民主統一党(PYD)の軍が、彼らを追ってジェラーブルスに進んだというものだった。      しかし、ア 全文をよむ

2016-08-22 Murat Yetkinコラム:アサドのことは今や些末な問題 (Hurriyet紙)

8月20日にイスタンブルで行われた記者会見での、バッシャール・アサド大統領はトルコが望んでも望まなくても、シリアにおいて一人の「アクター」 であるというビナリ・ユルドゥルム首相の発言は、トルコがシリア政策の根本的な変化を経験した数日間で2番目に強い意思表示となった。      始まりは、8月19 日付本紙での「私たちに降りかかっていることの多くの責任はシリア政策にある」というヌマン・クルトゥルムシュ副首相の言葉であった。クルトゥルムシュ副首相は、「もし、適切なタイミングで有効な和平合意の見通しを 全文をよむ

2016-08-18 Mehmet Y. Yilmazコラム:法を守ること (Cumhuriyet紙)

クーデター未遂の翌日、77000人の公務員が休職とされ、5000人が解雇された。      1万9000人が拘束された。逮捕された人数は11000人に上った。      これらは今週の頭の数字だった。現在、数字がどこまで達したかを知るのは容易ではない。ただ昨日新しい政令により警察から2360人、トルコ軍から112人の職員が罷免された。      この事態がいつ終息するのかは明らかでないように見える。ただ、数が10万人に上ろうと現時点で言える。      このうちどれほどがフェトフッラー派テロ組織 全文をよむ

2016-08-15 ジャン・デュンダル編集長離職、別れのメッセージ (Cumhuriyet紙)

 一年半前、昨年の2月にジュムフリイェト紙の編集長となって以来、これまでの人生で経験したことのないほどたくさんのことが、私の身に降りかかってきた。       攻撃、拍手喝采、脅迫、スケープゴート。訴訟、拘束、刑務所。隔離、有罪判決、銃撃。誹謗中傷、賞、新たな捜査、通常の諸裁判。この頃の厳しい抑圧と我々の新聞記者業に対する熱意とのぶつかりあいによるつけ。身を屈しない誇りに課された対価。       7月上旬、私は社から短い休みをもらった。この激務に消耗しきっていたので、少し休んで執筆に携わり、そ 全文をよむ

2016-08-12 Taha Akyol コラム:死刑問題 (Hurriyet紙)

エルドアン大統領は、それが話題に上がる度に、死刑の復活を支持している。      昨夜、ベシュテペにて群衆が死刑制度の復活を求めたことで、エルドアン大統領はさらに一歩踏み込んだ。大統領は、将来的に復活する死刑制度が、7月15日のクーデター未遂の実行犯らを含む形で立法化されると述べた。      これは、将来死刑制度が復活させられたならば、それは過去の事象に対しても適用されるということを意味する。大統領はこのような見解だが、政府はこれと大きく距離を置いている。      私が見たところに誤りがない 全文をよむ

2016-08-10 Murat Yetkin コラム:ロシアとともに見る将来 (Hurriyet紙)

記者会見を見た人は、二国が非常に大きな危機を解決したばかりであるということを理解しがたかっただろう。      確かに、ウラディミル・プーチン大統領はサンクトペテルブルグで行われた会合の最初に、報道陣に向けて写真を撮らせている時、「ロシア人パイロットが殺された以来だ」と述べたが、タイイプ・エルドアン大統領はただ「好ましくない事件だった」との表現にとどめた。      公式会談でプーチン大統領はこの「好ましくない事件」について一度だけ触れ、(ロシア戦闘機撃墜事件による)危機後トルコに対して開始した 全文をよむ

2016-08-08 Taha Akyolコラム:新たな扉 (Hurriyet紙)

イェニカプ広場に昨日何百万人が、「民主主義と犠牲者」という集会で一堂に会し、同様の集会が81県で見られたことは、トルコの歴史において、いくつかの事柄が終わりをつげ、新しい時代に入ったことを示している。      7月15日のクーデターに相対し犠牲となった240人ののうち173人が市民であり、クーデターに対して市民が実際に抵抗した。同じ精神が昨日トルコの広場という広場に満たされた。      トルコ史上初の大規模な市民によるクーデターへの抵抗が行われた。今後、クーデターを企てようとする者は目の前に 全文をよむ

2016-08-05 Ismet Berkan コラム:問題は、エルドアンかトルコか? (Hurriyet紙)

 クーデターの夜まで「諸悪の根源はエルドアンだ、消えてしまえばいい、どんな形でもいいから消えてくれ」との認識があった。       クーデターの勃発によって、こうした認識は「しかし今はすべてがエルドアンを利してしまう」というようになった。       この新しいようで古い見方は、ギュレン派のプロパガンダシステムも相俟って、欧米でもはっきりと支持されているような状況だ。世界が「尊敬」する新聞各紙に掲載される記事は、とてもくらくらさせる。       だが、我々の問題はレジェップ・タイイップ・エルド 全文をよむ

2016-08-04 Taha Akyol コラム:欧米諸国を納得させるには・・・・ (Hurriyet紙)

トルコが抱えている問題を西側に説明するのはたやすいことではない。野蛮なクーデターを退けた国として正当な評価を期待する中、批判を受けている。      トルコが問題を西側へ説明する必要があるならば、その表現と方法もトルコが見つけなければならない。この表現と方法は、報道メッセージとやりあってはならない。      欧州議会事務局長トルビョルン・ヤーグラン氏がトルコを訪問し、会見を行ったのは、西側に問題をどのように説明できるかという点でよい例である。      ■ヤーグラン氏の会見      ヤーグラ 全文をよむ

2016-08-03 Ismet Berkanコラム:軍中心国家の終焉 (Hurriyet紙)

トルコ共和国政府は軍中心で設立された。   いや、ここで言うのはただイデオロギーの流布だけではない、機能としても政府の中心には軍があった。その他のすべての公的組織とサービスは、軍の必要性により形成された。   こうしたことを、つまり共和国政府がこのように設立されたことを我々は「普通」だと思うだろう。独立のために救国戦争を起こして占領を終わらせた国家が、存亡の不安を持ち、国家防衛を重要視するのは至極もっともなことだ。   建国初めのころは軍中心、防衛第一であったため、敵艦の射程範囲にさらさないため 全文をよむ

2016-07-30 Ismet Berkanコラム:希望がもてる展開―多数派主義定着へ (Hurriyet紙)

このコラムを常日頃読んでいる人であればお分かりになるだろう、私は、トルコにおける政治的闘争を、馬鹿らしいほどに110年間も続いている「トルコ主義」対「イスラム主義」の闘争と呼んでいる。   「トルコ主義」を「現代主義」と、そして「イスラム主義」を「保守主義」と言っても良いだろう。 私はただ、分かりやすいという理由でこの呼び方を使っているに過ぎない。トルコにおけるトルコ主義者は血にまみれたトルコ主義者でもないし、イスラム主義者も同様である。彼らは7月14日までは、それぞれ大きな傘の下で動く政治運動 全文をよむ

2016-07-29 Akif Beki コラム:トルコの外からの見え方 (Hurriyet紙)

副首相のメフメト・シムシェキがアンカラでムーディーズの関係者と会うと発言した時間帯だった。      昨日、あるエコノミストのグループと一緒に昼食をとった。その中には、国際投資ファンドの経営者、銀行家、市場アナリストもいた。      彼らはメフメト・シムシェキほど気楽であるようには見えなかった。7月15日のトラウマの後、ストレスをまだ払拭できていないようだった。      二つの問題で、副首相と意見を異にしていた。      一つ目は、クーデターの企てがトルコの民主主義同様に経済をも強化したこ 全文をよむ

2016-07-25 Ahmet Hakanコラム:まったく新しい、今までと違う、すばらしいことが起こっているのかも (Hurriyet紙)

分離主義、分裂、先鋭化といった大きな問題が解決するのかも・・。   国民は、民主主義で団結しているのかも・・。      7月15日以前のパラダイムは、公然と、そして公式に崩壊しようとしている。もはや、皆が新しい何かを言わなければいないかのようだ。   反対派におけるタイイプ・エルドアン大統領への憎悪は徐々に減っているのかも。   タイイプ・エルドアン側の反対派への憎悪も同じように減少しているのかも。   エルドアン大統領は、全国民を安心させるような会見を行っている。   ビナリ・ユルドゥルム首 全文をよむ

2016-07-20 Ismet Berkanコラム:クーデターの危険は、今も・・・ (Hurriyet紙)

金曜日の夜、この国で何があったのか、まだ完全には分かっていない人々がいる。      この筆頭には、自身を全面的に「反対派」であるとしている地元グループの人々とほとんど全ての西側の報道陣が挙げられる。      クーデターの進行が失敗したことから、タイイプ・エルドアン大統領がもはや強い権力を持つとか「国をイスラムの独裁に変えるだろう」というのは最も広まっている間違った解釈もしくは意図的に誤った解説である。このためナチスの有名な国会議事堂放火事件を例に使う人さえいた。      ここにある「クーデ 全文をよむ

2016-07-18 Murat Yetkin コラム:誰が?なぜ今?などの問い (Hurriyet紙)

クーデター未遂が社会に与えたトラウマ、衝撃はまだ生々しい。   軍や司法をはじめ、あちこちで捜査と逮捕が続いている。   まだ続く模様だ。   クーデターは罪だ。クーデターを唆したものも、司法の前にでなくてならない。   それに疑いはない。      一方、たとえば、降伏した軍人の喉がかき切られたというような噂にまでいたる、(クーデターへの)反発に目をつむることは危険だ。どこかで食い止めなくてはならない。      さて、多くの人の頭にある疑問への、我々の答えをみてみよう。      1.誰がや 全文をよむ

2016-07-18 Ahmet Hakan コラム:クーデター軍人の10の愚点 (Hurriyet紙)

第1の愚点:2つの橋を占拠し、8~10機のジェット機を低空飛行させれば、国を支配できると思ったこと。      第2の愚点:はるかタラト・アイデミルの時代にでもいるように、国営放送で古臭い声明を読みあがさせればうまくいくと信じていたこと。      第3の愚点:メンデレスが絞首刑になったときに、一丁の鉄砲を撃つ者もいなかったことに頭におき、国民が黙ってみていると思ったこと。      第4の愚点:けっこう上級の指揮官も加わっていたのに、戦略や計画のまったくない思い付きの行動だったこと。      全文をよむ

2016-06-20 Taha Akyolコラム:MHP (Hurriyet紙)

党員の要望により、民族主義者行動党(MHP)で特別大会が開かれたが、これは様々な点から極めて重要だ。   トルコにおけるすべての右派政党の中で最も大所帯なのが公正発展党(AKP)で、党首への崇拝とその末端組織に至るまで「上からの」構造が出来上がっている。他方、MHPは、「党首・党議・組織」という思考が強い政党である。こうした構造をもつことから、党執行部に対して「末端から」起こった行動によって、特別大会が昨日開かれた。   司法は、700人を超える党員の特別会議要求を正当なものと判断した。   こ 全文をよむ

2016-06-03 Mehmet Y. Yilmazコラム:どうせ。また同じこと...独アルメニア法案可決 (Hurriyet紙)

ドイツ連邦議会がアルメニア人虐殺に関する法案を可決したことを受け、レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領はケニアで発表を行った。      「大使を本国に召還する。大使がトルコへ戻った後、最終決定を行う」と述べた。      ドイツ連邦議会で本日この法案が採決され、全ての政党がこの法案に対して賛成票を投じることは、耳の聞こえない君主さえ知っていた。      この法案は昨日現れたわけではない。14カ月の間、委員会で準備されていた。      また、大統領は「大使を本国に召還し、その時に最終決定を行 全文をよむ

2016-05-23 Taha Akyolコラム:臨時党大会 (Hurriyet紙)

公正発展党の臨時党大会が予想通りの結果となった。まず以下のことを明らかにしておきたい。トルコでは、党大会はもうとっくに党内部での自由な議論と本当の選挙の舞台の場ではなくなり、大いなるヒロイズムを帯びたプロパガンダと承認の場になった。特に右派政党はこうである。すべての党で火曜日に実施されるグループ会議もこうである。      メンデレスの民主党、デミレルの第1期の公正党、テュルケシュの9月12日[の軍事クーデター]以前の民族主義者行動党は全くこうではなかった。自由な議論、批判、本当の選挙が行われて 全文をよむ

2016-05-09 Ahmet Hakanコラム:注目!AKP-MHP連立なるか (Hurriyet紙)

民族主義者行動党(MHP)のデヴレト・バフチェリ党首はこう言った。   「もし必要とあれば…必要だと思われるなら、トルコのトルコの国民的、歴史的利益を守るために…昨日までの政府に対する我々の実質的支持は、法的な次元を得るかもしれない。そして、MHPは、ただ国と国民のためだけにすべての責任を担う準備があると証明するだろう。」      非常に意味深な発言ではないか。   私が耳にしたところによると、バフチェリ党首のこの発言の意味するところはただ一つ、バフチェリがMHPとAKPの連立政権を組みたいの 全文をよむ

2016-05-02 Murat Yetkinコラム:アンカラでは何が起こっているのか (Hurriyet紙)

アンカラで政治は、大騒ぎだ。      注目は今日の大統領府のあるベシュテペで大統領が行う閣議にある。マスコミに漏れたところによると議題は「テロとの戦い」である。一方でIS、他方ではPKKの攻撃による死者は増え続けている。しかし、政治の歯車のこれとは違うことで回っている。注目されているテーマは次のことである。首相アフメト・ダウトオールから公正発展党の地方組織に関する人事件が奪われたことがどのように閣議に反映するだろうか。      **      事態の背景をさらによく見るために、ダウトオールが 全文をよむ

2016-04-06 Cengiz Candar コラム:別れの時 (Radikal紙)

ラディカル紙が閉鎖されてから、改めて「お別れ」の記事を書く機会が私たちに与えられた。これは良いことだと思う。正直、何名かの人々に感謝の意を伝えずに筆をおくことはできなかったのだ。      ドアン・グループでの10年近い私のキャリアは、2006年の年末ごろにレフェランス紙において始まった。役職は主筆であった。レフェランス紙に書いた記事は、その日のうちにヒュッリイェト紙のウェブサイトに公開されていた。      私がラディカル紙に書き始めたのは2008年のことだった。レフェランス紙が2010年に廃 全文をよむ

2016-04-01 Sami Kohenコラム:キプロス交渉、まだ望みはある (Milliyet紙)

3月が終わり4月に入ってもなお、キプロス交渉は継続中だ…。  これはいい知らせだ。しかもキプロスから届いた唯一のいい知らせがこれなのだ…。  何ヶ月も続くキプロス交渉に対し、以前から明確な期限は定められていなかったにもかかわらず、トルコ側は3月を目処に考えていた。つまりそれまでに一定の合意に至らなかった場合、両者は再度交渉の席にはつかず、誰もが自身で選択することになるはずであった…。    いやしかし、そうはならないだろう。なぜなら交渉は未だ継続している。交渉を進める関係筋から聞いたところによる 全文をよむ

2016-03-23 Fuat Keyman コラム:PKKとISの脅威の下の、トルコ (Radikal紙)

PKKとIS、衝突し合うこの二つの組織には、大きな類似点と共通点がある。   我々が何に直面しているのか理解するためには、この共通点を分析する必要がある。      イスタンブルで起きたISによるテロについて執筆にとりかかろうとしたそのとき、携帯電話にメッセージが届き、目の前のテレビに速報の大きなテロップが流れ始めた。   またテロが起きた。またISだ。今回はブリュッセル。空港と地下鉄で爆発があった様子。死者、負傷者、恐怖で顔を強張らせた人々・・・。      テロはこの国だけでなく、至るところ 全文をよむ

2016-03-19 Oral Calislar コラム:クルド人の身になって考えること・・ (Radikal紙)

「(クルド問題への)新対策」が議論されている現在、慎重であれねばならない。「アイデンティティ」に関し、抑圧的にならないよう、慎重であれねばならない・・・。      ヴァフデッティン・インジェは、カラル新聞で記者業を始めたばかりのジャーナリズムだ。昨晩、ハベルチュルクTVのエジェ・ウネルの番組「エニエ・ボユナ」に一緒に出演した。      ヴァフデッティン・インジェは、アンカラ・メラースィム通りでの殺人の犯人の葬儀に参加したHDPの国会議員ツーバ・ハゼルに関し、興味深いコメントをした。曰く「ツー 全文をよむ

2016-03-14 Oral Calislar コラム:PKKよ、大量殺人でどこに向かうつもりか (Radikal紙)

都市での大量虐殺を狙った殺人行為を行うPKK(クルディスタン労働者党)は、あらゆる点で度を越えている。      アンカラでのテロ前日、カンディルにおいてPKK幹部のドゥラン・カルカンが10の左派組織が共同で活動する決定を下したと発表した。果たしてこれは偶然だろうか。   母語使用や自治権など、私はクルド人があらゆるアイデンティティに関する権利を獲得することを、常に支持してきた。そのためにトラブルに巻き込まれたこともあった。「クルド」という単語が禁止された時代に、この単語を裁判で用いたために罰を 全文をよむ

2016-03-13 Cengiz Candar コラム:ああ、我がディヤルバクル… (Radikal紙)

私が初めてディヤルバクルを訪れたとき、スル(ディヤルバクル城壁内旧市街)には行かなかった。つまりディヤルバクルに行かなかったようなものだ。ただダー門の近くからマルディン門の方向を横目で見て満足したのだった。      最初の出会いから今まで、途切れることなく続く関係のなかで、最も長期間の別離の後に、私は足を踏み入れた、かのディヤルバクルへ。      飛行機から降りるやいなや、自分に約束したことを実行した。まずタヒルに会った。親愛なる我が親友のタヒル・ エルチは、イェニキョイ墓地の、名前の上に「 全文をよむ

2016-03-12 Murat Yetkin コラム:難民密航を10日で終わらす方法? (Radikal紙)

とある政府関係者が、「もしトルコとEUが、不法移民の流入に関する、またトルコとEUとの関係を活性化させるような合意をすれば、現在の難民密航という鎖を“1週間、遅くとも10日以内”に断ち切ることが   可能だ」と述べている。      匿名で語った政府関係者は、EUとの間で行われている会談について知る、数少ない人物の1人である。   恐らくこのために名前を伏せたまま話しているのだろう。   しかし彼の発言は非常に説得力を持っており、また現在のバランスを変えうる内容である。      彼が言うには、 全文をよむ

2016-03-10 Unal Cevikozコラム:シリアを利用してEUトルコ関係改善なるか (Radikal紙)

トルコ内政を原因に、大きな成功の必要性が高まっている。欧州連合(EU)に僅かに開かれた扉も、内政という点からこのような成功例として提示するための見栄えのいい衣だ。      3月7日にブリュッセルで開かれたEUとトルコの首脳会談は、トルコがシリア難民問題を通じて対EU関係に新たな進展をもたらす絶好の機会となった。      トルコは長い間、EU加盟交渉の難航に苦しんでいた。この数年間にみられた外交上の軌跡は、トルコを黒海、カフカス、中東、そして東地中海で包囲される立場に押し込めていた。トルコは外 全文をよむ

2016-03-04 Murat Yetkin コラム:外交政策、見直しのとき (Radikal紙)

アフメト・ダウトオール首相の、3月4-6日のイラン訪問、それに続く2つの訪問は、直近の中東どころかアラブ問題に過剰に関与する様相を調整し、見直し、多様化するモデルとなりえる。      アラブの春、反乱が始まったここ5年のトルコ外国政策で生じた問題は明白である。      現在、トルコがシリア内戦にこれ程嵌っており、在エジプト・在イスラエルトルコ共和国大使が残っておらず、過激イスラム主義テログループへ支援しているとの非難にさらされ、ロシアとの緊張状態、といった仔細には踏み込まない、ご存知でしょう 全文をよむ

2016-02-27 Oral Calislar コラム:この狂気の沙汰はいつまで・・・? (Radikal紙)

我々は、理性や知性といったもので説明するのが難しい状況におかれている。現在の構図が、クルド人にもトルコ人にも、ポジティブな形で反映する可能性はないだろう。      トゥルクサットを通じて行われていたİMC TVの放送が終了した(注: İMC TVは、2011年に放送を開始したテレビチャンネルで、左派からの支持を得ていた)。人民の民主主義党(HDP)議員の不逮捕特権剥奪についても、議会で議題となりそうに見える。      ジェミル・バユク氏はカンディルから、「最後まで戦う」「我々が望むように、そ 全文をよむ

2016-02-21 Cengiz Candarコラム:国内外で破綻 (Radikal紙)

現政権は、単独与党になってまだ3カ月もたっていない。しかし、外交では破綻し、内政においても治安・安全政策が破綻している。      トルコは、現政権の受け入れがたい誤った政策の結果、シリア政策でクルド民主統一党(PYD)と「象徴的な」PYDの軍事部門とされているクルド人民防衛隊(YPG)に敗北を喫している。      PYDとYPGとの戦闘は、本来、アメリカ政府向けられたものだった。「わたしか、あるいは、彼か」といった形で、「外交政策の舞台」で進められた。そして、その舞台でアメリカ政府に負けた 全文をよむ

2016-02-04 Ahmet Hakanコラム:新党結成はあるのか? (Hurriyet紙)

「この問題に三つの文章で回答できる」と言えば…以下の三つの文を設けよう。   1.新党結成に現在ほど遠いが、このような目標がまったくないとは言い難い。   2.新党を結成するのかどうか分からないが、このことで不快を今後口にするのを差し控えるとは言い難い。   3.自分たちに向けられる反感の規模が高まり、地位が下がれば…公正発展党を離れ新党を結成するのは簡単ではないとは言い難い。      ■ビュレント・アルンチの最新の発表は後退か      筆者はあまりそのようには解していない。      ビュ 全文をよむ

2016-01-30 Cengiz Candar コラム:ジュネーブのテーブルか、シリアの現場か? (Radikal紙)

トルコ政府がジュネーブでのシリア和平協議に参加し、PYD(クルド民主統一党)の参加を防いだと考えたとしても、今「ジュネーブⅢのテーブル」にいるよりもむしろ、将来「シリアの現場」にいることのほうが重要であるということが、今後より一層明らかになるだろう。      平和会談や平和協定でその名を知られるスイスの首都ジュネーブが昨日、シリアに関する「ジュネーブⅢ」という名の新たな「平和への動き」のホスト役となった。   2012年6月と2014年12月の、「結果なし」のジュネーブⅠとジュネーブⅡを経た後 全文をよむ

2016-01-25 Murat Yetkinコラム:ムスタファ・コチとジョー・バイデン (Radikal紙)

ムスタファ・コチは、1月21日に55歳で心臓疾患の末に亡くなった際、トルコの最も大きな産業グループであるコチ・ホールディングのトップであった。      トルコの国家収入の10%近くを、輸出の15%近くを(自動車輸出は45%)、8,000人近くの従業員とともに産み出しているコチは、フォーチュン誌の最も大きな会社のリストにトルコからランクインした会社として認知されている。      ムスタファ・コチは、ムスタファ・ケマル・アタテュルクのリーダーシップで建国されたトルコ共和国の初期の実業家のトップで 全文をよむ

2016-01-21 Cengiz Candar コラム:ダヴトオールへの内外研究者抗議に接し・・・ (Radikal紙)

政権は、「敵なる知識人」に対して新たな戦線を展開している。私は以前、この戦に勝ち目がないことを指摘した。「この戦に勝ち目はないどころか、   すでに負け戦は決定している。」毎日のように変化する状況が、このことを物語っているのだ。      先日、フラント・ディンク氏の追悼式から帰宅すると、20か国以上の合計216人もの研究者が署名した「アフメト・ダヴトオールへの手紙」という名の「通知」が届いていた。      文書と署名を私に送ってきたのは、トルコにおける最も輝かしい若手研究者の一人だった。同封 全文をよむ

2016-01-16 Murat Yetkin コラム:研究者脅迫は、いつまで (Radikal紙)

研究者らの身に起きていることで、大学だけでなく社会全体が、発言しようとする全ての人に対し、様々な考えを発信すればテロであるという非難に遭うのを心配し、黙っている方を勧めている。      初めからはっきりと述べておこう。      私だったらその嘆願書に署名はしなかった。      しかし戦闘状態が終わるよう求める旨の嘆願書がPKK(クルド労働者党)の行為に全く言及せずに国家に「クルド人の政治的意思」の要請を受け入れるよう求めたとはいえ、単にひとつの声明に署名しただけで、暴力の賞賛をしない嘆願書 全文をよむ

2016-01-08 Murat Yetkinコラム:トルコの戦略的袋小路 (Radikal紙)

下のアナトリア通信の写真ではヘリコプターで窓から見る第3イスタンブルボスフォラス橋(ヤヴズ・セリム橋)についてビナリ・ユルドゥルム交通運輸相に尋ねるアフメト・ダヴトオール首相を見ることができる。      首相は数分後にヘリコプターから降り、車と鉄道で繋がる世界最大級の橋が夏に開通することを国民に伝えることになる。      ダヴトオール首相が建設現場を視察して情報を得た数分後、まだ完成していない第3橋の下を通ってロシアの最重要戦艦の一つが黒海に入る。      ロシア黒海艦隊の旗艦、ミサイル巡 全文をよむ

2016-01-06 Serkan Demirtasコラム:クルド問題解決のない憲法改正は、無意味 (Radikal紙)

人民の民主主義党(HDP)を除く三政党が憲法改正について合意に至ったことは、重要で有意義である。   新憲法は、社会の合意のもとで制定されるべきであることに異議を唱える者はいないだろう。   コンセンサス形成のためには、社会的平和がもたらされること、つまりクルド問題の解決へ向けた取り組みが必要である。      アフメト・ダヴトオール首相は、先週ケマル・クルチダルオール共和人民党(CHP)党首と、今週月曜日にはデヴレト・バフチェリ民族主義者行動党(MHP)党首と会談を行ない、以下の三点について 全文をよむ

2015-12-30 Fuat Keyman コラム:PKKが、HDPを舞台の外の追いやろうとしている今このときに・・・ (Radikal紙)

デミルタシュ(HDP共同党首)は、地域自治要求の宣言文を、PKKによりHPDが舞台の外に追われる、さらにはその存在に終止符が打たれるという不快感と悲しみを感じながら読み上げた。そうにちがいないと私は思う。      まず、HDPのセラハッティン・デミルタシュ共同党首は、モスクワに向かった。そしてラヴロフロシア外相と会見した。そして、「トルコ政府はロシア機を撃墜するという過ちをおかした」と述べた。      この件に思いをめぐらすと、次の問いが浮かぶ。2014年8月10日の大統領選挙や今年の6月7 全文をよむ

2015-12-26 Joost Lagendijkコラム:デミルタシュに悪夢の一週間 (Zaman紙)

 先週は、人民の民主主義党(HDP)のセラハッティン・デミルタシュ党首の政治人生にとって全くもって良い週ではなかった。       彼は、モスクワ訪問が原因で政府と口論し、さらに重要なことには、南東部でPKKにつながる若者たちによって宣言された自治区に関する彼の立場について疑念を生み出した。       まず、デミルタシュ党首がロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相と会談を行なったことと、トルコが11月24日にロシアの戦闘機を攻撃して撃墜したという方向の説明をしたことは間違っていた。アフメト・ダウトオー 全文をよむ

2015-12-23 Fuat Keyman コラム:市内戦とふたつのディヤルバクル (Radikal紙)

二つのディヤルバクル。   一つは市内戦とPKKの舞台で人民の民主党(HDP)が機能しない場所。   もう一つは、日常生活の中でHDPに高い期待が寄せられる場所。   今やPKKはHDPとの関係について決断を下すべきである。      私はディヤルバクルで、現地の人々の話を聞いている。   皆、恐怖と不安と心細さを感じている。同時に怒りや苛立ちを抱え、うんざりしている。      廃墟と化したスル(訳注:ディヤルバクル県内の市の名前)からは住民たちが逃げ出している。   ジズレでもそうだ。私は 全文をよむ

2015-12-19 Oral Calislar コラム:ギュレン派12月17日事件の2周年に・・・ (Radikal紙)

クーデター計画から2周年を迎え、パラレル組織は未だに野党からある種の味方として受け入れられている。    ちょうど2年の2013年12月17日の朝、私はジャーナリスト・作家財団の幹部からクズグンジュクにあるゲストハウスでの朝食を招待されていた。私たちが朝食をとりつつ会話を続けていると、客間のテレビ画面に「大臣らの子息が汚職で逮捕された」というニュースが流れた。    私はそのニュースに気を取られ、ニュースに釘付けになった。「この事件をジェマートがやったと言う人が出てくるだろうが、あなたもきっとそ 全文をよむ

2015-12-17 Murat Yetkinコラム:5年前、5か月前、5週間前のトルコ・・・ (Radikal紙)

我々はこれから5日間の間にいい知らせを受け取ることができるだろうか。      5年前、2010年の終わりには、トルコ外交の唯一の問題は、イスラエルとの関係だった。イスラエルの部隊がマーヴィ・マルマラ号を急襲し、9人のトルコ国民が殺されたことで、関係はどん底に陥った。      しかし、その前までトルコは、イスラエルやシリアとの間で調停役を行っていた。      5年前、イスラエルを除くと、公正発展党(AKP)政府の「近隣諸国とのゼロ・プロブレム」政策は、アタテュルクの「国内に平和、国外に平和」 全文をよむ

2015-12-05 Oral Calislar コラム:難民の数は住民の数を超えている (Radikal紙)

シリア難民は、トルコの国境の町にもはや断ち切ることの出来ない影響を及ぼしている。この地域で新しい人生、そして新しい関係のネットワークを形成している。      シリア難民はいつニュースになるか?   トルコの国境付近の町で、住民との間に緊張が走った時だ。   緊張が起きないことは可能なのか?   この質問を、2日間の会議が終わってからというもの尋ねている。      1日目、我々はガーズィアンテプにいた。シリア難民の代表者の話を聞いた。彼らの話は、我々が知らない世界から届く奇妙な声のようだった。 全文をよむ

2015-12-04 Taha Akyol コラム:ロシアの新ツァー、プーチン (Milliyet紙)

(ロシアの)プーチン大統領を「新しいツァー」とするのは、私の専売特許ではない。ツァーたち、そしてソビエト帝国に倣っているため、彼自身こう呼ばれている。スティーブン・リー・メイヤースの「新しいツァー、プーチンの興隆と統治」という本はこのテーマにおける重要な作品だ。      私はニューヨーク・タイムズ紙の紹介文を読んだ。プーチンが、ソビエトとKGBにルーツを持つことは知られている。彼がつくったシステムの権威的構造と、ソビエト帝国への執着は明らかだ。本では、プーチンが病的なまでに「力の誇示する」こと 全文をよむ

2015-12-03 Ezgi Basaran コラム:エルドアンがパンドラの箱を開けたのはいいことだった (Radikal紙)

米国財務省が頻繁に更新しているテロ組織の資金源リストは、世界を包む紛争状態に貴重な糸口を与えている。      エルドアン大統領はロシアのプーチン大統領に「石油でISとつながっているのはそちらの方だ」と反論したが、私は昨日の記事で、これについて正当な根拠があると書いた。   エルドアンが言及したシリア・ヤブルード出身の実業家、ジョージ・ハスワニーという人物が、過去にロシアと奇妙な関係にあり、ISを通してアサド政権へ石油を転売していたことは事実である。   ではなぜそのようなことが分かるのか?エル 全文をよむ

2015-12-01 Ahmet Hakanコラム:私がEUに怒る7つの理由 (Hurriyet紙)

-1: 国土に惨めな難民たちが来ないようにと言って...全く恥じらうことなく、顔を赤らめることなく、財布のひもを少しばかり緩めたため。      ‐2: 「難民は、ほかの国に逃れてください、だけれど私たちのところには来ないでください」という態度であらゆる取引を行うことができるから。      ‐3:「私たちのところに難民たちは来ないでくださいと、民主主義、報道の自由などは全く問題にしません」という態度で行動することに平然としているため。      -4:「この難民たちの災いが私たちの所に留まらな 全文をよむ

2015-11-27 Oral Calislarコラム:プーチン、エルドアン、クルド人の将来 (Radikal紙)

「トルコ・ロシア対立」として現れている現在の危機は、実は、非常に多面的で混乱した対立関係を、我々の目の前に提示する。今こそ、データを慎重に検討し、正しい評価をすることが重要な時である。      トルコがロシアの戦闘機を撃墜したことは、シリア危機を一段と緊張させた。この危機が、二国間の戦略的な衝突の産物であることはいうまでもないが、それをはるかに超えた側面の存在も無視することはできない。   墜落の直後に記者会見で質問に答えたオバマとオランドは、トルコへの支援を表明した。「トルコは国境を守る権利 全文をよむ

2015-11-04 Fuat Keyman コラム:HDPとクルド問題解決プロセス・新憲法・民主主義 (Radikal紙)

公正発展党(AKP)が圧倒的与党としてどのような政治手法をとるのかという問いと同様に、「人民の民主党(HDP)がこの新しい会期に、自身をどのように位置づけるのか、そしてどのように振る舞うのか」という問いこそが大変重要である。      2015年11月1日の選挙は2002年11月3日の選挙と似た選挙になった。      11月3日の選挙はトルコで"政治的地震"を巻き起こした。設立されたばかりのAKPが圧倒多数の政府を樹立するような選挙の勝利を得た一方で、野党を始め一つ前の国会で議席をもっていたす 全文をよむ

2015-11-03 Ekrem Dumanliコラム:首相のバルコニー勝利演説の約束が実現したなら・・・ (Zaman紙)

訳者注:ザマン紙はAKPが現在、徹底的に攻撃しているフェトフッラー・ギュレン派の新聞。ドゥマンルはその元編集長。昨年12月には逮捕・釈放も経験している。AKPとエルドアン批判の急先鋒。      5か月前の選挙でAKPは単独政権を作れなかった。今、ほとんど10%も票を伸ばし、大きな勝利を手にした。誰の頭にも浮かぶ疑問は、5か月でなにが変わり、どうしてこれほどAKPの票は伸びたのか、だ。      理由はいろいろある。   6月7日の選挙で、有権者は「連立政権を」と意思表示をした。AKP、とくにタ 全文をよむ

2015-11-03 Oral Calislar コラム:クルド人の選択―HDPからAKPへ流れたクルド票の意味 (Hurriyet紙)

6月7日の選挙でHDPが高い得票率で国会議員を送り出したいくつかの県について、11月1日選挙の結果と比べてみた。      その結果:      ディヤルバクルで、HDPの票は79.8から73.6におちた一方、AKPは、13.9から21.1に増えた。同じような状況は、東部のほとんどすべての地域で見られる。県ごとにみていこう。      ムシュ県 HDP:71.6→62.8、AKP:23.9→33.5   ビトリス県 HDP:60.8→50.3、AKP:31.0→43.5   ハッキャーリ県 HD 全文をよむ

2015-11-03 Ismet Berkanコラム:どこからどこへ、票は流れたのか (Hurriyet紙)

公正発展党(AKP)がとった2370万票の20%、すなわち全得票の5分の1は、イスタンブルの3選挙区からでたものだ。さらに、AKPが6月7日に比べて増加させた480万票の21.4%にあたる130万票は、イスタンブルでの増加からきている。つまりイスタンブルは、AKPの勝利にとって致命的な重要性を有していた。見てのとおり、イスタンブルの3区のすべてでAKPの票は、大きく増えた。では、その源は何だろうか?      私のデータによれば、それには主に3つの源がある。その第一で最大のものは、5か月前の投票 全文をよむ

2015-11-03 Mehmet Y. Yilmazコラム:有権者は野党に何といったのか? (Hurriyet紙)

あらゆる選挙の後で、「投票者はなんと言ったのか」と解釈をすることが常となっている。      有権者は票を投じる際に、本当に、そう言いたいと思ったのか、それとも、もっとずっと軽い気持ちで行動したのか、それは特に重要なことではない。      有権者は、個人として投票を行う際に、「私はこのようなメッセージを申し上げましょう。そして、我が国の政治家たちはそれを理解して、その要望に従って行動してください。」などとは言わない。      有権者には、各人の投票の理由が存在している。しかし、過去の有権者の 全文をよむ

2015-11-01 エルトゥールル・オズキョクの選挙結果の読み方  (Hurriyet紙)

CNNトルコの2015年選挙番組に出演しているヒュッリイェット紙記者(元編集長)のエルトゥールル・オズキョクが選挙結果を解説している。      以下がオズキョクの解説の要旨である:      ■「結果をいかに読まなくてはならないか」      「私個人の気持ちに沿う結果ではないが、トルコはこのような選択をした。この結果をいかに分析するかが重要だ。ここ数年、われわれは非常に大きな分極化を経験してきた。この結果はどう読むべきか?勝敗は明らかになった。私としては、勝利を手にした人たちに望みたいことが 全文をよむ

2015-10-31 Ismet Berkanコラム:高等教育機構(YOK)の陥っている隘路 (Hurriyet紙)

明日(11月1日)は選挙の日だが、選挙や政治については来週必要以上に語ることとなるだろう。    では、今日のトルコでは何らかの理由であまり語られてはいないものの、本来は政治に関する物事の中でわれわれの見に起きていることを含むすべての問題の根本である教育について、今回は話そうと思う。  高等教育機構(YÖK)は昨年ある決定を下し、医学部並びに法学部への入学に対して一定の敷居を設けることにした。YÖKは今年、その敷居を工学部にまで拡大させようとしている。    まず、この敷居とはどういうものなのか 全文をよむ

2015-10-28 Murat Yetkinコラム:コザ・イぺキ・ホールディング事件は何を意味する? (Radikal紙)

コザ・イぺキ・ホールディング捜査と22社の経営が凍結されたことは、司法の独立性と報道の自由という問題だけでなくて、財産権や投資の自由にもかかわる問題だ。      裁判所は、検察によって用意された書類に印をおして承認した。決定は、コザ・イぺキ・ホールディングの経営の凍結に関わる。9月1日に警察による強制捜査によって始まった調査の結果、10月27日に同社に管財人が任命された。報告書では、同社の会計には虚偽がないことが特に明記されているにも関わらず、テロ組織への支援の疑いにより、この決定はなされた。 全文をよむ

2015-10-26 Murat Yetkinコラム:エルドアンは権力の喪失を受け入れることができるか (Radikal紙)

11月1日の選挙の中心的問題は、公正発展党(AKP)が6月7日に喪失した権力を手にするか否かということ以上に、エルドアン大統領が権力を喪失したことを受け入れることができるかどうかということだ。      6月7日の選挙の基本問題は、人民の民主主義党(HDP)が司法過程を経ずに得票率10パーセントを超えるか否かであった。      (得票率は)超えた。この点に大きく寄与したのは、セラハッティン・デミルタシュHDP党首が立ち上がり、タイイップ・エルドアン大統領に対し、「われわれはあなたを元首にしない 全文をよむ

2015-10-13 テロ犠牲者へ、国家追悼行事を! (Radikal紙)

2004年マドリード、2005年ロンドン、2012/2/23のドイツのネオナチのテロ、パリのシャルリー・エブド出版社で殺人事件が起きたことなどに対しては、国家による追悼式が行われてきた。これらの追悼には公正発展党(AKP)政府から役職者らや首相が出席した。それなのにどうしてアンカラのテロのために政府の追悼式は行われないことがあろうか。      私達は、テレビ画面で「血の土曜日」の後のその死体を引き取っている遺族の、愛していた家族の永遠の別れを見送った光景を観ていた。お互いを知らない何十もの家族 全文をよむ

2015-10-01 Cengiz Candar コラム:シリアにおけるトルコ―孤立と、継続不能な過ち (Radikal紙)

エルドアンとダヴトオールによる「シリア政策」は、トルコが「中東におけるアフガニスタンの隣国パキスタン」になるという以外、もたらすものは何もない。      そして、ロシアの航空機が9月30日、シリアへの爆撃を初めて行った。アメリカ当局から発表されたこのニュースは、ロシアの防衛省から遅れて発表された。      「バラク・オバマとウラジーミル・プーチンの間の不和と、月曜日に行われた国連総会のスピーチでの対立は、もっと深い現実を隠している。今日のシリア政策に関し、両首脳は近年に比べて比較的綿密な連携 全文をよむ

2015-09-09 Abbas Güçlüコラム:この混乱は、どこまで・・・・ (Milliyet紙)

またしても新たな犠牲の知らせが飛び込むのではと毎朝、おびえながら目を覚ますようになった。眠りにつく時も同じだ。      さて、この混乱は果たして、どこまで続くのだろうか。もうおしまいにしてくれと言ったそばから、続きが現れる。決まりきった言葉を聞き、落胆する。   一体、我々はこの映画をあと何回、観ればいいのだろうか!   映画の脚本を少しずつ変えては我々に見せているやつらに文句を言ってやりたい。   脚本も、脚本家と出演者も、結末も分かりきっているのに、我々はまだ映画を観続けているのだ。まるで 全文をよむ

2015-09-07 Oral Calsirコラム:最初の一歩はPKKの停戦・・ (Radikal紙)

どこまでいくのか、何人の命を費やすこととなるのかわからない攻撃の増加を、止める必要がある。PKKはできるだけ早くその武器を下ろすべきである。PKKが停戦をすれば、話し合いができる状況がつくられるだろう。再びテーブルに戻ることができる。      武器を用いるがために、命が失われ、分別のある平和的な解決のために発言することが難しくなっている。平和から、解決から遠く、怒りに満ち、反動的な責任追及中心の空気が、社会を覆っている。      ダールジャ襲撃が聞かれてからこの方、互いに反感を示しあっている 全文をよむ

2015-08-28 Oral Calislar コラム:アルパスラン・チュルケシュの語った、息子トゥールル―入閣 (Radikal紙)

トゥールル・チュルケシュ氏は、民族主義者行動党(MHP)の創設者であるアルパルスラン・トクルケシュ氏の最初の妻との間に生まれた5人目の子ど もだ。私はアルパルスラン・チュルケシュ氏と1980年9月12日軍事クーデターの後、同じ刑務所で1年間以上共に過ごした。多くの会話を重ねる中で、彼 の口から息子であるトゥールル氏のことも聞いた。      MHP所属の国会議員であるトゥールル・チュルケシュ議員は、選挙管理内閣への入閣を承認したことにより、トップニュースに上がった名前の一人となった。 二極化の可 全文をよむ

2015-08-26 Murat Yetkinコラム:ダヴトオールと変わりたい人はいる? (Radikal紙)

ダヴトオール首相を最も悩ませることの一つであるのは、足切り条項である得票率10パーセント以下に追いやろうとしている国民の民主主義党(HDP)と選挙を迎えなくてはならないことである。      アフメト・ダヴトオール首相の仕事は実際のところまったくもって容易ではない。      昨日8月25日トルコの歴史上初めて「暫定」政府として再選挙を行う政府を設立する任務を負ったことを明らかにした際に、彼の顔に珍しく浮かんでいた緊張感はこれを反映していたのではないだろうか。      それともタイイプ・エルド 全文をよむ

2015-08-22 PKKの「眠る爆弾」 (Radikal紙)

安全保障の専門家によるとPKK(クルディスタン労働者党)のテロリストが停戦期間中に設置した爆弾トラップを今になって爆発させているという。ベルマンという名のPKKの女性テロリストがウォール・ストリート・ジャーナル紙に「国が平和協議を放棄することは分かっていた。私たちはこの間に成長し、組織化された」と語った。      スィイルトのシルヴァン郡からペルヴァニ郡間の道路でパトロールをしていた軍事車両が巡回中、PKKのテロリストが道に仕掛けた爆弾を遠隔操作で爆破した結果、8人の兵士が亡くなり、このトラッ 全文をよむ

2015-08-22 Ali Bulaçコラム:今、おきていること (Zaman紙)

狂気めいた状態が我々を支配し始めた時、段階的に何が起こっているのかを理解することは、容易なことではない。我々は平和を守り、今何が起きているのかに目を向けなくてはならない。      今日の政治思想の他にも、政府のクルド問題解決プロセスへの態度を変えさせた真っ当な理由がある。   そのうちには、解決プロセスの間中、クルド地域が一歩一歩着実にPKKのコントロール下に置かれていったこと、想定される衝突に備え、大量の武器が配布されたこと、自治政府への道が敷かれたこと、停戦合意にも関わらず、武装集団が国境 全文をよむ

2015-08-15 Oral Calislar コラム:クルド地域で「自治行政」・・・・ (Radikal紙)

このプロセスが、断絶への道を開くのか? その地域へ、クルド人へ、トルコへの代償はどうなるのか?平和的な解決方法は、どのような基盤の上でなら新たに議題に上らせることができるのか? 我々は複雑なプロセスを論じている。      昨日、オズギュル・ギュンデム紙の一面に写真つきで掲載された記事の見出しは、このようなものだった――「自治広がる。」      記事にはこのようにある。「エルドアン体制が打ち出した全面戦争の考えに対し、自治宣言が発表されている。」      その数は徐々に増えている。現在までに 全文をよむ

2015-08-14 Taha Akyol コラム:連立政権樹立ならず、これからのシナリオ (Cumhuriyet紙)

連立が行われないのは明らかであった。ダヴトオール首相が発言を行うとドルの高騰と株式市場の下落が起きたのは、今後どのような困難が起こるかの前触れである。   中東とりわけシリアでの情勢が、トルコを深刻な問題に晒し、テロが増加し、経済が停滞した時期に、トルコには「大連立」の必要があった。しかし、実現しなかった。      ダヴトオール首相も、(CHPの)クルチダルオール党首も、連立に向けた取り組みでは誠実に振舞った。しかし、AKPサイドでたった18議席の違いで政権を失ったという感情と、早期選挙で勢力 全文をよむ

2015-08-01 Akif Beki コラム:PKK攻撃に反対する2種の人々 (Hurriyet紙)

 「公正発展党(AKP)は選挙活動を空爆によって始めた」と言う者はいないのか?彼ら自身内部で大きく2つに分かれている。       1つは「2人の警官が殺されたと、カンディルを爆撃するのか」という風潮だ。「明らかなのはPKKを狂乱させ衝突を引き起こすため…。デミルタシュ人民の民主主義党(HDP)党首のカリスマ性に傷を付けてHDPを罰するためにあのジェット機は飛んでいる」との主張に大いに固執している。もう一方はというと、「しかし先に PKKが始めたことも、衝突を彼らがけしかけたのもいずれも我々は記 全文をよむ

2015-08-01 Cengiz Candar コラム:「危険なそろばん勘定」―エルドアン、PKK、シリア (Radikal紙)

PKKに対してはじめられた爆撃の連鎖は、本来はHDPに圧力をかけ、近い将来シリアでPYDやYPGをも標的とするという目的をもった「解決策」の序文に過ぎない。      タイイプ・エルドアンがインジルリキ空港を使わせる代わりにアメリカからえた「クレジットカード」の有効期限は、一部の人が考えているように、長くはないかもしれない。(エルドアンは)アメリカと始められたかにみえるISに対する、明らかに限定的で不承不承の協力関係を、本来の意味で、「トルコ対クルド紛争」にかえ、これを内政における自身の権力闘争 全文をよむ

2015-07-29 Suat Kiniklioglu:誤った政治の、誤った結果 (Radikal紙)

コバーニーがクルド人にとって何を意味するのかアンカラ(政府)は分からなかった。クルド人があの小さな市を政治的意識においてどれほど重要視していたか理解できなかった。そしてその代償を国として我々全員が負った。それだけでは足りないかのように、こうした政治を、我々はさらに進めようとしている。      トルコの多くの人々は、シリアとの国境地帯で一体何が起きているのか、当該地のクルド人が何を求めているのか、その地域のダイナミクス(動態)がいかなるものであるのか理解していない。全くなんということだ・・・しか 全文をよむ

2015-07-29 Fuat Keymanコラム:トルコで何が起こっているのか (Radikal紙)

これほどまでに急ぎ足で透明性の低い時期を、今まで過ごした事がない。サプライズを孕んだ時期だ。さあ見てみよう…      6月7日総選挙後、トルコは「速度」と「不透明度」が最高レベルに達した時期を過ごしている。      これほどまでに急ぎ足で透明性の低い時間を、かつて経験した事がない。      命を奪われるには早すぎた若者たち、眠りから覚めることのない警官…。イスラム国(IS)との戦い…。アメリカとの包括的合意…。クルディスタン労働者党(PKK)/クルディスタン社会連合トルコ議会(KCK)に対 全文をよむ

2015-07-27 Tunca Benginコラム:政治的計算をすて、国のことを考えよ (Milliyet紙)

トルコは危機に直面している…国境では軍隊が、国内では警察が激しい戦闘と起こりうるテロ攻撃に対し抜かりなく待ち構える一方で、街では治安に対し不安が広がっている。端的に述べると、非常に危険で不安な状況下に我々はいるのだ。これに対し政界はというと、選挙から50日が経過したにもかかわらず和解、あるいは連立政権の設立に向けた希望の持てる進展はない。公正発展党(AKP)と共和人民党 (CHP)の幹部の間では予備的協議が行われ、各党首は「国家を無政府状態にしない」と語っているが、これも「劇場」であり、各党は1 全文をよむ

2015-07-20 Mehveş Evinコラム:足下の大きなドラマ (Milliyet紙)

エーゲ海岸は、照りつける太陽、さわやかな強い風、涼しい海によって旅行者にとっては間違いなく天国である。しかし、生きるために何千キロもの道のりを歩んできたシリア、アフガニスタン、イラク、さらにはミャンマーの難民たちにとっては悪夢である。      アイヴァジュクとアソスでは、卵を割れば料理できそうな温度のアスファルトの道端で足を引きずる貧しい難民たちに出会うかもしれない。      毎晩、家族全員で何百人もの人々が、夜ミニバスでババカレへ移動する。早朝にコルバシュ村のイェシル港へ向けて歩く。目撃者 全文をよむ

2015-07-16 Murat Yetkinコラム:AKP-CHP連立か、やり直し選挙か? (Radikal紙)

現段階ではHDP(国民の民主主義党)との連立は難しい。CHPとの交渉で結果が得られなければ、MHP(民主主義者行動党)の扉が再び叩かれるだろう。しかし最も可能性が高いのはCHP(共和人民党)との連立か再選挙だ。      偵察を兼ねた交渉をかさねる中、収穫があったかというと、あったらしい。   アフメト・ダヴトオール首相は15日夜、NTVの放送で「CHPとより進んだ段階にいる」と話した。状況は明らかとなっているようだ。      ===      AKP(公正発展党)がCHPを優先させるのはMH 全文をよむ

2015-07-10 Oral Calisirコラム:エルドアンの運命とAKP (Radikal紙)

タイイプ・エルドアンがたとえ党に戻っても、党は非常に異なった状況にあるであろう。公正発展党の支持基盤や執行部には、すでに過去と比べて異なる世代がいる。      公正発展党員と話している。彼らは6月7日の総選挙で得票が減少した理由の解明と評価に努めている。タイイプ・エルドアン大統領が街頭演説で公正発展党の党首のように活動したことのプラスとマイナス両方の影響を、意味づける作業である。大統領が今後のプロセスで演じる、演じうる役割、この役割の可能性を問うている。      人びとは混乱している。「早期 全文をよむ

2015-07-03 Mehmet Tezkanコラム:MHPもトルコの政党とならなくてはならない (Milliyet紙)

この文は、今日まではHDP(国民の民主主義党)のために用いられてきた…   HDPはトルコの政党となるべきだ…   HDPはトルコ化すべきだと言われていた。   HDPはクルド民族主義を掲げて政治を行うこと、トルコをカンディル-イムラル島-ディヤルバクル間の三角形で成り立っているとみなしていること、トルコの様々な問題をないものとみなしていること、この土地にクルド人だけがいるかのように振舞っていることで、非難されていた。      HDPは今回の選挙で殻を破り、トルコの政党となる第一歩を踏み出した 全文をよむ

2015-06-27 Murat Yetkinコラム:政府シリア介入へ傾き、軍は抵抗 (Radikal紙)

首相は軍にシリアにおけるIS、PYD(クルド民主統一党)、アサド勢力への積極的な介入を求め、参謀総長はこれは危険であるとしている。これらは政権が連立政権に移行しようとしている中、起きている。      ラマザン初日の6月18日、アンカラで安全保障会議が開かれた。   アフメト・ダヴトオール首相は関連する省庁の閣僚、官僚と参謀を招集した。会議には参謀総長と軍司令官らも出席した。   PYDが2日前の6月16日シリアのタル・アブヤドをISから奪還した。議題はシリアだ。      ====      全文をよむ

2015-06-16 Ezgi Basaranコラム:ディヤルバクル自爆テロのつきつける恐ろしい現実 (Radikal紙)

これは、ひとつの国家にとって大きな安全上の欠陥であり、巨大な怠慢の一例である、もし、我々の政府は、怠慢ではないというのであれば、我々にはさらに大きな問題がある。      2015年6月5日に、HDPのディヤルバクル集会において悲劇的な爆発があった。      4人が命を落とし、100人以上が負傷した。      犯人は誰か?IS(イスラム国)出身の一人:O.G      **      さぁ、この情報を間近に見てみよう。そうすることで、本当に責任があるのは誰であるのかということを、またこれから 全文をよむ

2015-06-12 Cengiz Candar コラム:このAKPと連立を組めと!? (Radikal紙)

このような公正発展党(AKP)と、そう「6月7日総選挙の教訓」を学ばず、「内部清算」を行わず、そしてこうしたすべての事柄を行ってから「政権交代」に進もうともしなかったAKPとは「連立政権」を組むことなどできない。やるべきことをしっかり行っているあらゆる政党の、6月7日総選挙の結果に背を向け、もはや「自滅行為」だと言うしか無い。      公正発展党(AKP)は13年もの間、政権を握っていた。トルコの選択的民主主義の歴史において、これほど長く且つ途切れることなく与党であった期間は、他のどの政党にも 全文をよむ

2015-06-11 Serpil Çevikcanコラム:大統領職、正常化への道 (Milliyet紙)

「従来と違った大統領になる」と言ったエルドアン大統領が踏み出した、従来と違った歩みの一歩を我々は昨日知ることとなった。    エルドアン大統領は、選挙の結果がもたらした衝撃から連立政権の模索へと転じたアンカラで、波紋を呼ぶような会談を実現させた。大統領はCHPの元党首で、アンタリヤ選出国会議員であるデニズ・バイカル氏を、自身が住んでいた外務官邸に招いた。      「会談を求めたのは誰か」という質問への答えは、「宮殿ではなくなぜ外務官邸で会談したのか」という質問への答えよりも価値が有る。会談の要 全文をよむ

2015-06-11 Murat Yetkinコラム:バイカル・エルドアン会談―AKP/CHP大連合は生まれるのか? (Radikal紙)

ダヴトオール公正発展党党首も、クルチダルオール共和人民党党首もお互いに連立政権を発足させようとは思っていない。しかし現在の状況はそうせざるを得なくするかも知れない。バイカル氏が議長候補となれば、その兆しと考えられる。      タイイプ・エルドアン大統領のもっとも重要な特徴は、決して何をするのか予想できないということになり始めた。      つい一日前大統領府から「すぐに解散総選挙」という風が吹いていたというのに、その日の夕方には、予想しない所から、デニズ・バイカル氏を通じて和解をしようとするな 全文をよむ

2015-06-04 Mehmet Direkliコラム:トルコとEUの関係はなぜ悪い方向にいっているのか  (Zaman紙)

2015年の総選挙でトルコ大国民議会(TBMM)で議席をとる可能性のある4つの政党の選挙マニフェストにはEUとトルコの関係に重要性が置かれなかった。確かにここにトルコ内部から出てくる並外れたプロセスの影響は大きい。しかし今日トルコの政治的めぐり合わせを外から傍観する人物が、この国が完全にEU加盟国になろうとする目標でもって討論する候補者であることを信じるのは極めて難しい。      2002年の議会選挙の前はEU加盟に対して確実に受け身であり、2005年にEUと交渉する政府というステータスを獲得 全文をよむ

2015-06-02 Oral Calisirコラム:静かな有権者と、興奮するリーダーたち、 (Radikal紙)

リーダーたちは得票率を増やすため、そして、有権者を説得するため、言葉が日に日に一段一段、激しくなる。遠方からみてみると、選挙集会場は、[喧しく]完全に埃の煙の中に佇んでいる。一般的な有権者は、(選挙の)進展をより静かな場所から俯瞰しているようにみる。      ディヤルバクルにおける三日間の旅で印象的であったもののひとつは、市内の静寂さだ。最近、多数の緊張、大事件、そして衝突が起きているこの街の(特に、選挙までほんの僅かな時間しか残されていない時)穏やかな雰囲気が印象的であった。とりわけ、人民の 全文をよむ

2015-06-02 Serkan Demirtas コラム:エルドアンは、「大統領」を9か月でいかに変質させたか (Radikal紙)

レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領は、2014年8月28日にトルコの第12代大統領としての職務を開始し、我々が慣れ親しむ儀典的な大統領にはならないということを宣言した。それから今日までの間に行ったことと、憲法ならびに法律を踏みにじった結果、たった9か月で大統領の称号の意味を失うところまできた。       2014年8月10日の選挙で52%の票を獲得し、国民が選出した最初の大統領として職務を開始したエルドアンは、その時期に行った会見で「走りまわり、汗を流す」大統領となること、儀典的な職務には限 全文をよむ

2015-05-30 Kadri Gürsel:このありふれたタクスィム広場が・・・ (Milliyet紙)

右の写真を、私は2013年5月30日11:00頃タクスィム・ヒル・ホテルのテラスから撮影した。目を引く特徴は特にないと思う。コラムに掲載した理由も、実のところこれなのだ。      右側には、与党が伐採し代わりにオスマン帝国の兵舎を思わせるショッピングセンターを建設したがっているゲズィ公園の木々が見える。左側には、広場の端に、今日ではコンクリート製の床に変わることになる建築物の当時の光景がある。      5月30日の朝、警察は、公園を出て行こうとせずそれらの木々を守る活動家たちに対し再び介入を 全文をよむ

2015-05-19 Oral Calisirコラム:暴力の連鎖―HDPに爆弾、シリア難民を排斥・・ (Radikal紙)

選挙の場で政党が互いに否定的に評価し、非難し合うのは、予想される事態である。言葉が時折、厳しい調子になる、というのは恐らくは自然なことである。しかしながら、「暴力的な言葉」を避けるのは、重要なことだ。      選挙は、一つの「生存競争」なのではない。選挙は、民主的なシステムでなければならない。      為政者、政権の候補者達は、民衆の、有権者の元に向かう。彼らを満足させて票を獲得することを見込んでいる。誓いをたてて、解決の提案を発展させようと励んでいる。      選挙が、喜ばしく、そして楽 全文をよむ

2015-05-18  Aslı Aydıntaşbaşコラム:HDPにとって危険な時期 (Milliyet紙)

トルコの運命を決定づける選挙の前に、世論を読み解く人びとには二つの異なる意見がある。      一つ目は、人民の民主主義党(HDP)が宗務庁論争によって傷を受けているという方向性の見解である。タイイプ・エルドアン大統領が手にコーランを持って集会場に現れた本当の理由は、HDPに投票する敬虔なクルド人の考えを変え、この層を再び公正発展党に向けさせるためである。HDPが得票率制限を超えたならば、公正発展党の単独政権は難しくなる、というのは明白である。エルドアン大統領が、「スーパー大統領」となることも不 全文をよむ

2015-05-15  Doğan Kubanコラム:傷だらけの顔のイスタンブル (Cumhuriyet紙)

草原の遊牧民の略奪と馬を持たない遊牧民による町の略奪の間に、多くの違いはない。騎馬遊牧民は支配した土地を略奪し、民衆を奴隷にとった。町に移住したアナトリアの民衆も町の土地の略奪構造を実行した。民衆を奴隷にはしなかったが、民衆の生活を町の奴隷へと変えた。このことは都市化、さらには現代化とさえ言われている。      騎馬遊牧民は略奪によって生活していた。私たちも、自らの都市を略奪している。しかし、これは草原でなされるようなものではない。私たちは自らの町を醜いものに変え、その中に、私たち自身を閉じ込 全文をよむ

2015-05-08 Taha Akyol コラム:大統領制 (Hurriyet紙)

アフメト・ダヴトオール首相は、党集会の場で全く大統領制に言及していない。      正しいことをしている。首相の地位を取り除くシステムを首相が擁護することは、矛盾になる。学問的な彼の思考は矛盾を認めない。ならば、なぜ選挙マニフェストへ、(首相は)「自分の手で書いた」と言いながら(大統領制を)載せたのだろうか?   エルドアン大統領が強く要求したからなのは明らかだ。大臣の中に、大統領制を熱心に擁護する者がいるのを読者の皆様は見ただろうか?大統領制はタイイプ・エルドアン大統領によって議題に上げられた 全文をよむ

2015-05-08 Murat Yetkinコラム:6.7総選挙、エルドアン初の敗北となるか? (Radikal紙)

アフメト・ダウトオール首相が再び公正発展党の一党体制を構築する、と考えてみると、民主主義でそうであるように、トルコにおいてもこれは選挙の勝利に他ならない。しかしながらその結果、エルドアン大統領を「唯一の権限者」にするような憲法案が賛成多数を得られなければ、これはエルドアンにとっての敗北となるであろう。      タイイプ・エルドアン大統領は、2001年に公正発展党が創立されて以来、常に選挙で勝ってきた。   当時の共和人民党のデニズ・バイカル党首が妨害を取り除く手助けをした2003年のスィイルト 全文をよむ

2015-04-23 Cengiz Candar コラム:1915年事件の「現実」 (Radikal紙)

このような悲劇は、100年前我々の国で、我々の土地で、我々のそばで、我々の内部で起きた。オバマ大統領やほかの誰かがどのような言葉を使おうと使うまいと、我々にとって「歴史と向き合う」義務がなくなるわけではない。      オバマ大統領は今回、1915年事件の100周年で「ジェノサイド」と言うだろうか、言わないだろうか。      仮に言わなかったとしても、1915年に何が起きたか、何が起きなかったかの事実は変わるだろうか?アメリカ政府筋は、「ジェノサイド」と言わずに再び「メッツ・イェグヘレン」つま 全文をよむ

2015-04-23 Melih Aşıkコラム:アルメニア人「ジェノサイド」アンケート (Milliyet紙)

経済外交調査センター(EDAM)が昨年末、トルコ国内の1508人を対象に、あるアンケートを実施した。質問は次の通りだ。   「来年、1915年に命を落としたオスマン帝国のアルメニア人を追悼して世界各地で記念式典が開かれ、声明が発表される。この一大行事を前に、トルコはアルメニア問題に関して、次のうちどの態度を示すべきか」      集まった回答は、以下の内容だった。   ・トルコは、1915年の出来事は「ジェノサイド」であったと認めるべきである…9.1%   ・1915年に亡くなった人々について謝 全文をよむ

2015-04-21 Murat Yetkinコラム:HDPはトルコ政治・クルド政治正常化への道 (Radikal紙)

民主主義の中でのクルド問題の解決はすでにクルド問題を焦点にしていない政党にとっても優先事項でなくてはならなくなっている。      セラハッティン・デミルタシュ人民の民主主義党(HDP)共同代表とフィゲン・ユクセキダア氏は昨日4月21日にイスタンブルで選挙告知の公布を行った。      これまで長年政治を見てきたが、ここまで喜んで発表された選挙告知は初めて見る。      特にユクセキダア氏が「宗教庁を廃止する」と言ったとき、デミルタシュ共同代表が「宗務庁長官の車をどうしましょうか?」と言って間 全文をよむ

2015-04-10 Murat Yetkinコラム:PKKとの戦いは、終わろうとしている (Radikal紙)

4万人もの命が犠牲になった戦争を30年間続けたゲリラ組織の重要人物が「もう戦争は望んでいない。もう十分だ」と言っているのなら、平和に向けて後戻りすることのない段階に至ったということだ。この発表はHDP(人民の民主主義党)の選挙に対するモチベーションを高めうるものだ。      アブドゥッラー・オジャラン氏と共にPKK創立メンバーの一人であるジェミル・バユクがドイツの放送局WDRに対して発表したことを、ドイツメディアは当然のように「PKKはドイツに謝罪した」と報じた。彼らの関心はそこにあった。   全文をよむ

2015-04-08 Murat Yetkinコラム:選択は難しい―7月総選挙 (Radikal紙)

次期総選挙において公正発展党(AKP)が第一党となる事に関して、現段階では何の話題も出ていないが、そもそもこの選挙の見どころは別のところにある。本当の見どころは、AKPがエルドアン大統領に圧倒的権力を与える議席数を取れるか取れないかだ。      各党は昨日4月7日火曜日17時時点で、候補者リストを高等選挙委員会に提出した。当該リストを見ると、この選挙がすべての党にとって、特に設定目標の高さという点で、AKPが苦戦するだろうと言える。昨日の様子から、以下の様な分析ができる。      1、選挙の 全文をよむ

2015-04-06 Mehveş Evin コラム:四月の痛み (Milliyet紙)

暴力、弾圧、検閲、死、憎悪、独裁が常にはびこってきたこの地で、私たちは、自分自身に「なぜ」と問いかけ、悲観的な思いにとらわれている。なぜ我々は、この愛すべき国にいかなる平安も見いだせず、お互いを、敵意を持ってみているのだろうか、なぜ民主的な日々を送ることができないのか?   日々の出来事を見ると、疑問への回答は明白である。社会のさまざまな部分がこのように多極化される;社会の中のソーシャルメディアから市井まで、弁護士から新聞記者まで恐怖の雰囲気が作り出され、教師が馬鹿にされ、女性は殺され、子供たち 全文をよむ

2015-03-28 Güneri Cıvaoğluコラム:イエメンとトルコ (Milliyet紙)

サウジアラビアのサルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ・アル・サウード国王は、3ヵ国の元首を空港で出迎えた。アメリカ合衆国のオバマ大統領、トルコのエルドアン大統領、そしてエジプトのシーシ大統領…これはサウジアラビアの王族にとっては非常に珍しいことである。   この3枚札の注目すべき点は、阻止線として現れていた。   イエメンでシーア派のイランを支援している「ザイド」派の一派であるフーシ派が、最初に首都のサナアを、その後戦略的港湾であるアデン湾を手中に収めたことは警告となった。   そして止めの、 全文をよむ

2015-03-23 Oral Calisirコラム:エルドアンでもオジャランでも「簡単にはいかない」―クルド問題解決プロセス (Radikal紙)

政府と大統領の間で、危機が起こっている状況である。オジャランも、PKK(クルディスタン労働者党;非合法)を説得するために尽力している。変わることは、簡単なことではない。リーダーのカリスマ性だけでは、変化を実現するには十分ではない。      タイイプ・エルドアン大統領が解決プロセスを理由に政府に向けた批判は、オジャランのノールーズの発表にも影響した。      オジャランのノールーズのメッセージでは、PKKに対して「武装解除」を呼びかけることが見込まれていた。発表は、予期されていることとは反対に 全文をよむ

2015-03-21 Murat Yetkinコラム:ノールーズはどうしてクルド人の象徴となったのか? (Radikal紙)

今日(3月21日)、トルコ政府監視の元、オジャランからクルディスタン労働者党(PKK)に向けたメッセージが発表される。そのメッセージを、PKKを支持する有権者のほとんどが投票する人民の民主主義党(HDP)の議員により、ディヤルバクルのノールーズまたはネウローズ祝賀の場で読まれるということは、トルコ国家による否定政策の破たんであり、懺悔であり、自己批判のようである。      今日、トルコでは多くの人々の目がディヤルバクルに向くことになる。      クルド人問題への政治的解決が、トルコにおける民 全文をよむ

2015-03-20 Ahmet Inselコラム:チュニス惨事とトルコに迫る危険 (Radikal紙)

今日、ISの一員として戦うためにシリアへと渡る志願者たちの数は減っていないことを専門家たちは伝えている。本当に危険なのは、撤退と同時にISを離れる戦闘員たちが、祖国へ戻ったり、他の国へと渡ったりすることである。この観点から見てみると、トルコは今もっとも危険な国である。      水曜日、チュニジアの首都、チュニスにある有名なバルドー博物館の入り口で、バスから降りた観光客が襲撃され、20人の観光客を含む23人が亡くなった。負傷者の一部は重傷で、死亡者が増加する恐れがある。襲撃をした2人は、4時間も 全文をよむ

2015-03-13 Murat Yetkinコラム:6月総選挙、鍵を握るクルド票 (Radikal紙)

人民民主主義党(HDP)が政党として選挙に臨み10%を超える支持を獲得するとなると、公正発展党(AKP)エルドアン大統領のいう『スーパー大統領モデル』に依拠した憲法を実現するには、HDPの支持を得ることが不可欠である。      近頃発表される選挙アンケートの数は増えているが、まだ有権者はこれといった考えを持っているという訳ではなさそうである、とまず申し上げておかなくてはならない。このように考えられる主な理由は、総選挙まで残り2か月半ほどにも関わらず、未だどの政党に投票するか決めていない人々の数 全文をよむ

2015-03-12 Murat Yetkinコラム:フィダン騒動の、3つの背景 (Radikal紙)

大統領制を目指す途上での権威の棄損、クルド問題解決プロセスの危機的な状態、ジェマート(教団)との闘争は、エルドアン大統領がダヴトオール首相に対するフィダン氏の[留任]主張する中で表面化した。      アフメト・ダヴトオール首相は、昨日登場し、何度も微笑んだ顔でもってタイイプ・エルドアン大統領との間にハーカン・フィダン氏について意見の相違がないことを説明した。      この発表の後すぐにダヴトオール首相のサインが入ったフィダン氏の任命状が国家諜報機構(MİT)に届いた。フィダン氏は一ヵ月を経て 全文をよむ

2015-03-10 Mehmet Y. Yilmaz コラム:ギュルの政界復帰はあるか? (Hurriyet紙)

前大統領のアブドゥッラー・ギュルは、公正発展党(AKP)から国会議員候補として政界に復帰するという話は最近注目される話題の一つである。      ギュルが、レジェプ・タイイプ・エルドアンの同意なしにこのことに取り掛からないのを推測するのは難しいことではない。ギュルは、性格からしてエルドアンとの厳しい政治闘争に入ることを望まず、脇に座ることを好む。こうした状況で疑問は以下のようである。エルドアンはギュルの政界復帰を望むのだろうか?この疑問にはふたつの返答がある。      1-ギュルが、国会議員に 全文をよむ

2015-02-18 Sami Kohenコラム:ISは空隙に入り込む (Milliyet紙)

イラクやシリアだけでない…。政治的空白や社会混乱が起きるところにIS(イスラム国)も存在している!その最新の例を我々はリビアで目にしている。先日ISがリビアで誘拐した21名のエジプト人キリスト教徒を斬首・殺害したこと、エジプトが報復としてリビアのISを標的に空爆を実行したことで、「ジハーディスト」が北アフリカの各国で活動していることが明らかになった。      リビアのIS戦闘員らは何故このエジプト市民を誘拐し、残虐に殺害したのか?このエジプト人らはなぜリビアに来たのか?以前から多くのエジプト人 全文をよむ

2015-02-17 Ezgi Basaran コラム:PKKは、どうやって、なぜ武装解除するのか (Radikal紙)

クルド人民会議(KONGRA-GEL)のレムジ・カルタル代表に会い、武装解除問題についてどうすることが可能か理解に努めた。さあ、「緊急処方箋」….。      公開情報による解決プロセスにおける出来事に関する要約は以下の通りだ。   イムラル島へ行った訪問団とヤルチュン・アクドアン副首相も含んだ政府高官らの交渉が始まるったことが公表される予定だ。この「政治的な意志としても私たちはプロセスを後押しする」との意味を示すパフォーマンスの後にオジャランがトルコでの武装解除の呼びかけを行うであろう。フィダ 全文をよむ

2015-02-14 Yorgo Kırbakiコラム:トルココーヒー、ギリシャコーヒー (Hurriyet紙)

初めに述べたい。「1杯のコーヒーにも40年の思い出」という言葉もいいが、私は熱狂的なコーヒーフラッペ派である。カップに注がれたクリーミーで熱々のコーヒーよりも、大きなグラスに注がれた泡たっぷりの牛乳入りアイスコーヒーの思い出のほうが私には多い。      そろそろ本題に入ろう。先日新聞のある広告が目を引いた。ギリシャの大手老舗コーヒーメーカーであるルミディスが出したその広告には、「10月1日をギリシャコーヒーの日と宣言します」と書かれていた。それに続いてアテネのかつては都市ガス施設があった場所で 全文をよむ

2015-01-13 Mehmet Y. Yilmaz コラム:「しかし・・」―シャルリエブド事件 (Hurriyet紙)

一握りの狂信者以外は誰もがフランスでのテロリストの襲撃事件を非難した。そして、だれもが人間の生存権や思想や表現の自由を守るのだと主張した。      全イスラム世界に呼びかけが行われ、ジハーディストの暴力と距離を置くよう説かれた。我々はイスラム世界をとりまく暴力の風潮を問うた。また、これを解決しうる者も、まずはムスリムであるということを我々も述べたし、耳にもした。   人類の大半は「しかし」と言いながらテロを正当化する考え方からは遠ざかり、またテロを正当化する者たちは非難された。   私の考え方 全文をよむ

2015-01-10 Oral Calislar コラム:「3人のフランス人テロリストが殺害された」の意味 (Radikal紙)

昨日パリで警察が作戦を実行した後、CNNインターナショナルテレビは関係者からの情報に基づき次のように報じた。「3人のフランス人テロリストが殺害された」。      トルコで「宗教主義殺人犯」「イスラーム主義ファシスト」といった呼び方が目立つ中、フランス政府が殺害されたテロリストについて「3人のフランス人」と呼んだこと、襲撃をムスリムやイスラームのせいにすることなく発表したことは、非常に重要で注目すべき点だ。      シャルリー・エブド誌に対する卑劣な襲撃は、「宗教」、「宗教主義」、「世俗主義」 全文をよむ

2015-01-02 Sami Kohenコラム:新年テスト―2015年に何が起こるか (Milliyet紙)

本コラムで毎年恒例の「年始のテスト」を、今年も読者の皆様に披露する時がきました。   来たる2015年に世界と国際政治で何がおきるかをテーマに、頭の運動をやってみましょう。      ですが、その前に我々が行った予想を見てみましょう。私の「スコア」は以下のようになりました。   世界の事件に関する5つの問題では2つだけ、外交についての5つの問題では3つ、正解することができました。   実際これは良い結果ではありません。しかし、これも2014年の事件がどれほど行く末が不確かで驚くべきものであったか 全文をよむ

2015-01-01 Doğan Heperコラム:2015年1月1日、トルコの光景 (Milliyet紙)

また一年が過ぎていった。時は速やかに過ぎていくものではないだろうか。もしかしたら「速やかに」という表現は正しくないかもしれない。「急ぎ」と言った方が正しいかもしれない。2014年に私たちが経験した様々な出来事は、急ぎ過ぎていった時に一年に収まることができたのだ、収まったが...。      ------      まず、トルコの経済状況を見てみよう。二つの見方がある。   トルコの経済状況は悪い。   トルコの経済状況はいい。      「格差の世界記録をつくった。   EUの基準によると、トル 全文をよむ

2014-12-30 Murat Yetkinコラム:エルドアンが首相に示した「身の程」 (Radikal紙)

エルドアン大統領は、内閣を1月19日に官邸に集めることをダヴトオール首相に話したと述べ、この議論をアレクサンドロス大王が(ゴルディオンの)結び目を断ち切るように終わらせたが、この終わりは新たな問題の始まりとなると思われる。      すでに、朝のコーヒーとともにイェニ・シャファク紙でアブデュルカーディル・セルヴィ氏のコラムを読んでいるときに、物事は考えられているより複雑であるという思いに捕らわれた。      セルヴィ氏は、いつもしているように特定の事件には触れず、タイイプ・エルドアン大統領とア 全文をよむ

2014-12-25 Melih Aşıkコラム:「世俗主義」のありがたみ (Milliyet紙)

女性は中絶をしないように。   女性は帝王切開によって出産をしないように。   女性は避妊しないように。   女性は高い声で笑わないように。   妊婦は外に出ないように。   女性は男性と同じ部屋にいないように。   学校で女子は男子と同じ場で学ばないように。   女性は夫の許可なく働かないように。   権力における物の考え方(メンタリティー)と女性は、大いに関わりがある・・・「(神の)意思」なのである、これは・・・。女性は家から出ないように。男性の言うことを聞くように。権利を主張しないように。 全文をよむ

2014-12-17 Oral Calislar コラム:ギュレン教団捜査の意味と結果・・・ (Radikal紙)

結局、我々はここからの突破口を見出すことが出来るだろう。現在、有権者や市民がその一役を担っている。昔と比べ一層安定した議会制度がある。これらが存在していなければ、ジェマート(教団)は、共同戦線にある別のアクターらの支援を受け、トルコに更に危害を加える事が出来たであろう。      ジェマートを対象とした捜査作戦が始まって以来、CHP(共和人民党)は好戦的態度に出ており、MHP(民族主義者行動党)はやや少し穏健路線を取りつつ、大統領選挙同様に「戦線に」加わっている。昨年12月17-25日の戦線の形 全文をよむ

2014-12-15 Murat Yetkin コラム:ザマン紙への強制捜査は公正発展党の分岐点となる (Radikal紙)

今回の事件には「報道の自由」もかかわる面もあるし、公正発展党内への影響という面もある。ギュレン派の身におこったことは、ほかの人へも教訓だ。2015年には、それぞれの主張にではなく、指導者、すなわちエルドアンへの従属度が物差しとなるだろう。      どれだけ多くの人が困ったか、よくわかるだろうか。昨日、新聞記者らが逮捕されことに反発していいものかどうかが、国内の知識人を二分した。      一部の知識人は、ザマン紙の編集長エキレム・ドゥマンルが、かつて、新聞記者らが、たとえばエルゲネコン捜査やK 全文をよむ

2014-12-11 Murat Yetkin コラム:PKK本部、オジャラン、政府のクルド問題解決策 (Radikal紙)

PKK(クルディスタン労働者党)は2つの意見で揺れている。片方はAKP(公正発展党)が2010年以降、毎回選挙前に解決を約束 して今日まで至ったことに注目している。オジャランが一番重視しているのは一刻も早く外に出ること、それがだめでも、PKKのトップの地位をイムラル島からだとしても、確立することだ。政府が一番重視しているのは、当然更なる武力行為を防ぐことと死者を出さないこと、その間にも選挙に向かう際に再び兵士と警官の葬式の日々に、「殉職者は死なない。祖国は分裂しない」というスローガンに戻らないこ 全文をよむ

2014-11-21 Altan Oymen コラム:エルドアン「アメリカ発見はイスラム教徒」発言の功罪 (Radikal紙)

「新説」のジョークへの寄与は非常に大きい。しかし外交には有効ではないことは明らかである。       「アメリカの発見」について議論がされている。「誰が、いつ発見した?」という議論である。長年この問題は争われてきた。今日はそのことに関して今に至るまでを簡単に説明しよう。我々はその発見が1492年クリストファー・コロンブスによってなされたと思って来た。       しかしそれは西欧による嘘だったようだ。アメリカ大陸は1178年に我々の信仰上の仲間が見つけたらしい。初めに足を踏み入れたのはキューバだ 全文をよむ

2014-11-06 Fehim Tastekinコラム:イスラエルの「アラブ人のいないエルサレム」計画・・ (Radikal紙)

アラブ人のいないエルサレムのために…      アル・アクサー・モスクでの事件は、パレスチナの国家承認に向けたヨーロッパでの新たな進展と同時期に起きた。イスラエルはパレスチナ人を暴力の中へ引き込み、これの責任もまたマフムード・アッバス議長にあるとしてパレスチナの国家承認を阻止する考えだ。      今年6月、エルサレムで、神殿の丘の西側、嘆きの壁へと続く屋根付きバザールの中を歩いていたとき、パレスチナ人の親友はある店の前で止私を立ち止まらせ、木製シャッターの隙間から中を見てみるよう言った。店の地 全文をよむ

2014-11-04 Abbas Güçlüコラム:最大の問題は、失業! (Milliyet紙)

世界のどこへ行ったとしても、最も重要な3つの問題のうち1つは失業問題である。   多くの国において最重要問題だ。   さらに重大なのは、失業率が減少することなく、反対にだんだんと増えているということだ…   トルコもこのような国のうちの一つである。   トルコ統計機構(TÜİK)が発表した公式の数字はこれを明確に示している。   最も奇妙なのは何かご存じだろうか?   大学卒業者の状態である。身を粉にして勉強しろ、大学に入れ、その褒美は失業だ!      ■勉強することは役に立たない      全文をよむ

2014-11-02 Güngör Uras コラム:今年はオリーブ豊作 (Milliyet紙)

2014-2015年ついては、オリーブオイルの生産が19万トン、食用のオリーブの生産は44万トンになると見込まれている。   オリーブ・オリーブオイル収穫量全国公式統計調査会によると、今年のオリーブとオリーブオイルは、一部地域で収穫量が落ちるが、おおむね豊作と見込まれている。「国内市場においても、輸出においても、十分なほどのオリーブとオリーブオイルが生産されるだろう。生産量は昨年に比べて増加が見込まれる」   オリーブの木の栽植本数はここ10年で70%ほど増加し、1億6,500万本になった。この 全文をよむ

2014-10-18 Fehim Tastekinコラム:クルド人2勢力、対立から協力へ (Radikal紙)

新たな1ページが開かれようとしている。南クルディスタン議会(イラク・クルド自治政府議会)は10月15日に10時間の議論の末、ロジャヴァからの要求を聞き入れ、あらゆる援助の実施を想定した法案を可決した。議員たちは議会での決定を官報で公表した後すぐにロジャヴァに武器を送る必要があると強調した。      コバーニーに対するイスラム国の攻撃はクルド人勢力の政治情勢にも影響を及ぼしている。コバーニーはある意味クルド人のクルド人に対する試練の場となっている。この数日ロジャヴァ(シリア・クルディスタン)―バ 全文をよむ

2014-10-13 Oral Calisirコラム:オジャランの力 (Radikal紙)

アブドゥッラー・オジャランは、PKK(クルディスタン労働者党・非合法組織)の創設以来、この「運動」の指導者である。逮捕されて、彼は終わった、という人は多かった。法廷での発言により、特に「トルコの左翼」から「考えを捨てた」との評価となった。時は、この評価のどれ一つとして確認していない。      カンディル(PKK指導部)は、「解決プロセスはとん挫するかもしれない」と発表してから数か月が経ち、最近の事件の後、態度を変えた。PKKは、ビンギョルで警察に向けた待ち伏せ[=警察署長襲撃事件のこと]を「挑 全文をよむ

2014-10-12 Mümtaz'er Türköneコラム:クルド問題和平プロセスは、絶望か? (Zaman紙)

和平プロセスはおしまいなのか?      この問いに「現状からの再開」と返答できるだろうか? コップはもう滴がこぼれ落ちる状況だ。トルコを火事場へと変えたPKK(クルディスタン労働者党;非合法)の集団暴力によって、新たな一滴どころか、あたりは洪水となった。後にはコップも、現在まで溜めてきたものも残っていない。レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領はトラブゾンで、 和平プロセスは「非常に異なる形で」進められると述べた。現実的には次のような判断を下さなければならない。もはや和平プロセスなどというものは 全文をよむ

2014-10-09 Murat Yetkinコラム:参戦の前から「イスラム国」の火がトルコを焼く (Radikal紙)

公式発表によると、初日に23人が死に、6県に外出禁止令が出され、80年クーデター以来はじめて戦車がディヤルバクルの町に入った。トルコを戦争に巻き込みたい連中よ、これで満足か?      公正発展党の、「イスラム国(ISIS)」のテロを前にした混乱状況をもっともよく示す例のひとつが、エムルッラーフ・イシュレル前副首相が昨日ながしたツイートだといえよう。      ディヤルバルクで10月7日の夜、PKKの戦闘員が、クルド系ヒズボラ組織HUDA/PARのビルを襲撃し、リンチの上、その構成員を惨殺した。 全文をよむ

2014-10-08 Cengiz Candarコラム:トルコ政府はコバーニー陥落を黙認している (Radikal紙)

まさに、トルコ語の「生地をこねるのを厭う女性は、夜には粉をだめにする」ということわざにぴったりの振る舞いだ。コバーニーがまさに陥落するというときに、「コバーニー介入」に関しアメリカを指して「シリア全土への介入が行われるならば、つまりバッシャール・アサド政権が倒されるならば、私も考えよう。そうでなければ、コバーニーの件には私は一切関与しない。」これがコバーニーに対するトルコ政府の見解である。      バイラム前日(3日)、アフメト・ダヴトオール首相がセラハッティン・デミルタシュ人民の民主主義党( 全文をよむ

2014-09-30 Fikret Bilaコラム:トルコの3つの行動プラン (Milliyet紙)

エルドアン大統領が国連総会のため5日間のニューヨーク訪問を行った。この訪問の要は、米国バラク・オバマ大統領との電話会談とその直後のジョー・バイデン副大統領の訪問だろう。      この会談はエルドアン大統領が米国側からの要望を受けて行われた。会談後に関係者から伝えられた情報は、トルコの主張や要望の大部分が受けいれられたことを示していた。ニューヨークからの帰途、エルドアン大統領が記者の質問に対しておこなった回答も、会談後、トルコの戦略が良い方向に向かい始めたことを伺わせるものだった。      ■ 全文をよむ

2014-09-28 Cengiz Candar コラム:クルド人とともに「イスラム国」と戦おう (Radikal紙)

コバーニーという鏡に映るAKP政権……      コバーニーで昨日27日明け方に明らかになった「新軍事バランス」は、コバーニーが「クルド人にとってのスターリングラードとしての地位」をあまりにも強めるので、今後の情勢がどのように進むにしても、AKP政権の観点からはある種の「コバーニーの紀元」となるだろう。   「現地」での新たな進行がそれである。昨日27日の明け方、アメリカの飛行機がコバーニー周辺にあるISISの標的を攻撃したと言われている。金曜日の夜、コバーニーの陥落は避けられないと見られており 全文をよむ

2014-09-26 Oral Calisirコラム:一体化する「クルド問題」 (Radikal紙)

シリア・クルディスタンのクルド人と、トルコのクルド人;両者は密接な関係を持ち、運命共同体でもある。解決と変革の青写真は、それらと切り離して考えることは不可能だ。      コバーニーで、クルド人はIŞİD(イスラム国、ISIS)に対して大きな抵抗を見せている。トルコ出身のクルド人の若者も、抵抗に協力するために国境を越えている。IŞİDの攻撃から逃げた20万人近いシリアのクルド人もトルコ側へ避難している。政府と現地住民は、スルチュおよび周辺地域で人道支援(難民救援)のために、可能な限りあらゆる支援 全文をよむ

2014-09-24 Cengiz Candar コラム:誰が、誰の、何のための「人質」だったのか? (Radikal紙)

トルコの外交政策が、49人の人質が解放された後もイスラム国(ISIS)の「人質となり」続けていることは、何よりも、クルド人との関係において出現されることが予測される諸問題の端緒となるだろう。      人質たちの無事の帰還は、疑いもなく、全国民を大いに喜ばせた。しかし、この進展は、首相およびメディアにおける公正発展党(AKP)スポークスマンの、逆のいかなる努力にもかかわらず、「成功の物語」として政権の記録に記されることはなかった。      正反対のものとなった。「AKP政権の成功」にの一方で、 全文をよむ

2014-09-20 Oral Calisirコラム:オバマに問う、「サッダムか、イスラム国か?」 (Radikal紙)

イラク・シリア・イスラム国家(IŞİD)は、いまやトルコの国境沿いまで迫っている。アメリカ中心主義の、そしてトルコでは野党支持の報道は、まるで「イスラム国はトルコが生み出した」というような空気を広めている。かつてはアメリカによるイラク侵略を擁護したコラムニストらが、今はアメリカを発信源とした報道に追随して分析を行っている。      2002年の年末から2003年の最初の数ヶ月の頃のトルコを覚えているだろうか。アメリカはイラク占領のためトルコに軍隊を配置することを要求し、国会の「(イラクに対する 全文をよむ

2014-09-13 Taha Akyol コラム:中東の政治的地殻変動 (Hurriyet紙)

アメリカ合衆国のケリー国務長官は、対İŞİD(イスラム国、ISIS)作戦において、トルコの貢献がどうなるのかという質問に対し、「トルコにはデリケートな問題がある」と述べた。      当然、「デリケートな問題」のうち最も緊急を要するものは、İŞİDが誘拐した49名のトルコ国民である;すなわちモースルのトルコ総領事館で働いていた職員たちのことだ…。彼らの生命を考慮し、トルコが慎重に動いているのは当然のことである。事実İŞİDのような世界中が嫌悪するテロ組織に対する作戦に、トルコは(参加の)署名をす 全文をよむ

2014-09-05 Murat Yetkinコラム:CHP今日、党大会―「変わるべきか変わらざるべきか、問題はそれだ」 (Radikal紙)

今日開催のCHP臨時党大会は単にクルチダルオールか、インジェかを決めるものではない。より自由主義的で、より女性が参加する、より若い、自らの経済政策、クルド政策をもつ党になるのかならないのかを決める党大会だ。      公正発展党は、大統領選で勝利をおさめたので、臨時党大会を開いた。党首で首相だったエルドアンは大統領になった。彼の代わりに外相のダヴトオールが党首に選ばれた。エルドアンがそう指示し、ダヴトオールは今や首相だ。      共和人民党はというと、大統領選に敗れたので、臨時党大会を開こうと 全文をよむ

2014-09-01 Cem Erciyes コラム:「イスラム国」、古代遺跡盗掘を資金源に (Radikal紙)

「イスラム国」はシリアとイラクにおいて歴史的な遺物を略奪し資金源としていた。古代都市において発掘を行うことが奨励され、その売上から利益を得ている。全ての遺物はトルコを介して世界に拡散しているといわれている。      紛争当事者の古代遺跡への管理不届き、権力の不在に乗じている国際的な密輸業者も加わったことで、古代遺跡盗掘は甚大な規模になってしまっている。何千もの歴史的な遺跡が組織的な形で盗掘されている。政府軍と敵対勢力はこの盗掘と破壊に対してそれぞれに罪を着せる一方で、地域の暗黒勢力である「イス 全文をよむ

2014-08-30 Melih Aşıkコラム:容疑者国家トルコ! (Milliyet紙)

欧米のメディアでは、トルコが「イスラム国」を支援しているという疑惑が、以前にもまして議論されている。カタールが、うまく立ち位置を変えてあとは特に。トルコは、中東で「イスラム国」を支援する唯一の国であるかのように、見られている。      イギリス・メディアは、トルコ国境から毎日20人のジハーディストがシリアやイラクに入っており、国境警察は、この状態を10ドルももらえば、見てみないふりをすると書いている。ジハーディストが軍事物資を、トルコの店で買っているとされている。一方、アメリカやドイツは、トル 全文をよむ

2014-08-25 Taha Akyol コラム:ギュル大統領の今後 (Hurriyet紙)

■ギュル氏はどうするのか?      アブドゥッラー・ギュル共和国大統領の政治復帰が妨げられていることが、重要な政治的サインである。      公正発展党の成立以来2010年まで続いた包括主義的、穏健的、改革的そして中央指向の政策よりもさらにイデオロギー的、急進的政治を目指すというシンボルなのである、ギュル大統領が排除されたということは。政権与党がとってきた、2002年から2010年の間の包括的でEU寄りのやりかたと、近年の厳格でイデオロギー的やりかたのなかに、この方向性を見ることは可能である。 全文をよむ

2014-08-23 Cengiz Candar コラム:新首相ダヴトオールを待ち受けるパラドクス (Radikal紙)

「アフメト・ダヴトオール首相」が「大統領閣下」と協働するなかでもっとも困難に直面するであろう分野は、「民主的権利と自由」の領域になるだろう。もちろん、アフメト・ダヴトオールがこれまで通りなら、という話だが。ダヴトオールについていろいろな批判は可能だろうが、彼は、「横暴で、権威主義的」では、決してなかった。      首相位につくタイイプ・エルドアンの代理人(カリフ)は、予想通り、アフメト・ダヴトオール外相に決まった。エルドアンがその名を発表したあと、檀上にあがったダヴトオールは、次のように挨拶を 全文をよむ

2014-08-15 Murat Yetkinコラム:CHPでも一掃作戦? (Radikal紙)

■注目は「ケマリスト」らの反乱に集まっている。しかし(共和民主党)党執行部は2015年の総選挙へ向け、新たな人事で歩むためスタートを切っている。      昨日選ばれた大統領、タイイプ・エルドアンの頭にある「新しいトルコ」構想へ向けて、まだその任務を引き受けてはいないが、公正発展党から始めることを宣言したのだ。      エルドアンは昨日、党の広域県支部長へのお別れの会合で、今後の作戦を「若返り」計画として述べた。事実、一昨日にはヤルチュン・アクドアン筆頭政治顧問がその枠組みを語っていた。   全文をよむ

2014-08-15 Oral Calisirコラム:欧米はなぜエルドアンを敵視するのか (Radikal紙)

エジプトでのシシ将軍によるクーデターに声を上げない欧米から広がる「反エルドアンキャンペーン」の原因は、「トルコで見られる独裁の危機」なのだろうか?イラクでシーア派マリキ政権による宗派圧力を長年支援してきたアメリカは、トルコでアレヴィー問題が解決しないことにいらだっているのか?現実的になろう・・・      エジプトでクーテダーを遂行したシシ政権がラビア広場で行った虐殺から1年が経った。エジプトで選挙により選ばれたモルシ大統領は、西側の目の前で、軍事クーデターにより去ることとなった。これに対する反 全文をよむ

2014-08-12 Mehmet Y. Yilmaz コラム:エルドアン勝利、しかし満足させるものではない (Hurriyet紙)

レジェプ・タイイプ・エルドアンは大統領選挙に勝利した。お祝いを言おう。ご健闘をと!      選挙結果を見て、もちろん多くのコメントが交わされることだろう。   投票のもたらしたメッセージが吟味され、政治家たちはここから自分たちのための教訓を得ることとなる。   しかし、議論の余地もない点は以下の事である。合法的な選挙が行われ、レジェプ・タイイプ・エルドアンはこの選挙の勝者として大統領となる。   しかし、選挙結果をみると、選挙に勝利したものの、レジェプ・タイイプ・エルドアンは自身が満足できるよ 全文をよむ

2014-07-27 Nagehan Alçıコラム:警察・司法への強制捜査―何がおきているのか? (Milliyet紙)

予想されてはいたが、しかしやはり興味深い日々を我々は過ごしている。2月7日の国家諜報機(MİT)関危機やアダナで止められた(国家諜報機関所属の)大型トレーラーで、3月30日の選挙が近づくと広まった違法音声記録で、国家の安全保障と関連する外務省の情報収集会議が操作され盗聴されたことで、警察や司法をはじめとする政府内部で自身を政府に取って代わる構造が存在することを、我々は知った。選挙結果を変えようとする違法な力が自らを白日の下にさらしたのだ。まず贈収賄捜査に取りかかり、次に違法音声記録を公にし、最終 全文をよむ

2014-07-19 Cengiz Candar コラム:イスラエルの暴挙とトルコの「なすすべのなさ」 (Radikal紙)

イスラエルの不当性、不公正、暴挙。残念ながら、これらの事実はトルコが今、パレスチナの人々に対して無力であるという事実を覆すものではない。      10日間続いたイスラエルの空爆で、子供を含む200人もの人々が命を奪われ、2000人以上が負傷した。その後、昨日の夜ガザに向けてイスラエルが始めた「地上作戦」は、世界中の非難を呼んだ。      声を上げた国の一つが、ガザ市民が一時希望を託したトルコだ。アフメト・ダヴトオール外相は昨日、「皆が沈黙したとしても、トルコはあらゆる抑圧や虐遇に黙っていない 全文をよむ

2014-07-09 Cengiz Candarコラム:アタテュルクの座を狙うのは・・・ (Radikal紙)

タイイプ・エルドアン首相が「ポストケマリズム」のトルコでアタテュルクを継ぐ「第二のアタテュルク」の役割を行うこと、又は「スルタンのような大統領」になることを望んでいるように見られている。      ベルリンで私を空港へ運んだ運転手は、イランの「西アゼルバイジャン県」の中心、オルーミーイェ出身のアゼリーだった。一時期はアンカラでも暮し、41年間ベルリンでドイツ国民として暮している。パフレヴィー時代にイランを離れた。イラン・イスラーム共和国時代に戻ったが、のちにまた離れた。 「狂信的行動は悪いことで 全文をよむ

2014-06-26 Oral Calisirコラム:クルド問題解決へ大きな一歩 (Radikal紙)

解決プロセスが始まったとき、人々の頭には疑問符があった。「これは成功しないだろう」と言われた。あれから19ヶ月が過ぎ、今やどうだ。より前進した動きへの入口に到達した。      政府が用意した「クルド問題解決プロセス」に法的根拠を持たせるための法案が作られたことは、プロセスが更なる段階にきたことを示している。会談を行った双方は、この法案により、「法的根拠に基づいて自らを主張することができるようになる。オジャランが当初から続けてきた議論の合法化」の要求が、いよいよ現実になろうとしている。      全文をよむ

2014-06-19 軍クーデター疑惑のバルヨズ裁判囚、釈放 (Milliyet紙)

「バルヨズ裁判」は公正な裁判ではなかった、という憲法裁判所の決定により、釈放と再審という可能性が浮上してきた。刑の執行を止めるよう検察側が要求し、急遽開かれたイスタンブル・アナドル第4重罪法廷が、刑務所に収監されている230名全員を釈放するという決定を下したのだ。「バルヨズ裁判」による収監者は、こうして一人もいなくなった。   また、高等裁判所が全会一致で下した「公正な裁判を受ける権利の侵害」という判決も勘案せねばならない。   私は昨日、憲法裁判所のハシム・クルチ裁判長に話を伺い、決定が全会一 全文をよむ

2014-06-17 Mehmet Y. Yilmaz コラム:大統領選の新展開―エルドアンの戦略に狂い? (Hurriyet紙)

CHP(共和人民党)党首のケマル・クルチダルオール氏とMHP(民主主義者行動党)党首デヴレト・バフチェリ氏が大統領選の統一候補について意見を共にしていることが分かった。      クルチダルオール氏は候補者としてエクメレッディン・イフサンオール氏を提案し、バフチェリ氏もこの提案に「もはや互いを隔てるものはない」と言って応じ、MHPとしても彼に支持を一本化すると述べ、これをもって大領選の新たな時代が始まることになった。私は、初めから”統一候補“という考えが間違っていると考えており、このことについて 全文をよむ

2014-05-30 Mehmet Y. Yilmaz コラム:主要2閣僚は、なぜエルドアンに反論したのか (Milliyet紙)

政府主要2閣僚は、中央銀行総裁に辞任を迫ったエルドアン首相の言動に反論した。      もちろん名指しした訳ではないが、ババジャン副首相とシムシェキ財務相は、中央銀行の独立性は重要だ、と発言で強調した。これは、今日までの公正発展党(AKP)の歴史において見られなかったことだ。      これまでの一般的な態度は、ニハト・ゼイベクジ経済相が行ったようなものであった。エルドアン首相が何か言ったら、その後に話す大臣は、(首相の趣旨に沿い)首相の発言より踏み込んだものにしようとした、首相に取り入ろうと。 全文をよむ

2014-05-23 Ezgi Basaranコラム:英国の炭鉱労働者の賃金は16000リラ (Radikal紙)

イギリスの全国炭坑組合長のウィルソン氏に、イギリスの炭鉱労働者と炭鉱事故について取材した。「我が国では、あなた達の国で起きたような大惨事は100年の間起きていません。そしてその理由は我々が幸運だったからではなく、仕事の安全性を高める法律を作ったからです。死者が出る事や事故の発生は炭坑業界で普通の事ではありません」       National Union of Mineworker(全国炭坑組合)は世界で最も伝統ある炭坑組合の1つである。イギリスで1800年代末に立ち上げられた「連合王国炭坑連盟 全文をよむ

2014-05-20 Sami Kohen コラム:ソマ後の、世界からみたトルコのイメージ (Milliyet紙)

ソマの大惨事(炭鉱事故)は、世界中のメディアがここ最近報道したトルコに関するニュースの中で最も大きく取り扱われた。   炭鉱事故が伝わった瞬間から海外の通信社、テレビ局、新聞社は事件を詳細に報道し始めた。世界の名だたる通信社やメディア機関は記者をソマに派遣した。   新聞各紙は炭鉱事故の記事や解説に多くの紙面を割いた。   この異常な注目と深い同情の理由は、この事故が、人道的問題をはらみ、悲惨であったという点、また死者の数においても類を見ない事故だからである。   その後、世界中のメディアは事故 全文をよむ

2014-05-17 Mehmet Y. Yilmaz コラム:首相がやるべきことをやっていれば、事故は起こらなかった (Hurriyet紙)

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、「炭鉱事故はその仕事の特色であり、ふつうのことである」と述べ、他国の例を挙げた。   イギリスの例に言及するには1860年代まで遡らなければならない。直近の事例は、1940年代の日本におけるものだ。   2014年5月に、12年間政権を握っている政治家が話すべき事例では決してない!   政府の宣伝組織に目をやれば、「世界のリーダー」「偉大なマスター」などと言っているが、自分の統治している国を1860年代のイギリスと比較させているのだ!   首相がこの12年で 全文をよむ

2014-05-15 Tunca Benginコラム:死は炭鉱労働者の運命ではない (Milliyet紙)

トルコを深い悲しみに包んだ炭鉱業史上最大の悲劇が起こったソマでは、1万6000人の炭鉱労働者が働いている。このうち1万2000人は地下で労働している。もっと正確には、人口の10分の1が「完全なる闇」で生きているのだ…。毎日家族や子供たちと別れを告げ、地下に降りていく。別れを告げないなどということができるだろうか?炭鉱都市として知られているソマでは、2013年だけ見ても発生した労働災害の数は5000に上る…。これらのほぼ全てが炭坑で起きており、その多くが高温火傷という結果に終わっている。しかし壁に 全文をよむ

2014-05-10 クルチダルオール党首、CHP執行部を刷新 (Milliyet紙)

クルチダルオール党首が新たに組織したCHP執行部の最初の目標は大統領選だ。「強力な事務局」モデルを実行する構造の目的は「統一を図ること」      CHP(共和人民党)のケマル・クルチダルオール党首が新たな6名を加えて強化した新執行部が8月の大統領選と2015年6月に行われるとされる総選挙へ向けて党を導く。各組織の要請を元に「強力な事務局」モデルへの回帰を決めたクルチダルオール党首がこのモデルに向け、定期総会を行う代わりに、自らの承認で決まる新たな人事異動で十分だと考えているのではないかと党内で 全文をよむ

2014-04-26 Ahmet Hakanコラム:よくやった!ハーシム・クルチ憲法裁判所長官 (Hurriyet紙)

アフメト・ネジデド・セゼル元大統領は憲法裁判所長官だった。   セゼル氏は壇上で行った講演で、   ・自由について   ・民主主義について   ・人権について   ・世界標準について   語っていた。      2月28日、当時の国内標準を脱却すべく、我々はこれらの話題に必死で聴き入った。保守的な出版物には熱意あふれる見出しが打たれた。   『セゼル憲法裁判所長官の民主主義と自由に関するマニフェスト』   タイイプ・エルドアン首相も当時、セゼル氏の講演を聴いただろう。アブドゥッラー・ギュル現大統 全文をよむ

2014-04-25 Taha Akyol コラム:共通の痛み―エルドアン1915メッセージ (Milliyet紙)

エルドアン首相は1915年の事件故にアルメニア人たちに向けて哀悼のメッセージを発表した。      こんなことは初めてだ。2009年9月、アルメニアとの関係を正常化させ、「ジェノサイド」の主張[の判断]を歴史家たちに委ねるため、ふたつの議定書が調印された。哀悼メッセージは、同様の政策のトルコ側からの継続である。この件に関しては内政的な点からだけでなく、いかにしてふたつの国の間にある深い感情的なもつれを解決するかという点から考えることが必要だ。      ◆「皆の共通の痛み」      エルドアン 全文をよむ

2014-04-25 Cuneyt Ozdemirコラム:エルドアン1915メッセージを、賞賛する (Radikal紙)

エルドアン首相の(訳注:いわゆるアルメニア人虐殺事件から100年を目前にアルメニア人に対して発した)哀悼のメッセージは、勇敢かつ配慮の行き届いた最初の一歩として、拍手喝采を浴びている。      エルドアン首相が4月24日に起きた「周知の事件」に対して表明した哀悼は、どこからどう見ても、未だかつてない重要な第一歩である。   私は全く予期していなかった。驚いた。しかも私は数日前にアゴス紙から4月24日に関する記事を求められたときに、「とりたてて新しいことは起きないだろう」という、希望のない記事を 全文をよむ

2014-04-17 Murat Yetkinコラム:政局予測―エルドアン・ギュル関係 (Radikal紙)

政界でのギュル大統領のこれからについて、トルコ実業家協会(以下TÜSİAD)の発言だけで判断するのは間違いである。しかし様々なバランスが急速に変化していることは見て取ることができる。      アンカラで昨日開かれたトルコ実業家協会の高等協議会は、数日前から話題になっていた。経済界というよりも、むしろ政界で話題となっていた。TÜSİADのムハッレム・ユルマズ会長は、不正問題(汚職問題)で司法への介入がなされないようにと述べたため、タイイプ・エルドアン首相に「国家への裏切り者」として非難されていた 全文をよむ

2014-04-12 Oral Calisirコラム:AKPに対する現実的な対抗策 (Radikal紙)

公正発展党(AKP)に対抗するには、多元的で普遍的な民主主義のプログラムと、これに適した精神の刷新が必要だ。      これは、AKP政府、とくにエルドアンを、いったいどうすれば倒せるのか、という問題に端を発している。      (エルドアンは)「我々は55~57%で、彼らは43~45%だ」と言っている。つまり、彼らは自分たちを多数派だという。「我々は55%だ」と強調する。実際、(反対派の)43%のなかには、共和人民党(CHP)がおり、民族主義者行動党(MHP)がおり、平和民主党(BDP)がおり 全文をよむ

2014-04-02 Hüseyin Gülerce コラム:選挙結果とジェマート… (Zaman紙)

私は選挙の5日前に書いたコラムで、我々は3月30日の夜に、5つの基本的問題の答えを得るだろうと述べていた。そこで、最初の2つの問いについて、答えを出してみたい。      1:(2013年)12月17日および12月25日の捜査によって論争の焦点となった汚職収賄疑惑は、有権者にどのような影響を及ぼしたのか?見たところ、疑惑は、選挙の勝者である公正発展党に票を投じるつもりの有権者には影響を与えなかった。この要因については、概ねのところアナリストたちが発言している。この件で有権者を責めたり侮辱したりす 全文をよむ

2014-04-01 Ruaf Taner コラム:選挙民の声 (Hurriyet紙)

選挙が過ぎ去るや、いつもは緊張は弱まり、張りつめた空気も少し和らぐものだった      今回はそうはならなかった。      あたかも明日また選挙があるがごとく、風は変わらぬスピードで吹き続けている。      *****      社会を落ち着かせ、国を正常に戻すことが、誰よりもまして首相に課せられた義務である。   バルコニーの演説(3月30日23:40分から始まったエルドアン首相の勝利宣言)で、ああもし和平の言葉を使うことができていたならば・・・。   クルチダルオール氏をなだめることがで 全文をよむ

2014-03-22 Ismet Berkan コラム:世界に小ばかにされる国になるということ・・ (Hurriyet紙)

エルドアン首相は、1年前のこの時期のことを覚えているだろうか?      ディヤルバクルでのネヴルーズ祭に集まった100万人を超える市民にアブドゥッラー・オジャラン氏のメッセージが読み上げられた時、トルコ全土だけでなく世界中に広まった希望を。   PKKの武力活動放棄がうまくいけば、この国はさまざまな意味で飛躍することができた。しかしそううまくはいかなかった。   まず、ゲズィ公園のために通りに出た人々に対する見たこともないほどの警察の暴力。ゲズィで、エルドアン首相が警察に下したワンマンな指令。 全文をよむ

2014-03-18 Ismet Berkan コラム:公正発展党は、12年間でいかに「公正」を実現したか (Hurriyet紙)

知っての通り、政党名は公正発展党である。つまり、「公正」と「発展」を実現することが政党の基本公約だ。そして、党はほぼ設立当初から政権の座にいる。      それでは問おう。公正発展党は、基本公約の一つである「公正」をどれだけ実現したのか?「公正」ということばは二つの形で解釈することができる。      一つ目は、司法における「公正」である。この分野で大きな失敗が生じたことを、12月17日捜査以来政権も認めている。12年間の最後に司法が「公正」 を実施するようになった一方で、政権自体は不公正を被っ 全文をよむ

2014-03-17 Ekrem Dumanlıコラム:ギュレン師インタビューの舞台裏 (Zaman紙)

まず最初に言っておきたいが、このインタビューはフェトフッラー・ギュレン師ではなく我々のオファーで実現したものである。「我々」と言ったのは、インタビューのリクエストは一部の人々に留まらず、多くの人々の良心の望みだったからである。      BBCの大規模な取材を除いて、ギュレン師は長いあいだ沈黙を選んできた。しかしメディアは毎日のように誹謗中傷や、公正と良心を欠いた非難が行なわれていた。虚言を浴びたギュレン師は、報道の水準が地に堕ちたそのとき沈黙した。沈黙はある意味当然だった。師の思いやりや礼儀、 全文をよむ

2014-03-13 Cengiz Candar コラム:ベルキン、追悼 (Radikal紙)

イスタンブルでは昨日、おそらく過去最大であろう葬儀のうちの一つが執り行われた。ベルキン・エルヴァンのために何十万もの人々が行進した。このような「ターニングポイント」を他の葬儀でも目にしたことがある。それは約7年前(2007年1月の第3週)だった。フラント・ディンクのために集まった群衆はオスマンベイ地区からサマトヤ地区まで連なった。今回もオクメイダン地区からシシュリ地区まで溢れかえり、E5幹線道路に収まりきれなかった。シシュリ地区からフェリキョイ地区まで何万、何十万もの人が連なった。      ■ 全文をよむ

2014-03-08 Taha Akyolコラム:バシュブー元参謀総長釈放決定の法的背景 (Hurriyet紙)

憲法裁判所がイルケル・バシュブー元参謀総長に関して示した判断は、法律家たちにとって驚くべきものではなかった。      高等裁判所は欧州人権裁判所の法解釈を基準とし、法律の世界標準に基づいて決定を下す憲法上の司法機関だからだ。   バシュブー氏に関する判断の根拠は2つある。   1-バシュブー氏を有罪とした重罪裁判所は未だ根拠のある判決を出しておらず、書類が最高裁判所に届くのもこのために「遅れた」・・・   2-バシュブー氏の前の釈放要請は重罪裁判所によって「有効な形で調査」されることなく棄却さ 全文をよむ

2014-03-08 Ismet Berkan コラム:部屋にいる2頭の象を見ないでいること―不正と教団 (Hurriyet紙)

トルコ特有の浅い議論をまた経験している。      部屋の中は巨大な象が2頭いる。1頭は「不正」、もう1頭は「教団」を表している。トルコで支配的な言説は、私たちにそのうちの1頭を見ないように強いている。もし公正発展党(AKP)政権のように考えるのなら、「不正」の象を見ないだろうし、野党のように考えるのなら、「教団」の象を目にしないことになろう。なぜ2頭の象は同時には見えないのか?一体どうして2頭と同時に闘えないのか?      双方ともこの考えに「NO」という。そして「まずは私が見たい象を見て、 全文をよむ

2014-03-04 Sami Kohen コラム:トルコのウクライナ政策 (Milliyet紙)

アフメト・ダヴトオール外務大臣がウクライナの政権崩壊直後キエフに向かった最初の外国要人となったことは、トルコのこの問題への並々ならぬ関心を示している。トルコ外交がこのような形で国際社会にアピールするのはいいことである。しかし、政府がこの危機に細心の注意を払い、十分な準備を整えている背景には多くの理由がある。   あまりに複雑かつ様々な側面を持つ問題なので、トルコが掲げる政策は原則的なものでなければならず、一方で実利主義的なものである必要もある。危機が高まれば高まるほど、西側陣営にありながら、且つ 全文をよむ

2014-02-26 Murat Yetkinコラム:盗聴疑惑と国家諜報局法、このタイミング (Radikal紙)

エルドアン政府が12年間、国の情報機関について情報をもっていなかったことなどあり得るだろうか。      数千人規模の盗聴疑惑が昨日、スター紙とイェニ・シャファク紙の一面で恐怖を以て伝えられた。だが被害者は与党や記者以上に、多くは政府要人たちとのことだ。      エネルギー省タネル・ユルドゥズ大臣が「彼らが本当の政府で、私たちは形だけの政府だ」と発言し、ギュレン派を揶揄した背景には、途方もない現実がある。      だが12年にわたり単身政権を掌握し、国家諜報機構、警察、軍、軍警察の情報部がも 全文をよむ

2014-02-01 Ismet Berkan コラム:AKPとCHPの間の、隠れた合意 (Hurriyet紙)

12月7日の捜査後、政府が司法と進行中の捜査に干渉し始めると、話題は現在国会本会議で沈静化している裁判官・検察官高等委員会(HSYK)法案へと移った。この法案は、あらゆる民主主義において受け入れがたい内容を含んでいる。さらに憲法をも大いに支障を来している。まさにこの理由で西洋から反発が降り注ぐであろうことを非常によく分かっているアブドゥッラー・ギュル大統領は介入した。      ギュル大統領の提案は、憲法のHSYKに関する条項を変更することであった。憲法に反対票を投じた共和人民党と現在のHSYK 全文をよむ

2014-01-16 Fikret Bilaコラム:CHPにとってのチャンスとは (Milliyet紙)

CHP(共和人民党)のケマル・クルチダルオール党首は、ひとしきり前にタイイプ・エルドアン首相がドルマバフチェ宮殿の事務所にて行ったように、新聞の編集長、記者、ニュースサイトの記者らと昼食のために一堂に会した。新聞記者の質問に答えたクルチダルオール党首が最も憂慮している問題は、汚職捜査とHSYK(裁判官・検察官高等委員会)の問題であった。   クルチダルオール党首が言わんとすることは、汚職と賄賂に関する捜査とアブドゥッラー・ギュル大統領が間に入ることでEU基準のHSYKが設立されること、およびそれ 全文をよむ

2014-01-11 Murat Yetkinコラム:エルドアン、権力集中のつけ (Radikal紙)

エルドアン首相は、選挙の年を迎え、できるだけ権力を自身のもとに集めることを求めたが、重い荷を負っている。      裁判官・検察官高等委員会(HSYK)法改正案を政府が国会へ提出した1月10日に、HSYKからほとんど反乱声明のような発表が行われた。      66ページに及ぶこの発表では、政府はHSYKを政治化しようとしており、この措置は要約すると政府の1組織としようとしていると告発されている。法相に特別な権力を付与しようとしていることを批判していた。下部の署名は同委員会副委員長のアフメト・ハム 全文をよむ

2014-01-11 Oral Calislar コラム:左派の対立―反AKPか、反教団か (Radikal紙)

(左派の論客である)オズディルとチョラシャンが対立している。ドウ・ペリンチキは、(弁護士連合の)フェイズィオール会長を支持し、それを批判するものを、「Fチーム」とよび、とくにクルチダルオールCHP党首とバフチェリMHP党首を批判している。      政府とギュレン教団の間の衝突は、単にイスラム派だけではなく、「世俗的ケマリスト/モダニスト」勢力と「リベラル派」と呼ばれうる層の間にも、深い傷の原因となっている。      この構図は、直近では、弁護士連合のメティン・フェイズィオール会長が(エルゲネ 全文をよむ

2014-01-09 Kadri Gurselコラム:教団を自由にさせていたのは、AKP (Milliyet紙)

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相の首席顧問でAKPの国会議員でもあるヤルチュン・アクドアン氏は、ここのところ直面している問題と彼らへの脅迫を、1月3日付けのスター紙に載せた「グローバルな舞台における、哀れな歩兵たち」と題するコラム(で書いた)ように、受け止めている。      「トルコの、イラク・イラン・イスラエル・エジプト・シリア政策を変えさせようと望む勢力は、これらを一度に変えられないとみてとると、この政策の建設者である人物(=エルドアン首相)を標的にした。彼から逃れることを、これらの問題 全文をよむ

2014-01-09 Yilmaz Ozdilコラム:どっちの肩をもっていいのやら (Hurriyet紙)

どちらの肩をもてば良いのか?      検察は閣僚を追及する。      実業家は検事を追及し   警察はトルコ国家情報機構を追及し   県知事は警察を追及する。      *      ジェマート(宗教教団)は公正発展党を追及し   公正発展党はジェマートを追及する。      混乱する者は問う…   どちらの肩をもてばよいのだろう?      *      新年を控えた夜にニュースがあった。実話であり、アナトリア通信が報じた… 飲酒運転者が、前方の交差点で警察の取締りが行われているのに気付い 全文をよむ

2014-01-05 エリフ・シャファク新刊:『師と私』 (Radikal紙)

『師と私』は歴史小説だが、「建てられているあらゆる不法建築物が、イスタンブルの心臓に打ち込まれた釘」であるかのような現在のイスタンブルへの、溢れんばかりのメッセージも含まれている。      我々は学校教育の中で歴史を学ぶが、歴史教科書は我々に決して出来事の裏側や本当のありさまを説明してはいない。人々の物語は歴史の本には書かれてはいない。それらの不足を文学や小説家が補うのだ。歴史に想像の力を加えて命を吹き込む。しかしこれはそれほどシンプルで簡単ではない。その陰には大いなる努力と苦労が隠されている 全文をよむ

2014-01-03 Melih Aşıkコラム:この(ボクシングの)ラウンドは、エルドアンのもの (Milliyet紙)

友人のオズデミル・インジェは、目の前にある光景を、うまく表現した。   「AKPとギュレン教団は、手に手をとって「共和国」をぶちこわした。すべての構造物の基礎を爆破した。国民教育も残っていいないし、世俗主義原則も。権力の分立も、自由で世俗的な司法も。さらには、共和国の警察組織も。トルコ国軍は、とっくにノックアウトされている。「共和国」をぶち壊した後、次は、互いになぐりあいをはじめた・・・。」      喧嘩が熱をおびている・・・・・。      教団の側は、ここ何日か、動揺し、劣勢に立たされてい 全文をよむ

2014-01-01 Mehmet Kamışコラム:AKPのこの変化はなぜ? (Zaman紙)

公正発展党(AKP)の党派代表ムスタファ・エリタシュ議員とベキル・ボズダー法務相によって、エルゲネコン・バルヨズ両裁判(訳注:共に、クーデター未遂事件に関連し首謀者とされる元軍人らを被告とする政治裁判を指す)の再審への道を開く法改正の可能性が示唆されたことは、政権与党がどこへ向かっているのかという問いを、我々が考えるべきだということを示している。      今までの軍による後見制を終息させたことで称賛され、そのことへの政治的見返りとして選挙で勝利を手にしてきたこの政党の幹部らが、2011年総選挙 全文をよむ

2013-12-29 Etyen Mahçupyanコラム:首相巻き返し―驚く結果になるかもしれない (Zaman紙)

収賄疑惑が、100%でっち上げだと考える人は誰もいない。最終的には、個人がその不道徳さで、あるいは、組織が組織的不正で裁かれる司法のプロセスに進むことになる。そのいずれになるにせよ、政府には打撃だ。      さらに、現場で司法の手足として働く警察官は上官に報告しなくてはいけないとした通達は、なにか言い訳のできるものではない。AKPは、これにより、自分たちが自らおこなってきた改革を後退させたことになった。この通達は、(行政裁判所により)棄却されたとはいえ、こうしたやり方は政府の権威を貶める。この 全文をよむ

2013-12-28 Ismet Berkan コラム:(与党 vs.ギュレン教団)心理戦に勝者はあるのか? (Hurriyet紙)

トルコでは、ずいぶん前から、心理戦が繰り広げられてきた。      2つ勢力の戦いだ。一方は、政府と与党、およびその全宣伝機関。もう一方は、教団(ジェマート)と呼ばれてきた「組織」と、その全宣伝機関。この戦いで、一歩リードすること、ほんの僅かな差でも前にでること、あるいは相手方のリードをつぶすためなら、どんなことでもなされてきた。もっとも神聖で気高いことだと思われてきたことでも、国の将来にとって非常に重要なことでも、何もかもが、この戦いの道具とされている。      さらにいうと、この戦いは、陰 全文をよむ

2013-12-24 Murat Yetkinコラム:CHPの地方選挙候補にみる選択 (Radikal紙)

ケマル・クルチダルオール共和民主党(CHP)党首は、もっぱら左に傾きながら実際は中道政党であるCHPを飛躍させることはできないとわかり、結果に焦点をあてている。      CHP党議会が日曜日に行った長いミーティングの後、2014年3月30日の地方選挙のための3大都市の候補者を確定した。イスタンブルはムスタファ・サルギュル氏、アンカラはマンスル・ヤヴァシュ氏、イズミルはアズィズ・コジャオール氏となった。      CHP支持層の観点から、アズィズ・コジャオール氏の擁立を不審に思う点はない。公正発 全文をよむ

2013-12-24 Kolay Caliskanコラム:解散総選挙の可能性 (Radikal紙)

この(総)選挙はAKP(公正発展党)が定款を変えながら、第四次エルドアン政権を樹立することを目的にした選挙になることだろう。      ヒズメット運動(奉仕運動)と公正発展党(AKP)の間のトラブルはまず緊張をもたらし、そのあとで抗争へと変わった。先週明るみにでた進展は、私たちが戦いのただ中にいるということを示している。      ヒズメット運動が踏み出した一歩は、到底承服できない類のものだ。「私はあなたの、すなわち内務大臣の御子息でさえ、あなたに気づかせないようにして、捕まえます」 と言えると 全文をよむ

2013-12-21 Murat Yetkinコラム:エルドアンの怒りと窮余の選択―収賄捜査 (Radikal紙)

エルドアン首相の怒りは、選挙3ヶ月前の衝撃が公正発展党(AKP)の印象を傷つけるもっとも弱い環に直撃したことだけに起因するものではない。      検察官や警察官、軍人はこのような作戦に名前をつけることを好み、そのことで一種の職業的な満足を得ている。タコ作戦からタバコ作戦、エルゲネコン作戦に至るまで、これらの名前は訴訟の過程の間中付きまとう。しかし今回の作戦には、1つもコードネームが付けられなかった。ただ「疑獄に関する作戦」とだけ呼ばれている。      なぜなら、もし訴えが正しければ、本当に大 全文をよむ

2013-12-21 Eyup Can コラム:政府は誰の手に落ちたのか? (Radikal紙)

大火事だ。この火事を消さずに上からガソリンをかければ(双方でガソリンをかける者たちがいるのだが)、関係のある者もない者も皆、焼かれるだろう!      私は誰と出会っても同じことを尋ねる:   「この喧嘩の結末はどうなるだろう?」    トルコ人でも、外国人でも、実業家でも、芸術家でも関係ない。   皆、気がかりにしていて、皆、緊張している…   イスマイル・キュチュッカヤ氏は、一昨日(19日)解任されたヒュセイン・チャプクン・イスタンブル県警察署長と話していた。   チャプクン氏は、「大火事だ 全文をよむ

2013-12-21 Ismet Berkan コラム:収賄捜査をめぐる「思考停止」 (Hurriyet紙)

何よりもまず答えられなければならない質問がある:贈賄・収賄容疑は確たる証拠に基づくものなのかどうかだ。      他の全ての質問はこの答えが明らかになってから質問され、答えが求められるものである。   しかし政府は国民の知恵を、頭脳を、洞察力を侮辱し、全く別の質問をしている。そしてその質問に答えることを優先させている。この贈収賄容疑は政府を無力化し、さらには政府に対して「政治的捜査を実行する」ためにかけられたと言われている。   もしもここ数日動きが続いている贈収賄容疑でこれらにかかわる証拠の一 全文をよむ

2013-12-19 Eyup Can コラム:収賄捜査―私がおどろいたこと・・ (Radikal紙)

恐ろしい話だ。凄い名前が飛び交っている。   大臣4人…   首長…   国営銀行の頭取…   子息たち…   顧問ら…   保護機構…   実業家…   建設会社…   収賄、汚職、ロンダリング、建設談合…   いやいや!   我々が目の前にしているのはトルコを根底から揺さぶる3方向の汚職捜査だ。      一方に環境都市整備相エルドアン・バイラクタル、もう一方に経済相ザフェル・チャーラヤン、間に内務相ムアメル・ギュレル、別の方にはエゲメン・バウシュ…。      恐ろしいことが言われている。 全文をよむ

2013-12-10 Mehmet Tezkanコラム:民主化法案に仕込まれた罠―禁止条項多々 (Milliyet紙)

民主化法案はついに国会へと送られた。送られたものの中身は囁かれていたようなものでは無かった。様々な所から新たな禁止事項を持ち込んでいる。      例えば公的機関によって運営されるプロジェクトの実行といった活動を妨害する者へは2年から5年の懲役刑がもたらされる…。この条項は罠だ!…。      デモはなぜ行われるのか。そのプロジェクトが実行に移されるのを阻害するため…。例えば、水力発電所(HES)建設に対してデモをしたとする。これが原因で仕事が一日止まった。2日止まった、10日止まった…。デモを 全文をよむ

2013-12-08 Omer Sahinコラム:どの教団、宗教団体が誰に投票する (Radikal紙)

トルコに純粋な政党がないように、純粋な宗教団体はない。この国には、そのルーツが数百年前に遡るような教団や宗教団体がいくつもある。選挙の前に誰がどこに位置しているのか、一覧を覚えておくと便利だろう。      トルコ最大の関心事であるデルスハーネをめぐって勃発したのは「政府vs宗教団体(訳注:フェトゥフッラー・ギュレン派)」の緊張である。政治でも市井でも、“様々な外野席”においてもこの話題でもちきりである。この話題以外、ほとんど話されていない。ソーシャルメディアではまるで嵐が吹いているようだ。我々 全文をよむ

2013-12-04 Eyup Canコラム:デルスハーネ政府・教団対立、いったん終息? (Radikal紙)

ビュレント・アルンチ副首相とナビ・アヴジュ国民教育相が出した声明の後に、政府と教団の間における対立の嵐はおさまったのだろうか?      問題がもし単にデルスハーネだけであったらおさまったといえるであろうが、そうは行かない。   しかしデルスハーネをめぐる議論で、問題は完全に解決しないとしても、一昨日閣議によって出された決定をもって嵐はおさまったようにも見える。      政府はデルスハーネ問題で引き下がったようには見えず、選挙が終わるまで先延ばしにしたように見える。しかしそう簡単にはいかない、 全文をよむ

2013-12-04 Sami Kohen コラム:中東でのトルコ・イメージ後退の理由 (Radikal紙)

 トルコは中東及び北アフリカの国々において今でも共感を得られている、地域内で力を持つとされる国である。しかし2年前に比べるとこの印象は後退してしまった。つまりその昔のイメージは明らかに崩れたのだ…。       トルコ経済社会研究所(TESEV)が地域の16ヶ国を対象に行った包括的世論調査の結果上記のような傾向が明らかになった。       TESEVは5年に亘りこの種の優れた調査を行っている。昨日発表された2013年の調査報告は、研究者、アナリスト、政治家、政府高官が精読し活用する必要のある、 全文をよむ

2013-12-04 Abbas Güçlüコラム:高校入試の「宗教文化と道徳」科目の、問題 (Milliyet紙)

高校入学試験(LGS)において、今年初めて宗教文化と道徳科目が加わった。問題は人によって易しくも難しくもあった。宗教文化と道徳科目からなぜこれほどまでに多く問題が出されたのかと訝しく思う者もいた。とても良かったと言う者も…。しかしわかったことは、科学や数学のように、宗教文化と道徳科目では、確かな解答のある問題は用意できないのだ。この点において、自分に大いに能力があると感じている大人たちさえも答えるのに苦労する問題の存在に加えて、議論の余地のある問題も頭を混乱させるのには十分だった。さて、以下はこ 全文をよむ

2013-12-03 Kolay Caliskanコラム:ギュレン運動vs.AKP対立の今後 (Radikal紙)

新聞記者やコラムニスト(財団関係者ではない、すべて)は、大きく三つの意見に立場が分けられる。私に一番近い意見は、いわゆる「静まれチャンピオンよ」と呼ばれる2番目に分類されるグループだ。簡潔に見てみよう。      一、怒りを含んだ意見:対立は国の主導権争いと述べるもので、対ゲリラ組織から省庁の役人まで、国家諜報機構から競争入札に至るまで、そもそも問題 [の原因]が、国の公然あるいは秘密組織の支配権をめぐるものである、としている。この論者の心の底には、新しい組織秩序の名称が「ジェマート政府※」か「 全文をよむ

2013-11-30 Murat Yetkinコラム:2004年MGK議事録におけるギュレン論争から今日まで (Radikal紙)

ギュレン運動が国家安全保障評議会(MGK)で議論された日々は、参謀総長が食事を家から持参する日々であった。      軍参謀組織において、フェトフッラー・ギュレン運動を、そして彼らとともに公正発展党を「撲滅する計画」が準備されていたことを最初に報じたのは、2009年4月12日付タラフ紙、メフメト・バランス記者だった。   記事における主張には一つならず重要な側面があった。   第一に、一年前の2008年に政権の座にあった公正発展党に対して、最高裁判所共和国検事局が起こした解党裁判の訴状内容の一部 全文をよむ

2013-11-27 Oral Calislarコラム:ギュレン教団~ギュル~大統領府危機 (Radikal紙)

デルスハーネ(予備校・私塾)危機や地方選挙は、近づく「大統領」選挙とその後を示す前兆だと言えるだろう。      大統領選が「政治的危機」の要因になることは、トルコにおいて「我々になじみのない」状況ではない。例えば、2007年の大統領選挙を思い出してほしい。トルコは軍の介入によって混乱に陥った。今また、「崩壊点」に我々は近づいている。もちろん今回の危機は、「軍の介入」に関するものではない。   大統領選は、法令改正が行われなければ2014年8月に行われるだろう。それまで9か月ある。      5 全文をよむ

2013-11-21 Ali Bulaçコラム:デルスハーネ(予備校、私塾)を閉鎖するということ (Zaman紙)

最近巷を賑わせている話題である「デルスハーネの行方」にある意味があるのは明白である。      これは教育システムの問題解消と関係するのと同様に、政治が実施を目論んでいる新たな是正と、無論トルコのムスリムがここ100年間[経験してきた]大きな困難の終着点とも関係がある。今日は、「デルスハーネ」についてこの文脈で考えてみたい。土曜日の記事の題目は「教育」、月曜日は「政治、社会、文化イスラーム」の主目的と関わるものとなる。      政府がデルスハーネに関する是正のために依拠する理由には説得力がない 全文をよむ

2013-11-21 Asli Aydintasbasコラム:外交における修復のとき (Milliyet紙)

皆さんはお気づきだろうか。私たちが男女共同シェアハウスやら、シヴァン・ペルヴェルとイボ(イブラヒム・タトゥルセスの愛称)のデュエットやら、デルスハーネ(予備校・私塾)などの内政問題を議論している間に、首都アンカラがそろりそろりと外交における「修復」の時期に入っていることを。   「価値ある孤立」の代わりに、ジェンギズ・チャンダル氏が(元外交官テメル・イスキト氏の言葉を借りて)言うところの、外交の「リセット」時代が始まったのだ。      毎日、エジプトで「クーデターをクーデターと呼ぶこともできな 全文をよむ

2013-11-18 Cuneyt Ozdemirコラム:デルスハーネ戦争の舞台裏 (Radikal紙)

閉じられた扉の後ろで権力闘争が繰り広げられている。挑発や懲罰が様々なかたちで起きている。この争いの過去は、その将来が全く異なるものになる可能性を示している。      現在、デルスハーネ(予備校/私塾)の閉鎖に関して始まった争いには過去と未来がある。      このような争いは、ほとんど完全に異次元の世界で進展していることを理解してほしい。閉じられた扉の後ろで権力闘争が繰り広げられている。挑発や懲罰が様々なかたちで起きている。誰かがこの出来事のすべてを見て公然と話したら、両者とも耳をふさぎ、聞き 全文をよむ

2013-11-16 Ismet Berkan コラム:私塾論争でなく、教育論争を・・・ (Hurriyet紙)

国民教育省内部監査局の監査官の一人であるハサン・ウンサル氏は、2010年に私塾に関する総合的な報告書を執筆している。      この報告書の一部で、ウンサル氏は「入試制度を設ける国では、どこにおいても私塾制度が当然として存在する」と述べている。   私塾の閉鎖とそれらの私立学校への転換促進という考えは、決して新しいものではない。例えば、2007年から2013年にかけて行われた第9開発計画では、私塾の私立学校への転換のためにそれを奨励する制度の必要性が指摘されている。また他にも、国民教育省の201 全文をよむ

2013-11-13 Cengiz Candar コラム:外交のリセット―トルコ・クルド同盟と、クルド分裂 (Radikal紙)

バルザーニーのディヤルバクル訪問は、あらゆる点で、同地域での「公正発展党(AKP)・クルド民主党(KDP)同盟」への着手を意味している。      中東地域内におけることの展開は常におさまることはない。新しい「方程式」では、それが新しいほど必ず「一時的な」連立がつくられ、新たな同盟へと向かう。中東の政治環境を砂漠の砂に似せる人のこの考えは正しい。政治は脆弱な地盤の上にあり、政治は変化し、万事は急速に変化し得る。      こうした一般的な状況を表すもののうちの一つは、トルコ外交においてここ暫く行 全文をよむ

2013-11-08 Sedat Erginコラム:エルドアンの「保守派」ドクトリン (Hurriyet紙)

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、2001年に起訴を受けた同胞たちと共に公正発展党(AKP)を結成した。その後、社会の広範囲に渡って安心感をあたえた。      権力の中枢に向かって開放政策を進める際には、大学生の男女が一つの家で暮らすということがトルコにおいて最も重要な倫理的問題の一つと自身が見なしていることに言及しなかった。      エルドアン首相が権力の座についてから11年経ったが、トルコはこのような話題で認知されている状況である。大学生の男女が一つの家で暮らすことについて、まず立ち 全文をよむ

2013-11-01 Murat Yetkinコラム:スカーフ問題での政治の曲り角 (Radikal紙)

昨日(10月31日)はトルコの政治の将来にとって重要な一日となった。つぎに述べる2つのシナリオがポイントだ。      最初のシナリオは、公正発展党(AKP)女性議員らが国会本会議にスカーフを着用して入るという決定に対し、共和人民党(CHP)は(1999年にビュレント・エジェヴィト議員がメルヴェ・カヴァクチュ議員に対して行ったのと同様の)ボイコット行動を見せる可能性があったということだ。      しかしCHPは前日夜の党内会議で、ボイコット方向での決議を望む一派の期待を却下したのだ。ただCHP 全文をよむ

2013-11-01  Taha Akyolコラム:スカーフ問題の文明的解決 (Hurriyet紙)

スカーフ問題は何年間も続いた迫害やけんか、さらには軍事介入を乗り越え、ついに文明的な解決策にたどり着いた。国会で禁止が解かれたのだ。      これに最も納得いっていないのは共和人民党(CHP)である。にもかかわらず彼らは大人の対応をした。シャファク・パヴェイ氏は最も厳しい批判を笑顔で冷静に行えることを証明した。彼女のやり方をビュレント・アルンチ氏[公正発展党副党首]も称賛した。      アルンチ氏のコメントは勝利演説とは程遠く、静かで真剣で異なる意見も尊重する公平なものだった。リベラルな民主 全文をよむ

2013-10-27 Mehveş Evinコラム:ハラール・セックス・ショップと異教徒(許されざる)「ヴィクトリア」 (Milliyet紙)

最初の「ハラール(訳者註:イスラム法上合法の)・セックス・ショップ」がオープンした。このようなリベラルな市場環境にもかかわらず、ブランド物の下着を売るショッピングセンターのショーウィンドウが検閲の犠牲になるかもしれない。      ムスリムのための「アダルトグッズサイト」の開設を思いつくのは、トルコの起業家くらいであろう。保守派を除いたすべてのメディアが、この面白い「ビジネス」を報じた。(保守派の)沈黙の理由は深刻に受け取ったからなのか、そうでなければ恥ずかしさなのか、まだわからない。わかってい 全文をよむ

2013-10-23 Eyup Can コラム:クルド問題解決プロセスは終わったのか? (Radikal紙)

私は、プロセスを当初から注意深く見守り、すべての情報の欠片を一つにまとめた。良い知らせと悪い知らせがある。      良い知らせと悪い知らせ…。      暫く間、「問題解決プロセス」に関連する様々な側から相反する合図が出ていた。PKK(クルド労働者党:非合法)は国外退去の中止を発表した、しかし停戦は終わっていない。      政府は停戦に満足している、しかし実際に(PKKが)退去したとは信じていない。   クルディスタン社会連合(KCK)執行部は民主化法案を「中身がない」と非難している、政府が 全文をよむ

2013-10-21 Orhan Kemal Cengiz コラム:米「大中東プロジェクト」とハーカン・フィダン (Radikal紙)

「エジプト軍、イスラエル、サウジアラビアはいかなるときもアメリカを失望させたことがない」という言葉から、(ウォールストリート・ジャーナル紙のコラム執筆者が)どのような中東を理想としているか見てとることができる。      映画「マトリックス」では、同じ黒猫が二回通り過ぎると、登場人物たちは何か悪いことが起きることをすぐに察知する。マトリックスで、既視感(デジャヴ)は「バグ」として描かれている。つまり基礎部分で発生した異変は、単純な反復を伴って現れるのである。      ここ数週間のうちにアメリカ 全文をよむ

2013-10-21 Taha Akyol コラム:オジャランとKCK (Hurriyet紙)

クルド(民族解放)運動におけるクルディスタン社会連合(KCK)は、オジャランとは異なる路線にゆっくりゆっくり向かっている。この状況は(クルド問題の)解決を困難にさせている。      さらに、平和民主党(BDP)はいわゆるオジャラン支持者であるが、核心部分ではKCKへの忠誠の態度を示しており、状況を大いに混乱させている。KCKの名の下でまずジェミル・バユク、後にはさらに幾分政治的な言葉でカラユランが「(トルコ領内からの)撤退の停止」と「プロセスの行き詰まり」を公言した。これを受けて、(人々の)関 全文をよむ

2013-10-05 Ismet Berkan コラム:70%の女性がスカーフをしている国で生きていることを知っているのか? (Hurriyet紙)

この問題に関して行われた全ての調査が我々に示したこと。それは、トルコではおよそ10人中7人の女性がスカーフを着用しているという現実だ。      スカーフの着用方法は多岐にわたる。黒いチャルシャフ(黒衣)から「シュレバシュ」、そして私たちの母親が被っているような形まで、様々な身に着け方がある。   その選択は意識的な場合も無意識的な場合もあるが、スカーフを着用している女性に「なぜスカーフを被るのですか?」と尋ねれば、ほとんどが「信仰のためです」と答えるだろう。   さて、10人中7人、つまり70 全文をよむ

2013-10-04 Mümtaz'er Türköneコラム:クルド教育問題の行方 (Zaman紙)

首相は「母語での教育の権利」を発表し皆を驚かせた。法案はこの条項で大いに期待された範囲を超え、先進的な努力へと変わった。首相はただ驚かせただけではない。同時に誤解も招いた。というのも、法案ではこの問題が現れないであろうと発言してきたからだ。平和民主党(BDP)は、大半を母語教育に関する議論に割いてきたため、法案発表後、対策を立てられず何も行うことができなくなった。       「母語教育の権利」は私たちに特有の、国民と国家の伝統を反転させるほどの革命的なステップである。トルコ語は、単なるひとつの 全文をよむ

2013-10-01 Sahin Alpayコラム:民主化法案に賛成!だが十分ではない… (Zaman紙)

戦略的な(長期的な)意味で人類の、そしてその一部としてのトルコの未来に対し、私は楽観的な見方をしている。      この楽観主義の根底には、批判的思考への、つまり人間は理性(知性)を用いながら、自らが犯した過ちを正す能力を有していることへの私の信頼がある。歴史を見れば、社会が、批判的(自身をも問い正す)思考が行きわたっている状態に到達することが、全く容易ではないことを我々は知っている。批判的思考が生み出した政治秩序である自由主義的で多元的民主主義を定着させるためには、どの地域であれ(どの国々であ 全文をよむ

2013-09-29 Nagehan Alçıコラム;ユルマズ・ギュネイが生きていたら、PKK支持者になっていたか (Milliyet紙)

第3回ローマ・トルコ映画祭で一人のイタリア人記者が、「ユルマズ・ギュネイは、クルド人ではないのか。なぜどこにもクルド人と書かない のか」と尋ねなければ、パンドラの箱は、再び開かなかっただろう。実際、ユルマズ・ギュネイについてはなんと言うべきなのだろうか。クルド人か。トルコ人か。あるいはクルド系トルコ人か。昨日の本紙のアイシェギュル・ソンメズのコラムを読んでいて、疑問が浮かんだ。      ギュネイは、国外で過ごした晩年に常にクルド民族主義者という語り口であった。トルコにおいて、「醜い王」として大 全文をよむ

2013-09-22 Ismet Berkanコラム:神学部学生に必要な哲学は皆にも必要な知識ではないのか (Hurriyet紙)

数週間前、高等教育委員会の総会がある決定をして、神学部で必修科目として教えられている西洋哲学に関する一部の科目を選択科目に変更した。      ある主張によれば、一部の高等教育委員会のメンバーは、「哲学を学ぶと頭が混乱し、モダニストになる」というような理由から行動したようで、このことを未来の神学者が知識に触れないようにおこなった。この方法は過去においてもスレイマン大帝の有名なシェイヒュルイスラムであったエブスウト・エフェンディも用いてお り、出された有名なファトワ(意見)で、マドラサからイスラム 全文をよむ

2013-09-19 Murat Yetkinコラム:「クルド法案」はなぜ遅れているのか? (Radikal紙)

ヒュセイン・チェリキ公正発展党副党首:クルド労働者党(PKK)を喜ばせるために民主的改革法案を出すのではない。セラハッティン・デミルタシュ平和民主党(BDP)共同党首:過度の期待はしていない。      クルド法案の公開が何故遅れているのか?公正発展党(以下、AKP)のヒュセイン・チェリキ副党首は、即座に訂正を行う:「民主改革法案は、…自身を既成秩序から外れていると感じているいかなる見解の層をも安心させる目的で作成された包括的なものとなる。非ムスリム、敬虔なムスリム、アレヴィー派、クルド人等多く 全文をよむ

2013-09-04 Fuat Keymanコラム:トルコを待つ大きな危険 (Milliyet紙)

シリアへの軍事介入について、トルコは深刻なジレンマに陥っている。      一方で、トルコのアサド政権へのあらゆる批判が当たっていた。アサド政権は市民を死に追いやり、拷問、処刑、国外逃亡を強いたりするなどの容認できない行為を繰り返し、シリア国内で恐ろしい人道的悲劇をもたらしている。この行為は残酷な化学兵器使用にまで及んだ。今日、トルコのシリア政策は、 人道的、規範的、長期的な政治基準からみて正当なものであり、これを欧米やその他数多くの国が認めている。      しかし他方では、トルコがシリア問題 全文をよむ

2013-08-28 Sedat Erginコラム:オバマのエルドアンへの評価は変わったか? (Hurriyet紙)

アメリカ合衆国のバラク・オバマ大統領は今からおよそ5年前、大統領就任に際し外交政策の最重要課題のひとつに、2009年6月に行われた有名なカイロ談話が象徴するように、アメリカとイスラム世界のあいだで新しい道を築くことを挙げた。      アンカラで首相の座にあり、ワシントンが『穏健イスラム』に列するとみる一人の政治家が、オバマ大統領がこの考えを実現することにおいて、理想的な同盟相手として当時認識された。オバマ大統領が2009年1月にホワイトハウス入りし、外遊の一カ国目として同年4月にトルコを選び、 全文をよむ

2013-08-14 Murat Yetkinコラム:政府はギュレン組織に「強制捜査」? (Radikal紙)

政府と「ギュレン教団(社会奉仕)」の間に横たわる緊張は、過去に遡る深い根があると知られている。ここ最近新聞コラムに上っている議論は、(「奉仕」の明確な代表者である)新聞記者財団(GYV)の発表により新たな段階に入った。GYVの発表では、政府による自分たちに向けられた行動の意図が問題であると指摘している。      「…上記の主張のうちいくつかを話題として記事にしている人が『1人の検察官が、3人の警官とともに「社会奉仕」をテロ組織、武装組織の枠組みに入れ、壊滅させる』といったような暗い意図を表明し 全文をよむ

2013-08-10 Oral Calisirコラム:エルゲネコンは「想像の産物」か? (Radikal紙)

私たちは批判を続けていかねばならない。しかしよく考えてみると、エルゲネコンは想像の産物なのだろうか?トルコはごく最近、深刻な衝突を経験しなかっただろうか?      社会的な分裂が、私たちの認識、評価、世界との関係を揺るがす時代の中に私たちはいる。エルゲネコン判決は、結果的に「数百人の被告とその家族に関わる」判決のように見なされるとしても、そうではない。社会の大半の人々は、自分自身を、「この判決によって刑に処された」気分になるほど「被害者側」に感じている。      この心理効果のせいで、問題を 全文をよむ

2013-08-06 Ismet Berkan コラム:エルゲネコン―人権を守らない国家における正義 (Hurriyet紙)

何が起こったかは皆さんとっくにご存知でしょうから、私はどうあるべきかを説明したい。      1. 立憲民主主義における法源は、トルコも署名している国連世界人権宣言と欧州人権条約である。      2. 人権に関する2つの基本的な国際法の条文はそれぞれ、個人の自由という範疇に表現の自由も含めている。      3. 「クーデターが起きて、この政府が無くなればいいのに」と言うことは、ともかく表現の自由ではないらしい。立憲民主主義(国)においてこれを「自由」として認めるところもあれば、認めないところ 全文をよむ

2013-08-06 Murat Yetkinコラム:エルゲネコン裁判―エルドアンの「軍への反攻」目的達成 (Radikal紙)

2007年4月28日にエルドアン首相が軍に対して示した態度をよって始まった(軍の行動への)反攻は、多くの人々に個人的犠牲を強いつつ、昨日、目的に達した。      イルケル・バシュブーが、エルゲネコンという名のテロ組織をつくり、それを指揮した可能性がないと考えているものの中には、タイイプ・エルドアン首相も含まれる。ハベル・チュルク局が、2013年2月1日に放映したプログラムで、エルドアン首相は、逮捕・告訴劇を「テロ組織」容疑とするものに対し、「歴史はそれを許さない」といっていた。しかし、バシュブ 全文をよむ

2013-08-02 Mumtaz'er Turkoneコラム:「陰謀」説 (Zaman紙)

陰謀説の影響力をもつのは単純さと分かりやすさに拠る。複雑な世界はまずいくつかのアクターに還元される。そしてそのいくつかのアクターによる机上の計算が出来事を説明するのに十分なものとなる。      陰謀は近道を用いることで情報の海の長く困難な航海から相手を救う。このため、無知からくる大胆な行動は「情報が少なければ少ないほど陰謀がある」という説によって説明できる。陰謀説は強力だ。なぜならば無知の表れは勇気だからだ。      アラブの春はアメリカの陰謀だった。そしてアラブの春に対する軍事クーデターも 全文をよむ

2013-08-02 Sami Kohen コラム:「陰謀」コンプレックス (Milliyet紙)

トルコでは事件が起こる度、あたかも習慣の如く、その背後の「外国の関与」あるいは「外部組織」を探す。内外を問わず問題・懸念が生じると、様々な階層においてまず、原因を外部に求める。      よく使われる論理的根拠はこうだ。トルコは徐々に発展し、地域・世界的な勢力となっている。外部ではこれに不快感を示すものがいる。そうした組織は、機をみつけてトルコを弱体化させ、前方を塞ごうとするのである。こうした試みを成功させるため、時々「協力者」を使うのだ…。      最近、この種の評価が次第に広がり、「陰謀論 全文をよむ

2013-07-31 Ezgi Basaranコラム:PKKはどこにむかっているのか? (Radikal紙)

シリアのクルド人が国の北側でレスラユンの支配権を握り、PYD(民主統一党:PKKのシリア支部)の党旗をこの証拠として掲げて以来、常識のある者全員がトルコ国家にこう説明しようと努めている。   「北イラクでクルド政権が発足したときのような、お笑い種の状況に陥るな!クルド人には、まず第一に命を守る権利、そして何年もの間拷問を受け、今やバラバラになってしまった土地で地位を要求するといった諸権利があるのだ!シリアのクルド人の味方をするのが、トルコのためとなるのだ!」と。   このような、またこれに似た多 全文をよむ

2013-07-26 Eyup Can コラム:オジャランはPYDのサーリヒ・ムスリムに何と言ったか (Radikal紙)

少し遅かったとはいえ、確かに有意義であったこれらすべての接触の背後にはオジャランがカンディルに送った手紙が果たした役割がある。      多くの人は12月末にハカン・フィダン国家情報機関(MİT)参事官とアブドゥッラー・オジャランがイムラル島で行った会談によって「解決のプロセス」が始まったと考えている。しかし、実際にプロセスが開始されたきっかけは、2012年9月にオジャランがエルドアン首相に書いた手紙である。なぜならばその手紙でオジャランは、シリアで起きている発展に注目し、首相が解決のプロセスを 全文をよむ

2013-07-19 Huseyin Gulerceコラム:「エルドアン抜きAKP」計画・・・・・ (Zaman紙)

ゲズィ公園運動で共通していたスローガンは、「エルドアンは辞任せよ」だった。しかしその後、こんなことがささやかれ始めた。      「公正発展党は安定のために非常に重要だ。公正発展党に代わるものはない。問題はエルドアン首相だ。エルドアン首相は権威化しており、民間監視体制を築いている。誰の言葉も聞かない。エルドアンが去れば全て解決だ・・・」      公正発展党のヌマン・クルトゥルムシュ副党首は6月23日に出演したテレビ番組でこのことを口にし、「人は公正発展党は残り、エルドアンが去ることを望んでいる 全文をよむ

2013-07-18 Şahin Alpayコラム:原子力にノー、太陽光発電を! (Zaman紙)

先週、思いもよらないことが起こった。共産党独裁で、抗議デモを厳しく弾圧することを躊躇わない中国で、思いもよらないことが起こった。      抗議デモを受け、政府はついに広東省での原発に燃料を供給するウラン製造施設の建設を中止した。ロイターは以下のように報じている。      中国は、環境問題に関する抗議デモに対し、より敏感になった。最近では、環境に悪影響を与えるプロジェクトは、抗議デモを受けて中止、延期、移設された。(2013年7月13日)      世界中で、原発への抵抗が拡大している・・・。 全文をよむ

2013-07-17 Fuat Keymanコラム:クルド問題解決プロセスは前進するのか? (Milliyet紙)

解決プロセスはどこへ進むのか。民主的改革を含む「第二段階」へ移行することはできるのか。もしくは我々はまだ第一段階にいるのか。PKK(クルド労働者党;非合法)のカンディルでの上層部の交代はどんな意味を持つのか。なぜこれを問うのか?なぜなら解決プロセスは強い社会の支持を得ているが、プロセスの進展と成功については、ますます疑惑が強まっているからだ。      ■ なぜ疑惑が強まっているのか      解決プロセスが何であるかもう一度思い出してみよう。解決プロセスは「交渉によって衝突を解決すること」を意 全文をよむ

2013-07-13 Eyup Can コラム:トルコにとっての新しい敵 (Radikal紙)

不安や妄想やタブーなどに対抗する政府は去り、代わりに全てを妄想的な色眼鏡で見る、タブーで覆われた政治観が現れている。      「トルコは3方面を海で囲まれ、4方面を敵に囲まれた国である。」      私たちはこのように言われて育った。学校で、いかに災難な土地に暮らしているか、周囲がいかに敵だらけかを教えられた。      ロシア人は暖かい海を求めて侵略の準備をしている…。アルメニア人はアナトリア東部の土地を狙っている…。ギリシャの願いはイスタンブルをもう一度コンスタンティノープルにすること。ア 全文をよむ

2013-07-12 Güneri Cıvaoğluコラム:ファトヴァ(宗教的判断)、クーデター、民主主義 (Milliyet紙)

エジプトにおけるクーデターは「イスラムと民主主義が共存可能か?」という議論を再び我々に提示した。   「可能である」という意見の者たちは「トルコモデル」を例にあげている。   ここで「紋切型の」容易さに注意していただきたい。   トルコ共和国は「イスラム国家」ではない。   「世俗国家」である。   トルコ国民の99%以上が「イスラム教徒」であることと、「世俗国家」であることは全く別の問題なのである。   定義によっても明確に国家と宗教関係のことは分けられている。   法や国家事業はトルコ大国民 全文をよむ

2013-07-07 Mehveş Evinコラム:消費文化に抗え (Milliyet紙)

ゲズィ公園運動は単に民主的権利を守るためだけではなく、生活のすべてが売買できることに対する叫びの高まりであった。      木々が伐採された場所に設置されたゲズィ菜園だが、「自助」が理念のシンボルだ。      私は故オザル[首相]の時代に育った。80年代だ。その当時はスポーツシューズを履くのでさえ贅沢だった。一部の人は海外から持って来ていた。残りの人はメカプで我慢した。私たちがドイツからトルコへ戻る際、アディダスを棚にしまい、私もメカプを買っていた。      今日、考えることさえ可笑しくなる 全文をよむ

2013-07-07 Ismet Berkanコラム:トルコの政治的イスラム、中東の政治的イスラム (Hurriyet紙)

エジプトの軍事クーデターに対し、ムスリム同胞団が平和的な抵抗以外に、なんらかの反発を示すか否か、まだ分からない。      しかし、このクーデターの影響がエジプトのみにとどまらず、さらにクーデターはその様相しだいによっては全イスラム世界に様々な影響を及ぼすことになるのは明らかに見てとれる。      おそらくわれわれトルコ人は、タハリール広場(エジプト)で起こっていることにあまり気づいていないが、トルコではある時から活発に議論される「政治的イスラムは死んだか」論争は続いており、折々に盛り上がりを 全文をよむ

2013-07-06 Fikret Bilaコラム:エジプトをめぐる欧米諸国の矛盾 (Milliyet紙)

一部の例外を除き、欧米諸国はエジプトのクーデターをクーデターと呼べなかった。アメリカのバラク・オバマ大統領は「クーデター」という言葉を使わず、早期の民政移管を呼びかけるに留まった。   ドイツ以外のEU加盟国もエジプトでの出来事を「クーデター」と呼べなかった。   この態度の理由は、メディアでは次のように説明された。   もしバラク・オバマがこれを「クーデター」と呼べば、アメリカは毎年行っているエジプトに対する13億ドルの軍事支援ができなくなる。アメリカの法ではクーデターが起こった国に軍事支援を 全文をよむ

2013-07-02 İhsan Dağıコラム:武器を持たないクルド人の声 (Zaman紙)

(クルド問題の)解決プロセスはどこへ行くのか。時間は無い。クルディスタン労働者党(PKK)の撤退を急ぎ、政府は「第二段階」の改革に踏み出さなければならない。PKKの撤退がまだ15%しか完了していないならば、撤退プロセスは年末までかかるだろう。その上、新規加入者によってPKKメンバーは増えているとも言われている。      だが政府は撤退完了後に「第二段階」、つまり政治改革に乗り出すつもりだ。これに対し平和民主党(BDP)は撤退と並行して第二段階を開始する必要があると主張している。このBDP の要 全文をよむ

2013-07-02 Ismet Berkan コラム:唯一の道は、クルド問題政治的解決プロセス (Hurriyet紙)

もし皆がさらなる民主主義、さらなる自由、人権を100%尊重する国家と司法体制を望むのであれば、現時点で我々に残されている道は一つしかない、二つはないのである。   その道とは、名まえをあえて言うなら、「(クルド問題)解決プロセス」といわれているものである。   もしトルコに平和がもたらされるとしたら、これは単にクルド人だけでなく我々全員に、さらなる民主主義、さらなる自由、人権を100%尊重する国家と司法体制が生み出されることでもたらされるということは知っている。そしてもし本当に全員が、つまりレジ 全文をよむ

2013-07-02 Sahin Alpayコラム:ゲズィ運動のもたらした政治的結果 (Zaman紙)

軍部による後見体制の復活と、[クルドとの]和平プロセス頓挫のために[ゲズィ公園を]利用しようと望む人々は、いなかった訳ではない、しかしゲズィ公園デモが残した主たるメッセージは、エルドアン首相が〔兵舎〕建設について直接指揮を執った「新生トルコ」の身勝手で権威主義的な手法を、認めないということであった。このメッセージを最も適切に評したのはおそらく、国際社会で知られた社会学者、ヌル・ヤルマン教授であろう:「オスマン時代に君主の奴隷の立場を、現代のトルコにおいては国民が占めている…」(2013年6月24 全文をよむ

2013-07-01 Orhan Kemal Cengiz コラム:ギュレン運動、エルドアン、陰謀、民主主義・・ (Radikal紙)

ピンチはチャンスだ。ゲズィ問題も、トルコの体制が抱えるあらゆる構造的問題を見直すための良い機会である。   ゲズィ問題に関し「国際的な陰謀」説が唱えられはじめたとき、私は「その通りだ」と言った。「もし外国の諜報機関が一国の首脳陣の脳を乗っ取り、望み通りのことを言わせたりさせたりすることができるならば、たしかに巨大な陰謀が行われている」と。   何事でも、批判を浴びればより磨きがかかりより精密になるというのが通例であるから、もちろん、陰謀説も進化を遂げた。      ここ最近、私は新しい説を耳にし 全文をよむ

2013-06-25 Mehmet Y. Yilmazコラム:これを赤面せずに話せるか? (Hurriyet紙)

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、ゲズィ公園抗議に対する警察の介入姿勢を賞賛し、民主主義の試練を無事突破したと公表している。      昨日、同首相は、手を一段と高く上げ、「トルコ警察はタクスィムで偉業を成した」と語った!スピーチの勢いは衰えることを知らず、「トルコ警察は銃弾を受け、放水と催涙ガスで反撃している」と続けた。   この「偉業」がなされる中、年端も行かない少女らが地面を引きずられ、立ち尽くす人々の目に催涙ガスが吹きかけられていた。   彼らがより一層の苦痛を味わうようにと、暴動鎮 全文をよむ

2013-06-23 Fikret Bilaコラム:(ゲズィ後の)選挙プロセスと、(クルド問題)解決プロセス (Milliyet紙)

ゲズィ公園の諸事件によって、トルコの選挙プロセスへの突入は早まった。タイイプ・エルドアン首相は、ゲズィ公園事件に対抗するのは選挙の場だと示し、選挙キャンペーンを開始した。第4回会合は昨日サムスンで行われ、第5回会合はエルズルムで行われる予定だ。      ■3つのプロセス      選挙プロセスは、3つのプロセスを内包している。   これらのプロセスは、選挙プロセスにそれぞれ別の形で影響を与える重要なものだ。   1つ目はEU加盟プロセス、2つ目はゲズィ公園プロセス、3つ目はクルド問題解決プロセ 全文をよむ

2013-06-22 Mehmet Y. Yilmaz コラム:差別主義のスポーツ選手を旗手にするとは… (Milliyet紙)

地中海競技大会の開会式、トルコ人選手の行進の先頭で旗を持つレスリングのルザ・カヤルプ選手を見て、どのスポーツ施設にもあるアタテュルクのこの言葉を思い出した。      「私は、スポーツマンの知性、俊敏さ、そして礼儀正しさを好む」      五輪や地中海競技大会といった国際的なスポーツ競技会で、行進の先頭で国旗を持つ選手の選考は重要だ。スポーツの成績以外にも好ましい特徴があり、リーダーとしての能力を有し、世論でも好かれる選手が求められる。さて、今回トルコは旗手としてルザ・カヤルプという名のレスリン 全文をよむ

2013-06-21 Ismet Berkan コラム:(ゲズィにいた)個人と(AKPの)「市民」の、トルコ政治における新しい役割 (Hurriyet紙)

事件の当初から言っているように、レジェプ・タイイプ・エルドアンとその周辺は、ゲズィ公園デモ参加者に対し、戦略的な行動をとっている。      「首相はわかっていない」といういい方が、ある時期、語られ、書かれた。私は、まったくそういう風には考えていなかった。首相とその周辺は、ゲズィ運動をある種の「政治反乱」とみなし、それにそって行動してきた。私を含む多くの評者は、ゲズィには、「政治的反乱」が存在しないことを説明しようとしてきた。アフメト・インセルの命名によれば、これは「自尊心の反乱」だった。   全文をよむ

2013-06-20 Sukru Kucuksahinコラム:歴史の「正しい」側にたつために (Hurriyet紙)

首相と首相周辺がゲズィ公園デモ主催者らのメッセージを受け取らなかった、もしくは受け取らないかのような振る舞いを見せていることに関し、議論が起こっている。      
この意図的な振る舞いは、与党の得票を増加させるためのものだ、という人もいる・・・
逆を唱える者も多い、しかし問題はこれではない。
問題は、政権が自画自賛する新しいトルコの現実を読みとらず、トルコが必要とし期待することがらに応えるような新しい政策が見えてこないということである。22日間でさまざまな陰謀説へ逃げ込んだことが、まさにその証 全文をよむ

2013-06-18 Sahin Alpayコラム:国民の意志は、50%だけのものではない (Zaman紙)

6月7日の午後、ゲズィ公園を守ろうとする人々を訪ねてタクスィムに向かった。ロンドンのハイドパークを思い起こさせるような空気が漂っていた。      例えここに(ハイドパークにあるような)兵舎がつくられなくても、ゲズィ公園が、ハイドパークのように、あらゆる見解の持ち主が集い考えを他人と共有できる表現の自由を有する広場となれば、どんなに良いことかと考えた。次の日の晩、ある友人に会うために[アジア側の]スアディイェへ向かった。そこでは数百人の人々がグループを成し、「我々は皆トルコ人だ!我々は皆 ムスタ 全文をよむ

2013-06-17 ギョレ教授:「フィルムは巻き戻されている」―試される公正発展党の宗教理解 (Radikal紙)

社会学者のニリュフェル・ギョレは、ゲズィ公園の抗議とその後の展開に関する分析記事を書いた。T24.comというインターネットサイトで、「フィルムは巻き戻されている―試される公正発展党の宗教理解」というタイトルで掲載された記事は次の通りである。      **      我々は社会の成員として新しい展開の入り口に立っている。ゲズィは一つのチャンスだったのだ、我々みなのための、心が安らぎ、怒りが静められ、ユーモアがまし、より多元的でより創造的なトルコのためのチャンスだったのだ。      ゲズィへの 全文をよむ

2013-06-16 Murat Yetkinコラム:タクスィムは「よりよいトルコ」への一歩 (Radikal紙)

参加者数と期間においてトルコで類を見ないこの大規模な抗議運動は、実はすでに目的を達成した。   まずあることをはっきりさせるため、いくつかの質問を投げかけたい。   タイイプ・エルドアン首相が、タクスィムのゲズィ公園を壊し兵舎を建てるというプロジェクトを「国民投票(レフェランダム)」にかけようとしたとき、現在の状況ではそれが不可能であることを指摘してくれる人はそばにいなかったのだろうか?   というのもその翌日には、公正発展党(AKP)トルコ大国民議会(TBMM)法務委員会のアフメト・イイマヤ委 全文をよむ

2013-06-16 Mehveş Evin コラム:ゲズィ公園で朝を迎えて (Milliyet紙)

ゲズィ公園にある何百もあるテントのひとつに泊まってみたらどんな感じだろう。公園で一晩を「無法者」と過ごしていない人にはわからない。      このコラムを皆さんが読まれた時にゲズィ公園がどうなっているかわからない。テントの一部が片付けられているかもしれないし、そのままかもしれない。平和的な雰囲気が続いているかもしれないし、それとも…。ともかく、悪いことは考えないでおこう。   [訳者注:その後、15日20時半ごろから、警察が強制撤去を実施した。]      ここ20日間トルコの -さらには世界の 全文をよむ

2013-06-14 Fikret Bilaコラム:対話での解決を (Milliyet紙)

ゲズィ公園での騒動が今のような段階に至ったからには、次に問題とされるのは、公園に介入が行われるのかどうかということだ・・・   レジェップ・タイイプ・エルドアン首相があるグループと一昨日行った話し合いでは、市の条例によって開発プロジェクトが住民投票にかけられるといった案が提示された。   ゲズィ公園での抗議者たちがこの提案を受け入れた様子はなく、抵抗運動を続けている。ゲズィ公園で高まる要求は、公園を緑の広場として残すことである・・・   エルドアン首相は昨日のスピーチで、国民投票にまで進展する可 全文をよむ

2013-06-13 トプチュ兵舎とは何か? (Milliyet紙)

タクスィムのトプチュ兵舎は、どういう意味を持つのか?知らない人にとって、この名前はまったく意味をなさない。しかし少しでも歴史を知る人々にとって、この名前、すなわちトプチュ兵舎は、大きな意味を持つ。      偉大な統治者は「トプチュ兵舎」のことを常に考えていたではないか…。ゲズィ公園の木々が切られ、その後その場所にトプチュ兵舎が再建される。その後、ショッピングモールが作られるにしろ作られないにしろ…発言は繰り返されていく。そして断固としてトプチュ兵舎をタクスィムの中心地に再建することを望んでいる 全文をよむ

2013-06-13 Cengiz Candar コラム:民主主義の広場と、エルドアンの街頭戦 (Radikal紙)

タイイプ・エルドアンのここ数日のパフォーマンスは、国外で彼を支持していた人を失う原因となっている。      昨日エルドアンの演説を聴いているとき、計算してみた。この10日間で15、16回(17回かもしれない)彼のスピーチを聴いたことになる。10日前、つまり5 月31日から6月1日にかけての動き以降のことだ。最初の演説は6月1日の午後、イスタンブルのトルコ輸出委員会(TİM)で行われた。ゲズィ公園での警察の弾圧を支持し、「過度な暴力が行使された」との疑いについては調査すると述べ、警察がゲズィ公園 全文をよむ

2013-06-10 Taha Akyol コラム:陰謀、陰謀というけれど・・・ (Hurriyet紙)

「『民間クーデター』は妨げられた!その『民間クーデター』とは何だろうか?金融ロビーとその国外の支援者らは、街なかを戦場に変え、政権を転覆させようと目論んだ。しかしその陰謀は阻止された。」      この言説を支持する者たちは、タイミングに着目している。:彼ら(金融ロビー等)は金利が5%に下がったその時、スタートボタンを押した。管理下に置いている通信回線を用いて合図を出すと、事件が一斉に起き、金利が上昇した。   更に、昨日イェニ・シャファク紙は一面で「黒幕はソロスと金融ロビーだ!」と報じた。   全文をよむ

2013-06-09 Mehveş Evin コラム:ゲズィ公園にいるのはどんな人たち (Milliyet紙)

タクスィムで始まった運動の原動力は何なのか?毎晩ここを埋め尽くす人々は誰なのか?1人は専門職、1人は教職にある2人の若者が、なぜそこにいるのか説明してくれた。      金曜日の夜、私は再びゲズィ公園を訪ねた…。一昨晩、首相がイスタンブルに来ることを知っていたら―首相の飛行機はアンカラに着陸すると言われていたので―、そこへも行って、群集の様子を取材しておきたかったと思う。   ゲズィ公園で先週から見張りをしている市民の一人と話しているときに偶然、前の晩、彼が空港へ行ったことを知った。エルカンとい 全文をよむ

2013-06-08 Ismet Berkan コラム:岐路に立つトルコと、首相の選択―多元主義か多数派主義か (Hurriyet紙)

火曜日のこのコラムで私は、「首相はデモ参加者のことをわかっている。彼はわかってやっている」と書いた。これには多くの怒りの声が寄せられた。      私にはそれはナイーブすぎると思えるのだが、多くの人は、デモ参加者の真意や願望がエルドアンに伝われば、エルドアンは事態の改善をはかり緊張を緩和し、さらには民主的な要望を受け入れ、トルコを天国に変えてくれると思っている。      首相は何日かトルコを離れ、同行記者団がいたにもかかわらずトルコ帰国が近づくまでこの件について話さなかった。しかし、木曜になっ 全文をよむ

2013-06-08 Murat Yetkinコラム:エルドアンの「タクスィム問題」 (Radikal紙)

問題の本質は、エルドアン首相のかかえるタクスィム問題である。これは、民主的な要求への、民主的な忍耐力の問題とも呼ぶことができる。      タイイプ・エルドアン首相の北アフリカ歴訪の間に、アブドゥッラー・ギュル大統領とビュレント・アルンチ副首相が行っていた緊張緩和の努力は、金曜(7日)早朝のエルドアン首相の帰国とともに、別の色合いを帯びた。実際、エルドアン首相はチュニジアを離れる前に、確かに「過度な催涙ガスの使用」に関して、「遺憾」の意を示したが、タクスィム広場へのトプチュ兵舎再建計画は撤回しな 全文をよむ

2013-06-08 Serpil Çevikcanコラム:エルドアン帰国演説になかったもの (Milliyet紙)

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は帰国時、空港で演説を行った。バスの上で行われたこの演説には多くのことが言える。しかしこれが思いやりある会見だったとは言えない。   エルドアン氏を10年間首相の座に着かしめ、公正発展党に民主党の記録を更新させたのは、政治の魔除けともいえる思いやりだったのに。   エルドアン首相は非常に困難な局面を経て今いる地位に上り詰めた。   イスタンブル広域市市長だった頃、ある詩を詠んだことで逮捕され、収監された。当時はもう村長職にさえ就けないだろうと言われた。   服役 全文をよむ

2013-06-06 Şahin Alpayコラム:首相は変わらねばならない (Zaman紙)

トルコは、民族、宗教、言語、文化、イデオロギーなど、多くの面で多層的構造を持ち、それが微妙なバランスで保たれている社会だ。トルコ人とクルド人、スンニー派とアレヴィー派、信仰心篤い者とそうでない者、ムスリムと非ムスリム、民主主義者と保護主義者、世俗主義、自由主義と権威主義など、多くの分裂を含んでいる。      現政権は、社会のこの分裂、微妙なバランスに対処しなければならない。多層構造の社会は、多数派的な(多数の支持を得た者が何でも好きなようにする)考え方では運営できない。反対に、複数派的な(違い 全文をよむ

2013-06-06 Murat Yetkinコラム:注目は、エルドアン首相の行動 (Radikal紙)

首相は、ギュル大統領やアルンチ副首相がはじめ、多くの人が殺到している火消し作業に、加わるだろうか?      首相は木曜の夜にトルコに戻ってきて、何をいうだろうか?アンカラの首相府の廊下からタクスィム広場でテントをはるデモ隊まで、みなが気にしているのはその点だ。      なぜなら、ほんとうのことをいえば、エルドアンが4日まえに北アフリカ訪問に出て以来、タクスィム抗議活動をこれ以上激化させずに解決させようと、(人々は)できるだけのことをしている。もっとも重要な役割を果たしたのはギュル大統領だ。5 全文をよむ

2013-06-06 Cengiz Candar コラム:エルドアンはメッセージをうけとったか? (Radikal紙)

一連の事件の本質は、首相の運営の仕方に対して蓄積された大きな怒りと疑念が噴きでたものだ。      アブドゥッラー・ギュル大統領は、適切に介入した。ビュレント・アルンチ副首相はタイイプ・エルドアン首相が一日目に取るべきであった対応を、模範的に取った。今後行われるべきことは、国全体に広がりをみせたものの、イスタンブルのタクスィムが中心である「抵抗」を「ソフトランディング」して終着させることだ。      一昨日、大統領は「民主主義は投票箱だけではない」、「メッセージを受け取った」と発言して、首相が 全文をよむ

2013-06-05 Kolay Caliskanコラム:ゲズィ「反乱」の5つの理由 (Radikal紙)

そもそも人びとが伝えようとしていることは「50%の得票率は全権を委任されたということではない」である。      全ては2年前に始まった。首相は左派とリベラル派の賛成を得ながら軍の後見[体制]を統制下に収めた。軍を政治から徐々に引き離したことはある政治的潮流を生みだした。      公正発展党は自分たちをこれほどの成功にもたらした他党派との連携を解消し始めた。まず左派内の一部が去った。(2010年の改憲国民投票の際に唱えられた)「不十分だがそれでも賛成」の言葉を左派は二度と聞きたくないであろう。 全文をよむ

2013-06-04 İhsan Dağıコラム:エルドアンを愛しているなら、彼に本当のことを言おう (Zaman紙)

もちろん、問題はゲズィ公園問題ではない。公園問題がきっかけにはなったが、根本には、次第に権威主義化し、社会変革プロジェクトにより人間を自分と同じにしようとする権力者に対する反感がある。反感を拡大させたのは、民主化を進めるかわりに、与党が「人格形成」をしようとしたことだ。      本来トルコは、ここのところ重要な「正常化」プロセスを経ようとしていた。10年前の不毛な対立は概ねおわり、世俗主義派 VS.敬虔派、のような答えのない論争さえ、過去のものになった。スカーフ問題は現実的な問題としては解決済 全文をよむ

2013-06-03 Murat Yetkinコラム:ゲズィ公園抗議と、アラブの春の違い (Radikal紙)

エルドアン首相が、タクスィムへのショッピングセンター建設計画に固執するのをやめ、代わりに(近隣での)モスク建設に言及したことは、彼の支持層を考えると、重要な転機といえるだろう。      タクスィムのゲズィ公園の再開発をめぐって、先週3日間にわたって警官が常軌を逸した圧力(と催涙ガス)を用いたことで激化していった衝突は、4日目の5月31日金曜日の夕方には収拾がつかなくなり、一部の欧米のメディアは短絡的にも「トルコの春」と名付けて報じた。      タクスィムでの抗議活動が、11年間の公正発展党政 全文をよむ

2013-06-03 A. Turan Alkanコラム:「ほおっておけ、行進すればいい」発言にみる不遜 (Zaman紙)

土曜日の事件の背後にあるものを説明する重要な発見について述べてみたい。      首相は、科学普及協会の総会で行った演説で次のように述べた。「(共和人民党は)カドゥキョイでミーティングをやるはずだったが中止になった。いま、ベシクタシュで集まることにしたらしい。「ほおっておけ、行進すればいい」といったのだ。ちゃんと制御して、行かせるようにと。そこで、何を話すか見ようじゃないか。彼らの望みはなんなのか。それを聞かせてもらおう。」      鍵になる言葉は、「ほおっておけ、行進すればいい」の部分だ。  全文をよむ

2013-06-01 エルドアン首相の「不敗」イメージを揺るがした、ゲズィ公園抗議運動 (Radikal紙)

タクスィムでの抗議運動は、エルドアン首相の50%の票を背景にした「なんでもできる」というイメージを揺るがした。大統領の権限を強化し、強権をもつという目標も傷ついた。      エルドアン首相が、輸出業者会議で、タクスィムのデモ隊やその背後にいると疑っている共和人民党(CHP)に対し攻撃的な言葉を述べたのと、CHPを含む何万人ものデモ隊がタクスィムに集まる事態との間には、たった5時間しかなかった。しかし、この5時間のなかでふたつの重要かつ、賢明な判断が行われた。      そのうちのひとつは、CH 全文をよむ

2013-06-01 Murat Yetkinコラム:小さな抗議運動を大規模市民運動にかえたもの (Radikal紙)

警察の対応により小さな抗議運動が大規模市民運動にかわった      公正発展党(AKP)がイスタンブルの中心部タクスィムに唯一残った緑地であるゲズィ公園を、オスマン帝国時代に使われていたように兵舎として新たに作り替えようとしたことに反対するため、4日前、50人程度の人々が広場に集結した。政治の舞台裏では、タイイプ・エルドアン首相自身が行ったスピーチをきっかけに、「兵舎の建物の中にショッピングモールが建設される」とのうわさが駆け巡っていた。警察がこの段階で、ほとんどがこの地域の住民である技術家や建 全文をよむ

2013-05-29 Serpil Çevikcan コラム:オジャランの独房は広がるか?―解決プロセス次の1歩は? (Milliyet紙)

PKK(クルディスタン労働者党;非合法)の国外撤退について、在カンディルBDP(平和民主党)は撤退の期日を6月末と予測している。政府側はというと、これを多少オーバーするだろうと見ている。   いずれにしても、おそらく国会が休暇に入るまでに撤退プロセスは完了するだろう。   完了するということは、つまり第二段階に進むということだ。カンディルが「ここから先は、そちらの対応を見守りましょう」と言う段階である。この段階にくれば、この夏をどれだけ有益な時期にできるかが重要になってくる。   BDPセラハッ 全文をよむ

2013-05-21 Fikret Bilaコラム:憲法問題 (Milliyet紙)

国会に会派がある4つの政党も有権者に新憲法を過去に約束した。このところ国会の憲法制定委員会は新憲法制定に向けて動いているが、未だ折衷案は出ていない。新憲法に期待するものは各政党それぞれ異なる。政権にとって新憲法の中で二点が重要かつ優先すべき課題であることが次第に明らかに なった。1つ目は大統領システム、2つ目はPKK(クルディスタン労働者党:非合法)と共同で開始された和平プロセスである。      レジェプ・タイイプ・エルドアン首相と公正発展党(AKP)の大統領シス テムは、平和民主党(BDP) 全文をよむ

2013-05-14 Melih Asik コラム:本当に、シリア諜報機関なのか? (Milliyet紙)

ウルデレで30人以上の国民を爆撃され殺された事件の責任者を2年みつけられず、ネジプ・ハブレミトオールの殺人犯を10年にわたってみつけられない政府が、レイハンルを血に染めた事件の容疑者を爆発の直後に、あらかじめ準備していたかのように、あっという間に捕まえた。閣僚のベシル・アタライの発表によると、トルコ国籍の9人の容疑者は、シリアの諜報機関「アル・ムハーバラートと関係がある」のだそうだ。      容疑者がこれまで例のないかたちで、あっという間に捕まったことは賞賛すべきことだ。つかまったのが本当の犯 全文をよむ

2013-05-13 Cengiz Candar コラム:イスラエルを攻撃できないものが、なぜレイハンルを? (Radikal紙)

レイハンルでの爆破を、トルコが中東政治で存在感を増したことに対する「避けられない代償の一つ」として捉えるべきだ。      土曜日レイハンルで発生し、本紙の一面にでかでかと「虐殺」という見出しで報じられた爆破[のような]事件は、レバノンで1975年に始まった内戦の1年後、シリアが2,500人の兵士と諜報機関を率いて同国に居座ってから頻発するようになった。イラクでも2003年のアメリカ軍の占領から今日に至 るまで、少なくとも2週間に一度は同様のことが起きている。      おそらくこうした文脈にお 全文をよむ

2013-05-04 Ismet Berkan コラム:第三空港運営を220億ユーロで落札することの意味 (Hurriyet紙)

私は経済学者ではないが、数字を読み解くのは好きだ。イスタンブルに建設予定の新空港運営権(期間25年)の入札が昨日行われ、Limak社、Cengiz社、Kolin社、Mapa社、Kalyon社の共同企業グループが、信じがたいほどの額で落札した。      25年間の新空港運営権を希望したこの企業グループは、政府に付加価値税(KDV)を除く221億5200万ユーロ(約2.87兆円)を支払う予定だ。各社は政府へのこの支払いのほか、工事、つまり空港ターミナル施設の建設も行う予定である。   さて、新空港 全文をよむ

2013-05-02 Fikret Bilaコラム:タクスィム広場を使わせるべきだった (Milliyet紙)

5月1日、イスタンブル以外のトルコのあらゆるところで、太鼓やズルナをならし、歌や民謡を歌いながら、事故もなく祝賀が行われた。しかしイスタンブルから映し出された映像はトルコにふさわしくないものだった。世界のどの場所からも、イスタンブルのような映像はみられなかった。警察が労働者たちに行った取締りにより、イスタンブルは火事場のような様相を呈した。本来なら、この5月1日をイスタンブルでも何事もなく祝えることができたにもかかわらず。      ■タクスィムを守るということ      イスタンブル県はタクス 全文をよむ

2013-04-21 Hilmi Yavuzコラム:CHPと、元気な女性たち (Zaman紙)

長い歴史を持つ政党、共和人民党は、いま見過ごすことのできないある危機を迎えている。そしてその危機に立ちはだかった役者は、女性たち、そう女性たちなのだ!       はじめはビルギュル・アイマン・ギュレルだ。アイマンはナショナリズム問題の発言により、世論で大きな反発を呼ぶ原因となったことはご存知だろう。「トル コ民族とクルド・ナショナリズムは同等にはなりえない!」実際のところ、共和人民党内のナショナリスト勢力がギュレル女史のように考えていることを当てるには占星術師になる必要などない。人種差別との批 全文をよむ

2013-04-18 Ismet Berkan コラム:司法の暴走をどうとめるか―ファズル・サイ判決 (Hurriyet紙)

トルコで暮らす我々には、表現の自由について終わりのない試練がある。      ファズル・サイに懲役10か月の判決が言い渡されたことで、表現の自由についての議論が再び始まった。始まりはしたが、残念ながら、生産的ではない出だしである。   そもそも事の本質は、EU加盟プロセスにおいて我々の法律に加わった「緊密で明らかな脅威」という基準である。   ファズル・サイに下された刑法の条項もこの基準を含んでいる。しかし、残念ながら、サイに有罪判決を下した裁判所は、まるで目の前に書かれている刑法の条項にそのよ 全文をよむ

2013-03-29 Fikret Bilaコラム:PKKにおける軍事的・政治的戦略 (Milliyet紙)

国家同様テロ組織にも政治・軍事的戦略がある。軍事的一歩を踏み出す一方で、政治戦略に沿った結果を得ようとする。   アブドゥッラー・オジャランとPKK(クルディスタン労働者党)も同じことをしている。   我々が議論しているPKKメンバーの国外撤退に関しても、PKKは軍事的一歩(具体的には武装放棄)の見返りに政治的な結果を得ようとしている。   ムラト・カラユランがカンディル山から行った声明はこの枠組みの中で考えなければならない。      ■国外撤退の政治的な見返り      政府・国家はイムラル 全文をよむ

2013-03-23 Ismet Berkan コラム:ディヤルバクルの安堵と笑顔!―「停戦」宣言翌日に (Hurriyet紙)

ディヤルバクルのネヴルーズ集会で発表されたアブドゥッラー・オジャランの宣言の歴史的重要性を、一番理解しているのはディヤルバクルだろう。      これは自然なことだ:ここディヤルバクルは老いも若きも、皆が政治に過度に関わっている都市なのだから。我々はヒュリエット紙の記者として「翌日」を取材するためにここにいたが、おそらくイスタンブルの全新聞社はすでに返ってしまっただろう。我々は路上の市民から平和民主党(BDP)議員や共同党首、知事、警察局長、市長にいたるまで全員と話し、取材した。最後に言おうとし 全文をよむ

2013-03-22 Cuneyt Ozdemirコラム:PKK「停戦」へ―この日を喜ばないのは・・・ (Radikal紙)

アンカラのガーズィーオスマンパシャ地区に開いたオフィスで何年もトルコ軍に様々な武器を売ってきた商人にとって30年間の戦闘に終わり が訪れた今日は最悪の日だ。30年間続いた戦闘でトルコ軍に売った何十機もの戦闘ヘリによって得た手数料で、アンカラで乗り回すようにと息子に最新の車を 買った彼も、今であれば2度考えるだろう。ここ30年間何もせず得てきた手数料や渡した賄賂を誰も追及しない、おいしい時代は過去のものとなった。今日になって喪に 服し、「これから何をしようか」と重苦しく考え始めるのも、少しはこのた 全文をよむ

2013-03-15 Ismet Berkan コラム:「クルド問題解決プロセス」の損得勘定 (Hurriyet紙)

いつから私たちはこのように駆け引きをする国民になったのか、私は知らない。おそらく私たちはいつもそうだったのかもしれない。      急いで進められている「クルド問題解決プロセス」を「損得」勘定で見たり、このような見方をしているために「見返り」を期待している人は残念ながら多い。      そういった人々は、トルコが欧州連合(EU)と加盟交渉開始のため、コペンハーゲン基準を実施しようとした際も、同じように損得勘定でその問題を見ていた。私たちはヨーロッパの一員になるといって、(損の部分を)相殺しながら 全文をよむ

2013-03-13 HERKÜL MILLAS投稿:「Türk トルコ人」か、「Türkiyeli トルコ国の人」か (Zaman紙)

憲法で「Türk(トルコ人)」の代わりに「Türkiyeli(トルコ国の人)」と言われることを望む人々は、誠意をもって行動していると信じている。こうした批評の世界で、彼らがあのような「勇気ある」提言を発してくれたことで、彼らを評価している。まず始めにわが友、バスクン・ホジャを。彼らの目的はさまざまなエスニシティを持つ人々を安心させることであり、感情が先走りしない、抑制されたアイデンティティのための地固めをすることである。私も「Rum(ギリシャ系住民の意)」と呼ばれているために、私がこのような提案 全文をよむ

2013-03-02 Fikret Bilaコラム:解決プロセスは続く―ミッリイェト紙への非難に答える (Milliyet紙)

我々の友であるナームク・ドゥルカン(ミッリイェト紙記者)は、イムラル島でアブドゥッラー・オジャランが平和民主党(BDP)のペルヴィン・ブルダン議員、スッル・スュレイヤ・オンデル議員、アルタン・タン議員と行った会見の記録を報道した。このことは、さまざまな反応を呼んだ。   この行動に対する反応の中には、常識を越えた「陰謀説」を唱えるコメントもあった。しかし、この報道は基本的なジャーナリズム活動の結果だった。ナームク・ドゥルカン記者が行ったように現場をよく見て、情報を逃さない新聞記者であれば誰もが到 全文をよむ

2013-02-26 Mumtaz'er Turkoneコラム:オスマン朝にならい「オジャランを使う」 (Zaman紙)

私の記者人生を通してこれほど批判されたテーマはない。発言から今日までの6年間、常に実現に向けて努力してきた。ことは正論を唱えることではなく、この国にとって正しいことを主張することだ。      その厳格さで知られるスルタン・ムラト4世とクユジュ・ムラト・パシャのような宰相、賢く、聡明なアフメト・ジェヴデト・パシャといった人物たちは、中央に反発する者たちの首謀者に数多の州の権限を委ねパシャの称号を授けたことで知られている。この対策は功を奏し、そのことを歴史書は記した。それと同時期にイラン、 オース 全文をよむ

2013-02-22 Ismet Berkan コラム:ナショナリズムを乗り越える唯一の手段はイスラム主義なのか? (Hurriyet紙)

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相がマルディンで行った演説についての議論が続いている。      首相は、この演説において人種主義の様相を呈するまでになったナショナリズムを非難する一方、イスラムを引き合いに出しながら話し、ムハンマドの最後の言葉とコーランに言及し、人種主義や人種差別を強く非難した。      首相のこの演説に対して、共和人民党(CHP)のケマル・クルチダオール党首は、人種主義ではなくナショナリズムを擁護するとし、「我々はアタテュルク・ナショナリストである(Atatürk mill 全文をよむ

2013-02-20 Huseyin Gulerceコラム:BDPの黒海演説の中断で考える (Zaman紙)

平和民主党(BDP)所属国会議員スッル・スュレイヤ・オンデル、サバハト・トゥンジェル、エルトゥールル・キュルクチュ各氏および無所属のイスタンブル選出国会議員レヴェント・チュゼルは「新しいクルド問題解決プロセスを説明するため」黒海地方遊説へと出発した。      スィノプで彼らに向けて行われたこと、サムスンでの彼らへの態度は、我々がいかに組織化された挑発行為に直面しているかということを、またすぐそばで待ち受けている脅威がいかに大きいかを物語っている。そう、新しい解決プロセスは以前のものと著しく異な 全文をよむ

2013-02-16 Murat Yetkinコラム:オジャランは何を望むと思いますか? (Radikal紙)

30年も目標を達成できずとも凝集力のある組織のリーダーとして14年間、11平方メートル[の場所]に投獄されている64歳のこの男は、いったい何を望んでいるのだろうか?      心理的動きとはまさにこのことである。違法組織PKK(クルド労働者党:非合法)リーダー、アブドゥッラー・オジャランの逮捕から14周年となる日、私たちは新聞やテレビのオジャランがイムラル島刑務所で過ごした日々の数々を読み、または視聴した。      ここ14年間を11平方メートル以下の空間で過ごした64歳のオジャランが投獄中に 全文をよむ

2013-02-12 Mumtazer Turkoner コラム:トルコ民族主義の墓碑 (Zaman紙)

アルバニアのサリ・ベリシャ首相が、シェムセッティン・サーミーの墓を欲しがっているらしい。   フェリキョイ墓地に1904年に埋葬されたシェムセッティン・サーミーの墓を開けて、彼の痕跡と言う意味で、そこに残っている骨を、敬意を込めて集めて、アルバニアに送るなら、どうなるのか?      アルバニアで彼のために巨大な墓が作られ、また彼の遺体が盛大な式典と共にそこに移されるのは確かであろう。けれどフェリキョイ墓地で空になった墓はどうなるのか?それこそ我々が空になった場所に、「トルコ民族主義」を静かに無 全文をよむ

2013-02-10 Hasan Pulurコラム:トルコ人とウンマ (Milliyet紙)

「国民国家」や「トルコ(Türk)」、「トルコ人であるということ(トルコ人性:Türklük)」という概念は、新憲法の検討の中で議論されているようだが、今後さらに議論されるであろうし、おそらく各党は合意に至ることができないだろう・・・   なぜか?   この概念を議論しているのがどういった人々であるかを見ると、その理由がわかる。   世俗的共和国(体制)に反対する人々がターゲットにしているのは「国民国家」である。なぜなら「国民国家」のシステムにおいて「国民」は存在するが、「ウンマ」は存在しないか 全文をよむ

2013-01-30 Ergurul Ozkokコラム:「トルコ」といわないとして、国名はどうなる? (Hurriyet紙)

CHP(共和人民党)のビルギュル・アイマン・ギュレル議員に感謝しなくてはならない。      彼女の言い回しに賛同しなかったとしても、(彼女の言葉は)新憲法制定において、何ヶ月も引き延ばされてきた、そして誰も手を付ける勇気をもてなかった、最も重要な項目に関する議論の口火を切ったのだ。      それは、「『トルコ人』の定義」だ…。      2週間前のコラムで「トルコ人(という言葉)の難しさ」言及したとき、あちこちから色々言われ、さんざんな目にあった。   だから、この議論には私は今は加わらない 全文をよむ

2013-01-27 Fikret Bilaコラム:逮捕者続出で軍幹部も人材不足 (Milliyet紙)

司令官や大佐の勾留により海軍司令本部ではポスト就任が必要とされる階級の人材不足が発生している。ネジデト・オゼル参謀総長が現況を悲観し、ついに艦隊司令部のヌスレト・ギュネル海軍大将の離職を望んでいないことが明らかとなった。ギュネル海軍大将が1月に再び辞職を決め、しかしなが ら今回は翻意するよう説得できなかったことがわかった。      大統領府においてレジェプ・タイイプ・エルドアン首相とネジデト・オゼル参謀総長が木曜日を通例としてアブドゥッラー・ギュル大統領と行っている毎週の定例会談が今回は三者首 全文をよむ

2013-01-25 Mümtaz'er Türköneコラム:クルド語による解決 (Zaman紙)

一昨日の晩18時にTRT6(トルコ・ラジオ・テレビ協会、クルド語放送)が放送したクルド語のメヴリト(預言者ムハンマドの誕生とその一生を詠んだ詩)詠唱に私は見入った。シュルナク県のジズレから行われた中継放送は実に魅力的だった。      クルド人のメヴリト詠唱者達の声はハートを揺さぶり、人々を全く異なる世界へと導いてくれていた。画面ではモスクの中の信徒達の自然な姿が映し出されていた。(モスクの中でその声に)耳を傾けていた子ども達や若者、そしてお年寄りといった信徒達の顔からは、非常に多くの預言者への 全文をよむ

2013-01-20 Fikret Bilakコラム:メフメト・アリ・ビランドを送る  (Milliyet紙)

我々にこの職業とは何か教えてくれたメフメト・アリ・ビランド氏が旅立っていった。私が本紙で働き始めた頃、彼はベルギーの首都ブリュッセルで特派員をしていた。アンカラを訪れる際は必ずアンカラのオフィスに立ち寄った。勢いよく中に入り、オフィスにいる人たちにエネルギーや活 気を与えたものだった。いつもまずはニリュフェル・ヤルチュン氏やヌル・バトゥル氏と話し、後に我々にも話しかけた。話題の紙面の記事について矢継ぎ早に質問を投げかけ、オルハン・トルカン氏と話し、来たときと同じ勢いでオフィスを後にした。アンカラ 全文をよむ

2013-01-18 Can Dündarコラム:最初の試験は合格、次は…―ディヤルバクル葬儀 (Milliyet紙)

昨日のディヤルバクルの追悼集会は次のことを証明した。組織が集団を統制するなら、国家が治安維持部隊をしっかりと制御するなら、最大規模のデモでさえも問題を起こすことなく終息出来るのだと。   政府は慎重にしかし断固としてふるまった。   平和民主党(BDP)は集団に注意勧告を促していた。   警察(ディヤルバクルのオスマン・バイデミル市長によれば、最近三年間で初めての集会であるという)は過度な関与をしなかった。   そしてそのお陰で、10万人規模の集会で最も些細な事件すら起きなかった。      ■ 全文をよむ

2013-01-12 Ismet Berkan コラム:トルコに原子力発電所は必要か (Hurriyet紙)

トルコは発展中の国である。そのため、電力需要・電力消費が増えた国である。      エネルギー省が、今日から2020年に向けて2つのエネルギー需要増加のシナリオを作成した。このうち1つが「悲観的」、もう1つが「楽観的」なシナリオである。どちらのシナリオにおいても、2017年、つまりたったの4年後に供給量が需要量を賄えないと見積もられている。      供給は、そうした日においつかなくなる。その時が来たら対応できるように、事前計画しておくことが必要である。      たとえば、トルコはメルスィン・ 全文をよむ

2013-01-08 Yalçın Doğan コラム:いま、注目はBDPへ―イムラル・プロセス (Hurriyet紙)

南東アナトリアの人々は何を考えているのだろうか?(民主社会会議の)アフメト・チュルク氏と(平和民主党の)アイラ・アカト・アタ氏のイムラル島訪問は、南東アナトリアでどのように受け取られているのだろうか?      長年親しくしている南東アナトリアのクルド人たちに尋ねてみた。すると彼らはこう答えた。      「今回のクルド問題解決プロセスを乱す者は負けだ。クルド人が乱せばクルド人が、政府が乱せば政府が、カンディル(のPKK本部)が乱せばカンディルが、敗北するのだ。」      この数年でオジャラン 全文をよむ

2013-01-06 Abbas Güreşコラム:こうなることは始めからわかっていた!-支離滅裂な教育政策 (Milliyet紙)

教育に関し、このように突然決定が下されたら、行き届いた対応など不可能だ。   国民教育省のオメル・ディンチェル大臣はたぶんこのせいで、もっとも議論しなければならない大臣のうちの一人となってしまった・・・。   4+4+4制と同様に既成事実化した決定の中の一つに服装の自由がある。   服装の自由についての規則の変更はまったく議論されることなく行われた。来年と言われて、すぐに始まった。公立学校において(服装の自由を)望んでいるか、いないかという選択肢は提示されなかった。なぜなら、政府は何でも知ってい 全文をよむ

2013-01-05 Ismet Berkan コラム:トルコが何一つ変わらずに解決はありえない (Hurriyet紙)

いくつかの新聞やコラムは、「イムラルと折衝中、(クルド問題解決に向けた)プランが準備されている、すべて解決に向かっている」という雰囲気を伝えているが、それに惑わされないように。まだその道のりは遠い。      昨日Hurriyet紙のコラムで、「一つの推測をしてみよう」と言うタイトルのもと私が書いたことは、最近問題の中心に見えてきたのは、要するにイムラル島で拘留されているアブドゥッラー・オジャランのダブル・フェイス的な交渉者としての位置づけであるということである。   このことを最初に指摘したの 全文をよむ

2013-01-05 Şahin Alpayコラム:EUの玄関外でまった50年 (Zaman紙)

アンカラが、時の流れの中でEUに生まれ変わった欧州経済共同体の「加盟候補国」となって、50年目に入った。      しかし、アンカラがEU加盟に真剣になり、議論になったきっかけは、1987年に故トゥルグト・オザル政権期に行った加盟希望であったことは忘れられてはならない。      1963年に欧州経済共同体(ECC)への加盟候補国になった主な目的は、その1年前に加盟候補国となったギリシャに遅れを取らないことだった。      なぜなら当時、トルコは輸入発展戦略を実行していた。そして、トルコのエリ 全文をよむ

2013-01-03 Fikret Bila コラム:オジャランとの折衝とCHP (Milliyet紙)

テロ組織PKK(クルド労働者党;非合法)に武装放棄させるため、イムラル島でアブドゥッラー・オジャラン氏と行ったといわれる会談は、トルコで協議事項となった。      レジェプ・タイイプ・エルドアン首相が、この件に関する国家関係機関が面会したと述べた後、ベシェル・アタライ副首相も組織へ武装放棄させるため統合的戦略を追求し、そして、イムラルでの会談もその一部であると明らかにした。      イムラル島でオジャラン氏と行われた会談を、最大与党の共和人民党(CHP)はどのように見ているのか?これについて 全文をよむ

2012-12-17 Cengiz Candar コラム:シリアのクルド問題にトルコはどうアプローチすべきか (Radikal紙)

シリアのクルド人地域で真の自由選挙が行われ、PYD(民主統一党)が他のクルド系政党より多く得票したならば、どうするのか?      ベイルートの後にディヤルバクル…。ディヤルバクル弁護士会主催の会議の場にいる...。議題は、大体ベイルートで話し合われ議論されたことと重なっている。      (中東)地域、具体的にシリアの動向、さらに具体的にはシリアのクルド人を含んだ動向は、トルコとトルコのクルド問題にどのような影響を与えるのかを話し合う。      16日付記事の最後で強調したことは、土曜日に本 全文をよむ

2012-12-04 Fikret Bilaコラム:プーチン大統領、トルコ訪問の意味 (Milliyet紙)

訪土するのか否か、何日も議論されていたロシアのウラジミール・プーチン大統領がイスタンブルを訪れ、三度目のトルコ‐ロシア首脳会談が実現した。訪問が成るか否かが心配された原因は、以前訪問が延期されたことにある。延期の理由はプーチン大統領の腰の不調だとされたが、シリア問題で、トルコ政府と距離を置いているのではないかと考えられていた。その後プーチン大統領の12月3日のイスタンブル訪問が発表されたものの、この不安が当日まで完全に晴れることはなかった。      ■訪問の要件      こうした状況では、プ 全文をよむ

2012-12-03  Kadri Gürselコラム:中東におけるエジプトとのライバル関係 (Milliyet紙)

公正発展党(AKP)政権がその外交政策を中東に浸透させるために利用した二つの空白があった。   まず一つめは、厳格なアラブ諸体制の支配に対する、国民側からみた正当性の問題に起因する空白。   二つめは、これらの体制の、パレスチナ人の悲劇とイスラエルの際限のない行動に対する無能な振る舞いによってできた空白。   この二つのアラブの空白の間には因果関係があり、それらは時折スパイラル効果で互いに増幅し合ってきた。   アフメト・ダヴトオールが2009年5月1日に外務大臣に就任して非常に活発になったAK 全文をよむ

2012-11-28 Hasan Cemal コラム:エルドアンの態度は演技か、本気か? (Milliyet紙)

ヨーロッパのある大使が質問した。「エルドアン首相は民主主義を本当にトルコに浸透させた政治家か、それとも違うのだろうか。彼の態度や発言が変わったのは2014年に控えた選挙のためなのだろうか。つまり、票を多く集めるための戦略的方策なのだろうか。それともそうではなく本気なのだろうか。」      我々はEU主要国のアンカラ駐在大使の一人と昨日会談した。   彼はエルドアン首相と民主主義をテーマにし、私にある疑問をぶつけた。   「近頃我々が気にしており、議論している疑問がある。エルドアン首相は民主主義 全文をよむ

2012-11-20 Ismet Berkanコラム:PKK系囚人ハンガーストライキの残した教訓 (Milliyet紙)

様々な刑務所にいるPKK(クルド労働者党; 非合法)とクルディスタン社会連合の700人に近い受刑者、又逮捕者が70日間近くハンガーストライキを続け、それが、土曜日、アブドゥッラー・オジャランの「止めなさい」という言葉で終息した。      クルド問題の全てではないが、PKK、トルコとPKKとの闘い、この組織を考察する方法の行方に影響を及ぼす可能性を含むこのストライキを少し詳しく見る価値があるだろう。      最初の問い:ストライキはどうして実行されたのか?      ストライキを起こした人たち 全文をよむ

2012-11-18 Hasan Cemalコラム:シリアのクルド勢力の権力闘争 (Milliyet紙)

クルド人は、シリアのクルディスタンを西クルディスタンとも呼ぶ。250万から300万人のクルド人がその地域に住んでいる。   しかし、900キロに及ぶトルコとの国境にそって居住しているものの、シリアのクルド人はこの地域で、北イラクとは違って一つの地域にまとまって住んではいない。   バアス党時代に何年にもわたって行われたアラブ化政策の結果、シリアのクルド人の居住地には飛び地的にアラブ人が住んでいる。   シリアのクルド人は政治的に分裂している。一方では18の大小様々な組織やグループがある。これらは 全文をよむ

2012-11-17 Mumtaz'er Turkoneコラム:アタテュルク、アタテュルク主義、ケマリズム (Zaman紙)

一昨晩、アッバス・ギュチュル氏のテレビ番組「若い視点」で、アタテュルク主義について討論した。私の横には、「私たちの思想の道案内人」というタイトルを持つアタテュルク伝の著者、エロル・ミュテルジム氏、向いにはハリチ大学の学生と教員が座っていた。   会場の主体はアタテュルク主義の人々だった。若者は、率直で直接的な質問をしてくれた。私のような、頑固な反アタテュルク主義者にとって、非常にいい体験となった。   私は、アタテュルク・アタテュルク主義・ケマリズムという3つの概念の間にどのような違いがあるのか 全文をよむ

2012-11-16 İsmet Berkan コラム:なぜ彼らはPKKに加わったのかを考えずには解決しない (Hurriyet紙)

「我々の同胞は何故山に入るのか」との質問を問わずに何を問うというのか。      ジュディ山での衝突で、2人の女性を含む計5人のPKKの構成員が死亡した。いつ?11月4日、つまり今から12日前のことだ。      彼らの遺体は現場で放置されていた。死者の遺族は、自身の子供達が亡くなり、さらにその遺体がどこで放置されているのかも知っていた。(そのため)現場に行って遺体を回収し、葬儀を行いたいと望んでいた。      検察局に申請が行われた。検察局は「差し支えありません。あなた方が(現場に)向かうこ 全文をよむ

2012-11-10 Murat Yetkinコラム:1つのトルコ、3つの11月10日―アタテュルク没74周年 (Radikal紙)

11月10日が巡ってくると、イスタンブル、アンカラ、ディヤルバクルで3つの異なる風景を目にすることになる。         今日、2012年のトルコでは、我々は3つの11月10日の光景を目にするだろう。      一つ目の11月10日は、ムスタファ・ケマル・アタテュルクが息を引き取ったイスタンブルのドルマバフチェでの11月10日。      この11月10日のために数日間、実際10月29日の共和国記念日の祝賀以降、一部の人々は静かに着々と準備を進めている。人々は、アタテュルクのマスク(仮面)を準 全文をよむ

2012-11-04 Güneri Cıvaoğlu コラム:オリンピックに東京はスタート (Milliyet紙)

2020年オリンピック開催国としてイスタンブル、マドリードと競っている東京は、もうスタートを切った。      オリンピック開会式が行われるスタジアム(工事)の選考には日本と世界中から46の建設事務所が参加している。   第一選考ではこのうち35が残った。   トルコにとっての悪い知らせとはこのことだ…   イスタンブルではオリンピックための「あらたなる基礎工事」がいまだおこなわれていない一方で、日本はというと、今から世界規模でのプロジェクト競争を行なっている。   おまけに、レジェプ・タイイプ 全文をよむ

2012-10-30 Can Dundarコラム:催涙ガスのなか、私もそこにいた―アンカラ共和国記念日祝賀 (Milliyet紙)

実際のところ、内務大臣とアンカラ県知事に感謝しなくてはならない。彼らが「共和国記念日の祝賀は禁止する。これに反した者は逮捕する」 と煽らなければ、これほどまでに大規模にならなかったかもしれない。祝賀に訪れた者の大半が、意地になって集まりにきた。      もし彼らが、家族連れで共和国を祝福しに駆けつけた人びとを容赦なく締め付けていなければ、人びとは、 一致団結することはなかったかもしれない。      彼らが挑発したおかげで、首都アンカラは立ち上がり、 一致団結すると、いかなるバリケードも人びと 全文をよむ

2012-10-27 Ismet Berkan コラム:クルド系受刑者ハンガーストライキの行方 (Hurriyet紙)

PKK訴訟、KCK訴訟以降、数カ所の刑務所で、多数の収監者・受刑者らが長期にわたるハンガーストライキを行っている。一部の収監者・受刑者にとっては、このハンストや断食が命の危険を伴う状況にまできている。      ストライキを行う者たちには3つの基本的な要求がある。まず一つ目はアブドゥッラー・オジャランに適用されていると言われる隔離をやめること。二つ目は、裁判所において母語による証言を行うための障壁が取り除かれること。そして最後の3つ目は、母語による教育を受ける権利がクルド人にも認められることだ。 全文をよむ

2012-10-25 Fikret Bilakコラム:エルギン法相の刑務所訪問とKCKハンガーストライキ (Milliyet紙)

サードゥッラー・エルギン法相は、スィンジャンのFタイプ刑務所の勾留者および受刑者らを訪問した。エルギン法相が訪問した中には、ハンガーストライキを行っているKCKやPKKの勾留者や受刑者らも含まれていた。   法務大臣は、ハンガーストライキ中のKCKやPKK受刑者らのほかに、「2月28日過程」で逮捕され裁判を受けている前高等教育機構長のケマル・ギュリュズ氏や前軍警察総司令官のテオマン・コマン氏、退役軍人のヴラル・アヴァル氏、ケナン・デミル氏、そして別の監房にいるサルプ・クライ氏を訪問し、バイラムを 全文をよむ

2012-10-21 Abbas Güçlüコラム:教育4+4+4制、一刻も早い見直しを (Milliyet紙)

国民教育省がどれほどそうではないと主張しようと、「4+4+4制度」は深刻な状況にある。   深刻な状況であり続ける…。   制度が定着することは不可能だ。なぜならその理屈が誰にもわからないからだ。   あれこれ議論したり、強情をはらずに、かつての小学校、中学校、高校を義務化し、小学校入学前に1年間の就学前教育期間をおけば、この件はおのずと収まる。   教師や保護者と同様、生徒たちも混乱している。   小学生なのか、中学生か、さもなくば高校生なのかも定かではない。   何とも説明できない状況なのだ 全文をよむ

2012-10-19 Ismet Berkanコラム:包括的解決策以外にクルド問題の出口はない (Hurriyet紙)

アンカラの情報通の記者の1人であるシュクリュ・キュチュクシャーヒンが昨日ヒュッリイェト紙に掲載した記事を読んだ人たちは、さらにイェニ・シャファク紙の一面記事に目を通したとすれば、急に希望を持ったことだろう。      アブドゥッラー・ギュル大統領は、中身・内容が不明なイニシアティブを取って、クルド問題の解決に着手した。      非常に長い間トルコを困らせているこの2つの大きな問題の解決に向けた、政治指導者によるいかなる試みは、もちろん良いことである。      もし命を落とす人が1人減るのであ 全文をよむ

2012-10-16 Hasan Cemal コラム:ギュレン師 vs. エルドアン首相・・・ (Milliyet紙)

フェトフッラー・ギュレン氏は、プライド、クルド問題、シリア、イスラエルというような問題において、エルドアン首相についてどう考えているのだろうか?      イェニ・シャファク紙で先週ユスフ・カプラン氏の記事(10月12日)を読んだ。興味深かった。      その記事は、アメリカのペンシルバニアで、記者グループとともに行ったフェトフッラー・ギュレン氏への訪問から受けた印象を伝えていた。そこからわかるのは、ギュレン氏は、あまり多くのことが書かれないよう注意して話したということだ。きっと、タイイプ・エ 全文をよむ

2012-10-10 Mehmet Ali Birandコラム:ダヴトオール外相は「期待の星」か「災難」か? (Hurriyet紙)

ダヴトオール外相に関するある議論が巻き起こっている。野党や政府に批判的なメディアだけでなく、公正発展党内や政権を支持する作家の間でも深い見解の相違がある。ダヴトオール外相は、ある層にとってこの国のキッシンジャーと見なされるが、他の層にとっては今までで最悪の外務大臣と見なされる…。さてどちらが正しいのか。      ■興味深いダヴトオール議論が世論を賑わせている。      野党と政府に批判的なメディアによれば、彼ほどひどい外務大臣はいない。「ゼロ・プロブレム(全隣国との友好)」と言って踏み出した 全文をよむ

2012-10-06 Cengiz Candar コラム:トルコはどれほど、戦争に近いのか? (Radikal紙)

「ただ『戦争反対』とだけを叫び、シリアでの内戦に関しては何も言われないような国には、シリアに対する抑止力も残らない。」      有名なアメリカ人学者であるジョン・ミアシャイマー教授は先日トルコに滞在していた。シカゴ大学のミアシャイマー教授が世間に知られるようになったのは、 ハーバード大学の同僚ステファン・ウォルト教授の共同著書「Israel Lobby and the U.S. Foreign Policy(イスラエルの圧力団体とアメリカの外交政策)」がきっかけである。      この著書は、 全文をよむ

2012-10-02 Akif Bekiコラム:エルドアン最後の党大会、「別れ」を演出 (Radikal紙)

終始、「別れの大会」という雰囲気であった。エルドアン首相が別れの挨拶をした時に、私はとりわけ注意深く周囲を見渡した。公正発展党(AKP)員の中には堪えきれず涙を流す者もいた。我々は首相の入場直前、18分間の「エルドアンと同志達」というドキュメントを鑑賞し、今日までの道のりを少しずつ振り返っていた。見るとアブドゥッラー・ギュル大統領は別格として扱われているようだった。これまでにエルドアン首相と共に行ってきた活動が何度も映し出された。ギュル大統領だけだろうか?いや違う。難局で舟を離れていった元同志も 全文をよむ

2012-10-02 Firet Bilaコラム:ギュル大統領からの警告 (Milliyet紙)

議会の第24会期第3立法年の初日に国民議会でアブドゥラー・ギュル大統領による演説が行われる直前、我々は与党、野党のもとへ足を運んだ。与党側ではみな笑みをこぼしていた。昨日の党大会の余韻が残っているようであった。与党側ではエルドアン首相も閣僚や議員と談笑しており、和やかな雰囲気であった。一方野党側は、議会初日にエルドアン首相に対する問責請求をするにあたって慌ただしい空気に包まれていた。本紙の記者達を昼食に誘ったコジャエリ選出のフルシト・ギュネシュ議員も含む野党第一党の幹部らは問責請求の準備と新立法 全文をよむ

2012-10-01 Oral Calislarコラム:見えぬ大統領選挙とAKPの今後―AKP党大会評 (Radikal紙)

「大統領選挙とその後のAKPはどうなるか」という問いの答えは、今後に保留された。      「(党大会で)首相は何か新しいことを語ったか」と問われたならば、我々は「取り立てて新しいことはない」と答えるだろう。この評価を公正発展党の執行部に伝えると、彼らは「首相は党の根幹を強調した演説したのだ」と言った。私たちがさらに食い下がると、彼らは「公正発展党2023年政治ヴィジョン」という書類を見せた。さらにこの書類の内容が63項に箇条書きされた2ページの要約を手渡した。      首相は混乱しているのだ 全文をよむ

2012-10-01 Aslı Aydıntaşbaşコラム:AKP党大会―完璧な運営、しかし驚きはなし (Milliyet紙)

私はいつも党大会に失望してきた。ここ数日「2023ビジョン」と朝から晩まで騒がれてきた公正発展党の党大会も大きな例外とはならなかった。      誤解しないでください。運営や段取り、規律などは完璧だった。党大会で顧問や大臣たちが夫婦で来ていたことには好感が持てた。マスード・バルザーニーやムハンマド・ムルスィーといった中東からの参加者も時代の精神に合っていると思う。      しかしおそらくここ数日流れたメディアの風潮のせいだろう、期待は非常に高まっていた。まるで共和国の今後の新たなページが開かれ 全文をよむ

2012-09-21 İsmet Berkan コラム:CHPのクルド問題への態度はどっちなのか (Hurriyet紙)

共和人民党(CHP)は、数ヶ月前に多くの積極的な取り組みを始めた。まず、与党の公正発展党(AKP)を始め、国会の全ての政党で組織される「解決模索委員会」の設置を呼びかけ、より正確にはこのような性格をもつ国会委員会を提言した。      この提言にAKPは前向きに回答した。平和民主党(BDP)も同様であったが、民族主義者行動党(MHP)は話し合いさえも受け入れなかった。CHPのケマル・クルチダルオール党首と、AKP党首のレジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、この提言について会談を設けた。その後AK 全文をよむ

2012-09-20 Eyup Can コラム:まさに悲劇的!―CHPの「政府PKK交渉文書」公開の舞台裏 (Radikal紙)

ハルク・コチは、ただのCHP(共和人民党)党員ではない。      政策全般の責任者を務める副党首である。      更に重要なのは、同党のスポークスマンであることだ。      こうなると、人々は気にする…。      クルド問題の解決について、何でもする用意があると何度も明らかにしてきたケマル・クルチダルオール党首率いる新生CHPのスポークスマンは、一年前にマスコミに公表された、エルドアン首相が受け入れなかったことにより署名段階に進まなかったある交渉文書を、血みどろの争いが起こり、安全保障政 全文をよむ

2012-09-11 Fikret Bilaコラム:トルコ軍の士気と成功 (Milliyet紙)

トルコは約30年間テロと戦っている。テロとの戦いは精神力(士気)がものをいう。命をかけて、昼も夜も、夏も冬も、山も坂も、都市も村も問わずにテロと戦っている兵士や警官たちの、最も重要な力は精神力である。これは自明であり、テロリストグループはまず第一に治安部隊の精神力を揺さぶろうとするのである。テロリストグループの流血を伴うテロ攻撃の一番のターゲットはこれである。可能な限りメディアを通して声明を発表し、自分達の仲間を鼓舞し、治安部隊の精神力を揺さぶること。このため、テロとの戦いにおける責任者がまず目 全文をよむ

2012-09-10 Abbas Güreşコラム:教育における最重要問題は何か? (Milliyet紙)

教育における最重要問題は何か?この問いへの答えは非常に難しいというわけではないが、まとめるのは容易ではない。なぜなら何百もの答えがあり、一人一人(その答えが)異なっているからである。そのため、教育の一般的問題の代わりに、今日は重要な問題を2つだけ取り上げたいと思う。      初めに、エルドアン大統領が年内に廃止すると発表した予備校について、次に、完全に無視されているトイレ問題についてである。      ■予備校は閉鎖か?      エルドアン首相が、首相である立場を超えて1人の祖父として予備校 全文をよむ

2012-09-09 Abbas Gucluコラム:教育新年度を前に (Milliyet紙)

70~80人の教室、午前中の生徒と午後からの生徒の分を合わせると16時間授業を行わなければならない学校、さらには辞令が出ていない4万人の教師と異動した6万人の教師。   さらに、十分な人員が配置されていないために少なくとも5万人の教師と離れ離れになる数千人の教師の家族。   いまだ報告書を求める保護者、予算不足で苦しんでいる学校長、修理がいまだに終わらないためどうしようかとうろたえている首長、基準の人数を超えた教師、そして新教育年度に向けて出された大言壮語、これら全ては思い出したくもない事柄だ。 全文をよむ

2012-09-07 Yilmaz Ozdil コラム:兵器庫・・・ (Hurriyet紙)

25人が犠牲に      環境森林水資源担当大臣は「インドやパキスタンでこうしたこと(兵器庫爆発事故)は起きる」と言っている。      そういうなら、そこへ行って大臣としての仕事をしなさいと言いたい…が、この大臣が馬鹿にしたインドやパキスタンは手榴弾をすてて、核兵器を手にしている。だからこうした悲劇は起きていない。   これらと似たような例を探すなら・・・   このようなことを経験した国が、別にある!      ■2009年1月…      バッシャール=アサドがボドルムに家族旅行で訪れ、我々 全文をよむ

2012-09-05 Semih İdizコラム:シリア政策でトルコ孤立―AKPに次の手はあるのか (Milliyet紙)

ダウトオール外相は、国連安全保障理事会でシリア問題、特に難民問題に関わる「緩衝地帯」について行動実施に移れず、発言の中に深い失望が現れている。      議長国フランスの招請を受けて安保理メンバーに、先週、シリア問題で緊急介入と援助を要請したダウトオール外相は、望んだ結果を残すことはなかった。同外相はその後「この会議がシリア国民のために具体的な提案を生み出すものと期待していたが、国連のシステムは機能していない」と非難し、失望を明らかにするのみだった。この発言の裏には失敗したという認識が明らかに見 全文をよむ

2012-08-23 Firet Bilaコラム:トルコの困難な日々―周辺国家とPKK (Milliyet紙)

クルディスタン労働者党(PKK)の企てたテロ活動をただ国内条件で語るだけでは不十分である。エスカレートするPKKの攻撃や政治的反響を当該地域の出来事と合わせ、全体像に目を向けなければならない。      ■「戦線」      近隣諸国で起きる出来事に関してトルコが取ったスタンスの結果、アンカラに対し当該地域の諸勢力からなる一つの「戦線」が形成されている。テヘラン、バクダッド、ダマスカスからなるこの「戦線」は、トルコに対し行使する手段を持っている。アンカラを特にシリアで無力化し、また内政で多忙にさ 全文をよむ

2012-08-22 Oral  Çalışlarコラム:BDPベシュタシュの「PKKは、武力放棄を」発言 (Milliyet紙)

メラル・ダヌシュ・ベシュタシュ平和民主党(BDP)副党首:「我が党としてはPKK(クルディスタン労働者党、非合法組織)の武装放棄と政治的行動を望んでいます。」      バイラム休暇中にガズィアンテプで多くの死傷者を出した襲撃は、社会全体から非難の目で迎えられた。この非難が、PKKに「我々は民間人を襲いません。襲撃にも一切関与していません」と言わせたのだろうか?      前例は皆さんも御存じであろうが、以前PKKが非常に反感を買う行動を起こした後に、今回と同様の説明をしたことがあった。時折「地 全文をよむ

2012-08-14 Cuneyt Ozdemirコラム:新PKKとのメディア戦 (Radikal紙)

新たなPKKのプロパガンダ的活動に直面した際、なすべきは規制ではなく、透明性(パブリシティ)を持った対処である。      映画「The Gods Must Be Crazy(邦題:ブッシュマン)」を覚えているだろうか?最近、PKKの新たな企みを検証していると、まずこの映画タイトルが頭に浮かんだ:「PKKは頭が変になってしまったに違いない」      ともあれ、最新のシェムディンリ攻撃により、PKK側では150人が死亡した。未だこの時のショックが癒えぬ中、今度は、PKKは初めて国会議員、よりによ 全文をよむ

2012-08-14 Firet Bilaコラム:PKKの目標は「主権」―国会議員誘拐 (Milliyet紙)

PKK(クルディスタン労働党、非合法組織)はCHP(共和人民党)党員でトゥンジェリ県選出のヒュセイン・アイギュン議員を誘拐し、脅迫の度合いを強めた。同テロ組織が国会議員を誘拐したのはこれが初めてである。この脅迫的のメッセージは、トルコでは誰も安全と言えないこと、テロ組織が国会議員を攫うほどの力と大胆さと勇気を持っているということだ。      ■主権のシンボル      PKKはこれまでに、兵士、ビジネスマン、教師、医師、村長、党組織の県や郡の支部長、副郡知事を誘拐し、国家権力のシンボルに組織的 全文をよむ

2012-08-11 Abbas Güçlüコラム:教育4+4+4制、最終判断はだれがするのか? (Milliyet紙)

教育制度において、ここのところ大きなプロジェクトが話題にのぼっている。全部でなくても、このうちのひとつだけでも実現できれば、非常に意味のある行政サービスとなる。   ひとつひとつ挙げてみたい;   -義務教育を12年とすること   -ファーティフ計画   -学費の無料化   -研究・開発局の設置やテクノパークの建設   等々、もっとたくさんのプロジェクトが挙げられる。失敗に終わったものは数にさえ入れてない。しかし、ここに挙げたすべてのプロジェクトについては、いかなる失敗も、失敗に追い込むようなこ 全文をよむ

2012-08-10 Deniz Zeyrekコラム:トルコ空軍偵察機はなぜ落ちた? (Radikal紙)

シリア領海で残骸の見つかったRF-4の部品が分析された。墜落に関する具体的な証拠はシリア側の「我々が撃墜した」という通告のみである。      シリア領海で残骸が捜索され、多くの努力によって重要な部分が取り出されたRF-4に関する噂がここのところトルコ政府内で出回っている。数々の主張の中には、政府が説明し、軍当局のレーダーをもとにした空路とアメリカが提出したレーダーの情報が一致していないというものもある。残骸の調査からは撃墜に関するいかなる証拠もみつからなかった。シリアによるトルコ軍機撃墜に関す 全文をよむ

2012-08-08 Oral Çalışlarコラム:AKPの危機と、イスラム派知識人 (Radikal紙)

イスラム派知識人らの反応は、自陣を成す新たな反対派の公正さと(表現の)自由を求める声の表れである。      「公正発展党(AKP)に政治的衰退が起こっているか」という問いは、今日においてさまざまな周囲が口にする所である。エルドアン首相によれば、すべて順調だという。アンケートをさらに議論する必要があっても、AKPを過去に支援し、投票し、党に希望を抱いた周囲が失望を深めているのは明らかである。      ある党が衰退に陥ることが、即座にアンケートもしくは投票に反映することはないかもしれない。衰退は 全文をよむ

2012-08-08 Fikret Bilakコラム:シェムディンリで続くPKKとの攻防 (Milliyet紙)

シェムディンリでは2週間以上衝突が続いている。PKKはシェムディンリを占領しようとこの攻撃を仕掛け、それに対し治安部隊が制圧を続けている。この間、政府サイドからは詳しい情報は発表されていない。シェムディンリへの出入りも規制されており、記者達も入ることはできない。   この状況下でCHP(共和人民党)調査団はシェムディンリに入り、市民や関係者と対面し、現状を把握しようと努めた。   私は、昨日CHP調査団のうちイズミル選出議員のアラッテティン・ユクセル氏とお会いした。ユクセル議員と現地の様子につい 全文をよむ

2012-08-07 Cevdet Askin コラム:PKKのハッキャーリ・チュクルジャ線上要塞同時襲撃の意味するもの (Radikal紙)

チュクルジャで5日に行われた攻撃は、PKK(クルディスタン労働者党・非合法組織)の指導者カラユランが「目標はボタン・ザグロス地域である」と示唆した計画の第二ステージが始まったことを示している。      ■アンカラ      ドアン通信社の報道によれば、PKKはハッキャーリとチュクルジャを結ぶ幹線道路沿いの、ハッキャーリ郡内にあるゲチムリ軍警察詰所、チュクルジャ郡カラタシュ詰所とダルシンキ高原にある軍の基地に対し一昨日の夜、同時襲撃をおこなった。   アブドゥッラー・ギュル大統領は、この襲撃につ 全文をよむ

2012-08-01 Cevdet Askin コラム:PKKとのシェムディンリ攻防が示すもの (Radikal紙)

ビュレント・アルンチ副首相がシェムディンリに関し、軍事作戦が続いていると言及するに留まっているのは、事態が深刻であることを示している。      誰が何を言ったのか?何をしたのか?何を意味するのか?      ■アンカラ      政府報道官でもあるビュレント・アルンチ副首相は、昨晩(7/30)行ったシェムディンリに関する会見で次のように述べた:「継続している軍事作戦は、治安部隊による必要不可欠なものである。この作戦の詳細を逐一明らかにする必要は無いと考えている。」   ユクセキオヴァ郡のイェシ 全文をよむ

2012-07-31 Murat Yetkinコラム:ギュル大統領再選問題のゆくえ (Radikal紙)

ギュル大統領は道を譲るべきだと考える公正発展党執行部に対し、ギュル大統領には大統領選挙についていくつか主張したいと思っている点がある。      大統領府のアフメト・セヴェル主席報道官が昨日ワタン紙においてルシェン・チュクル記者に行った、「ギュル氏はまた候補になり得る、させないことがあろうか?」という発言が、突如として政治的話題になった。   この発言をアブドゥッラー・ギュル大統領のあずかり知らぬところで行うのは不可能であると、セヴェル氏を知る者は言うが、当のセヴェル氏は、さらに、「再び大統領候 全文をよむ

2012-07-28 Oral Calislarコラム:クルディスタンを北シリアと呼ぶなら・・・ (Radikal紙)

バルザーニーも、タラバーニーも、シリア・クルド人もそれぞれ脅威の対象でなくなり、われわれが友好的で前向きな言葉をかけることのできる同盟者となりうる。      ダヴトオール外務大臣は、トルコの伝統的アプローチにもとづく「定義」により、シリア・クルディスタンを次のように呼んだ:「北シリア」・・・。「北イラク」という概念も我が国では(「北シリア」と)同様の認識のもと、通用している。自分たちの国会を持ち、大学を有するこの地域の、世界に広く知られている名称は「イラク・クルディスタン」であるが、トルコでは 全文をよむ

2012-07-25 Cengiz Candar コラム:シリア・クルド情勢に「予期せぬ展開」 (Radikal紙)

クルド問題に少しでも関心を持っている者なら誰でも、シリアのクルド人の最も重要な層がPKK(クルディスタン労働者党、非合法組織)に傾いていることは知っているだろう。      シリア・クルド人への不安感がトルコ社会を覆った。実際、昨日のラディカル紙の見出しは「予期せぬ展開」であった。さらに「シリアの西クルディスタンの動きがトルコに行動を起こさせた」という見出しがあった。   昨日の新聞では多くのコラムが同問題について取り上げていた。ラディカル紙の見出しを飾ったデニズ・エイレキ氏の署名入り分析では、 全文をよむ

2012-07-22 Derya Sazakコラム:エルゲネコン裁判の行方 (Milliyet紙)

ノクタ誌にてオズデン・オルネキ元海軍司令官のものであると主張された「日記」を報じた雑誌の元編集長であるアルペル・ギョルムシュ氏が、エルゲネコン裁判に証人として出廷した。   アルペル・ギョルムシュ元編集長が語った内容の中では、イスタンブル県第13重罪裁判所長官の発言も衝撃的であった。   タラフ紙が報じたニュースによれば、ヒュスニュ・チャルムク裁判所長官は、当時の軍警察総司令官シェネル・エルイグル氏から入手した資料の中の「オズデン・オルネキ関係」という見出しの文書をアルペル・ギョルムシュ元編集長 全文をよむ

2012-07-21 Semih İdizコラム:エルドアンのロシア訪問と、シリアの今後 (Milliyet紙)

エルドアン首相はシリア問題についてロシアを説得できなかった。できなかったどころか、モスクワはトルコを一定程度、自身の側へ引き込むことに成功した。エルドアンがモスクワでジュネーヴ会議への支持を語ったことがこれを示している。      エルドアンがシリアの一体性の維持を重視していることを表明し、モスクワは満足した。トルコの治安の観点からも、中東(情勢の)安定という観点からも致命的なことであるが故、アンカラはこのことをより頻繁に主張すべきだ。         公正発展党(AKP)のヤシャル・ヤクシュ元 全文をよむ

2012-07-20 Ahmet Hakanコラム:保守系女性の必携雑誌アーラー誌、インタビュー (Hurriyet紙)

『アーラー』誌は保守的な女性にとって『Vouge』のような人気雑誌である。      私は長いこと、この雑誌の編集者であるフュルヤ・アスランさんと全く会うことができなかった。   そして、ようやく会う機会に恵まれた。   フュルヤ・アスランさんは雑誌にのせるべく、私に長いインタビューを行った。      フュルヤさんは「アーラー誌についてどのようにお考えですか?」と私に尋ねた   私はこう答えた。   「慎みと質素さを説き、贅沢品を控えるよう助言する。こういう考えが、ファッションという華かやな世 全文をよむ

2012-07-18 Abbas Güçlüコラム:大学入試、「試合途中のルール変更に、ノー」 (Milliyet紙)

試合途中のルール変更の是非を問う議論に、行政裁判所は終止符を打った。しかし高等教育機構(YÖK)は、今回もどこ吹く風なのか?さらに重要なことは、行政裁判所が執行停止を決定し、元の入試方法に戻ると、どんな問題が表面化するか?法律専門家の以下のような見解に、受験生は怒りを抱くだろう。   そうならないことを望むが・・・。      ■YÖKは法律を知らないのか?      その過程を再考する必要がある:      大学入試の採点の際、中等教育の修了成績のみか、それとも中等教育修了成績とともに高等教育 全文をよむ

2012-07-15 Mehveş Evinコラム:エユプの人びとはなぜ急にアルコールに敏感になり始めたのか (Milliyet紙)

どうして5年前のサントラルキャンパスの「アルコールOK」の開会式に参加した(イスタンブル金閣湾奥の)エユプの人々は、突然「敏感さ」を思い出したのだろうか。 ワン・ラブ・フェスティバルに抗議しているのは誰なのか。音楽祭を「酒と売春」の視線で見る人たちの言い分が通ったら、(一体)どうなるのだろうか。      ビルギ大学のアリベイキョイにあるサントラルキャンパスの開会式は、学生や招待客だけでなく、市民にも開放されていた。私は夜行われた式典に参加したため、 良く覚えている。エユプの人々は家族みんな集ま 全文をよむ

2012-07-15 東京モスクの建設にアタテュルクは関わっていない (Zaman紙)

あたりは伝説にあふれています。ミーマール・スィナンが、皇女ミフリマーフに恋をし、会うこともかなわず、彼女のために二つのモスクを建て、愛をチュールのカーテンに託してモスクの壁につけた、というものもあります。      私たちが噂さえ知らない、その架空の愛に関する小説さえも書かれてしまいました。      そしてまた彼らは思い立ちました。なんとアタテュルクが東京モスクを建設したと言っています!アタテュルクはパリ・モスクに年に1万フランを送り、一方で東京モスクも建てたらしいです。詩人というより、「伝説 全文をよむ

2012-07-14 Sami Kohenコラム:深まる謎―トルコ軍機はどうして落ちた? (Milliyet紙)

シリアによる「軍機撃墜」の発生から3週間後、最近行われたいくつかの説明は、この悲劇的な事件を解明するというより、かえって混乱をもたらしている。トルコ軍機がどのように撃墜されたのかに関し、何日もの間、無数のシナリオがつくりだされ、憶測がなされている。   しかし、この事件が、複雑で近代的な軍事技術に関する専門的な知識を必要とするような方向に向かうのを(そのような観点で語られることを)我々は望んではいない。この問題に関し現在調査を行っている専門家が、最終的に事実と真実を明らかにすること、そして世論に 全文をよむ

2012-07-09 Ali Bulac コラム:(保守派の立場から)宗教教育を考える (Zaman紙)

イスラム神学と思考の真の伝統から見た時、「神」の本質と本性から生じる神学という意味での「イラーヒヤト」が法的根拠が無いのと同じように、イスラムと世俗の国家が社会全体に課する総合的・標準的・規定の「宗教教育」も(本来国が)憂うものでも、仕事でもない。      「宗教教育」は、基本的に「キリスト教的ヨーロッパが惹起」した世俗的知識・教育・生活観念の産物である。一極では、「世俗/非宗教的な」世界、反対の極には「宗教/神聖な」世界がある。      この件の神学上の理論的な議論はさておいて、「宗教教育 全文をよむ

2012-07-09 Semih İdizコラム:AKPにとってシリア問題からの「教訓」 (Milliyet紙)

ヒラリー・クリントン国務長官がシリア問題でロシアと中国に向けた激しい批判は、この問題が、アメリカとロシアが対峙する新しい東西対立の、もっとも重要な抗争の領域に変化しつつあることを示している。      クリントン長官は、金曜日にパリで行われた「シリアの友」会議のなかで、この2国がアサド政権を支援しており、このために「代償を払う必要がある」と述べた。これは、想像どおり、ロシア政府と中国政府を激怒させた。両国政府がクリントンに示した反感から、そもそも「シリアの友」の名ももとに集まったグループを拒否し 全文をよむ

2012-07-09 Pinar Oguncコラム:家の中だけのクルド人、Twitterの中のクルド人、クルトルコ語 (Radikal紙)

トルコ語による「クルド人の物語」は常に暴力によって彩られてきた。『クルド国民(訳者註:クルド人たるトルコ国民)』(イレティシム出版)という本はこうした「中傷的、差別的なもの」からほど遠く、描写は真実に則している。   以前、あるブログで読んだ。メフメト・セルハト・パラトソイ氏は、大人になって学んだ自分のクルド語が子どものクルド語に及ばなくなったと書いていた。パラトソイ氏は自分の子どもたちに母語を身に着けてほしいと思っているが、彼自身のクルド語の語彙は5歳の息子と変わらない。歳のせいで言語の記憶力 全文をよむ

2012-07-01 Derya Sazakコラム:ザナとエルドアン (Milliyet紙)

10年間刑務所で過ごした後、2011年総選挙で国会入りしたディヤルバクル選出無所属国会議員レイラ・ザナ氏が昨日エルドアン首相を来訪した。      ザナ氏とエルドアン首相の会談は1時間30分続いた。   会談には、2009年から今まで「クルド問題の民主的解決」のプロセスの責任者であるベシル・アタライ副首相も参加した。   レイラ氏は会談に、共に闘ってきた故オルハン・ドアン氏の追悼式でよまれた「永遠に続く戦争はない。この地に平和は必ず訪れる」というメッセージとともに臨んだ。   南東アナトリアでテ 全文をよむ

2012-06-30 Cevdet Askinコラム:PKK、ザナに「最後通牒」 (Radikal紙)

カンディル(PKK)は昨日(6月29日)発表した声明で、今日(30日)エルドアン首相と会談するレイラ・ザナ議員に対し、名指しはせず暗に警告した。同組織は、「我々と敵対したくないならば会談に行くべきではない」とのメッセージを発した。      レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、昨日(29日)エルズルムでスピーチを行い、「東の親愛なる司令官アイユーブ朝のサラーフッディーンの子孫たちは、もはや駒であり下請けでしかないこの組織に、必要な答えを与えるべきである。クルドの同朋たちは、テロ組織の最近の攻撃 全文をよむ

2012-06-30 Semih İdizコラム:AKPを苛立たせること (Milliyet紙)

シリアの問題について好ましくないことを執拗に尋ねたコラムニストたちをエルドアン首相が国民の目の前で「裏切り者だ」と訴えたにもかかわらず、この疑問は問われ続けている。さらには、この疑問は国際的なレベルにおいても問われ続けている。       例えば、世界で最も評価を受ける新聞であるニューヨーク・タイムズ紙に掲載された記事によると、シリアによって撃墜されたトルコの飛行機は政府が明らかにした任務以外のためにあの場にいた、とアメリカとその同盟国の首脳は疑っているというのだ。       手短に言うと、エ 全文をよむ

2012-06-28 Fikret Bilakコラム:戦争にひきずりこまれてはいけない (Milliyet紙)

トルコは、シリアと再び戦争の危機に直面している。最初は14年前、オジャランをめぐって戦争の危機を迎えた。シリア政府はオジャランをシリアから追放した。トルコはシリアのこうした姿勢をみて、軍を引き上げた。   今再び戦争の風が吹いている。シリアは故意にトルコ軍用機を撃ち落とし、戦争のリスクを犯す覚悟があることを示している。   今回、原因はオジャランやPKKではなく、バッシャール・アサド シリア大統領の「生き残り」を賭けた戦争である。この文脈の中で、トルコとの戦争さえあえて犯そうとするほど、歴史の必 全文をよむ

2012-06-25 Sami Kohenコラム:トルコにとっての対シリア選択肢 (Milliyet紙)

シリアがトルコの戦闘機を撃墜したことについて多くのことが言われ、また、書かれている。しかし、人々の心の中には、まだ、もっと明確な答えを待っているいくつかの問いがある。   事件の軍事的・技術的側面については、複雑であるため、この動きにおける議論は確実に、まだ続くだろう。   しかし、戦闘機がどのようにして、そして何故撃墜されたかという点については、二国間、あるいは国際レベルにおいて、考えられ得る結論を導き出す段階に入っている。   公式宣言の全ては、トルコはシリアに対して感情的な行動を起こすつも 全文をよむ

2012-06-22 Huseyin Guzerlceコラム:カンディル攻撃の前に・・・ (Zaman紙)

参謀本部総長ネジデト・オゼル大将は、大統一党(BBP)ムスタファ・デスティジ党首と党員らを引見し、「なぜカンディルを攻撃しないのか」との質問に答えて、「3つの条件がある」とした。(この件について参謀本部が発表した後、私はデスティジBBP党首と面会した。)       1.国家の決定がなければならない。   2.米国はこの地方から撤退したが、イラクでの影響力は今も続いている。(よって、米国はもちろん)国際社会をも納得させる必要がある。   3.見込まれる大被害に、市民が心の準備をしないといけない。 全文をよむ

2012-06-20 Fikret Bila コラム:いいテロリスト、悪いテロリスト―PKKの武力闘争と「和平」 (Milliyet紙)

PKK(クルド労働者党、非合法組織)がハッキャーリ県のダールジャでイェシルタシュ駐屯所を襲撃、結果8人が殉死した。殉職者と親族の皆様にお悔やみ申し上げると共に、負傷した兵士の回復を祈ります。   PKKは去年もイェシルタシュ駐屯所の工事現場を襲撃、2人の労働者が殉死している。5年前の2007年にもダールジャの軍隊に襲撃が企てられ、この時は12人の兵士が殉死、8人が攫われている。この襲撃はラバで運ばれた重火器で行われ、テロリスト一団の映像も公開された。   昨日PKKは再び同じ方法で同じ場所を襲撃 全文をよむ

2012-06-15 Cevdet Askinコラム:ザナ地震―「エルドアンに期待」発言の波紋 (Radikal紙)

昨日ヒュッリイェト紙に掲載されたディヤルバクル独立国会議員のレイナ・ザナ氏の発言を読んでの私の最初の感想は、「これは断絶だ」であった。数分後、本紙編集部の丸テーブルに伝えらえた、セラハッティン・デミルタシュBDP共同党首がフラト通信に語った「首相に期待する人は誰であろうとまったく単純だ。AKPのような考えを持っているということだ」という言葉は、これを証明するものだろう。   非常に明確である。ザナ氏が何か別の目的を持っているとしても、クルド問題への言及を避け、さらに解決に向けた提案も個人的、文化 全文をよむ

2012-06-13 Fikret Bila コラム:クルド語選択授業化とBDPの反対 (Milliyet紙)

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、昨日の公正発展党(AKP)の会派会議において、クルド語が第5学年から選択授業となることを発表した。そして、この決定が「歴史的一歩」であることを強調した。   クルド語が教育システムに選択授業として加わることは以前から明らかだった。オメル・ディンチェル国民教育大臣もこの可能性について言及していた。クルド語が「国民教育」システムに選択授業として加わることは、選択授業であっても、疑いの余地なく重要な転換点である。   この決定によって、政府が一方で平和民主党(BD 全文をよむ

2012-06-13 Eyup Can コラム:ラディカル版クルド問題賢人会議メンバー表を考える (Radikal紙)

ラディカル紙のコラムニストと読者の(「賢人メンバー表」が大きな波紋を呼んでいる。そのリストを一方的だと見る者も、とことん支持するという者もいた。      [訳者注:CHPクルチダルオール党首がエルドアン首相とのトップ会談で「賢人会議」設立を提案した。それをうけ、ラディカル紙があげた、「賢人メンバー表」の記事はこちら。]   http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20120612_080836.html      この賢人達とは誰のことなのか。  全文をよむ

2012-06-11 Mustafa Armagan コラム:億万長者アタテュルクの財産 (Zaman紙)

あなたは、アタテュルクがかつてホテル、遊園地、炭酸水製造所、ワイン工場、皮革工場、2つのパン屋、4軒のレストラン、そして443頭の畜牛、13,100頭の羊、さらに2,450羽の鶏を所有していたことをご存知ですか?      アタテュルクの財産の存在については、それが贈与された1937年から知られていたが、1968年に至るまで議論されることはなかった。フェトヒ・ナジが、1968年に著した『100の問題におけるアタテュルクの基本的見解』と題した本で、この問題が取り上げられた。ドアン・アヴジュオールは 全文をよむ

2012-06-10 Derya Sazakコラム:武装放棄 (Milliyet紙)

エルドアンとクルチダルオールの会談で生まれたクルド問題解決の新たな希望と同様、重要な発表がベシル・アタライ副首相からなされた。   アタライ副首相はCNNトルコの番組でハンデ・フラト氏に対し、「北イラクでの武装解除、武器回収に向けた会談が行われた」と述べた。   政府は最近、(北イラク・クルディスタン自治政府の)バルザーニ政権との関係の発展に向け一連の行動を起こした。      マスード・バルザーニ大統領はアメリカからの帰途、トルコを訪れた。首相・大統領との面会という最高レベルの待遇を受けた。そ 全文をよむ

2012-06-10 Fikret Bila コラム:期待されるCHPの役割とは? (Milliyet紙)

ケマル・クルチダルオール共和人民党(CHP)党首がテロとクルド問題についてレジェプ・タイイプ・エルドアン首相を訪問した後、いくつかの期待が生まれた。   デヴレト・バフチェリ民族主義者行動党(MHP)党首の四党委員会反対を受けて、与党内の党派はCHPとの二党委員会結成の提案への答えを待っている。   クルチダルオール党首の訪問と提案は、エルドアン首相に非常に重要視されている。   政府は今後のステップがCHPとともに結成される共同委員会の試みによって具体化することを望んでいる。しかし、このような 全文をよむ

2012-06-09 Ismet Berkan コラム:F教団と政府の対立の行方 (Hurriyet紙)

フェトフッラー・ギュレンの思想を核に集まっている人々は、自分たちのやっていることとを「社会奉仕(ヒズメト)」と呼んでもらいたいと言っている。      この大勢の人々のやっていることを見てみると、ほんとうに、そのほとんどが「社会奉仕」であることがわかる。学校、病院、援助組織、社会支援組織・・・・。しかし、こうした全「社会奉仕」活動の核心には、宗教的な対話のための集会がある。このために、「教団(ジェマート)」という名称が広く用いられている。さらには、「The 教団」という本さえ、書かれた。     全文をよむ

2012-06-07 Ismet Berkan コラム:F教団と政府の戦場、「特別権限法廷」 (Hurriyet紙)

実は、全てのことが奇妙に始まった。政府の運輸交通大臣が新聞記者と話しているとき、刑事裁判法の第250条が変更されると述べたのだ。刑法第250条とは、例の有名な特別権限法廷を設け、それらの権限の範囲を規定する条文である。      発表を法務大臣ではなくて、運輸交通大臣が行った。なぜだろうか。その後、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、運輸交通大臣の発表を認めて、「ええ、変更します」と述べた。      しかし、まだ首相が発表を認めていない際に、騒ぎが起こっていた。フェトゥッラー・ギュレン教団に 全文をよむ

2012-06-06 Fikret Bila コラム:3政治リーダーのクルド問題への見方、整理 (Milliyet紙)

エルドアン首相と、共和人民党ケマル・クルチダルオール党主により、テロおよびクルド問題に関して今日行われる会見は、重要な進展とみられている。この会見に先立ち、政治リーダーらのテロとクルド問題への見方を要約しておくことは、役に立つだろう。      ■エルドアンの見方      エルドアン首相は、2005年にディヤルバクルで行った演説で、「クルド問題は存在する。これは、(力ではなく)民主主義により解決するものだ」と発言し、この問題への見方を明らかにした。      それならば、なぜ近年エルドアン首相 全文をよむ

2012-06-03 コラム:エルドアンはディヤルバクルで何を言ったか―党支部大会での発言 (Milliyet紙)

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相がディヤルバクル党支部大会の演説で何をいうかは、注視されていた。とくに、首相が2005年に行った演説と似た発言をするかどうかが関心をもたれていた。結局、首相は2005年におこなったような演説はしなかった。そもそも、そのような演説をしないであろうというサインは、すでに示されていた。      ■クルド問題の大部分は解決      首相の最近の演説からもわかるように、クルド問題の大部分は解決済みだと首相は考えている。そのため2005年にしたような演説はもはや必要ない 全文をよむ

2012-06-02 Lagendijkコラム:中絶問題政治化のゆくえ (Zaman紙)

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、中絶を殺人に例え、「すべての中絶は、ウルデレ事件同然だ」と主張した。『議論を混乱させる最良の方法』というマニュアル本があったなら、首相のこの発言は掲載間違いなしだろう。      私自身は、AKP党首の中絶についての発言を、「民主的保守主義」からさらに問題のある「国家的保守主義」への流れの一部として見るヤブズ・バイカル氏のような評論家に概ね賛成である。しかし、本欄でこのまったく感情的で盲目的な発言の裏にある理由をひたすらに述べようとは思わないし、この上なく残 全文をよむ

2012-06-02 Oral Calislar コラム:AKP、社会改革、イスラム系知識人 (Radikal紙)

イスラム系知識人は、ある深刻なジレンマに直面している。広範囲な層に広まっている心理的なジレンマが存在しているのだろうか。      あらゆる権威主義は、内部の緊張状態、私的分野に対する干渉の懸念、そして新たな政治分裂を不可避のものとして内包する。目下は、「堕胎」と「中絶」についての議論が目立っているけれども、政権の権威主義化の兆候はもともとクルド問題ではじまっており、ウルデレ虐殺で風向きが変化したのだった。      ■ザラコル氏、エルサンル氏の逮捕      公正発展党(AKP)は、まず「自由 全文をよむ

2012-05-31 Yurat Yetkin コラム:トルコ・イスラエル・シリア―政治的緊張の軽減期待できず (Radikal紙)

我々が行き着いたのはここである。昨日トルコは、欧米の同盟諸国に倣い、駐シリアの外交団を全員召還した。      今日は、マーヴィ・マルマラ号の悲劇からちょうど 2年目にあたる。イスラエル軍によるガザ封鎖を打破するために出航したマーヴィ・マルマラ号をイスラエルが攻撃し、9人のトルコ人を殺害してから、2年が経った。      政府が人権・自由・人道支援財団(İHH)から借用したマーヴィ・マルマラ号が周囲からの警告を無視して航行を続ければ、イスラエル軍の襲撃を受けると予想できていたにもかかわらず、航行 全文をよむ

2012-05-28 コラム:もはや公正発展党とは、イコール、タイイプ・エルドアンだ (Milliyet紙)

どうしてセイランテペのTTアリーナスタジアムに地下鉄で行こうなんと思いついたのか自分でもわからないが、ほんとうにそうしてよかった。でなければ、隣に座って、私に「君も、タイイプ大好き病なの?」ときいたムラトと知り合うこともなかったろう。      ムラトは、ハンサムで、今風。とても紳士的、イマーム・ハティーブ高校の出身で、彼の言葉の通りにいえば、「イマーム・ハティーブ高校の出身ってことで、ひどい目にあってきた」一人だ。エルズンジャン出身だがイスタンブル育ちで、民間企業で働いている。公正発展党(AK 全文をよむ

2012-05-27 Cengiz Candar コラム:ことに北イラクのクルド石油問題がからむと・・ (Radikal紙)

「トルコとクルド自治政府の仲はここのところ非常に接近しているが、そうした親密さの中に(事を簡単には済まさせない)『PKKという不安定要因』が見受けられる。      トルコの、中東地域の、または直接的に言えば「クルド問題」の将来に関わる非常に重要な進展が起こっており、これらは、トルコにおいてウルデレ事件に焦点を当てた議論がなされるなかで、また「政治の失政」ばかりが羅列される昨今において、陰に隠れているのだ。   北イラクのクルド自治政府は、数日前に、トルコへ100万バレルの石油を運ぶパイプライン 全文をよむ

2012-05-26 Ali Bulac コラム:サイイド・クトゥブとトルコ・イスラーム (Zaman紙)

ムスリム同胞団の出現とトルコにおける社会的イスラム運動との間には、興味深いつながりと、程度の差こそあれ、様々な類似点がある。      ムスリム同胞団は、1928年にハサン・アル・バンナー指導の元「政治的運動」として出現した。政治には間接的に関与していた。これは、エジプトが植民地統治の元にあったためであった。植民地統治下で行われるべき最も重要な仕事の1つは、もちろん植民地主義に対する戦争であり、植民地主義と闘うことであった。これが第一の目的である。それに並行して、おそらくはそれよりも前に行われる 全文をよむ

2012-05-20 コラム:NATO首脳会議出席のギュル大統領、インタビュー (Hurriyet紙)

今年で、トルコがNATOに加盟してから60年になる。アブドゥッラー・ギュル大統領は、NATO首脳会議のためにアメリカはシカゴに滞在している。      金曜日、アンカラからシカゴへ向かう途中、ギュル大統領と話した。火曜日までシカゴで続けて二つの首脳会議が行われ、計60の国と国家首脳が会議に参加する。一日目はNATO通常会議、二日目はNATOが現在も継続している最大の責務であるアフガニスタンに関する会議が行われる。   NATOで話し合われる議題に、まずミサイル防衛計画の現状が挙げられる。主に技術 全文をよむ

2012-05-20 Fikret Bila コラム:アタテュルク、サムソン上陸の日、5.19の精神 (Milliyet紙)

ムスタファ・ケマル・アタテュルクがサムスンに上陸した1919年5月19日。この日は、トルコ国民だけでなく、すべての抑圧された国々にとって国家の自由と独立の道への第一歩が刻まれた歴史的な日である。   1919年5月19日は、トルコ国民にとって救国と独立の精神を象徴するものである。アナトリアの人々はこの精神で以って、アタテュルクのリーダーシップの下、独立戦争を戦い、国民としての自覚をもちつつトルコ共和国の基礎を築いていった。このことから、完全な独立を象徴する5月19日は、国民の祝日として祝われるに 全文をよむ

2012-05-18 コラム:「おまえはギリシャ人か」、ヨーロッパで広がるギリシャ・ジョーク (Milliyet紙)

ドイツから友人がやってきた。ギリシャの状況について、ドイツでの反応を語ってくれた。「あ~あ、ギリシャよ、あ~あ!」と思った。なぜかって?      彼が語ってくれたことを、紹介しよう。      ピッチで走らないサッカー選手に監督が一言、「おまえは、ギリシャ人か!走らないで、金を稼ぐ気か?」      たらたらしている作業員に現場監督が一言、「ここはギリシャじゃないんだぞ。働かないなら、給料はないぞ。」      こんなのもある。      通りで乞食にあうと、「金は全部ギリシャにやったんで、お 全文をよむ

2012-05-08 Abbas Güçlüコラム:学校牛乳問題を考える (Milliyet紙)

騒動に発展していない問題は牛乳のみとなっていたが、我々の身勝手が過ぎた結果、同問題に至っても騒動に発展している。しかも何たる騒動だ。エルドアン首相も、問題を紛糾させまいと論争に加わったのだ、自ら名乗りを上げたのである…。我々はほぼ全ての問題で論争せざるを得ないのか?一方が批判すれば、もう一方は必ず弁護することを余儀なくされるのか?もううんざりだ。      牛乳といった至極重要な問題でさえ合意に至れないのであれば、我々はどの問題で折り合いをつけるというのか?牛乳に関して、いくつか問題が発生してい 全文をよむ

2012-05-03 Hasan Cemalコラム:平和・共存のメーデー祭典に政府は追いついていない (Milliyet紙)

今年の5月1日が大いに盛り上がり、何事もなく過ぎていったことや、社会的多様性が明るく反映されたことは喜ばしい。「通常化」、「成熟」というにふさわしい。しかし、この国で政府は未だ後方にいる。なぜなら今も、自由によって国民一人一人をでなく、禁止によって政府自身を守り続けているからだ。      今年の5月1日が大いに盛り上がり、華々しい雰囲気の中で無事終わったこと、あらゆる社会的多様性が明るく反映されたことは喜ばしい。   正常化、成熟と言うのにふさわしい。   自由が広がるごとに、誰もが望んだよう 全文をよむ

2012-04-27 Derya Sazakコラム:逮捕拘留中国会議員問題を考える (Milliyet紙)

昨年の6月12日の選挙からおよそ1年ほどにわたって解決されなかった「逮捕拘留中の国会議員」問題に、ついに法的措置で合意に至ったと伝えられた。刑事裁判法の第100条にある逮捕を要さない「例外規定」の中に国会議員が含められる模様だ。法律が改正されればエルゲネコン、バルヨズ、クルディスタン社会連合トルコ議会(KCK)などの裁判で勾留中の8名の国会議員が釈放される。      4月23日の特別会議で共和人民党(CHP)のケマル・クルチダルオール党首はこの問題を「民主主義の恥だ」と発言した。(同日の)トル 全文をよむ

2012-04-23 Sami Kohenコラム:トルコは中東でどこまでできるか (Milliyet紙)

ここ数年間でトルコが中東の「地域大国」となったことは、誰もが認める事実である。   これには様々な要因が存在するが、その中でもトルコの政治の安定化、経済力の成長、活発な外交政策が主たる要因として考えられる。また公正発展党政権が―多かれ少なかれ党のイデオロギー的傾向のために―中東の国々に強い親近感を抱いていること、そしてリーダー的役割を担うことを望んでいることが、これに大きく寄与していることは間違いない。   こうした要素によって、確かにトルコは中東で発言力を持ち、影響力を感じさせる大国になること 全文をよむ

2012-04-22 Cuneyt Ozdemirコラム:スカーフを着用した首相は認められるか? (Radikal紙)

スュメッイェ・エルドアン氏は、実政治の真ん中で、スカーフに関するすべての先入観を打ち砕いている。      近年、エルドアン首相の隣に透明人間がいる!ほぼすべての公式訪問に、何十人もの記者とともに参加していたにもかかわらず、いっこうにその姿が見えない。名前も言及されない。各国のリーダーたちとエルドアン首相が写った写真に彼女がいないと、私たちも彼女はそこにいないのだろうと考える。しかし、この状況を昨日ついに、ヒュッリイェト紙のコラミニスト・タハ・アクヨル氏が破った。彼は、エルドアン首相と共に行った 全文をよむ

2012-04-21 Murat Yetkinコラム:エルドアン・バルザーニー同時発言の意味―クルド問題 (Radikal紙)

マスード・バルザーニー大統領がアンカラで、エルドアン首相が同時刻にカタールで、それぞれ行った会見の間には、2つの重要な類似点がある。      北イラク・クルド自治政府のマスード・バルザーニー大統領が昨日(20日)アンカラで、タイイプ・エルドアン首相がほぼ同時刻にカタールで、それぞれ行った会見の間には、2つの重要な類似点があった。   第1の類似点は、双方ともPKKにはっきりと武装解除の呼びかけを行ったことである。これについては新しい点ではないと言える。結果的に両指導者とも以前にも別々の機会にこ 全文をよむ

2012-04-17 Ahmet Inselコラム:「2.28過程」捜査から左派を考える (Radikal紙)

80年クーデターには左派全体で容赦なく対抗した。しかし「2月28日過程」で左派の多くが拱手傍観していたのは、おそらく反抗の矛先が自分達に向いていなかったからであろう。      「2月28日過程」での軍部介入に関する捜査が開始された。民主化に身を投ずる誰もが片時も立ち止まることなく支持すべきこの捜査では、西方研究会というトルコ国軍内部で組織された軍事政権の類のグループが対象となっている。この捜査では、こうした組織を支持した者、その存在を黙認していた当時の軍部や政府の指導者らも対象となる見込み 全文をよむ

2012-04-17 Kadri Gürselコラム:シリアは第二の北イラクとなるのか―クルド問題 (Milliyet紙)

トルコ政府の頭の片隅には常に、シリアにおけるクルド人をめぐる状況に関する二つの懸念が存在していた。   反政府運動がシリアに波及してからしばらくしてトルコ政府とシリアの交渉が決裂すると、この懸念は現実の憂いとなった。   第一の不安は、シリア国内のPKKである。これに関しては二つの点を考慮する必要がある。すなわちPKKがシリアのクルド人層から集めている支持と、PKKに対するシリア政府の援助である。   また、次のような三つ目の点も存在するだろう。すなわちPKKがシリアのクルド人居住地域でシリア政 全文をよむ

2012-04-15 Mehveş Evinコラム:海外旅行は禁じられているのか (Milliyet紙)

世界で最も高価なパスポートを所有し、西欧のビザ取得に長い間苦しんできたトルコ共和国市民が受けている刑罰は、未だ続いている。国外への出国に対する手数料と言われる税に対し、今さらに値上げが行なわれようとしている!      5年間のイギリス滞在を認めるビザが満期を迎えたため、新たに発行してもらおうとしたが諦めるほかなかった。もはや法外な料金にまで達したビザ手数料を目の当たりにした。かつての夫の住所を含め、そのような感じの悪いプライベートに関わる詳細まで尋ねてくるものだから、「イギリスのビザ?もう結構 全文をよむ

2012-04-12 Fikret Bilaコラム:1997年「2月28日過程」とは何だったのか (Milliyet紙)

チェヴィキ・ビル第二参謀総長を含む28名の退役軍人が逮捕されると同時に「2月28日過程」の司法過程は始まった。アンカラ特捜次席検事のヒュセイン・ギョリュシェン氏は、容疑者のうちの3人は国外にいるため、逮捕者数は28名になったと述べた。      ビル第二参謀総長と共に逮捕された他の退役将校を見るに、第一捜査が西方研究会と関係しているとわかる。逮捕された人たちの共通点は、西方研究会で任務にあたっていたということだ。      以前に開始され起訴に繋がった捜査同様に、2月28日捜査は更に広がりを見せ 全文をよむ

2012-04-10 Iskender Palaコラム:保守派芸術のマニフェスト (Zaman紙)

共和国史始まって以来、文化や芸術といった話題は常に政治的話題の物陰にあったが、非常に有難いことに、我々は社会が文化及び芸術に関する見識の獲得を求め、また保守派芸術を論じる時代を迎えた。      マズローあるいはイブン・ハルドゥーンの必要不可欠な欲求及び成熟欲求の理論が示している経済的自足の敷居の高まりがその理由である。我々は、この議論が合理的かつ生産的なレベルで行われることが大変重要であると考えている。      敬愛すべきムスタファ・イセン氏の「保守層が如何なる民主主義の理念を掲げようと、我 全文をよむ

2012-04-06 Orhan Kemal Cengizコラム:不完全な9.12(1980年クーデター)裁判 (Radikal紙)

9.12裁判が、十分に深く、広範囲に及んで行われていたら、それぞれに関連性のある3件の異なる裁判が開かれるのを目の当たりにすることができたであろうに。   1981年に米国の首都を訪問したアルゼンチン人大将のロベルト・ビオラ(大統領)は、全世界で軍事独裁者たちが自分たちを弁護するために使ったあの有名な主張を持ち出した。「成功を収めた軍は裁かれない。」   ケナン・エヴレンが、クーデター後に成立した「政権」は裁かれないと主張したように…。エヴレンは、世界の別の場所で、過去によく使われ、有罪の宣告を 全文をよむ

2012-03-30 Fikret Bila コラム:4+4+4制度の問題点、整理 (Milliyet紙)

「国民」という最初の言葉からも明らかなように、教育は社会の今日と明日に関わる土台となる分野の一つである。教育分野で進められる法律の修正が、社会的・政治的な妥協によらねばならないのは、こうした特徴による。      国民教育委員会でもそうであったように、殴り合いにまで発展した喧嘩の中で国会本会議を通過した新教育法は多くの問題を抱えている。      新制度の問題点は以下のとおりである:      準備段階   1-修正が法案ではなく、提案として国会に持ち込まれたことからも明らかなように、この問題は 全文をよむ

2012-03-28 Abbas Güçlüコラム:もう十分、めちゃくちゃ―教育改革の混迷 (Milliyet紙)

トルコでは数ヶ月にわたって教育が議論されている。国民的祝日(における祝典の縮小)に始まり、私服登校、タブレット端末配布計画、そして今は4+4+4制、学力試験と塾。教員たちの悩みの種を蒸し返したいわけではない。彼らはすでに疲弊しているのだから。   混乱は今、生徒と保護者にまわってきた。学力試験と塾の問題で頭が混乱しているので、自分たちが今後どうすればよいのか分からない状態である。彼らがすぐに答えを出してもらいたいと思っている問題は次のものである。   ・ (こどもたちに)試験勉強を続けさせるべき 全文をよむ

2012-03-24 Cengiz Candar コラム:新クルド解決策は、無意味 (Radikal紙)

平和民主党(BDP)へ脅しは禁物だ。反対に、BDPをイムラル島(オジャラン)及びカンディルとの合法的な連絡手段とするべきである。      「クルド問題に新戦略」又は「国家の新クルド解決策」などと、各新聞がアンカラ政府筋の話として報じたことがらは、トルコにとって時間の無駄と、残念ではあるが更なる死者を出す以外の何ものでもない。あり得ない。そもそも、「政治的」問題の解決策は、「安全(治安)第一」政策を唱えれば必ず、安全でなくより多くの死者が出る結果となった。   そして、もちろん、問題の解決という 全文をよむ

2012-03-22 Fikret Bila コラム:クルド問題、政府の新・解決策 (Milliyet紙)

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、リベラル派と自認する人々から、安全保障対策に偏っていると批判されている。PKKが武力闘争を続け、流血をやめず、ノールーズを血塗られたものにするという指示をだし、「春の脅迫」を主張している状況下では、首相に対する批判に正当な根拠があるとはいえないだろう。軍人、警官、市民に犠牲者が出続け、毎日何キロという爆発物が爆発しているときに、トルコ共和国の首相が、安全保障を考慮せず、その責任を放棄すると考えることは、ありえない。また、安全保障上の対策をとり武力闘争を続ける 全文をよむ

2012-03-22 Aslı Aydıntaşbaşコラム:アフメト・チュルクをなぐったのは誰か? (Milliyet紙)

トルコでは2006年以来、ノールーズに事件は起こらなかった。なぜ事件が起こらなかったかというと2006年から今年まで、ノールーズで事件がおこらないよう「国家」といわれるメカニズムが、PKK(クルド労働党; 非合法組織)へ、秘密裏に勧告していたからだ。      PKKも、とにかくノールーズの期間に緊張を高めないことを約束した。このおかげで平和民主党(BDP)党員(と民主市民党(DTP)党員)は思い通りに、広場で集会を行っていた。 郡知事、軍警察の司令官らと手を取り合って(ノールーズの儀式として) 全文をよむ

2012-03-20 Derya Sazakコラム:ノールーズの日、告訴でなく、釈放を (Milliyet紙)

クルド労働者党(PKK)の「都市部組織」とされているクルディスタン社会連合(KCK)裁判の起訴状において、教授のビュシュラ・エルサンルに「組織を指導」したとして懲役15年、出版業者のラグプ・ザラコルに「組織を支援」したとして懲役10年がそれぞれ求刑された。   この裁判の被告は193名におよび、起訴状は2400ページにわたる。   トルコにおける政治裁判のリストに、また一つ新たなものが加えられようとしている。   裁判は、第3次司法改革案によって「組織犯罪」のかどで拘留中の容疑者の釈放が期待でき 全文をよむ

2012-03-10 Semih İdizコラム:シリア問題対応へ、トルコ政府の混乱 (Milliyet紙)

ギュル大統領やエルドアン首相の、シリアの政権に対する発言の語気が荒くなってきたことには、トルコが、もはやその一部となってしまったこの問題に対して、解決策が見いだせないことを表している。ダヴトオール外相の発言から、トルコ政府は国際社会が具体的に行動に移すことを基本的には期待していると、我々皆が知っている。しかし、ギュル大統領のチュニジアでの発言からは、トルコ政府は「国際社会が」シリア問題に関して行動に移すことを期待しているが、同時にいくつかの点で躊躇していることもわかる。      ギュル大統領の 全文をよむ

2012-03-02 Semih İdizコラム:仏憲法裁判所「アルメニア虐殺否定」却下のトルコへの真の貢献 (Milliyet紙)

フランス憲法委員会が「アルメニア虐殺否定」法を「思想の自由」に反するとして棄却したことは、トルコにとっての「勝利」ではない。法案に当初から反対していたトルコ系であるフランス元老院議員のエスター・ベンバッサ氏もこのことを強調している。ベンバッサ議員のように、多くのフランスの政治家は、「思想の自由」犯したために、この法案が憲法委員会で審議されたのだと断固強調している。   委員会で下された決定が、トルコを嫌うサルコジ大統領にとって全く生じたことのない種類の失敗であったことは正しい。サルコジ大統領は彼 全文をよむ

2012-02-24 Taha Akyolコラム:4+4+4の義務教育 (Hurriyet紙)

ヌレッティン・ジャニクリ議員が国会に提出した初等教育法案について、非常に支持する点とともに真剣に不安を感じる点の両方がある。      もともとこれは、教育の専門家によって議論されたわけでもなく、ましてやこの分野の一番の管轄とされる国民教育省の教育委員会の意見すら聞くことなく提出された法案なのだ!   私が肯定的だと思う点をあげると、それはもちろん義務教育が12年に引き上げられるということだ。標準的な「一貫」教育に代わり、12年間の「習熟度別に分割された」、より柔軟なシステムが計画されたというこ 全文をよむ

2012-02-23 Ertuğrul Özkökコラム:この写真が示すものは・・・ (Hurriyet紙)

1枚の写真がこれほどまでに多くのことを示すということがあるだろうか?   昨日、今日、明日、そして近い将来を知るパスワードが、これほど隠されているとは!      先の火曜日のヒュッリイェト紙の1面に掲載されたこの写真について、新聞にいろいろ書かれ、テレビでも論評されるだろうと思っていた。   なぜなら、その写真はとても多くのことを物語り、また私の周りではいろいろ話されていたものだから、てっきり私はみんながすぐに反応すると思ったのだ。「ちょっと様子を見よう、みんなの反応を見てからにしよう」と自分 全文をよむ

2012-02-21 Güven Sakコラム:貧困とシンナー中毒の子どもたち (Radikal紙)

トルコでは子どもの4人に1人が貧困家庭で育っている。児童貧困のOECDの平均値は12.6%である。      OECDのデータによればトルコは児童貧困(率)のもっとも高い国のトップに位置している。首相は先日、「あなた方は若者たちがシンナー中毒になることを望んでいるのか」と野党に向けて発言した。私はそんなことを望んでいないし、首相だって望んでいないことはわかっている。   しかし来て見てほしいのだが、データは現実を示している。シンナー中毒者は貧困下の子どもたちだ。路上に暮らす子どもたちだ。   児 全文をよむ

2012-02-21 Mümtaz'er Türköneコラム:英語教育、トルコ語教育、クルド語教育 (Zaman紙)

英語教育が完全な失敗に終わったことがトルコ経済政策研究財団(TEPAV)の調査で明らかになった。経済力で世界のトップ20に入ったトルコは、英語教育において調査対象となった44カ国のうち43位となり、下から数えて素晴らしい成績を収めた。      この状況に私たちは気付いている。数百時間あるいは数千時間に及ぶ英語の授業と大学入学前の英語教育時間を使って、子供たちに英語の授業を受けさせている。これほど長い時間勉強させておきながら、若者たちが基本的な英語の文章も使えない状況で留めるとは、なんと難しい仕 全文をよむ

2012-02-20 Semih İdizコラム もはや単純な「シリア問題」ではない (Milliyet紙)

現在、中東地域に関してトルコが抱える最大の問題はバッシャール・アサド大統領だ。アサド大統領ができるだけ早期に退陣すればトルコは非常に好都合なのだが、逆にアサド氏が大統領にとどまるほどトルコにとってシリア問題は大きく厄介なものとなり、政府の望まない展開に陥ってしまうだろう。   今日の中東は宗教宗派の対立だけでなく、地域の諸国、世界の大国が対立する、混乱した地域である。よくいわれるのは、中東地域が自身の状況のままにしておいてもらえたならば繁栄できただろうに、アメリカとイスラエルの介入によって地獄と 全文をよむ

2012-02-18 Murat Yetkinコラム:PKKとの新たな交渉への諸条件 (Radikal紙)

エルギン法務大臣が、必要であれば交渉を再開する可能性に言及したことは、敵味方を問わずマニフェストと認識されるべきである。      諜報と司法の間に起こった取調べを取り巻く緊張は、国会で12時間あまり議論が行われた結果昨日(17日)の朝にかけて国家諜報機構(MİT)法26条の改正が承認されたことで新たな段階に進んだ。   実施される法改正では、最初に提案された通りMİT職員と首相が特別に任命した人物らの行動に対する取調べには首相の許可が必要とされた。      ケマル・クルチダルオール共和人民党 全文をよむ

2012-02-16 Mehmet Ali Birand コラム:この裁判でスポーツにおける古い体制は裁かれる (Hurriyet紙)

この裁判で裁かれるのはスポーツにおける古い体制だ。八百長問題はあたかも単にフェネルバフチェ会長アジズ・ユルドゥルムの裁判であるかのごとく認識されている。おそらく気づいていないだろうが、トルコサッカーを統べる全ての会長たちが審理されることになるのだ。世論は、数百ページにおよぶ会話テープの内容から、会長たちがサッカー界に何をもたらし、何を失わせたかを理解するだろう。      八百長問題と呼ばれてはいるが、メディアをみていると、シリヴリ法廷で裁かれるのは、あたかもアジズ・ユルドゥルム氏だけであるかの 全文をよむ

2012-02-02 Nuray Mert コラム:トルコ・オリエンタリズム、中東、イラン (Milliyet紙)

トルコの中東アプローチ政策は、当初は極めて友好的な言葉の中で表現がなされていた。その後、事は複雑化した。イランとシリアの枢軸が、西欧諸国の標的となり、トルコは難しい二国間関係にひきこまれた。この間、イランに対して用いられる言葉も変化し始め、保守的なメディアはこの話題について、米国外交政策を軸とした周辺と言葉を同じくし始めた。イランの政策について、「イラン人の嘘」、「イラン人交渉」、「イラン人ゲーム」といった言葉は、ここにきてメ ディアで広がり始めた。これらの言葉は、確かに新しいものではなく、また 全文をよむ

2012-02-02 Eyup Can コラム:娘を売った父、買った男、それを裁かぬ法廷・・・恥ずべきことはどれか? (Radikal紙)

昨日、DHA通信社アンタルヤ支局の記者であるテスリメ・トスン氏はとても衝撃的なニュースを入手した。      12歳の娘を、息子が働いている建設資材店の店主に5000リラ(約22万円)で売ったというニュースだ。みなさん、聞き間違いではありません。売っただけではない、「売買契約」を行ったのだ。「私は娘を5000リラで売りました。」契約だというので、ご丁寧に署名までされたこの書類は、こうした文章で始まっている。恥じ入るという気持ちはなかったようだ、契約には娘の契約用の写真まで貼り付けてある。「200 全文をよむ

2012-02-01 Mehmet Ali Birandコラム:ハマスがトルコにもたらす功罪 (Milliyet紙)

ハマスが新たな居場所を求めている。ダマスカスにはもはやとどまることができないとわかっているはずである。ゆえに、自分たちに近しいと思われる国の政府に打診をしている。アンカラにも情報が送られ、政府もこれには頭を悩ませているに違いない。      政府報道官のアルンチュ副首相は月曜の閣僚会議後に会見を行ったが、私にはそれほど説得力のあるものとは思えなかった。今のところ、ハマスのリーダー、ハリード・マシュアル氏がトルコで事務所を開くということはないとの見解を示した。政府は少々歯切れが悪いような印象を私は 全文をよむ

2012-01-30 ハマスへの肩入れは、トルコに何をもたらすのか? (Milliyet紙)

公正発展党(AKP)のハマスへの関わりが情緒的なものに基づいていることは明白である。トルコ世論の重要なある層がこの組織に同情的であることも知られている。イスラエルはハマスのテロに対し、「報復」という名のもとにパレスチナ人に苦しみを与えており、それが彼らの同情心を煽り立てていることは明白である。    こうした中ハマスが、内戦へ巻き込まれていくシリアから離れトルコに事務所を開設するとのニュースを軽視することはできない。この間、ダボスでCNNに語ったイスラエルのシモン・ペレス大統領も、ハマスは主にイ 全文をよむ

2012-01-30 スンナ派・シーア派・世俗派―中東の分断? (Zaman紙)

公正発展党(AKP)は、エジプトで47%を得票し政権についた自由公正党の代表団に「世俗主義の教え」を説いたという。(スター紙、1月28日より)      ダヴトオール外相もテレビ局アル・アラビーヤの取材に「トルコは、民族もしくは宗派による分裂には、それがいかなるものであっても反対する。トルコは世俗的な政治形態を支持している」と語っている。(habervaktim.com、2012年1月22日より)      ここのところ世俗主義が強調されているが、これをエルドアン首相がエジプト、チュニジア、リビ 全文をよむ

2012-01-28 Izdemir Onceコラム:「女性の地位」問題でイスラムを批判すること (Hurriyet紙)

2011年12月3日付けのジュムフリエト紙の紙面でメフメト・ギョルメズ宗務庁長官に関してある報道がなされた。   「メフメト・ギョルメズ宗務庁長官は、西洋が新たなイスラムのイメージを形成するために女性問題を特に指摘することによってイスラムを攻撃していると述べた。『女性に関する宗教出版』について取り上げられた第5回宗教出版大会が昨日行われた式典で開会された。メフメト・ギョルメズ宗務庁長官は女性問題と女性への見方が現代世界で最も重要な文明尺度のひとつとみなされていると述べた。ギョルメズ長官は現代に入 全文をよむ

2012-01-26 Etyen Mahçupyan コラム:AKP のディンク訴訟での問題 (Zaman紙)

フラント・ディンクの殺害が、他の非ムスリム殺人のように、トルコにナショナリスティックな雰囲気を生み出して、「脱『トルコ(国民文化)』」の宣言がなされることになるAKP(公正発展党)政権に対するクーデターの心理的基盤を作る目的で行われたということは、もはや皆が知っている。      もともとこれはAKP党員にとっては初めから明らかな事実であった。事実、事件の夜、政府の人間の中には、この事件が直接政府に対して起こされたのだと理解していた者もいた。それなら政権与党は、今日までのディンク訴訟での、最も簡 全文をよむ

2012-01-25 Mehmet Ali Birand コラム:仏「アルメニア法案」めぐり、トルコが初めて示した冷静さ (Milliyet紙)

すでに過去のこととして水に流れたはずが、予想通りの結果となった。貴重な花瓶がこなごなになってしまった。      フランスで可決された法案(訳注)は、完全に政治的性質を帯びている。私たちは思う存分これに反発し、非難し、糾弾しよう。サルコジ大統領は、意図を達成した。大統領選挙に先立ち、(約60万人を占める)アルメニア系住民の票が(野党である)社会党に流れることを阻止し、また、トルコに対立する姿勢をとる大統領として、極右の票も取り込む合図となった。一方で、トルコのEU加盟の道をも妨害することとなった 全文をよむ

2012-01-22 Hasan Cemalコラム:オザルのできなかったことをエルドアンはできるのか (Milliyet紙)

1993年に死去したオザル元大統領は80年代、「単独安定政権」を代表する日本モデルに影響されていた。65%のブロック票を自身の政党に集め、公選大統領制への移行を考えていたが、できなかった。50%の票を獲得したエルドアン首相は、今後これができるだろうか?      それは1985年のことだった。私は、当時の首相で祖国党の党首であったトゥルグト・オザルとともに日本を訪問した。訪問の間、オザルが特に政治面で「日本モデル」に影響されたことは、注意を引いた。当時、西欧で「一党による民主主義」と釘を刺されて 全文をよむ

2012-01-22 Joost Lagendijkコラム:この裁判はこれで終わりはしない (Zaman紙)

(当初は)他のテーマで書くことを予定していた。このコラムが日曜日に掲載される時には、木曜日に行なわれ、私も参加したフラ ント・ディンクのデモ行進から3日が過ぎ、そしてこのセンセーショナルな行進に関してほぼあらゆる発言が出尽くしているものと考えた。      そのはずだ。だが、何はともあれこのデモ行進について書くことにしよう。なぜならこの行進は悲しみで満ち、且つ心に残るという点で極めて力強いものであった。また、このデモ行進で叫ばれたスローガンの一つも表現しているように、この裁判がこのような形で終わ 全文をよむ

2012-01-21 Ismet Berkan コラム:問題は、時間のかかる裁判プロセス (Hurriyet紙)

そう、トルコでの裁判における、国民にとっての最大の問題点は、時間がかかることである。先週、数値でもって例を挙げた。特任検察庁では、取調べにかかる平均日数は648日で、犯罪裁判における検察庁での平均取調べ日数は、合計310日だ。      これらは受け入れがたい数値である。      考えてみてほしい。あなたは何らかの理由で容疑をかけられるが、あなたについての起訴状が作成されるまで、又は検察が「起訴条件はない」と決定を下すまで、310日かかるのだ。      約1年である。      その後は?取 全文をよむ

2012-01-19 Ozgur Mumcuコラム:明々白々―ディンク事件に思う (Radikal紙)

(裁判所よ)、そもそも、こんな判決を下すつもりだったのなら、どうして長年、この裁判所で無駄な時間を使わせたのか?      フラント・ディンク氏は脅迫された。話してたこと、書いたことを理由に、まず広場で、そして法廷で裁判リンチを受けた。読み書きを知る誰もが何を意図しているかを簡単に理解できる表現をつかって、最高裁判所は断罪した。トルコ共和国憲法第301条は、あるグループによってスナイパーの鋭利な武器のように使われた。メディアと司法のリンチに、県知事室で表面上隠れて脅迫がなされた。創り上げられたこ 全文をよむ

2012-01-15 Oral Calislarコラム:故レフテルは、生粋のビュユクアダっ子 (Radikal紙)

1993年に家族でビュユクアダ住民になり、レフテルの隣人となったことは、私の人生に違った一面を与えてくれた。      それは1965年のことだった。レフテルはフェネルバフチェで現役を引退した後、メルスィン・サッカークラブにトレーナーとしてやってきた。私はタルスス・サッカークラブでプレーしていた。レフテルは40歳、私は19歳だった。その試合で一緒に撮った写真を、友人が何年も後に送ってきた時はとてもうれしかった。写真にレフテルと一緒に写っているうれしさを感じた。      1993年に私たちも家族 全文をよむ

2012-01-13 Sami Kohenコラム:アラブの春における「トルコ・モデル」にさす影 (Milliyet紙)

「アラブの春」が始まって以降、この地域の変革のために「トルコ・モデル」が度々語られている。これに関し、西欧、中東、そしてトルコにおいて無数の発言がなされ、会議が開かれ、記事やコラムが書かれている。      元々、「トルコ・モデル」という用語を最初に使用し出したのはアメリカ人達であった。トルコの政府関係者は、この言葉を適切であると気に入るとともに、公式声明では「モデル」の代わりに「例」或いは「妙案」の様なより控えめな言葉を使用することを好んだ。しかしながら、決まり文句として「トルコ・モデル」とい 全文をよむ

2012-01-06 Mehmet Y.Yilmazコラム:義務教育12年化の真の狙いは、宗教系学校中等部の復活だ (Milliyet紙)

国民教育省が8年間一貫の義務教育制度を段階別に分けた制度に変える法案を準備していることが明らかになっている。これが成立すれば、義務教育期間は12年に延び、「中等教育(訳者註:日本の高校にあたる)」も義務化される。      新しい制度では、すでに義務化されている初等教育が4+4の2段階となり、さらに中等教育の4年間も義務化される。これにより、義務教育制度は4+4+4の12年となり、「基礎教育」という名称に変更される。   このような制度がなぜ必要なのかというと、前期4年間の課程を終了した生徒が、 全文をよむ

2012-01-01 Murat Yetkinコラム:10年目を迎える与党 (Radikal紙)

昨年の政治を特徴づけたアラブの春が今年はどうなるのか、今ははっきりと分からない状態だ。タイイプ・エルドアン首相が9月のカイロでの演説で予想したような新世俗主義の波が主流となるのだろうか。それともサラフィーと呼ばれる強硬イスラム主義グループが、教育を受けた中産階級の革命を抑え込むのだろうか。   例えば、イラクはどうなるだろう、分裂するのだろうか。仮に分裂し、北部のクルド国家が存続のためにトルコに目を向けた時、トルコにおけるクルド問題はどのように動き始めるのだろうか。   イランとイスラエルの間で 全文をよむ

2012-01-01 Derya Sazakコラム: 新年 (Milliyet紙)

ウルデレでF-16に爆撃されて命を落とした35人の若者の悲劇が、クルド問題の平和的解決への希望を打ち砕いた。私たちはまるで、ある銀行のCMに出てくる、「新年を迎えたがらない男」のようである!2011年といえばデルスィム、カフラマンマラシュを思い出すが、その年も大きな悲劇、「虐殺」で幕を閉じた。ミッリイェト紙は犠牲者の葬儀に関する記事に、「悲劇のキャラバン」という見出しをつけた。   オルタス村とギュルヤズ村の村人らは犠牲となった若者たちを、涙を流して埋葬した。生き残った若者たちのうち、エンジュ家 全文をよむ

2011-12-29 Fikret Bilaコラム:ミッリイェト紙の将来 (Milliyet紙)

ミッリイェト紙はトルコの報道界で、最も影響力のある、最も力を持った新聞の筆頭にあげられる。この特異なる地位は、ミッリイェト紙が61年もの間頑張って守りぬき、定着させてきたジャーナリズムの原則や倫理的価値観のたまものなのである。ミッリイェト紙はトルコの報道界にグローバルなジャーナリズムの原則がもたらされることにおいて、リーダー的な役割を果たした新聞である。こうした働きを61年もの間、無償の形で続けてきた、そして読者からそれにふさわしい見返り(評価)を得てきた。      ミッリイェト紙を厳しい競争 全文をよむ

2011-12-24 Ahmet Hakanコラム:フランスに文句を言うのはいいが、では自分を問わなくていいのか? (Hurriyet紙)

―もちろん、フランス議会で成立した法律は、ほんとうにひどい   ―もちろん、サルコジは、なりふりかまわぬ(票への)貪欲ぶりだ   ―もちろん、ヨーロッパのど真ん中で表現の自由が踏みにじられている   ―もちろん、「虐殺ではなかった」という発言は、「罪」であるはずがない   この点では、なんの異論もない。   これらは、まったくもって正論だ。   しかしながら、フランス人をぼこぼこにして、それで気がすむ、という問題でもない。   我々は、自分の身を振り返ることをしなくてもいいのだろうか?   ** 全文をよむ

2011-12-24 Murat Yetkinコラム:2015年に向け、アルメニア法問題へ根本的解決を (Radikal紙)

1915年の事件から100年となる2015年が近づくにつれて、この問題はフランスとアメリカだけにとどまらないように思われる。      タイイプ・エルドアン首相は、一昨日フランス議会(下院)が1915年の事件は「アルメニア人虐殺」でないと主張することを禁じる法案を可決し、上院に送ったことに対し、強い反発を示し、政治と軍事分野の二国間関係を凍結することを決定した。   反発は昨日も続いた。共和人民党(CHP)のケマル・クルチダルオール党首と民族主義者行動党(MHP)のデヴレト・バフチェリ党首も参加 全文をよむ

2011-12-24 Derya Sazakコラム:「アルメニア人虐殺」法案からフランス議会を考える (Milliyet紙)

アルジェリア系でマルセイユ選出の国会議員、ヴァレリー・ボワイエ議員が提出した、「アルメニア人虐殺」を否定する者たちに禁固と罰金を与えることを定める法案が、38票の賛成で可決された。   議席数577名のフランス国民議会(下院)にあって、審議に加わった議員の数が50名であったためである。   法案成立のために元老院(上院)を通過する必要のあるこの法案は、「虐殺の罪、人道に反する罪、そして戦争犯罪を弁護、否定、あるいは軽視する表現を用いたものたちを罰すること」を規定している。   議論は「アルメニア 全文をよむ

2011-12-21 Semih İdizコラム:サルコジに失うものなし―仏のアルメニア人虐殺法案問題 (Milliyet紙)

ここでアルメニア問題の人道的側面には触れないでおこう。ジャン・デュンダル氏が昨日、人道的側面から素晴らしいコラムを書いた。なので、ここでは政治的側面をみることにしよう。フランス議会が法案に対し「思考マヒの判断をする」のか、それとも「理性的にふるまう」のか。しかし、見通しは暗い。      フランスはもちろん、この問題での行動により、自分たちも多くの問題に直面することになるだろう。しかし、それがサルコジ大統領を悩ますことはないと思われる。これは、ここで強調したい2つの間違いの一つ目に話が結びつく。 全文をよむ

2011-12-18 Derya Sazak コラム:大統領の任期 (Milliyet紙)

アブドゥッラー・ギュル大統領の任期に関するさまざまな憶測にエルドアン首相が終止符を打った。ギュル大統領の任期を7年と判断したということを明らかにしたのだ。      面白い。      エルドアン首相の手術までは、公正発展党(AKP)内で大統領任期問題について異なるシナリオが議論されていた。   ギュル大統領は、4月27日の「インターネット覚書(訳者註:2007年4月大統領選に絡み、軍参謀総長がインターネットを通じ警告を発した事件)」の結果、憲法裁判所の決定によりトルコ大国民議会が大統領を選べな 全文をよむ

2011-12-17 Derya Sazakコラム:イラク戦争 (Milliyet紙)

アメリカのイラク戦争は終結した!   オバマ大統領は米国の「イラク介入(の是非)」は歴史が判断することになるだろうとのべ、「勿論、イラクは申し分の無い状態では無い。しかし、我々は撤退後に、主権をもち、安定した、(国民に)選ばれた政府の存在する一つの国を残した」と語った。      イラクの占領はブッシュ前大統領を担ぎあげた「ネオコン」の計画であった。   9月11日の襲撃で、ペンタゴンですでに準備されていたイラク計画が実現にうつされた。アメリカ合衆国政府は、おそらく史上はじめて国連安全保障理事会 全文をよむ

2011-12-17 ロシア軍、トルコ国境近くに移動?―イスラエルのイラン核施設攻撃に対応か (Milliyet紙)

ロシアの軍事情報筋によると、アメリカの支持を受けるイスラエルがイランの核施設を攻撃する準備を整えており、モスクワも攻撃に備えて準備を進めていることが明らかになった。ロシアのメディアが伝えるところによると、この件で、アルメニアに駐屯しているロシア軍はトルコ国境近くのギュムリュ地域に派遣された。      ロシアのニェザヴィーシマヤ紙は、クレムレンの軍事情報筋から得た情報によると、イスラエルがイランの各施設を奇襲攻撃する準備を進めていると伝え、「テヘランへの奇襲攻撃は予測できないほどの大きな戦争につ 全文をよむ

2011-12-17 Oral Calislarコラム:アリ・ブラチ氏(ザマン紙)にみる「女性とイスラム」 (Radikal紙)

目下、イスラム派の女性たちは真剣な模索と議論の真っただ中にいる。批判的態度が広がり、多様な声が増している。      イスラム派においては、女性問題は「デリケートな」点のひとつである。女性たちの職業人生への参加や、スカーフ着用女性を議員候補者として認めるか否かといった論議が続いている。イスラム派の知識人女性たちと最も多く議論している人物の一人が、ザマン紙のコラムニスト、アリ・ブラチである。      私は、ブラチ氏とイスラムについて議論するということを言っているのではない。ただ、宗教を引き合いに 全文をよむ

2011-12-11 Evrim Karakaşコラム:デルスィムについてどのようなことが言われたのか? (Radikal紙)

デルスィムのクルド系アレヴィーが1937年から38年にかけて受けた虐殺事件に関する議論は今も続いていおり、事件と正面から向き合うことが必要とされている。この事件に関して行なわれたアカデミックな研究の貢献は、疑いなく非常に大きい。このコラムも、この事件に関する議論に貢献できることを望むものである。以下に、デルスィム虐殺事件の前、最中、そして終結後に、様々な雑誌や新聞、本に掲載された文章から抜粋を行い、デルスィムが全体主義的なやり方で、どのように「内部の敵」として喧伝され、そしてこの「内部の敵」の殲 全文をよむ

2011-12-07 Fikret Bilaコラム:トルコのおける「罪と罰」―判決前拘留長期化の惨状 (Milliyet紙)

バハドゥル・ソイレメズとオズギュル・アルカンの2人は、19歳と20歳の大学生だ…。1972年にクズルデレで殺害されたマヒル・チャヤンとその友人の追悼式に参加し、ポスターを掲げていた…。逮捕され、7ヵ月間刑務所で拘留されている。違法組織のメンバーであるとの罪に問われている。ようやく今日裁判官の前に立つことができるのだ。      ジハン・クルムズギュルは、ガラタサライ大学の学生である…。目撃者の証言(匿名)により逮捕された。      ■丸22ヵ月間拘留されている…      証人はジハン・クルム 全文をよむ

2011-11-30 Hüseyin Gülerceコラム:アレヴィーはなぜCHPから離れることができないのか? (Zaman紙)

デルスィム論争の最も重要な論点の一つが共和人民党(CHP)とアレヴィーの関係である。エルゲネコン派シンパのコラミストらは次のように問いかける。「デルスィムで虐殺があり、それが一党支配時代のCHPに責任だというなら、なぜあの日以降もアレヴィーはCHPに投票しているのか?」そう、その問いは本質的だ。アレヴィーはなぜCHPから離れることができないのか?      共和国は、アレヴィーにとって失望そのものである。アレヴィーの人々は、共和国の初期からずっと、(デルスィムで)自分らに何がなされるたのか、事の 全文をよむ

2011-11-30 Fikret Bila コラム:デルスィム論争をめぐる、2つの誤り (Milliyet紙)

デルスィム事件に関するレジェプ・タイイプ・エルドアン首相の発言を聞くと、次のように思うだろう。デルスィムへの軍事行動を決めたケマル・クルチダルオールCHP党首は、軍の指導者になった。デルスィムへ入り、徹底的に全てを破壊した。人々に武力を行使したのだ、と!      また、ケマル・クルチダルオールCHP党首の発言を聞くと、次のように思うだろう。レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、デルスィムへ不当な行為を行った国家を守るために公文書を隠している!      この議論には「2つの誤り」が存在する。  全文をよむ

2011-11-29 Şahin Alpayコラム:歴史となぜ向き合うのか? (Zaman紙)

まず最初に、間違いの訂正と謝罪をしたい。   前回のコラムにてトゥンジェリ/デルスィムの有権者が「複数政党制に移行してから現在に至るまで行なわれたすべての選挙にて、ほぼ毎回、共和人民党(CHP)に投票してきた」と書いたが、これは正確ではなかった。正確にいえば、以下のようになる。複数政党制に移行してこのかた、デルスィムの有権者は今まで行なわれた15回の総選挙の内10回の総選挙で、CHPあるいはCHP系統の政党に最大数の投票をした。その結果CHPは当該地域にて第一党、あるいは第二党となった。1999 全文をよむ

2011-11-28 Mehmet Y.Yilmazコラム:「トルコの国」のアリス (Hurriyet紙)

『不思議の国のアリス』のアリスは、物語のある場面でこう言っている。      「ああ神様!今日は何て奇妙なの。昨日は何もかもいつも通りだったのに。一晩で変わっちゃったのかしら、わたし。ええーと、今朝起きたときは同じだったかしら?何か変わったような・・・。でもわたしがわたしじゃなかったとしたら、変わっちゃったんだとしたら、わたしは誰?これこそが究極のなぞだわ!」      これは、トルコで夜眠りにつき朝何事もなく目覚めることのできた人間なら誰でも言い得たセリフだ。   そして、なによりもレジェプ・ 全文をよむ

2011-11-27 Mehveş Evinコラム:空は皆のものなのに、地上はなぜ男のものなのか (Milliyet紙)

私たちはずっと待っていた。そしてついに実現のはこびとなった。トルコ大国民議会が欧州評議会の「女性に対する暴力」協定を批准したのだ。これはとても重大な一歩である・・・しかし女性に対する暴力は、私たちが考え方を変えない限り終わることはない。      国連が「女性に対する暴力撤廃の国際デー」としている11月25日を、我々はうれしい知らせと共に迎えた。私も何度も扱った欧州評議会の協定は、トルコ大国民議会で全政党により承認され、法制化されたのだ!   協定の内容については後に触れるとしよう。なぜならば暴 全文をよむ

2011-11-26 Abbas Güçlüコラム:被災地ヴァンの教育問題 (Milliyet紙)

恐らく、ヴァンの小・中学校の再開はまた延期されることになる。これで3回目だ。11月14日に再開するはずだったが、エルジシュ地震が起こり、12月5日に延期された。しかし、現況は、学校再開に全く適していない。なぜならば、学校の半数は倒壊した状態だからだ。残り半数も、安全ではない。更には、児童や生徒のほとんどが、トルコ各地に散らばっていった。今、これに加え、8年生及び12年生を対象に、学力判定試験(SBS)と高等教育移籍試験(YGS)を理由に、政府援助の(他の地域への)移動が可能になったことで、ヴァン 全文をよむ

2011-11-22 Mümtaz'er Türköneコラム:共和国公的イデオロギー、崩壊のとき (Zaman紙)

デルスィムが話題になるたびに吹き荒れる嵐。我々は、この問題をそろそろ別の観点から見なくてはならない。      カメル・ゲンチはどうして議会の厄介者なのか?トゥンジェリは、どうやってトルコで教育水準が最高の県になったのか?非主流のマルクス主義組織がデルスィムでなぜ根付いたのか?トゥンジェリは最近までPKK(クルディスタン労働者党)が入ることのできない唯一の都市であったのに、どうして今日では最悪のテロがそこでおこるのか?芸術や文学においてデルスィム出身者の異例とも言っていいほどの成功の理由はなんな 全文をよむ

2011-11-20 Fikret Bilaコラム:トルコはシリアに介入するのか (Milliyet紙)

欧州のメディアを見ると、以下のようなことが言われている。   「トルコはシリアに介入した、介入する」「介入するとすればトルコだけだ」「イスラエルがイランを攻撃した日には、トルコはシリアに介入する」…。   これらのニュースを見て分かるのは、トルコをおだてあげて、トルコがシリアに介入することを望む国があるということだ。   このような空気の形成にトルコ政府が果たした役割はないだろうか?   いや、ある。間違いなく。   政府から頻繁に「傍観者になることは出来ない」という発表がなされ、これは「シリア 全文をよむ

2011-11-16 Semih İdizコラム:テロに宗教も人種もない―独民族主義右翼テロとイスラム過激派テロ (Milliyet紙)

経済危機に喘ぐヨーロッパ人は今回の極右テロに直面しショックを受けた。ドイツ人はネオナチのテロ集団による犯行が明らかとなった「ケバブ屋殺人」が理由で、自国の政治家たちの言うところの「国恥」 を味わっている。      ノルウェー人の多くは先日裁判所へ出頭したアンネシュ・ブレイビクが国からイスラム教徒を「一掃」するために77人もの若い命を奪ったことのショックをいまだ拭いきれてはいない。   結果として西欧の最も「豊か」で最も「幸せ」な国は、最も恐ろしいテロリストの一人を生み出してしまった。      全文をよむ

2011-11-16 Fikret Bila コラム:エルドアン首相はなぜ、KCKをパラレル国家と呼ぶのか? (Milliyet紙)

ビュシュラ・エルサンル教授や出版社経営者のラグップ・ザラコルが逮捕されたことにより、KCK(クルディスタン社会連合)に関する議論が再燃した。一連の逮捕はこの記事のテーマではない。   首相レジェップ・タイープ・エルドアンはここ最近頻繁にKCKを「パラレル(並立)国家」であると発言しており、これは容認され得ないと強調している。エルドアンがどうしてKCKをパラレル国家だというのか見てみることにする。      ■連邦制      オジャランがつくろうとする連邦国家の憲法とされる「KCK協定」を読んだ 全文をよむ

2011-11-11 Cuneyt Ozdemir コラム:バイラム・ホテル倒壊は殺人事件だ (Radikal紙)

「ヴァンで最初に起きたのは自然災害だった。それについてはどうすることもできなかったと言えるだろう。しかし、一昨日起きたことは明らかに殺人だった」      言葉をごまかさずに、ストレートに昨日ヴァンで起きた事件に名前を付けよう。もはやこれを自然災害と呼ぶことはできない。世界のどこに、マグニチュード5.6の地震で建物が倒れ人々が死ぬところがあるというのか。さらに、今回責められるべきその名前も肩書も分からない人々そして過去の担当責任者も見当たらない。いずれにせよ我々は、新たに地震が起きた地域について 全文をよむ

2011-11-08 Murat Yetkinコラム:KCK裁判でエルドアンは何を目指しているのか (Radikal紙)

首相の言葉は、クルディスタン社会連合トルコ議会(KCK)関係者の逮捕がクルド問題において平和への希望を消すという、左派自由主義者側からの批判にどのように影響するのだろうか。      KCK、正式名称ではクルディスタン社会連合に対する捜査は二年以上つづき、2000人以上が逮捕される結果となった。逮捕者の中には平和民主党(BDP)の幹部、自治体首長・議員、また最近の事例にあるように、著名な出版社経営者のラグプ・ザラコル氏や大学教員のビュシュラ・エルサンル教授のような社会的な有力者の名前があることが 全文をよむ

2011-11-05 Mehmet Y.Yilmazコラム:震災直後の対応、問われるその問題点 (Hurriyet紙)

エルジシュでがれきの中からアズラちゃんとその母親を救出することに成功した捜索救助隊員の一人で、イズミル災害救助隊で働くある専門家から、昨日、一通のメールを受け取った。      その専門家は今日までに100以上の捜索救助活動に参加したと言うが、彼の名前はここでは伏せておく。      ヴァンとエルジシュでの捜索救助活動の問題点についての考察を、読者の皆さんと共有したいと思う。もしかしたら、アンカラの政府機関関係者にも、これらを読んで何か考えてくれる人が出てくるかもしれないと期待して!      全文をよむ

2011-10-31 O. K. Cengizコラム:トルコで物を書くには勇気がいる (Radikal紙)

トルコでは政権批判がもはや困難になってきているが、PKKも自身への批判を慎むよう指令を出している。      大好きな本がある。ラルフ・キース著の『書く勇気』だが、文筆業にほぼ必ずついて回る「不安」について語っている。トルコの話題に入る前に、まずはお見せしたい文をいくつか一緒に読んでみよう。      「物書きには勇気が必要である。言葉を紙上に並べると、明白に不安と対峙することになる…。書いたものを公開する人はみな、心理学者の言う「パフォーマンス不安」に陥るのである。」(8 p)      「書 全文をよむ

2011-10-30 Derya Sazak コラム: アズラちゃん (Milliyet紙)

トルコ共和国第88回建国記念日を我々はヴァン地震の喪に服しつつ、祝福した。      毎年行われる軍事パレードも今年は行われなかった。      トルコは地震の前もPKK(クルド労働者党)のチュクルジャ攻撃による24人の犠牲者(殉職者)に揺れた。軍が北イラク国境で始めた作戦は、南東部が再び1990年代の「低強度紛争状態(戦争と平和状態の中間にある緩やかな紛争状態)」に戻ったことを示している。一方で地震、他方で抗争となると10月29日をも「低強度に」祝うほかなくなる。あれほどの平和へ向けた努力にも 全文をよむ

2011-10-27 Nuray Mert コラム:地震と、「天罰」発言 (Milliyet紙)

ヴァンで起こった地震により、多くが崩壊した。せめてこのような時には、人道的な心配や感情が何よりも優先されるべきだった。支援のために危険に身をさらしながら活動している人たちには当てはまらないが、残念ながら、政治的な憂慮は消えていない。      このような時に、「石を投げる人たち」と繰り返し、神がクルド人たちに「天罰」を下したと述べる非人間的なことは話題にしたくもない。震災を通して「団結」「結 束」「同胞愛」のようなメッセージを伝えるのもしっくりこない。このような状況下で、「団結」「同胞愛」以外の 全文をよむ

2011-10-27 Mehmet Y. Yılmazコラム:調整力がない政府 (Hurriyet紙)

昨日のテレビ放送で、ヴァンでテントを求める人々の様子が映し出されているのを見て、日本で起きた津波の後、たった一つのりんごをもらうために何時間も整然と列をなして待っている光景を思い出した。      このことを、社会における文化の違いと結びつけるのは一番簡単だ。しかし、問題は文化の違いなどよりもトルコ(政府)の調整能力に関するものであるはずだ。   地震で家を失い、倒壊を免れた家にも入れないほどの恐怖を感じ、寒さと降雨の中で時間を過ごした人々の集団に、トラックが乗り込みテントを運びこみ配ろうとする 全文をよむ

2011-10-26 Oral Calislar コラム:民族差別主義は、「思想」といえるか? (Radikal紙)

ヴァン‐エルジシュ地震は人々の良心をゆり動かす効果をもたらした…。様々な意見を持つ私たちが、傷をふさぐために強く結ばれている。しかしその一方で、どの社会においてもそうであるように、我々の社会においても、頭に浮かぶなんでもを民族差別の材料にしようとする者たちが存在することは驚くに値しない。民族差別主義とは、見出し得る(実際の根拠に依拠する、あるいは依拠しない)あらゆる種類の材料を、差別を煽るために使って成りたっているような思考形態である…。(今次の地震に関し)「ほら、あなた方は警察や兵士に銃を向け 全文をよむ

2011-10-26 Taha Akyol コラム:ユヌス君の悲劇を、PKK系新聞はどう報じたか (Hurriyet紙)

ユヌス・ゲライ君は13歳だった。ヴァンのとあるインターネットカフェにいるところを地震に襲われ、がれきの下に取り残された。その肩には死者の手が。恐怖に見開かれた目で助けを待つ時にとられた彼の写真は、私たちにとって、そして世界のメディアにおいて震災のシンボルとなった。      しかし、地震の2日目に救出されたことを「奇跡」と形容されたユヌス君は、内出血で命を失うのだった。   PKK(クルド人労働党)のオズギュル・ギュンデム紙がこの痛ましい心を切り裂くような死をどのように報じたかご存じだろうか?  全文をよむ

2011-10-25 Ismet Berkan コラム:地震を政治の話にしてしまうこと (Hurriyet紙)

自分たちが感情で動く民族であることを、このような悲しい大事件ののち改めて確信した。まずは、「感情」で動く。そのあとで、場合によっては「理性」がはたらく(こともある)。      地震は自然の現実だ。ここは地震国で、ヴァンのような町では地震とは何かが他の場所より知られているにもかかわらず、地震に対し十分な技術的な対応ができていないのが、我が国の現実だ。今回のヴァン・エルジシュ地震はそのことを改めて証明した。ビルは壊れ、人々は命の危機と戦っている。建設現場から盗まれたのは、建築資材ではなく、人命だ。 全文をよむ

2011-10-25 Eyup Can コラム:トルコはなぜ、イスラエルの支援を断ったのか (Radikal紙)

トルコは、イスラエルもしくは他国の支援を必要としないかもしれない(注)。しかし、国家間の関係を好転させる必要はあるのだ。      [訳者注:この報道は10月25日のもの。その後、トルコは各国からの支援の受入に動いた。]      昨日(24日)イスラエルの各紙一面にはヴァン地震の記事が躍った。   ヴァンで発生した悲惨な災害は、イスラエルのみならず世界のメディアで最重要話題の一つであった。   しかしある点だけが違っていた…。   世界のメディアがより災害の激しさの方に焦点を当てたのに対し、イ 全文をよむ

2011-10-16 Hilmi Yavuzコラム:新憲法、でもどんな (Zaman紙)

トルコ共和国は新憲法を手に入れようと準備している。      新たな憲法が生まれるたびに、共和国は刷新される。これを踏まえると、トルコ共和国は1921年と1924年、1961年、そして1982年の憲法を経て、5番目の憲法を持つこととなるのだから、つまり5代目の共和国ということとなる。      けれども1924年憲法と1982年憲法との間には、例えば1926年4月10日に世俗主義の原則が承認されたように、急進的な一連の改正が行われたことが看て取れる。しかし注意すべき点は、1924年から1982年 全文をよむ

2011-10-15 Sami Kohenコラム―世論無関心の中、EU加盟交渉はどこへ? (Milliyet紙)

 欧州委員会の進捗報告書は、トルコのEU加盟に関する現在の見通しをより明らかにするきっかけとなった。       簡潔にまとめると、トルコはこの長く面倒なプロセスにおいて、もはや「なるようになれ」という状態になっている。以前のように、世論においても政府においてもEU加盟問題は話題にのぼらない。もう、昔のようなEUに対する熱狂や希望はない。あまりにもないため、今年の進捗報告書もさほど注目されなかっ た。昔はこの報告書について毎日議論が交わされていたほどだった。       今回外務省は、報告書(の 全文をよむ

2011-10-09 Nuray Mertコラム:タラフ紙とその他 (Milliyet紙)

クルド問題解決と社会的平和への私たちの希望がこれほど暗くなった昨今、希望を抱かせ、強調し、増す状況が現れている。今日のコラムでは、この方向でのひとつの展開として、クルド問題の見方において、冷静で民主的な発信とみることができるいくつかの記事を取り上げたいと思っていた。そう考えていたとき、タラフ紙で(PKKの)ムラト・カラユラン氏がアフメト・アルタン氏に宛てた手紙の公開は、多くの希望を抱かせた。      ジェンギズ・ジャンダル氏がトルコ経済社会研究財団のために書いた報告書や、その前後に書いた彼の一 全文をよむ

2011-10-05 Eyup Canコラム:PKK「誘拐」の真実―解決に近道はあるのか? (Radikal紙)

さあ「泣こうか、笑おうか・・・」と皆は言う。   私にはわかりようがない・・・。   さあ、あなた方が決めてください。   まず最初に、『グルグル』の今週の表紙・・・先週のPKK(クルド人労働党)によって誘拐された教師についてであるが・・・。昨日そのうちの4人が解放され、12人がまだPKKの手にある。どうか、注意深く検証してみてください。誘拐事件やこの地域性からみたPKKの真実を、これ以上大胆に誰が語れようか。そうです、ある意味これは茶番劇でもあり、現実でもあるのです。教師と生徒、保護者であるP 全文をよむ

2011-10-04 Jale Özgentürkコラム:岐路にあるトルコの労働組合 (Radikal紙)

正義労働組合連合の副事務局長、ムスタファ・パチャル氏は「労働組合として我々は分岐点にいる。私たちが変らないならば我々は歴史の1ページに埋もれてしまうだろう」と述べる      中核から労働組合員へ・・・母ミュシフィカ、父ユヌス・パチャルはトルコの困難な時代に石油労働組合連合の代表を務めたという。ムスタファ氏自身も27年間、労働組合員である。革命的労働組合連合でスタートした彼の労働組合人生は、正義労働組合連合と真正食品労働組合連合の副事務局長として現在も続いている。彼はトルコ労働組合連合、革命的労 全文をよむ

2011-09-24 Semih İdizコラム:アラブ人がみんなエルドアンを好きなわけではない (Milliyet紙)

衝撃を受ける人もいるかもしれないが、中東で、特にエジプトでは、みんながエルドアン首相ファンなわけではない。もっと言えば、エルドア ン首相を「ペテン師」と言って批難するアラブ人政治家さえもいる。中東地域の専門家やアンカラの外交関係者によれば、エルドアン首相がパレスチナの案件に対してこれほど熱心に支援していることを、―アラブの民衆にどれほど好かれていようが―アラブ人政治家は良く思っていないようだ。      あるアラブ人外交官は、上記の理由につき、「エルドアン首相は、まるで自分の他に中東地域にパレス 全文をよむ

2011-09-16 Güven Sakコラム:そのとき、TRTアラビア語放送では… (Radikal紙)

北アフリカにおけるヨーロッパのソフトパワーの必然的な分枝に位置しているのはフランスではなくトルコ      トルコの首相がここ数日、北アフリカでの外遊で成功を収めている。言うべきことを言っている。トルコがこの地域で果たすことのできる役割を全ての人に対して実践的なかたちで示している。呼び起こした関心の高さが、トルコがその役割を本当に果たすことができることを示している。      外遊の最初の訪問地、カイロにてエルドアン首相は熱狂をもって迎えられた。私も全てのトルコ国民のように、外遊の始まりを喜びを 全文をよむ

2011-09-15 EYÜP CANコラム:イスタンブルの景観と摩天楼 (Radikal紙)

超高層ビルは好きだが、スルタン・アフメトモスクの6本のミナレットの背後に伸びる摩天楼の写真を目にしたら心が痛んだ      私は超高層建築に対し反対派でもなく、イスタンブルに超高層建築を建設することに対して反対の立場でもない。   ならばイスタンブルに摩天楼がそびえ立つ新たなシルエットに対して反対しているのかといえば、反対派の人を怒らせるかもしれないが、それにもノーである。   さらに言えば私は(地下鉄の通る)マスラクにそびえ立つ超高層建築をボスフォラス海峡から臨む景色が、イスタンブルのシルエッ 全文をよむ

2011-09-14 Joost Lagendijk コラム:エジプトのモデルとなるのはどちらのトルコ・モデル? (Zaman紙)

このコラムを書いている今、タイイプ・エルドアン首相はカイロ空港に降り立とうとしている。カイロは、トルコのリーダーによるエジプト、チュニジア、リビア訪問というかなり宣伝的な「アラブの春ツアー」の最初の目的地だ。エルドアン首相の、とりわけ革命後のエジプトへの訪問は、世界中のメディアから注目されている。   メディアは、トルコのエルサレムとの外交関係の破綻や、エジプトのイスラエル大使館が先週、怒りの群衆によって襲撃され大使がエジプトからの脱出を余儀なくされたことなどを受け、トルコ、エジプト両国が新たな 全文をよむ

2011-09-13 Nuray Mert コラム:「アラブの春」と、トルコとの蜜月 (Milliyet紙)

私は、1人のトルコ国民として、「オスマン帝国の夢」を思い描き、それを外交政策に反映させることは問題だと考えている。一部のコラミストは、明確に新「オスマン人」思想、新「世界帝国」思想を肯定しているが、この考え方を問題視している人間も、同じように明確に批判を表明する必要があると思う。しかし残念ながら、「オスマン帝国の夢」が「国家戦略」だと考え、それにそって、批判を封じ込めようとする状況が徐々にひろがり、批判の声はかき消されつつある。ダヴトオール外相は、自分の戦略は「新オスマン主義」ではないと明言して 全文をよむ

2011-09-13 Semih İdiz コラム:トルコはEUの中で孤立無援ではない (Milliyet紙)

フィンランド当局の視点を通じてみてみると、トルコが戦略的に大きな意味を持ち、ヨーロッパにとって「逃すことのできない重要性」を持っていることがより明確となるようだ。フィンランドの元外務大臣で現在のEU関連の担当大臣であるアレクサンデル・ストゥブ氏によれば、トルコは「戦略上の重み」という観点からはトップ5に入る国のひとつであり、そのゆえに必ずやEU加盟国になる必要があるという。   「トルコのEU加盟が早ければ早いほど、ヨーロッパにとってはいいことなのだ」と言うストゥブ氏は、EUが深刻な経済危機を経 全文をよむ

2011-09-10 Fikret Bila コラム:目に余る「宗派」政治 (Milliyet紙)

トルコは重大な民族問題を抱えている。クルド労働者党(PKK)は、民族ナショナリズムに基づいたテロ組織として、トルコ人・クルド人間の対立を誘因している。トルコ共和国やトルコ人への敵対から、クルド・ナショナリズムを生み出している。      千年もの間、トルコ人、クルド人、アレヴィー派やスンニー派と共にこの地で平穏に暮らしてきたアナトリアの民を、民族や宗派政治によって分離させることは、最悪で最も危険な事態である。何百年もの間隣り合って、平和に生活してきたこの人々を対立させ、衝突の場を生むことは、何十 全文をよむ

2011-09-09 Sami Kohenコラム:トルコ・イスラエル対立の行方 (Milliyet紙)

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は来週、エジプト-リビア‐チュニジアを歴訪する。第一の目的は「アラブの春」がもたらした新指導者らと緊密な関係を築くことである。しかしこの外交上の攻勢は、むしろ、エルドアン政権が中東地域の再編にあたって担おうとしている役割、という観点でみなければならない。      公正発展党(AKP)政権は、従来より地域で新たな体制を築くことを最重要視し、これを外交政策ヴィジョンの主要な要素とみなしていたことは周知の事実である。アラブの春、そして最終的にイスラエル危機は、アンカ 全文をよむ

2011-09-08 Hasan Cemalコラム:イスラエルはこのまま行けば自分で自分の首を絞めることになるだろう (Milliyet紙)

イスラエルでは今日でもなお、ネタニヤフ・リーベルマン政権のスポークスマンが、トルコにおける軍の後見の破綻や対イスラエル関係の反転について「エルドアンのイスラム主義」をもって説明しようと躍起になっている      この1つの真実は非常に明白である:アラブ世界で民主化の風が吹けば吹くほど、イスラエルは面白くないのだ。   なぜなら、市民が投票する選挙によって出現する政権はイスラエルに対してより強硬で、より扱いにくい厄介な政権になるからだ。   別の言い方をすれば、アラブの春はイスラエルにとって恩恵が 全文をよむ

2011-09-06 Gila BENMAYORコラム:母子教育財団(AÇEV)の父親教育から考える (Hurriyet紙)

昨日の新聞各紙に目を通してみると、家庭内暴力やとりわけ女性に対する暴力はバイラム期間中も絶えることはなかったようだ      なおも女性が殴られ、女性が殺される。   バイラム明けの昨日、アンタリヤで行われた会議に初めて参加したが、そのテーマは最初から最後まで家庭内暴力に関するものであった。   ヒュリエット紙の「家庭内暴力を終わりにしよう」キャンペーンの終了後、現在はアイシェン・オズイェイン氏がトップをつとめる母子教育財団(AÇEV)が同じテーマで引き続き取り組みを行っている。   何年も前か 全文をよむ

2011-09-04 Etyen Mahçupyanコラム:クルド政治のエゴ (Zaman紙)

政治は、民主主義が非常に発達した国でのみ、普通の人の職業となりえる。      そこでさえ、政治家は日常生活と公務との間を太く線引きしなければならないが、少なくとも2つの間に一定のバランスがある。この種の国では、政治家の自分の役割についての認識もより謙虚になる。このため決定メカニズムに異なる見解を取り入れる能力が発達する上に、他の能力ある人を妨害しようとする意図を避けることが可能になる。しかし我が国では、政治家たちは自分の仕事を、ある種の「選ばれた者」という意識により、神の使命かのように考えてい 全文をよむ

2011-09-04 Mümtaz'er Türköneコラム:ポストPKK (Zaman紙)

(PKKキャンプのある)カンディルは、重大な局面を迎えている。      トルコーイランそして北イラクのクルド自治政府は、PKK(クルディスタン労働者党)及びPJAK(クルディスタン自由生活党)に対して、共同軍事作戦を続けている。イランも継続してカンディルへの地上攻撃を行っている。北イラク自治政府はカンディルへ至る道路の監視を徹底し、PKKへの物資の供給ルートを断って、孤立させている。トルコが空爆を続ける一方、北イラクでは少なからず軍事攻撃が行われたとの情報もある。そして、トルコはイラク国境への 全文をよむ

2011-08-31 UĞUR GÜRSESコラム:「トルコ人の夢」を考える (Radikal紙)

トルコ人に平均的な「トルコ人の夢」とはあるのだろうか?   あるとしたらその定義とは?      様々なテレビ局が日中放送している結婚プログラムに参加する人々は、結婚相手候補者へ一様に約束したかのようにみなこの3つの質問をする:「家を持っていますか?車はありますか?どのくらいの月収がありますか?」   我々多くの人々は価値観が呼び覚まされ、このような質問を非難したくなるのかもしれない。下品だと考える人と同じくらい、この質問を当然で的を射ているものだと考える人がいるのかもしれない。   しかし私は 全文をよむ

2011-08-31 Yaşar Süngüコラム:ムスリムの街で大ヒットしたコカ・コーラ社の飲料 (Yeni Safak紙)

もしあなたが、果物を使った甘い飲料のホシャフやコンポート、シェルベト、そしてヨーグルト飲料のアイランといったトルコの伝統的な飲料を忘れてしまったら、外国人はそれらを華やかに飾り立て、あなたに売りつけ、そればかりか何百万ドルと稼ぐことになる。      コカ・コーラ社は、何百年も続く伝統を2010年のラマザン月に特別に食卓に提供した。コカ・コーラ社がムスリムの街で販売したこの「カッピィ・ラマザン・シェルベティ」は(販売で)新記録を達成した。   2010年に100万個生産され、ラマザンの第2週には 全文をよむ

2011-08-26 Aslı Aydıntaşbaşコラム:私たちは幸せなのか? (Milliyet紙)

実のところ、私たちはこの惑星の最も素晴らしい場所のひとつに暮らしているはずである。   トルコは21世紀に力を持つようになった国のひとつである。我々の機は熟した。   アメリカは「二番底」といわれる経済危機に揺れ動き、ヨーロッパは物的、精神的な破滅の崖っぷちにおかれ、近隣のアラブ諸国の市民は私たちが半世紀上も前に手に入れた権利を求めて命を犠牲にしているとき、私たちはなんら心配ごとなく、安寧であるはずだ。本当に!   経済は順調で、民主主義には不足もあるが望む人は外で声をあげることも自由だ。   全文をよむ

2011-08-24 Şükrü KIZILOTコラム:地下経済の及ぼす悪影響と対策 (Hurriyet紙)

ご存知のようにトルコの経済は、インフォーマル性(地下経済)、失業、そして経常赤字という3つの重大な問題を抱えている。そして実際のところ、これらの3つの問題は相互に関連し合っているのだ。   経済のインフォーマル性(地下経済)と言えば、窃盗品、麻薬売買、ギャンブル、ブラックマネー、偽造、脱税といった違法な経済活動が思い浮かぶ。しかしこれらだけではない。例えば、市場に出る前に家庭で行われる作業や本業とは別に行われる副業もインフォーマル経済の範疇に入る。   インフォーマル経済(地下経済)は、違法犯罪 全文をよむ

2011-08-23 Sami Kohenコラム:カッダフィーの末路が示すもの (Milliyet紙)

リビアのここ48時間がこれほどまでに早く展開することを、そして、6ヶ月前にカダフィー体制に対して始まった民衆蜂起の「最終」章がここまで早くやってくることを誰しも予想だにしなかった。      更に、反体制派でさえ、日曜日にトリポリに向かって進攻中、カダフィー側の何万人もの兵士が防衛する首都中心にここまで短時間で到達できるだろうとは考えもしなかった。それ故、暫定国民評議会の某関係者は、記者らに「願わくば、断食開け祭に(即ち来週に)2つの祝祭を同時に祝います」と語っている…。      日曜日夜に反 全文をよむ

2011-08-21 Joost Lagendijkコラム:トルコ政府はイランと距離を (Zaman紙)

数日前、アメリカ合衆国とヨーロッパ連合(EU)は自らに求められていたことを遂に実行した。協調するかたちでシリアのバッシャール・アサド大統領に(軍事的弾圧から)手を引くよう呼びかけた。ワシントンとブリュッセル(EU)によれば、シリアのリーダーは、自国民に対する継続的かつ残忍な暴力行為を行った結果、すべての正当性を失った。      しかしこの呼びかけが行なわれるもっと前に、アメリカ合衆国のヒラリー・クリントン国務長官は、アメリカとヨーロッパの要求は、トルコやサウジアラビアといった国々も参加した形で 全文をよむ

2011-08-20 Akif BEkiコラム:平和民主党にカンディリ(PKK)を問う (Radikal紙)

私は平和民主党(BDP)を、そして民主社会会議(DTK)を標的にしようといっているのではない。PKK(クルド労働者党、非合法組織)の後始末を彼らに問うつもりもない。セラハッティン・デミルタシュ(BDP会派代表)は「最近生じた事件のために、後始末が自分たちに突きつけられた」と不満を述べた。私ももっともだと思う。不満の中身の全てに同調する気もないが、少なくともこの部分には私は同意する。「人殺しども」との見出しをつけた新聞は、ある部分で間違いを犯したのであり、そのことを私は批判したい。PKKが流させた 全文をよむ

2011-08-19 Hüseyin Gülerceコラム:PKKテロはなぜ増加しているのか (Zaman紙)

ここ1ヶ月のあいだでPKK(クルド労働者党)は40人の軍人や警官を殉死に至らしめた。7月15日にスィルヴァンで奇襲攻撃された13人の軍人のほかに、その前日にも奇襲攻撃によって8人の軍人と1人の村落警備兵が殉死した。エルドアン首相の「我慢も限界だ」との発言が何を意味するのか議論されている中で、ジェット戦闘機は北イラクのPKK基地を爆撃した。      PKKは本当のところ、何をしたいのだろうか?警官や軍人に対する直接的な襲撃の本来の目的は何なのか。      まずは「PKKは何なのか」という質問に 全文をよむ

2011-08-17 Yaşar Süngüコラム:ソマリアの飢餓と飽満な私たち (Yeni Safak紙)

ヨーロッパの人々がこの大陸を搾取する代わりにパートナーとして取引きすることを選んでいたら、今日アフリカ諸国はどうなっていただろうか。   アフリカにおける餓死の大部分がムスリムであることに注意してほしい。ムスリムをテロリストであるかのように見せようとするヨーロッパ各国政府が、食糧を与えつつキリスト教徒化させたアフリカの貧困者たちには支援をする一方で、同じアフリカ大陸で餓死の危機に瀕する人々とは一体誰なのか。   それは、ムスリムであり続けたいというアフリカの人々である。   つまり、私たちは餓死 全文をよむ

2011-08-13 Metin Munirコラム:クルド問題におけるアイデンティティと経済 (Milliyet紙)

昨年9月、私はヴァン県、ビトリス県、ハッキャーリ県で数日を過ごした。久しぶりに訪れたこの土地でもっとも私の目を引いたのは、東部にあったあの古臭くて眠たげな停滞した雰囲気と非常に異なる活力の存在だ。インフラ整備や公共サービスが確かに充分に行われていた。      かつてトルコで一番発展していない町のひとつであったビトリスが、近代的な街に変わっていた。アンカラは、単に財布の口を締めるだけの、それらの町に派遣する官僚をも変えていた。不機嫌顔で権威主義的な知事の椅子には、若くて、何かを成す為に心から力を 全文をよむ

2011-08-04 EYÜP CANコラム:女性に対する暴力に関するあきれた見解 (Radikal紙)

女性に対する暴力が瀕している深刻な局面と、宗務庁の宗務ワクフ従事者組合代表、リュトゥフィ・シェノジャク氏の小学生の作文レベルの提言との間にある隔たりについて、みなさんはどう考えるだろうか      「純粋」というなら、そうではない。   かといって「無頓着」でもない・・・。   さながら、宗務ワクフ従事者として話しをしてるのだが・・・。   しかしながら、彼の言うところは、宗教とも、宗務(庁)とも、はたまた知性とも道徳観とも結びつかないものだ。   連日トルコでは女性たちが家や職場、路上で夫から 全文をよむ

2011-08-03 Ali Bulac コラム:シリアにとって解決策はトルコ (Zaman紙)

2011年3月15日から現在までに、シリアで命を落とした人の数は1660人に上る。3000人が行方不明、1万2000人が拘留されている。      強調しなければならない点がある:   シリアで起きている社会暴動には正当な根拠がある。政治体制は軍の独裁に基づいており、国民の大部分を政治に参加させず、つまりは時代遅れな政治精神の保持者なのだ。アラブ民族主義、社会主義、急進的世俗主義、宗派対立が混在するバース党イデオロギーが存続するチャンスはなく、遅かれ早かれ双子の兄弟であるイラクのサダム政権のよう 全文をよむ

2011-08-02 ORAL ÇALIŞLARコラム:将官たちはどこでつまずいたのか (Radikal紙)

政治や社会への軍の介入に希望を見出していた者たちは、現在、本当に気落ちしているだろう      ジュムフリイェト紙で仕事をしていたとき、社に幾人かの退職将官が訪れた。陸軍総司令官や軍警察総司令官を歴任したある退役司令官と話しをしているときのこと、私を振り返り、軽くからかうような口調で「オラルさん、あなたはずいぶんソフトになりましたね」と言う。「どういうことでしょうか?」と尋ねた私に、「イスラムというものに対する態度がずいぶん変わったようです。スカーフを被ることについても受け入れているではないです 全文をよむ

2011-08-01 Hasan Cemal コラム:軍はトルコをどうみてきたか (Milliyet紙)

軍、クーデター、もしくは「後見人たる軍」が、(トルコの)民主主義が二流に留まった原因であることは明らかである。今、このシステムが崩れようとしている。トルコは公正発展党政権のもとで、法の優位を厭うこのシステムの崩壊とその苦痛を経験している。      軍は、常にトルコを巨大な兵舎と見なしてきた。   この兵舎に規律を作り上げようとした。   (その中の人間は)一種類の人間になるはずだった。   (その中の思想は)一種類になるはずであった。   この兵舎の中では全員がアタテュルク主義者となるはずであ 全文をよむ

2011-07-31 Ismet Berkanコラム:軍はどれほど法や民主主義を尊重しているというのか (Hurriyet紙)

どうしても否定され得ない事もある。      2000年代初頭、参謀本部は私たちの税金で様々なインターネットのドメイン名を買っている。      そしてこのドメイン名をもとに情報を発信する様々なインターネットサイトを開いている。このサイトでは嘘の情報や情報操作、挑発的な事柄が発信されている。こういったサイトではトルコ国民に嘘の情報が流されているだけではなく、同時に参謀本部は自らの政府に対して否定的な宣伝活動をしている。      最高裁判所共和国検事局長は、参謀本部が作ったサイトにある嘘の情報を 全文をよむ

2011-07-31 Oral Calislarコラム:クルドはひとつの政党におさまらず (Radikal紙)

ブルカイは、「今の時代にクルド人が一つの政党におさまることはありえない。連邦制であれ自治であれ、民主主義的でないといけない」と述べた。      ケマル・ブルカイは、ストックホルムのアルランダ空港で当紙のコラムニスト、オラル・チャルシュラルに、オジャランやPKKとの論争は避けるつもりであり、平和的解決に自身の活動の重点を置いていくと話した。さらに、オジャランが普通の刑務所に移送され、徐々に自由を得ることに賛成であると述べた。チャルシュラルが、40年来の友達であるケマル・ブルカイとトルコに帰国する 全文をよむ

2011-07-24 Gunduz Vassafコラム:自らが好きな名前を選ぶ権利を (Radikal紙)

自らの名前の選択を自由に行い、世界市民への道を開くときはすでにやってきた。      憲法裁判所は、トルコ国民のファヴィウス・アイ氏が名前をパウルス・バルトゥマに変更することを、苗字がトルコ語でないとして認めなかった。名前がなぜこれほど重要なのか?   頭に浮かぶのは、「子どもを持つ(所有する)」という表現から考慮するに、馬、ロバ、猫、犬に名前をつけるように、我々は子どもに名前をつけているということ。歴史を通じて私たちは“奴隷”(所有されるもの)であり、“奴隷”の所有者だった。過去を顧みるとき、 全文をよむ

2011-07-23 Fikret Bila コラム:自治への「慣らし期間」 (Milliyet紙)

民主社会会議(DTK)が宣言した自治に対し、アンカラからは強く、広範な反応はなかった。これはおそらくある戦略によるものであった。つまり、アンカラは穏やかな反応をとることで、人々にその宣言を深刻に受け止めないようにというメッセージを与えようとしたと考えうる。      自治宣言に対しタイイプ・エルドアン首相は、新聞記者らの度重なる質問に答え、「彼らが勝手に騒いでいること」という反応を示した。アブドゥッラー・オジャランは「宣言が重要なのではなく、実現させることが重要なのである」と述べ、自治の要求を実 全文をよむ

2011-07-19 İbrahim Karagülコラム:CIA新長官ペトレアス氏のトルコ訪問が意味するもの (Yeni Safak紙)

なんでこんなにあせっているのか      米中央情報局(CIA)の新長官の最初の訪問がトルコであるというのは、みなさんにとっても興味をひくものではないだろうか?15日前に長官に承認されたデイビッド・ペトレアス氏は、(駐留先のアフガニスタンから)母国へ帰る前にトルコを訪れた。カブールでのハミド・カルザイ大統領のメダル授与式の後すぐに飛行機に乗り、トルコにやってきた。      トルコを大好きなのか、トルコがアメリカにとってどのくらい重要であるかを身を持って示そうとしているのか、はたまた非常に重要な 全文をよむ

2011-07-19 Hasan Pulurコラム:「クルディスタン人」となること (Milliyet紙)

なぜ書くのかと尋ねる人々がいる。私たちも自分自身に「何のために書いているのか」と尋ねる。   チェティン・アルタンは「5月27日(1960年クーデター)」の1ヶ月前、ベヤズット広場で警察と学生の衝突が起こった後、何と言ったか   『今日は記事を書きたい気分ではない!』   私たちもそうだ!13人の兵士が亡くなり、心躍ることもなく、手は動かない、書くとしても何を書くのだ!?   いつも同じことを書く、そうではないのか?      葬儀での、広場でのスローガンは変化しているだろうか?   「殉職者よ 全文をよむ

2011-07-18 Şükrü KIZILOTコラム:何十万人もの退職者が固唾を呑んで見守っている (Hurriyet紙)

最近、退職者からの質問や苦情が相次いでいる。      いや、相次ぐどころか、集中砲火を受けている状態だ。   内容は、退職年金に関するものだ。   全員が固唾を呑んで説明を待っている。   その数は決して少なくない、何十万人もの退職者がいるのだ。      ■一体どういうことなのだ?      公務員を退職し、民間部門に勤めた人々で社会保険機構(SSK)、あるいは自営業者保険組合(Bağ-Kur)から年金を受給する何十万人もの退職者がいる。   (受給する退職者が)死亡していたとしても、相続人 全文をよむ

2011-07-17 Mehveş Evinコラム:アイヌール、ひとつの言葉しか許さない社会は憎しみしか生み出しはしない (Milliyet紙)

ジャズフェスティバルのプログラムを手に取るや否や、「このコンサートを見逃してはならない」と口にした。コンサートのタイトルは私を十分に満足させた。タイトルが「水の女」だから。      どちらも私が関心を寄せる2つのテーマであり、女性と水が一つの場に、そしておそらく非常に多様な音楽の試みともなるはずであった。スペインの作曲家であるハビエル・リモン氏のアルバムを、それぞれ異なる民族の、異なる声、異なる肌の色をした4人の女性たちが歌うはずであった。ブイカ、ラ・シーカ、サンドラ・カラスコ、そしてアイヌー 全文をよむ

2011-07-16 Cengiz Candar コラム:スィルヴァン襲撃事件、焼け死んだものは? (Radikal紙)

政治の常として、謀略に故意に陥ろうとするものを止められる力は何もない。      かつてハブル国境門での事件が「クルド問題解決プロセス」を軌道から外した。そして今度はスィルヴァンが選挙後の「解決プロセス」を焼きつくしたようだ。スィルヴァン事件で焼けて命を落とした13人の兵士に関して(またPKK[クルディスタン労働者党、非合法組織]からは7名が死亡)、31年前にトルコを去り、もうじき帰国するといわれているケマル・ブルカイ氏は書面で発表をおこなった。文書は私にも送付され、次のように述べられている。  全文をよむ

2011-07-15 Murat Yetkinコラム:ラマザン月前に、リビア停戦を―トルコの努力 (Radikal紙)

リビア停戦へ向けた議論の口火をきる唯一のロードマップはトルコの提案から      7月15‐16日の2日間、リビア・コンタクト・グループの関係者たちが、会議のためイスタンブルに招待された。トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、リビアの状態を悪化させないよう、ラマザン月前の解決を呼びかけた。      ダウトオール外相は、リビア・コンタクト・グループの第4次会議が開催される、ボスフォラス海峡に面した歴史的なチュラーン宮殿で、記者団と会見を行った。(そこで外相は)ラマザンの際に休戦が約束されず、 全文をよむ

2011-07-11 Hasan Pulurコラム:イスタンブルにある村 (Milliyet紙)

「イスタンブルにある村」といえば、すぐに頭に浮かぶいくつかの村があるだろう:「カドゥキョイ、イェニキョイ、イェシルキョイ」   少々少ないかもしれないが、イスタンブルにある村といってイスタンブルの人たちの脳裏にはこれらの村が描かれるだろう。   でもひょっとして、他の村もあるのだろうか?   いや、あるどころか(イスタンブル県には)151の村があり、まさしくこれぞ「村」と言うべき村なのだが、イスタンブルの人々ですら、知らない。      イスタンブル県特別行政体による研究で、知られているようで知 全文をよむ

2011-07-07 Taha Akyolコラム:新内閣は「熟練」内閣 (Milliyet紙)

全ての解説者に共通する見解は、新内閣が「テクノクラート(技術家政治)」だというものである。左派の自由主義者はこの概念が、公正発展党の「伝統的な中道右派」政党への回帰の兆しであるとして批判している。   しかし私はそうは思わない。   民意によりもたらされ、民主的な改革を重視し、開発・発展に関しては「テクノクラシー」の視点をもつこの「中道右派」概念について、私は肯定的にみている。   大臣を個々に取り上げる代わりに、重要だと思われる3つの観点から新内閣を批評してみたい。      クルド問題   全文をよむ

2011-07-04 Fehmi Koruコラム:サッカーはもはやただの「サッカー」ではない (Zaman紙)

フェネルバフチェのようなチームがチャンピオンになるために八百長をするのか?      いや、おそらくしないだろう。してはならない。「八百長」は「スポーツ」と共に用いるべきでない、正反対の言葉なのだから。      私が、今年それぞれ異なる5つの部門でチャンピオンとして名前を刻んだフェネルバフチェのファンだからこう言うわけではない。フェネルバフチェを応援する理由は「私のチームは八百長をやらない」という事実にほかならない。八百長によって得た勝利や優勝は「勝利」、「優勝」とは言えないというくらい、私は 全文をよむ

2011-06-29 Hasan Cemal コラム:カンディル・PKKキャンプにて、その4 (Milliyet紙)

イラクのセラハッディンでネチルヴァン・バルザーニー氏に「和平の希望はあると思うか?」と聞いた。今こそ和平への機会だというバルザーニーは、エルドアンが50%の票をえていることを指摘し、和平プロセスに関する提案を列挙した。      イラクのクルド自治政府で、マスード・バルザーニーに続きナンバー2の位置のいて、「クルド・ファイル」の鍵を握るネチルヴァン・バルザーニー氏は、エルドアンがこれまでクルド問題解決のためにやってきたことは無視できないものだと語った。ただし、今後もなされるべきことはたくさんあり 全文をよむ

2011-06-29 Hasan Cemal コラム:カンディル・PKKキャンプにて、その3 (Milliyet紙)

カラユランからアンカラへのメッセージ:議論すべきことは全て議論された。政府とアポ代表は、あらゆることを話しあった。今こそ、一歩を踏み出すときだ。アポ代表が政府に提出した3つのプロトコールには、これから行われるべき方策の枠組みが示されている。首相に、政府に、国家に、次のことを伝えたい。我々は、「トルコの自由意思にもとづく共存gönüllü birlikteliği」の基礎の上に、平和を築きたいと考えている。       カンディル山麓にむかっている。日は上ったばかりだ。2011年6月25日。我々を 全文をよむ

2011-06-28 Hasan Cemal コラム:カンディル・PKKキャンプにて、その2 (Milliyet紙)

PKK(クルディスタン労働者党、非合法組織)リーダーのムラト・カラユランは、我々の質問に対し、「国はカンディルとの接触を求め、実際接触してきたが、我々は駄目だと言ったため、接触を取りやめた。我々の連絡先はイムラル島なのだから」、「最初のクルド問題の民主的解決は失敗だった。なぜなら、エルドアン首相は自分で笛を吹いて、自分で踊りたがったからだ。公正発展党(AKP)と平和民主党(BDP)がお互いに背中を向けるのであれば、和平の道は閉ざされる。」      カンディル山のある場所にて。2011年6月25 全文をよむ

2011-06-27 Hasan Cemal コラム:カンディル・PKKキャンプにて、その1 (Milliyet紙)

二年ぶりにカンディルで再会したカラユランは、平和と第二の解決策を呼びかけた。      「2011年を解決の年にせねばならない、でなければ我々は抵抗を続ける。我々は今、決定的な岐路に立っている。トルコ大国民議会(TBMM)が休暇前に(当選した)議員の資格問題と新憲法に関して前向きな姿勢を示せば、平和的見通しは強まるはずだ。」      「我々はもう武力を望んでいない。我々は分離主義者ではない。アポ(オジャラン)は一か月前、政府に三つのプロトコルを提示しました。それは平和のための(2009年に続く 全文をよむ

2011-06-21 Cengiz Candar コラム:トルコの中東政策転換と、トルコの民主化へのシリアの貢献 (Hurriyet紙)

私がこのコラムを書いている時、バッシャール・アサド・シリア大統領の「国民へ」の演説が待たれていた。2か月を経て、その後最初の演説を行い、「国民による合法な要求」と「武器をもった集団」を区別して扱っていると述べると予測されていた。      バッシャール・アサド大統領は演説の前、イマド・ムスタファ駐米大使は、演説の内容と重要事項に関し相図を送っていた。アサド大統領は、シリアで数々の事件が始まってから2ヶ月後に最初の(今日に至るまでで唯一の)演説を行った。しかし、この演説は人々をひどく失望させるもの 全文をよむ

2011-06-21 Murat Yetkinコラム:トルコ政府注視、「シリアは約束を守れるか」 (Radikal紙)

シリア・アサド大統領の昨日の発言に対し、トルコ政府の反応は「見守ろう」であった。しかし、待つ時間はそう多くは残っていない。      シリアのアサド大統領は本当に何とかして国を救いたいのだろうか、それとも他の国々の独裁者が歩んできた-そして失敗に終わった-道を経験する時間がほしいのだろうか。   シリアのアサド大統領が昨日ダマスカスの大学関係者に対し行った演説の後、トルコを含めさまざまな国の政府で問われた質問はこれである。      この発言をアサド大統領が強く望んでいたとは言えない。実際、これ 全文をよむ

2011-06-20 Ali Bulaçコラム:新クルド問題 (Zaman紙)

クルド問題はずいぶん前から「新」段階に入っている。これを「新クルド問題」ということができるだろう。      「新」であるものを「旧」と区別するのは、問題に対する社会的な支援基盤の変化と、言葉や政治的用語ではっきり表明された新たな要求である。      新憲法策定の興奮が巻き起こっているが、一般的にトルコ社会の中にある憲法をつくる力は、「新クルド問題」の行方を決定できるだけの力をもっているようにみられる。      もし、社会的な交渉と妥協に基づく新しい市民的な憲法の作成が成功すれば、この問題は 全文をよむ

2011-06-20 Mehveş Evinコラム:部族時代の終焉―ユーフラテス河畔で考える (Milliyet紙)

私は今、ユーフラテス川の畔、ビレジキにいる。そよ風が吹き、昼間照りつけていた強烈な日差しは嘘のようだ。色とりどりの電球で飾り立てられたオープンカフェは、夜になると魚や肉を出すレストランに変身する。クナの夜や婚約式、結婚式もここで行なわれる。   ウルファのこの地方の名物であるハシュハシュ(ケシの実)ケバブを食べながら、ビレジキの住人達とお喋りする。選挙結果には誰も驚かなかったらしい。ウルファでは、公正発展党(AKP)が64.8%の票を獲得し、大差をつけて勝利した。部族から無所属で出馬した候補者の 全文をよむ

2011-06-17 Semih İdizコラム:トルコにとっての、真の悲劇とは (Milliyet紙)

歴史が国家に対して偶然のチャンスを与えることはまれにある。トルコは今まさに、こういうチャンスをつかんでいるのである。しかし私たちトルコ人には、チャンスをみすみす逃すという悪しき習慣もある。このようにして私たちは発展を不用意に遅らせてきたのである。      ヨーロッパ全般において、そして特にギリシャでいま危機が起きている。事態はEUの観点からも、破綻しつつある加盟国の観点からも良いとは言えない。解決も今日明日にできるようなものではない。解決したらしたで、現在とは異なるヨーロッパが現れるだろう。  全文をよむ

2011-06-16 Mehmet Ali Birand コラム:トルコの恐れるシリア情勢のシナリオ (Milliyet紙)

トルコはシリア国境内に緩衝地帯を設ける用意している…。      アンカラ政府は、次第に望みを諦め、アサド大統領から離れている。注意をしてみると、首相は発言ごとに少しづつ厳しいものとになり、警告の分量が増えてきている。どんなにカダフィーのケースのように接触が断たれず、未だになんらかのサプライズが待ち望まれていようとも、アサド大統領は簡単に手を引かないとの見方が優勢である。この件で、政治の決定権をもつ人々にインタビューしてみると、状況の深刻さがよくわかる。      ■シリアはトルコを非難し始めた 全文をよむ

2011-06-15 Cevdet Askin コラム:PKKにとって、今は「政治と平和」の言葉を語る時 (Radikal紙)

PKKは、今日、停戦を「終了か、継続か」を発表する。しかしBDP(平和民主党)が国会に36人の議員を送り込んだことは、クルド問題の解決にむけ、戦争ではなく「平和と政治」が用いられるべきことを示している。      6月12日の選挙で平和民主党によって支持された「労働・民主主義・自由ブロック」が36人の議員を輩出したことが、カンディル(のPKKキャンプ)やイムラル島(に収監されているオジャラン)による、PKKの今日の決定に影響することは避けられないとみられている。      イムラル島を訪問したB 全文をよむ

2011-06-15 新憲法の屋台骨と、首相の「BDPイニシアチブ」 (Hurriyet紙)

今日は、6月15日。アブドゥッラー・オジャラン氏が頻繁に訴えていたPKK(クルディスタン労働者党、非合法組織)の「停戦」期間の最終日である。オジャランは6月15日を「大きな歩み寄り」、あるいは、「最後の審判の日」と表現し、これを強調した。      ■どちらに向かって我々は進んでいるのか。      6月15日は確かに、1種の隠喩である。これは6月12日の総選挙後という意味だと考えるのが正しい。実際、オジャランもこのようにほのめかしていた。すなはち、明日になったら、「最後の審判の日のような大混乱 全文をよむ

2011-06-14 Ali Akelコラム:BDPは解決の一部を担うべきだ (Yeni Safak紙)

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、その名をトルコの歴史に10年以上にわたり刻みこんでいる。それは今も続いている。神が彼の長い寿命を与えたなら、まだまだ(彼の活躍する)時間はありそうだ。歴史的出来事が起こってきたこのトルコで、昨日「歴史的」な選挙を実現させた。50%に近い得票率で326人の国会議員を当選させ、2002年から今日まで自らの政党を3回も単独与党にした。エルドアンが党首を務めるAKPにおいて、その党首の言い方に従えば、熟練した「親方」の時代が始まった。      エルドアン首相は、言 全文をよむ

2011-06-13 Hasan Cemal コラム:エルドアン、「歩み寄り」と「空気を和らげる」勝利演説 (Milliyet紙)

いつでも「始め」は希望に満ちている。願わくば、50%という高得票率が、エルドアン首相を、バルコニーからの勝利演説で見せた、融和的で歩み寄りを前提とした路線からはずれさせませんように!      選挙結果ですか?次のように要約しましょう。      (1)いうまでもない。タイイプ・エルドアンと公正発展党(AKP)が全投票者の半分、すなわち2人に1人の票をえて、大勝利を手にした。      (2)これは、本当に大きな勝利だ。なぜなら、AKPは、3度続けて国政選挙を票を伸ばしながら通過した。こうして再 全文をよむ

2011-06-11 Sami Kohenコラム:選挙に対する外国の視線 (Milliyet紙)

トルコで行われる選挙に対して、今回、海外メディアや海外アナリスト達は大きな関心を示している。今回の選挙では政権交代が期待されないにも関わらずこのように関心が示されているのには、2つの理由がある。      第一の理由は、トルコに対して付された重要性である。近年トルコは地政学的な位置づけのみならず地域大国としての地位も向上させ、真に世界各国の注目を集める国となった。第二の理由は、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相が持つ権力とパーソナリティーに関係する。まず、エルドアン首相は「メディア受けする」リー 全文をよむ

2011-06-11 Eyup Canコラム:一票をだれに? (Radikal紙)

多くのコラムニストが、これまでと違ってだれに投票するかを表明している。こうした傾向は、海外メディアでは「民主主義の進展」だとされている。      ついに今日が最終日だ・・・60日間の選挙マラソンは明日、自由意志による投票によって終決する。報道では、喜ばしい議論が始まった。多くのコラム二ストが、これまでと違ってだれに投票するかを、コラムに示している。ヨーロッパやアメリカでは、個々のコラミストだけではなく、新聞社でさえ編集委員会として、選挙の時は毎回どの政党を支持するか理由を添えて論じる。最近レジ 全文をよむ

2011-06-10 Fikret Bila コラム:選挙後へ、必要なのは「冷却」 (Milliyet紙)

ジェミル・チチェキ副首相は、昨日(9日)、CNNトルコにゲスト出演した。チチェキは老練な大臣として選挙禁止事項にしっかり従っている。高官専用車はガレージにしまわれてしまった。チチェキは婿の私有車を使用している。周囲には政府職員は同行していない。秘書官をはじめ彼の周囲には首相府官僚は一人もいない。党の職員が1名いるだけである。      ■「モーターが非常に過熱している」      白熱した選挙キャンペーンが政治に深く入り込んできたこと、党首らが非常に厳しく話しあっていたことに触れながら、選挙後に 全文をよむ

2011-06-10 Oral Calislar コラム:首相の不機嫌と、「クルド問題」の行方 (Radikal紙)

選挙期間中、もっとも関心を持たれたテーマは、各政党のディヤルバクル集会だった。世論は、おそらくかつてなかったほど、各政党のディヤルバクル集会を検討し、比較し、市民の反応について考えた。      平和民主党の元副党首アイセル・トゥールクは、昨日、アブドゥッラー・オジャランを訪問した。記者たちは、オジャランが収監されているイムラル島から帰り、彼女らが述べるであろうメッセージを待ち構えていた。「オジャランは何を話した?」「自治区問題をどう考えている?」「6月15日以後、大混乱がおきるといっていたが、 全文をよむ

2011-06-09 Fikret Bila コラム:各党党首にとっての、6.12選挙 (Milliyet紙)

政党指導者にとって、どの選挙も大事だ。しかし、2011年から2015年を決めるこの選挙は、政治指導者らにとって、特別な意味がある。   レジュプ・タイイプ・エルドアン首相、共和人民党(CHP)クルチダルオール党首、民族主義者行動党(MHP)デヴレト・バフチェリ党首、平和民主党(BDP)の共同党首らは、精一杯、選挙を戦っている。誰にでも真似のできることではない肉体的なパフォーマンスも示している。トルコの端から端へと飛び回り、一日の間にいくつもの集会をこなしている。演説会場から演説会場へと走っている 全文をよむ

2011-06-08 Sedat Erginコラム:四党すべてが勝つシナリオはありえるか? (Hurriyet紙)

4週間の間、頻繁にイスタンブルの外に、アナトリアの様々な場所に私は行った。一回ヒュリイェト列車でカルスにまで足を伸ばしたこともある。さらに、大きな政党の党首らや、一部の議員候補の選挙キャンペーンや集会を見るため、あらゆる機会に現場へ出向いた。      この旅は、アナトリアの状況を自らその場で見て、様々な地域の異なった政治的傾向の中で国民と接し、彼らの話しを聞くと言う観点から、私に二つとない機会を提供した。私は、足を踏み入れたすべての場所からイスタンブルへ、精神的にも知識・経験水準的にも豊かにな 全文をよむ

2011-06-08 Hakan Albayrakコラム:全世界の目がイスタンブルに (Yeni Safak紙)

昨日の本紙に私は次のような記事を書いた:      「エルドアン首相がディヤルバクルとイズミルで行った講演で前面に打ち出したのは、政府は国民と共にある、ということだった。こうした方向性をもって踏み出す一歩一歩によって、トルコが持っている『理想の国家』の潜在的な力の一面が明らかになるし、社会の平和と繁栄という観点でトルコは他国を一歩リードすることになる。そしてまた(こうした一歩は)、トルコを力強い国にするし、トルコに及ぶ悪の力を弱体化させることにもつながる。」      しかし、これにはまだ続きが 全文をよむ

2011-06-08 Semih İdizコラム:一歩一歩、内戦に近づくシリア (Milliyet紙)

シリアは徐々に内戦へ進んでいる。アレヴィー派とスンニー派の対立は国内全土に影響を及ぼすほどに深まっている。トルコ国境までわずか12kmのところにあるジスル・アッ=シュグールの町の人々は、アサド派に対する報復の準備をしている。イブラーヒーム・アッ=シャッアール内務大臣は、外国メディアへの規制により詳細は知られていないものの、一昨日120名もの治安部隊が殺害されたことに対し、最も強い返礼をおこなうと約束したという。1980年代にハマーで起こったムスリム同胞団に対する虐殺を経験しているジスル・アッ=シ 全文をよむ

2011-06-07 Nuray Mert コラム:「名誉の試験」―エルドアン首相の攻撃に答える (Milliyet紙)

【訳者注】6/5のNuray Mert のコラムを受けて、エルドアン首相は選挙集会で「東部への投資に反対するものがいる」として批判した。このコラムは、それを受けたもの。      -----------      なによりまず、エルドアン首相が私に向けて行った批判の演説に対し批判の意思を示してくれた皆さんに感謝したい。この反対は、私個人、あるいはいつも私がいっていることへの賛意ではなく、なによりも、文化的、民主的態度からの批判だと理解している。そうでなければ、エルドアン首相を怒らせた私の発言に対 全文をよむ

2011-06-07 Semih Idiz コラム:欧米におけるエルドアン・イメージの変化 (Milliyet紙)

政権が公正発展党(AKP)の手に渡ったとき、エルドアン首相は「イスラム推進派」として広く知られているにも関わらず、欧米ではすぐに「トルコの新しい望み」と評された。首相に就任してまもなく、EUとキプロス問題においてその力を発揮し、従来の首相のイメージを覆した彼の手法は、欧米の国々に大きな驚きを与えた。      9月11日の衝撃が残る西側で「トルコがイスラム推進派のものになった」という恐怖は、すぐに過去のものとなった。エルドアン首相は「わたしたち(AKP)は、現状を維持するために立ち上がったわけじ 全文をよむ

2011-06-06 Taha Akyol コラム:3党の歩み寄りは可能か?新憲法はできるか? (Milliyet紙)

選挙各地での街頭演説を私は全く重視していない。念頭にあるのは、選挙後にどうなるかだけだ。最も重要なことは、新憲法は作ることはできるかどうかだ。口で言うのは簡単だ、「市民的、民主主義的、参加型」!しかし、具体的な話になると、不協和音がはじまる。      CNN Turkで、AKP(公正発展党)からムスタファ・シェントップ氏を、CHP(共和人民党)から欧州人権裁判所の元陪審員リザ・チュルメン氏を、MHP(民族主義者行動党)からはウミット・オズダー氏を招き、昨晩この件に関して私は番組作成を行った。概 全文をよむ

2011-06-06 Şükrü KIZILOTコラム:社会保障の劇的な数字 (Hurriyet紙)

社会保障機構について、その支出を収入がカバーできていないこと、運営は常に赤字で、赤字財務の補填に一部予算が使われていることが(機構にとって)かなりの負担となっていることは、みなの広く知るところである。      社会保障機構の収支バランスの不均衡よりももっと劇的なことは、社会保険機構、自営業者保険組合、年金基金のいずれかに加入して保険料を納めている人たちが、支払った保険料分すら、受給年金として受け取れないということである。      ■高い非正規雇用率      この劇的な図表の最も重要な原因は 全文をよむ

2011-06-04 Derya Sazakコラム:エルドアンvs.英「エコノミスト誌」 (Milliyet紙)

イギリスの雑誌エコノミストが、トルコの有権者に向けて「民主化のために共和人民党(CHP)に票を入れよう」とよびかけたことが、首相エルドアンを怒らせた。      エルドアン公正発展党(AKP)党首は、コンヤでの集会で、同誌が分析を超えてCHPに対し、はっきりと票を求めているとし、厳しい言葉で批判した。タイイプ(・エルドアン)氏は、CHPのケマル・クルチダルオール氏がある「意図」によりバイカル氏に取って代わったことを「計画的なこと」とみており、それを、背後にある「陰謀団」と結び付けている。昨日は、 全文をよむ

2011-06-03 Nuray Mert コラム:否定の政治は、クルド人以上にトルコ人に有害 (Hurriyet紙)

私が昨日(2日)記事を書いた頃、首相はまだディヤルバクルでの集会を行っていなかった。他のことを期待するものがあったかどうか分からなかったが、私は、今日にいたるまで彼が発言したこと以外の発言をするとは期待することができなかった。そしてその通りになった。      首相は、やはり予想された通り、ディヤルバクルにおいて首相の基準からすれば「柔らかい」言葉を使った。しかし、首相の選挙期間中のクルド問題についての懸緊張の度合いを非常に高めていたため、どれほど柔らかい言葉であろうと、「テロリスト」、山賊とい 全文をよむ

2011-05-31 Arif Beki コラム:クルチダルオール対(旧)CHP (Radikal紙)

この対戦についてはっきりといおう。なにはともあれ、現状維持の確固たる門番だった旧CHP(共和人民党)に対し、「変化の党になる」という競争で、与党公正発展党(AKP)と張り合う新CHPを、私は応援しよう。クルチダルオール党首とその仲間の新しい政治が、成功しますように!      クルチダルオール党首は先週の水曜日、イスタンブルで、現状維持の看板を下ろし、CHPの旗に刷新のリボンを付けた。「変化の政党は、CHPだ」と宣言した。いいことだ!      AKPは新しい挑戦に直面している。なぜなら「変化の 全文をよむ

2011-05-27 Derya Sazakコラム:クルド自治区問題と言語 (Milliyet紙)

CHP (共和人民党)は「欧州評議会地方政府および自治区憲章」の承認に関し、これまでの「保留」という立場をとってきたが、それを変更すると発言し、このことは「クルド語教育」と関し、新た議論の可能性を開くものとなりそうだ。      日曜の夜にケマル・クルチダルオール党首がセンジェル・アヤタ氏とユクセル・カヴァク氏と共に行った「教育改革」についてのプレゼンでは、「母語での教育」問題がCHPの党員らに向けられた。      CHPは現時点では、母語での教育ではなく、(母語自身を教える)教育を提唱してき 全文をよむ

2011-05-24 Huseyin Gulerceコラム:MHPへのスキャンダル攻撃、誰が、何のために? (Zaman紙)

民族主義者行動党(MHP)施行部の10名を辞職に追いやったビデオテープに関する、二つの問いへの答えに注目が集まっている。      まず、誰がやったのか?二つ目に、何のためにやったのか?これらの問いに答えるために、一つの前例にあたらなければならない。ビデオテープで政治生命が終わった例、すなわちデニズ・バイカル元共和人民党(CHP)党首を辞任に追いやった事件である。       この例について話を続けよう。CHPに対し、誰がこれをやったのか?バイカルをはじめ、CHP内部や一部マスコミは、すぐに、公 全文をよむ

2011-05-19 Sedat Erginコラム:エルドアン首相を支えるのは貧困者と女性たち (Hurriyet紙)

エルドアン首相のマラトゥヤでの演説に集まった熱狂的な群衆の最前列は完全に女性で占められていた。      サッカー場より広いマラトゥヤの新しい市の広場を埋め尽くす大群衆の中で、最も熱狂的なグループは、大方が若い女性で占められた最前列の一群であった。ほとんど全員がスカーフを被っている。彼女たちの発する「トルコはあなたを誇りに思う」というスローガンは、たびたび首相の言葉をかき消すほどだ。   最前列にいた有権者のうち、4人の娘を学校に行かせている30歳代半ばと見受けられるアイハン・ユルマズさんは「タ 全文をよむ

2011-05-12 Metin Münirコラム:トルコのエネルギー政策は? (Milliyet紙)

日本は2030年までに、総発電量のうち原子力の割合を30%から50%に引き上げる計画だった。   日本の菅直人首相は先日、この計画を白紙に戻すと発表した。   政府は福島原発の事故のあと、長期的なエネルギー政策を再検討することになっていた。今日まで、大部分の電力をガス(火力)と原子力に依存して発電してきた国は、今後、太陽光や風力、バイオマスといった再生可能でクリーンなエネルギーへも重点を移すことになる。エネルギーを節約しながら使用する社会となるのだという。   福島原発の事故を受けた日本のように 全文をよむ

2011-05-09 Ferai TINÇコラム:アラブの春とトルコの新たな役割 (Hurriyet紙)

進展を注意深くみていくと、次の時代は周辺諸国において脱・独裁の時代になることは疑いの余地がない。      チュニジア、エジプト、リビアに続きシリアでも(民衆蜂起が)始まったが、他の諸国もこれに続いていくかもしれない。   健全な民主体制の構築のためには、ことを急いではならない。トルコは、この不確定要素の多い移行過程に対し、冷静に、対応の準備を整えている状況にある。   この変化の過程は、トルコと周辺地域との関係が新たに形づくられていく過程となるであろう。とりわけ、現政権下において、中東における 全文をよむ

2011-05-09 Semih İdizコラム:西側・シリア・トルコ (Milliyet紙)

アンカラでは、政治家たちの間でも外交官の間でも、もはやバッシャール・アル=アサドがシリアの動乱を解決できるとは信じられていない。先週、リビアに関する会合に出席するため飛行機でローマに向かう途中、ダヴトオール外相が述べたこともこれを裏付けている。      アスル・アイドゥンタシュバシュ氏の報じたところによると、ダヴトオール外相は「バッシャール・アサドは改革にノーと言っているわけではないが、実施を引き延ばせると考えている」と語り、「しかしすでにいくつかのことを為すのに手遅れになっている。もはやそれ 全文をよむ

2011-05-05 Serpil Cevikcan コラム:PKKカスタモヌ襲撃の意味するもの (Milliyet紙)

テロ組織PKK(クルド労働者党)が2010年に発表した休戦決定後、長い間続いていた沈黙が、総選挙の数週間前に破られた。昨日(4日)の襲撃の場所と目的が非常に重要である。      ■抑制不能の勢力か?      タラフ紙のコラムニスト、エメル・ウスル氏は4月27日に発表したコラムで、PKK内部の、とくにトルコの地下組織との関係が伝えられている一派が選挙前にオジャランに関わらずテロ活動を行いうること、黒海地方のナショナリスト・グループを刺激する目的をもって行われる可能性のあるテロ活動は警察を標的と 全文をよむ

2011-05-02 Aslı Barışコラム:新世代の味覚は? (Radikal紙)

先週フードアートアカデミーでワークショップを開き、素人の料理人たちと一堂に会したメフメト・ギュルス氏は、彼の言葉によると「お年寄りたちを怒らせる事をも恐れず」、タルハナスープやカボチャケーキといった料理を非常に変わった方法で提供することで有名である。『農家の方々は私たちの主人です』と言うギュルス氏にワークショップ後インタビューを行い、彼の作った料理を堪能しつつ、トルコの新しい世代の食習慣について聞いてみた。      問:「新アナトリア料理」派の最も重要なシェフのうちの一人でいらっしゃいますね。 全文をよむ

2011-04-30 Oral Calislar コラム: イギリス王室結婚式にオスマン王家を考える (Radikal紙)

イギリスでの結婚式を何百万もの人々と同様私も関心を持って見た。ダイアナ元妃に言及された際には感動した。母を失って成長したウィリアム王子の目の中には幸せがあふれていた。      実は私は数日前までアフガニスタンにいた。イギリスの壮麗さが世界中のテレビで生放送される一方でアフガニスタンの貧困や混乱を忘れることは不可能である。もちろん、イギリスの壮麗さの背後に植民地から奪われた富もあることを、人類は忘れてはいない。      イギリスも含めEUやヨーロッパの先進国の多く(スウェーデン、ノルウェー、デ 全文をよむ

2011-04-29 Fikret Bila コラム:ミッリイェト紙、新時代―社主変更にちなみ (Milliyet紙)

ミッリイェト紙は、トルコ報道界の基石の一つである。「報道における信頼」として表象されるのは、61年間をとおして、普遍的な報道規則に示した努力がもたらした結果である。ミッリイェト紙は、32年ぶりに社主を変えることとなった。ドアン・グループから、デミルオレン・カラジャン共同経営に経営権が移譲された。ドアン・グループが規模縮小の決定を発表して以来、ミッリイェト紙売却の準備が進められてきた。この結果、アイドゥン・ドアン氏は、ミッリイェト紙をデミルオレン・カラジャン共同経営に移譲するという適切な判断を下し 全文をよむ

2011-04-26 Şahin Alpayコラム:ヒロシマとフクシマ (Zaman紙)

日本政府は福島第一原子力発電所の事故について、その深刻度をチェルノブイリの事故と同等のレベル7に引き上げたと発表した。      この事故が日本にとって、計り知れない規模の損害を与えたことは日々明らかになっている。25年前の今日起きたチェルノブイリの悲劇については、100万人近い人々をがんによって死に至らしめたとの計算がされている。このような事故に対してトルコ政府は、無比の無頓着さと無関心さで核エネルギーに固執している。   メルスィンのギュルナル郡で、ロシアのロスアトム社によって建設される予定 全文をよむ

2011-04-25 Yildirim Turker コラム:4.24「アルメニア人虐殺」 歴史の暗黒の日に想う (Radikal紙)

殺した人間の上に寝転ぶならば、虐殺の否定の上に人生を築くならば、あなたはいつか思い知るだろう。あなたが殺したのはあなた自身であったことを。(罪の)否認は、やがて自らに大きな報いをもたらすであろう、人間の弱さである。その代償はとても重い。      1915年4月24日。   「4月は最も残酷な月だ」という詩の一節は、決してこういう意味で書かれたのではない。しかしこの日は我々の歴史に真っ黒な染みとして残っている。      1915年4月24日、統一と進歩委員会政府の指示でイスタンブルのアルメニア 全文をよむ

2011-04-24 Güngör Urasコラム:作家ファルク・ペキンによれば、解決方法は「文化観光」 (Milliyet紙)

1970年代までのトルコの観光業といえば「文化観光」であった。トプカプ宮殿、アヤソフィア、トロイ、エフェソス、カッパドキア、ペルゲ・アスペンドス、スメラ修道院などは外国人にとって魅力的な観光地であった。外国人は高速道路を使い、カルスやヴァンといった東部アナトリアの考古学的遺跡をめぐっていた。トルコといって真っ先に浮かぶイメージは、自然、歴史、考古学、芸術や文化といったものであった。      1980年代以降は、海岸沿いの土地が49年契約で縁故やコネで貸し出されたこと、建造物への投資の40%を国 全文をよむ

2011-04-21 Fevzi Öztürkコラム:市場への期待と予測の公表 (Yeni Safak紙)

ここ数年、経済や市場に対する期待感に関し、様々な機関がアンケートを行っている。   経済界から民間のテレビ局によるものまで、行われたアンケートは将来的な経済、市場への期待がどのようなものであるかを考える上で重要である。   今回紹介するアンケートはというと;私もメンバーとなっているが、市場関係の専門家の多くが参加するメールグループで行われたアンケートで、市場の専門家の考えをみるには最適なものである。   ここ最近の分析に使われ、様々な発言が注目を浴びているストラテジストのサリム・カサプ氏の行った 全文をよむ

2011-04-20 Taha Akyol コラム:高等選挙委員会候補者棄却問題の解決法 (Milliyet紙)

高等選挙委員会(YSK)が無所属12名の立候補を棄却した後、テレビでは当然のことながらこの件を最優先で扱い、重要番組として取り上げている。   しかし一部のコメンテーターの言うことは二束三文のでたらめばかりではないか、その上挑発的な物言いで…。   彼らは2つの方向性から陰謀説を囁いている。   ・政府の裏組織がクルド人に対して陰謀を企てており、平和民主党(BDP)が議会に加わることを妨げようとしているらしい。公正発展党(AKP)もそれに協力しているそうだ。クルド人地域で有力な候補者が出ない理由 全文をよむ

2011-04-18 Taha Akyolコラム:「2003年ビジョン」―公正発展党、選挙公約を読む (Milliyet紙)

首相により発表された「目標2023年」という名の選挙公約は主に二つの部分から成っている。ひとつは発展と経済に関係している。もう一方は新憲法と民主主義のような副題からなる政治的な部分である。私は、経済の部分は非常に気に入ったが、政治的な部分に不満がある。      ■ 経済面       「目標2023年」プログラムはまさに経済的ビジョンの実例である。非常によく準備され、互いに整理統合され、一つ一つが将来のための基盤を成そう。政治的条件が恵まれれば、トルコを10年で「世界のトップ10経済先進国」の 全文をよむ

2011-04-16 Hasan Cemalコラム:エルドアンはクルド問題で「官僚化」したか? (Milliyet紙)

[訳者注:6月総選挙に向け公正発展党の候補者リストが発表された。その中にクルド系候補の数が少ないことが議論の的となっている。]      ある人はいう。「タイイプ・エルドアンは、公正発展党のクルド系議員を立候補者リストから一掃した。これは、クルド問題解決に大きな失望をもたらしたのみならず、後退がはじまったことを示している。」      ある人はいう。「この『一掃』は徹底したもので、クルド問題について多少なりともデリケートな立場にある議員は、まったくリストに加えられなかった。」      ある人は 全文をよむ

2011-04-16 Yildirim Turker コラム:レイラ・ザナを語る (Radikal紙)

はじめて会ったとき、彼女には幼い少女がもつ、おどけた明るさのような、まっすぐな芯のようのものがあった。政治がねじ曲げ、政権がダメにした、あまり上品とは言えない人々のど真ん中にいた。どこからここへ来たのかまだわからなかった。彼女に与えられた狭い世界の垣根をどうやって頑張って払いのけ、彼女自身をどうやって築き上げてきたのかを我々は知らなかった。しかしこうして我々の目のまえに、私たちにも、私たちの敵にも似ていない若い女が立っていた。長い道のりを経てやってきたことは明らかであった。      彼女の輝き 全文をよむ

2011-04-15 Derya Sazakコラム:トルコのフランス人でいること(トルコを知らないこと) (Milliyet紙)

エルドアン首相はストラスブールで選挙活動を行った。欧州評議会会議でスピーチし、トルコで議論されている問題について強いメッセージを与えた。      ダボス会議では「ちょっと待った!(One minute!)」という言葉が生まれたが、この会議では、エルドアン首相が宗教マイノリティについて質問したフランス人議員に反発を込めて言った「トルコでフランス人でいること(=トルコを何もわかっておられないのですね)」という言葉が残った。      ヨーロッパ人が「トルコを理解していない」という問題は、ただ一つの 全文をよむ

2011-04-14 Eyup Canコラム:大学入試センターから受験生あて書状の「最後の一文」 (Radikal紙)

大学入試センターは全受験生に対し、(試験問題の正解を知る)公式の存在や犯したミスについて、完全に我々の記事のとおり認める書状を出した。しかし脅迫ともとれる最後の一文は全くもって理解しがたい。      我々が行った「建設的批判」について感謝状などは期待していなかった。それでも、大学入試センターが170万人の学生を納得させるために送った書状が「ばかばかしい脅迫文」で締めくくられるとも、思ってもいなかった。長年、我々新聞記者はあらゆる種類の非難を受けとめてきた。しかしながら、今回のようなことは見たこ 全文をよむ

2011-04-13 JALE OZGENTURKコラム:足りない、でも・・・―国会の女性議員数 (Radikal紙)

トルコ大国民議会における女性の割合は次期、20%に達する見込みだ。   それでも、議席数の半数を女性にあてたい女性団体はヒートアップしている。      6月の選挙に向けて候補者リストが発表された。議会の半数を女性にしようという女性関連団体にとっては期待を裏切られる結果となった。275議席を女性にという運動に対し、“権利と女性プラットフォーム”のような政治的イニシアティブの力をもってしても、女性候補者の割合は9%から20%へなんとか引き上げられたに過ぎない。   リストの順位からいえば、議会へ入 全文をよむ

2011-04-13 Hasan Cemal コラム:エルドアン首相、あなたの頭脳はどれだけ明晰か? (Milliyet紙)

タイイプ・エルドアン首相は口数の少ない、いわゆる硬派なリーダーだと言われる。   おそらく、もっと正確な言い方をするなら、重要と思った重大案件については自らの考えを表に出さないタイプだ。側近の参謀たちの意見には耳を傾けるが、あまり顔に出すことはない。   こういった点がオザル氏は異なっていた。彼は時に、最もあってはならないことを、つまり極秘とすべき事柄を最も不適切なタイミングで突然明らかにして周囲を驚かせ、「国家サイド」、とりわけ軍部の眉をしかめさせたものだった。   エルドアン首相はもっと自制 全文をよむ

2011-04-11 Ali Bulaçコラム:トルコは中東のどこにいるのか? (Zaman紙)

トルコがここ8年間続けてきた中東政策が、「決壊」点に到達したとは言えないが、困難なプロセスを経て、ここ最近日ごとに悪化の道をたどってきたと言うことは可能である。      今日まで中東地域に対して実施されてきた「パブリック・ポリシー(公共政策)」での成功だけでは、頭をもたげ始めた疑念や揺らぎを取り除くことはできない。(中東政策にての)続く成功というのは、国内世論にむけての「国民との関係」構築の様々な試みでもって制限されている。先週、エルドアン首相は、「トルコに対する反対キャンペーンを誰が操作して 全文をよむ

2011-04-06 Taha Akyol コラム:スカーフの有無より、女性候補を (Milliyet紙)

伝統主義的なイスラム派の重鎮の一人でアリ・ブラチ氏は、「今回の選挙(6月の総選挙)でもスカーフを被った国会議員を望まない」と、その新聞コラムで書いた。スカーフ禁止に反対する女性たちが推進する、「スカーフを被った候補者なしでは、投票もなし!」運動を不快に思ったらしい。      ブラチ氏によれば、「ジン(精霊)たちは今回、誠実な女性たちを使って公正発展党(AKP)に新しいわなを仕掛け」ていたらしい。AKPを解党するために!ブラチ氏によれば、選挙後には、「新しい市民的な憲法ができる、そうすれば皆さん 全文をよむ

2011-03-25 Taha Akyol コラム:リビア問題、トルコの役割 (Milliyet紙)

トルコはリビア問題に関して、NATOと行動をともにしている。昨日(3月24日)、トルコ国会で承認された(リビア制裁に関する)書覚書の意義はこれである。私はいくつかの観点からいい傾向にあると考えている。       第一に、何につけてもトルコを除外したがるサルコジの出鼻はくじかれた。。リビアに対する軍事作戦において、外交的・軍事的なイニシアチブはサルコジの手からNATOに移りつつある。    第二には、トルコは「リビア国民に武器を向けない」ということが明確に示された。軍事作戦において、警備、監督、 全文をよむ

2011-03-23 コラム:クルド問題の危機的状況 (Radikal紙)

社会的事件、抗議活動、祝賀、それらがある度に、クルド人と国家の間により一層大きな隔たりが生じてしまう。      これは悪循環だ。ノールーズ祭(イラン暦の新年)、言うまでもなくアブドゥッラー・オジャランの生誕日、PKK(クルド労働者党)のエルフ攻撃の記念日が来る度に、クルド地域で行われている社会的デモに参加するクルド人の数は増加し、毎年より多くのクルド人の若者や少年が広場に集結している。広場に集結するクルド人の数が増加すればするほど、同地域の社会的デモでは、常に「不釣り合いな武力」に訴える傾向の 全文をよむ

2011-03-22 コラム:リビア対応の亀裂―背景にフランス・トルコの対立 (Milliyet紙)

リビア危機の初期段階から現在まで西側諸国に対して批判的なトルコの姿勢は、(多国籍軍によるリビアへの)軍事行動開始により、今度はアンカラとフランスの間で深刻な対立と言い合いの応酬の様相を見せている。   問題の根本には、2週間にわたりNATOによる軍事作戦検討会に参加していたトルコが、(19日)土曜日パリでフランス大統領ニコライ・サルコジ氏の大統領官邸で開催したリビアに関する会議に招待されなかったことがある。しかし、実は二国間の緊張関係は、お互いに気に入らない二つの政府と、決して好きにならない二人 全文をよむ

2011-03-21 コラム:目的は武器輸出、民主主義は口実―リビア爆撃 (Hurriyet紙)

この文から書き始めようと思う。      ‐独裁者カダフィは去らねばならない。リビア国民は自由と民主主義を手にすべきだ。      私はそれを心から望んでいる。しかし問題はこれほど「単純」ではないのだ・・・。      リビアを爆撃するために話し合いに参加している国々を見てみよう。      ■たとえばイタリア      時は2009年6月・・・。      ローマの有名なドーリア・パンフィーリ公園に散策に来た人々は、公園に建てられつつあるものをしげしげと見つめた。しかしそれが何なのか全く分から 全文をよむ

2011-03-19 コラム:トルコの原発政策を考える (Radikal紙)

私は原子力発電に断固反対というわけではない。しかし、日本での惨事が明るみである今、政治家たちが沈黙を保っていることは理解し難い。      面白い題名の本がある。   「恐れの科学」   「恐れの学問なんてあるのか?」などとすぐに言わないように。サブタイトルはもっと興味深い。   「恐れる必要のないものを恐れて、自分を危険に晒している」   矛盾していないだろうか?   今、「恐れる必要のないものを恐れたとしても、なぜ自分を危険に晒したことになるのか?」と皆さんは心の中で考えたのではないかと思う 全文をよむ

2011-02-28 Taha Akyol コラム:エルバカンの残したもの (Milliyet紙)

「2月28日過程」事件から丁度14年、歴史の証言者・エルバカン氏は死去した。まずは故人の冥福を祈り、親族・友人の方々へお悔やみ申し上げる。   私は故エルバカン氏とは親しい間柄ではなかった。彼を取り上げるときはいつも批判した。   唯一の例外は「2月28日過程」の時である。当時私は軍を批判し、軍の介入や指導、国家諸機関の軍国主義化に異議を唱えた。   今日は、エルバカン・ホジャ(エルバカン師)を敬意を以って偲ぶとともに、彼がトルコ政治に残した功績についてお話しよう。      まず、エルバカン氏 全文をよむ

2011-02-22 Cengiz Candar コラム:歴史からみるリビア (Radikal紙)

まず、チュニジア、次に最重要のエジプト、そして今はリビア・・・。ドミノのように、強権的な体制が次々に倒れている。エジプト以後、広く問われるようになった問いは、これがドミノ効果を生み、アラブ世界、中東を覆うのかどうか、だ。      ■3つの隣国      リビアに波及したことにより、北アフリカの一部におけるドミノ効果は確かなこととなった。少なくとも中東アラブ世界のこの地域の現象は「オスマン・ドミノ」ともいえるだろう。      互いにつながった3つの国はいずれも、何百年にもわたってオスマン帝国の 全文をよむ

2011-02-10 Nuray Mert コラム:新秩序、キプロス、民主主義 (Milliyet紙)

キプロスで行われたデモへの対応によって、政府の「新秩序」、「新たな後見体制」がどのようなものであるか、改めて露呈されることとなった。北キプロスを世界から孤立化させているこれまでの公的戦略を批判していた与党は今、キプロスでのデモに、「私にとってお前(キプロス)は戦略的な意味がある、資金を提供しているのも私である、騒ぐな」と言ってのけた。      実際には、驚くべきことは何もない。「保守・民主主義者」にとって問題なのは、「自由・民主主義者」が恐れていたような、「国家主義的、秩序主義的、民族主義的な 全文をよむ

2011-02-08 Cengiz Çandarコラム:エジプト革命、3つのモデル―トルコ、イラン、パキスタン (Radikal紙)

エジプトは、イラン、それともトルコとなるのかとの問いに、さらに可能性として、あるいはパキスタンとなりうるかも、との問いが加えられた。エジプト、そして中東地域にとっての「トルコ・モデル」は、最終的にはアメリカ中東政治における身にまとうべき「救命具」となるであろう。      当紙の昨日の市内版で、私のコラムの締めの文章が、技術的なエラーにより掲載されなかった。コラムの見出し(題)は、その掲載されなかった文章が要であったので、ここでもう一度書こうと思う。      「エジプト人達は、エジプトとその首 全文をよむ

2011-02-08 Sami Kohenコラム:トルコ・北キプロス間の危機―その背景と影響 (Milliyet紙)

最近レフコシャで行われたとあるデモに関してレジェプ・タイイプ・エルドアン首相が述べた厳しい発言は、それまで何もなかったところに、北キプロス・トルコ共和国(KKTC)の間の危機を生みだした。      ここ数日の間、アンカラの一部の政府関係者とレフコシャの政治家、労働組合員、ジャーナリストやNGO関係者との間で、激しい言葉の応酬が巻き起こっている。トルコ系キプロス人が主張した苦しみ、失望もしくは怒りを見るにつけ、政府とトルコ系キプロス人との間のこの緊張を緩和させることはそうそう簡単なことではない。 全文をよむ

2011-02-05 Semih İdizコラム:欧米、中東の目はトルコと公正発展党へ (Milliyet紙)

エジプトのムスリム同胞団を代表して近頃ヨーロッパのテレビ番組にコメントをしている人たちが、「あなた方が政権に立てば、エジプトはイラン化するのでしょうか?」といった疑問に対峙したとき、回答では通常は2つのポイントに言及している。ひとつめは、「我々はイランのようにはなりません。というのも彼らはシーア派で私たちはスンニ派ですから」というものだ。そしてもう一方は、「私たちを、タリバン的な要素を内包するものというよりは、トルコの公正発展党(AKP)のようなものだと思ってください」という回答だ。同様の回答が 全文をよむ

2011-01-17 Mehveş Evinコラム:ガラタサライ新スタジアム、首相ブーイング事件を読む (Milliyet紙)

アメリカ人文学者のポール・オースターは、スポーツにおけるライバル意識が、人為的な大惨事の特効薬になると書いている。オースターは、ヨーロッパのサッカーと戦争を比較して、次のように書いた。      「サッカーにかける人々の情熱は熱いものである。国家を斉唱し、国旗を掲げ、サポーターは互いに侮辱しあう。しかしユニフォームを軍服に見せかけたこの連隊による戦争ごっこは、未亡人も孤児も増やすことはない。両軍の損害は、緑の芝生の上で乱闘騒ぎを起こした時に、手の指を折るくらいがせいぜいだ。」      ガラタサ 全文をよむ

2011-01-10 Taha Akyol コラム:TVドラマ「華麗なる世紀」を考える (Milliyet紙)

TVドラマ「華麗なる世紀」に寄せられた反発とジャン・デュンダルの映画「ムスタファ」に寄せられた反発は、互いによく似ている。理想化されたものがそこに描かれていないという反発だ。      たとえば、「ムスタファ」映画でアタテュルクは孤独に苦しむ、問題をかかえた男性として表現されていたが、真実は国民全てが彼と一緒だったのだ!といった反発。…      しかしアタテュルクが、いかに孤独に苦しみ、実際に憂鬱な日々を過ごした指導者であったかは、彼に最も近い人物のうちの、たとえばファーリフ・ルフクやハサン・ 全文をよむ

2011-01-04 Taha Akyol コラム:オスマン帝国を考える (Milliyet紙)

私たちの歴史論争は続いている!レイモンド・アロン氏が言うところの「革命を経た社会」において、昨今、歴史は大きな論争のテーマとなっている。   フランス革命の歴史を、保守派の歴史家ピエール・ギャゾット氏、革新派の歴史家アルベール・ソブール氏、或いは修正主義者の歴史家フランソワ・フュレから学ぶなら、3回眼鏡を取り換えるようなものである。私が好きなのは修正主義者と呼ばれる、新しいタイプの歴史家たちである。しかし3つの異なる眼鏡で学ぶことは、複雑な現実を3つの視点から見るような、視野の広がりをもたらして 全文をよむ

2011-01-02 Hilmi Yavuz コラム:宗務財団女性研究センター所長アイシェ・スジュの解任について (Zaman紙)

トルコ宗務財団女性研究センターのアイシェ・スジュ所長の解任の余波が続いている。エコノミスト誌はこの処遇が「イスラムの宗教裁判の結果」であるかどうかを検証までしている。      真面目な雑誌「エコノミスト」。しかし我々は真面目な雑誌からは本当に真面目な論評を期待していた。エコノミスト誌は「宗教裁判」が何であるかを知らないのか、事を意図的に反イスラム的に、そしてもちろんオリエンタリズム的に捻じ曲げて取り上げているのだ。      アイシェ・スジュ所長の解任を私は決して認めていない。彼女とそのチーム 全文をよむ

2010-12-16 Mümtazer Türköne コラム:「新オスマン人」 (Zaman紙)

ダヴトオール外相のとった外交政策は、二つの懐疑的グループから「新オスマン人政策」と捉えられている。第一のグループは、AKP(公正発展党)政府の強気の自己主張を懸念する米国とEU。第二のグル―プは、国民国家(トルコ国家)防衛という名のもと政府に戦いを挑む共和国主義者たち。この政府に懸念をいだく二つの勢力以外に、さらに頭を悩ませているグループがある。わが国の近隣諸国と、政府の外交政策が理解できない国内の民間企業である。      先々週のワシントン・ポスト紙で、ダヴトオール外相が行った会見での興味深 全文をよむ

2010-12-14 Fikret Bila コラム:予算審議で試される各政党党首たち (Milliyet紙)

指導者たちにとって、予算審議はある種の試験である。特に、首相と野党第一党党首のパフォーマンスには大きな注目が集まる。これまで指導者たちが何時間も続けてきた予算演説は、ある種与党と野党の直接対決の形をとってきた。   昨日(13日)行われた2011年予算審議も、指導者らのパフォーマンスの観点から重要であった。指導者らの演説は1時間に限られていたものの、やはり与党と野党の対決という様相を呈した。   党首となって初めて予算演説を行うことから、共和人民党(CHP)のケマル・クルチダルオール新党首に注目 全文をよむ

2010-12-09 Fikret Bilaコラム:イラク化するトルコ (Milliyet紙)

民主社会運動(DTH)が持ち出した都市議会構想が、オジャランのプロジェクトであり、「4本軸」のひとつであることを(以前に)示した。オジャランが民主市民党(DTP)及び平和民主党(BDP)に向けた提案は、どちらも個別に議論を要する問題である。DTPとBDPがこの構想を実現するために努力している一方で、新憲法のための準備も進められている。政権与党が新憲法に言及したことをきっかけに、両党は改正案を議案とするとともに別の憲法案の準備も進めている。      ■憲法保証      オジャランが基本的には「 全文をよむ

2010-12-06 Binnaz Toprak コラム:「リベラル派」の抑圧―チャルシュラル氏の批判によせて (Radikal紙)

世間で「リベラル派」として知られている思想グループは徐々に我々を抑圧しつつある。      わたしはこのコラムの執筆を始めたとき、特定の人を相手に個人的な議論をするのはやめようと決めていた。しかし2010年12月1日付のラディカル紙でオラル・チャルシュラル氏がわたしに向けて書いたコラムによって、この決意はくつがえされた。世間で「リベラル派」として知られている、けれどもその構成員の多くが、リベラルというのは異なる考えに対して寛大であることを意味するということをあまり理解していない思想グループは、徐 全文をよむ

2010-12-01 Oral Calislarコラム:ビンナズ・トプラク氏のいうのが「真のイスラム」か? (Radikal紙)

「真のイスラム」という枠組みを設ける人々は、それに続いて、「さあその通りにしなさい」と主張してくる。      ビンナズ・トプラク氏は、ラディカル紙で「都市的イスラム」に関して二つのコラムを書いた。彼女は、一つ目のコラムを次のように締めくくる。      「二年前、アナトリアのいくつかの町で行った調査のなかで我々がたびたび耳にした苦情のうちの一つに、上流の地方の名家が町を離れるのに伴い、町の伝統的な構造が破壊されたこと、社会生活が保守化したこと、他と異なるものに対する非寛容が増加したことがあげら 全文をよむ

2010-11-23 Oral Calislarコラム:CHPクルチダルオールの静かな勝利 (Radikal紙)

共和人民党(CHP)の改革がさらに創造的かつ大胆なものとなれば、公正発展党(AKP)の一人勝ちの雰囲気を壊し、さらにAKPを転換させうるプロセスについて語ることができるだろう。      ケマル・クルチダルオールCHP党首は、現在まで追求してきた政治によって重要な成功を収めた。「そこには選挙での勝利はなく、世論調査での勝利もみられないのに、どうして成功と思えるのか?」と言われるかもしれないが。ケマル・クルチダルオール党首の成功を正しく評価するためには、CHPの構造的変化を検討する必要がある。   全文をよむ

2010-11-06 アタテュルク『ヌトゥク』、執筆秘話 (Milliyet紙)

アタテュルクが、世界的にも長い演説として知られる40万単語の「ヌトゥク」を執筆する際、彼のそばには二人の人物がいた。そのうちの一人はアリ・ルザー・エルディムである。彼はまたの名をベベ・ルザーと言う。べべ・ルザーは当時大統領公邸にルザーという人物が四人いたためこう呼ばれていた。四人のルザーとは、ハサン・ルザー・ソヤク(秘書官)、イスタンブル調達官のキョセ・ルザー(オザク)、公邸の長老でアンカラの備蓄調達を行うババ・ルザー、そして書記のアリ・ルザー・エルディムである。エルディムは、アンカラの人々が若 全文をよむ

2010-11-04 Taha Akyol コラム:共和人民党の喧嘩を読む (Milliyet紙)

■共和人民党の喧嘩      共和人民党(CHP)はこの50年間、数々の分裂で揺れ動いた政党である。国民の大多数が、「彼らには国家を運営する能力がない」という印象をもつことになった大きな原因の一つがこれである。客観的に見て「自分たちさえまとめることのできない党」というイメージが、世論においてCHPをどのような状態に陥らせたか、説明する必要もないだろう。      このようなネガティブな構図の中、クルチダルオールが党首に選ばれて以来、初めて「指導者」らしい態度を示した・・・。初めて、よく使われる表 全文をよむ

2010-11-02 Oral Calislar コラム:変わるクルド人、国家も変化を! (Radikal紙)

醸成されつつある温和なムードに軍並びに司法も加わらねばならない。解決は政治に任せるべきである。   クルド労働者党(PKK)がタクスィム広場襲撃を否定したこと、そして後に「停戦」を総選挙まで延長したことに伴い、「解決策の模索」という観点から我々は新しい時代へと移行した。この状況を、PKKが恒久的な解決策を模索している、あるいはPKKが「解決を迫られている」と解釈できる。   ともあれ、この新しい時代は、トルコにとってもクルドにとっても大きな好機である。クルド問題が「解決にむけ話し合われる」一つの 全文をよむ

2010-11-01 Serpil Cevikcan コラム:解決のカギは、やはりPKKオジャラン終身刑囚 (Milliyet紙)

PKK(クルド労働者党)の停戦期限最終日となった10月31日にイスタンブル市街地で自爆テロが起きた。これがいったい何を意味するのか議論されている一方で、PKKは停戦期限を総選挙まで延長することを発表した 。      平和民主党(BDP)のセラハッティン・デミルタシュ共同党首と、この2つの重大な事態に関連し、PKKの動きとその緊張状態について話した。デミルタシュ共同党首は、タクスィムにおける爆発は「挑発」であるとみている。      「はっきりしていたことは、この日がPKKの停戦宣言終了日だった 全文をよむ

2010-10-29 Fikret Bila コラム:共和国記念日は、ほんとうに祝われたのか? (Milliyet紙)

共和国の第87周年を祝った。おめでたい雰囲気で祝っただろうかという質問に、「はい」とは答え難い。10月29日の共和国記念日は、祝日のように過ぎただろうか?   この一日起きたことを見れば、「祝日のように過ぎた」とは言えないだろう。政府指導部はしかめ面だった。メディアは敏感になっていた。皆がお互いを伺っていた。      ■問いの数々      誰が誰を訪問し、誰が誰と話し、誰が配偶者を伴いまたは一人で来たのか。首相と第一野党の党首は話をしただろうか?   第一野党党首と憲法裁判所長官は互いの顔を 全文をよむ

2010-10-23 Fikret Bila コラム:兵役制改正議論の現状 (Milliyet紙)

チチェキ副首相「兵役に関する決定はなされていない」       兵役単一システム化と兵役金納の問題に対して昨日、重要な会議がおこなわれた。この会議の後、様々なニュースが流れてきた。兵役金納制の可能性はまだ完全になくなったわけではなく、決定は選挙後まで先送りになると言うニュースが流れた。会議に参加した副首相のジェミル・チチェキと昨日、この件について話した。チチェキ副首相は、報道は推測と憶測の域を出ていないと強調し、次のように述べた。      ■「人材と需要のバランスを検討している」      「 全文をよむ

2010-10-23 Hasan Cemal コラム:CHPクルチダオール党首選出は偶然だったのか、それとも? (Milliyet紙)

共和人民党(CHP)は、大統領官邸で行われる共和国記念日のレセプションに出席するのかしないのかを、いまだに議論するような政党だ。      CHPは大学でのスカーフ着用禁止という、この恥ずべき差別の撤廃について、いまだに議論するような政党だ。      CHPは最高裁判所共和国首席検事の、反民主主義的な、そして政党や議会に棍棒をちらつかせるような発言を、いまだに歓迎しているするような政党だ。      果たしてこんな考えでCHPは選挙に勝てるのだろうか。      とてもそうとは思えない。   全文をよむ

2010-10-22 Fikret Bila コラム:スカーフにおける法的、政治的境界線 (Milliyet紙)

アブドゥッラフマーン・ヤルチュンカヤ最高裁判所共和国主席検事が、スカーフ問題における「法的境界線」について言及した。スカーフ問題でその境界をこえる変更は、憲法やこれまでの判決に反するものになると強調した。ヤルチュンカヤ氏は、さらにこうした憲法違反の責任は政党にあると警告した。共和人民党(CHP)のケマル・クルチダルオール党首の「我々がスカーフ問題を解決しよう」という発言の後に始まった議論において法的側面は軽視されてきた。議論は、政党や党首の間で、政治的なものとして進んできた。      ■法的境 全文をよむ

2010-10-20 Murat Yetkinコラム:ウルフ独大統領演説を考える (Radikal紙)

「ドイツ大統領はアンカラで宗教や文化の問題に言及し、ハイリュニサ・ギュル夫人は公式セレモニーに参加するきっかけになった。」それぞれの意味を理解したくないもの者をあざ笑うかのように、歴史は、偶然にもそれを同じ日に実現させた。      ドイツのクリスティアン・ウルフ大統領は昨日(19日)アンカラに到着したが、その2日前(17日)にアンゲラ・メルケル独首相は、トルコにも関係するある重要な演説を行っていた。      17日に行われたキリスト教民主同盟の会合でメルケル首相は、ドイツが第二次世界大戦後に 全文をよむ

2010-10-09 Sami Kohenコラム:アンカラの「外交」交通事情  (Milliyet紙)

この場でイスタンブルの人々を悩ませている交通事情についての議論をする訳ではないが、しかし最近の交通渋滞は耐え難いほどになり、日常生活をマヒさせている。イスタンブルは、数々の美点にも関わらず、この渋滞のひどさゆえにとても住みにくい都市へと変わってしまった。また、さらに悪いことに、問題解決に関して「トンネルの出口」が見えないことに皆が失望し、苛立っている。      しかし、今日我々が取り上げたいトピックは、アンカラの政治上の「交通」、つまり外交についてである。ここ最近、トルコの外交においてもかなり 全文をよむ

2010-10-06 Oral Calislar コラム:この理解不能なCHP女性議員3人・・・ (Radikal紙)

この3人の共和人民党(CHP)議員…ジャナン・アルトマンはイズミル出身の医者。ヌル・セルテルとネジラ・アラトはそれぞれ研究者にして教授である。イスタンブル大学で教員であったこの2人の人物は、ケマル・アレムダルオール学長時代でも著名であった。例えば、ヌル・セルテルは当時副学長を務めていた。[この3人は]スカーフを被った(彼女らによればターバン)女性を対象として[校門前に]生まれた「着替え部屋(説得部屋)」の設立者であったのだ。      ジャナン・アントマンは、議会の中で有名で目立った出来事の中で 全文をよむ

2010-10-03 Oral Calislarコラム:共和人民党と平和民主党、妥協の可能性 (Radikal紙)

クルチダルオール現党首が共和人民党(CHP)を変えるかということについて、多くの批評が行われた。「CHPはクルチダルオールで変わることはない」「CHP はどうあっても変わらない」と決めてかかってる人もいれば、彼が早急で強力な変化を起こすと期待する人もいた。      CHPの変化の可能性を、各リーダーと代表者と役職者、そして党指導部内の代表者達など(の構成)からよりも、私はトルコの全体的文脈から評価する立場を取っていたし、今もそうである。      ■ まずケマル・デルビシュが状況を理解した   全文をよむ

2010-10-03 Semih Idizコラム:米トルコ関係におけるイスラエル要素 (Milliyet紙)

国連総会によって選出された47人の委員で構成される人権理事会がイスラエルを厳しい表現で非難したマーヴィ・マルマラ号の報告書が、30人の委員によって承認されたことは、アンカラ(トルコ)にとって「精神的な勝利」である。      強制力を持たないものの、理事会で出されたこの結果は、あらゆる裁判所において、トルコの、あるいは本件に関して裁判を起こす人々の戦いを後押しする要素となるものである。もちろん、問題を国際司法裁判所に持ち込むことができた場合の話であるが。      しかし、問題をトルコの「現実の 全文をよむ

2010-10-02 Akif Bekiコラム:国民投票後の政界、「58%の春」は続くか? (Radikal紙)

憂鬱な国民投票の時期が終わり、春の風が吹いた。政治をとりまく厳しい天候は、穏やかな雰囲気へと変わった。   こうした風をおこしているのは、首相が国民投票の後に行った演説だけではない。   公正発展党(AKP)は、国民投票で反対派であった共和人民党(CHP)やボイコットを起こした平和民主党(BDP)と、新たに意見交換を始めた。   エルドアン首相が、CHPクルチダルオール党首及びBDPデミルタシ党首と直接面会したことにより、彼らの「つりあがった眉」はかなり緩んだ。   政府関係者や各党レベルで、対 全文をよむ

2010-09-26 Oral Calislarコラム:クルド問題の核心はクルド語 (Radikal紙)

ヤシャル・ケマルは数年前、ドイツの週刊誌である『デア・シュピーゲル』に掲載した声明により、対テロ闘争法に抵触するとし、国家治安裁判所にて起訴された。その時の証言で、わたしの記憶に刻まれることになる表現を彼は使った。私の記憶に残っている限りでは、彼はこのように証言したはずだ。「一つの民族の言語を切り捨てるならば、それは彼らを消し去ることなのです。クルド人たちの言語は切り捨てられました。切り捨てられることが望まれたのです。これはなんてひどい残虐行為なのでしょう」   ヤシャル・ケマルも強調したように 全文をよむ

2010-09-18 MURAT YETKİNコラム:共和人民党の失策とそのつけ (Radikal紙)

まず私は読者の一部には馬鹿げたことのように感じられる次のような判断をしなければならない。2010年9月12日の国民投票で「反対」票が42%に上ったことは実のところ「反対」の前線に立つ者の観点から、特にその過半数を形成する共和人民党(CHP)投票者の観点からは、大敗ではなく奇跡である。   それは何故か?国をタイイプ・エルドアン首相と公正発展党(AKP)政府が統治していなければ、この国民投票で投票に行って「反対」票を投じたCHP党員とCHP以外の左派の投票者の多く―おそらく司法に関する2つの条項を 全文をよむ

2010-09-14 Sami Kohen コラム:賛成派勝利を世界は歓迎、しかし・・・ (Milliyet紙)

民主主義国家において合法的な手続きにのっとって行われる国民投票は、一般に国際社会ではあまり大きな関心を集めることはない。   しかしトルコで憲法改正のために実施された国民投票は、世界で大きな注目を集めた。   これは、「伸張する勢力」として、西洋であれ東洋であれ、トルコでの出来事が世界の関心を引いたことを示している。   国民投票をトルコの民主的発展の観点から重視する者ももちろんいる。しかし概して世界の関心の本当の理由は、この国民投票が現政権、特にエルドアン首相の政治力を試したものだからである。 全文をよむ

2010-09-05 Oral Calislarコラム: 世俗主義者の中にも深い分裂 (Radikal紙)

我々の世代は友人の葬式や拘置所、拷問場所、軍刑務所や法廷で知り合いになったものだ。我々は「軍クーデター」の犠牲になったのだ。最初に我々が直面したクーデターは、1960年5月27日のクーデターであった。当時はまだ幼い年頃だった。   両親たちは我々に、このクーデターは「良いクーデター」であると言ったものだ。我々もそれを信じた。その時は選挙で選ばれた政府が転覆されるということが、どのようなことを意味しているのかまだ理解していなかったのだ。首相や大臣たちが、クーデターを起こした者たちにより処刑されるこ 全文をよむ

2010-09-04 Mehmet Tezkanコラム―中身はからっぱ!エルドアンのディヤルバクル演説 (Milliyet紙)

我々は、首相がとても重要なメッセージを発表するとは思っていなかった…。首相がクルド問題解決に新しい視点を加えることを期待していたわけでもなかった…。   首相が国民投票のボイコットを賛成票に変える魔法の言葉を言うことを期待していたのでもなかった…。   期待度は低かったのだ、しかしこれほどではなかった…。   我々はこれほどまでとは想像もできなかった…。   首相は何も言わなかった…。   63分間、何も言わないために語ったのだ…。文章も単語も、何の意味も見出されないようにと特に選ばれていた…。 全文をよむ

2010-09-04 CENGİZ ÇANDARコラム―「十分ではないが悪くもなかった」エルドアンのディヤルバクル演説 (Radikal紙)

何日もの間、待ちわびられていたタイイプ・エルドアン首相のディヤルバクル演説から何を読み取るべきか。タイイプ・エルドアン首相のディヤルバクル演説の「主題」に何があったのか。ディヤルバクルは何日間も待ちわびられていたこの演説をどのように受け止めたのだろうか。演説から自身について何を見出したのか。   ディヤルバクルのシャーのもとでトルコのクルド人たちは南東アナトリア自身について、そして「問題」について何を感じたのか。   演説ではこれらの疑問についての明確な解答は得られなかった。   「テキルダーや 全文をよむ

2010-09-02 MURAT YETKİNコラム:改憲国民投票にイエスか、ノーか (Radikal紙)

私は、世論調査がいつでも信頼できる結果をもたらすとは考えていない。ここ最近の選挙で予想を当てているアディル・ギュルも、人は調査者に対し、「悪口をいえば、自分は政府の機嫌を損ねるのでは」と不安になり、必ずしも本心を語るとは限らないと考えている。そういったことを私は言っているのだ。      その一部は(世論)誘導の目的でなされ、賛成票58%、あるいは反対票52%と示したそれぞれのアンケートには、全幅の信頼をおけるだけの根拠がない。   アンカラ政治の行く末を眺めているギャラリーの一般的見解は以下の 全文をよむ

2010-09-01 Ismet Berkanコラム:ラディカル紙へ、感謝と別れの言葉 (Radikal紙)

皆様のお手元にあるこのラディカルは第5071号。すなわち本紙は5071日発行されている。あと43日経つとラディカル紙は15周年を迎える。   私は創刊日から本紙に携わり、このコラムを担当し、ほぼ10年間本紙の編集長を務めてきた。このコラムは私のラディカルで最後のコラムである。別れのコラムである。      15年前にメフメト・ユルマズ氏の主導でラディカル紙の発行の準備をしていた時、「どんな新聞を作るのか」と問われたが、それに対して、我々は「新聞のような新聞」と答えていた。   本紙は常に新聞のよ 全文をよむ

2010-08-08 Oral Calislarコラム:軍のヘゲモニーの伝統いかに (Radikal紙)

15年ほど前、参謀司令本部の招待により多くの新聞記者が南東アナトリアの問題が深刻な地域を視察した。   その時代は、新聞記者たちが大きな脅威の下に置かれていた時代であった。その視察の間はじめて、(記者団が)大勢まとまってクルド人問題について軍人たちと議論をすることができた。脅威と議論の間で、行きつ戻りつの議論がなされたものだった。      我々の同僚の多くは参謀司令本部の上級司令官たちによって脅されていて、何人かは死の恐怖の中にいた。おのずと、彼らは非常に不安定な精神状態にいた。ある者たちは命 全文をよむ

2010-07-30 Ismet Berkanコラム:この国の、「人種差別主義」の現状・・・ (Radikal紙)

扇動だとか、いや国民投票に影響を与えようとする企みだとか、いやいや酔っ払いの仕業だとか、そうじゃなく民主的解決策のせいだとか…。   これらはすべて口実だ。我々は事実を認めなければならない。我が国の非常に多くの問題点が、宗教と民族の緊張を原因とし、後は破裂を残すのみの爆弾のように待機しているのだ。   もちろん扇動であるし、もちろん悪意ある人々は存在し、もちろん些少な、または大きな火花の影響もある。しかしこれらの存在が根底に横たわる原因を見て見ぬ振りする理由であってはならず、とりわけそれらの原因 全文をよむ

2010-07-06 Ertuğrul Özkökコラム:クルド人と共存せねばならないのか? (Hurriyet紙)

この記事を書くか書くまいか、かなりためらった。      地雷の埋まっている土地へ足を踏み入れ、体がバラバラに吹き飛ばされるのを恐れた。         恐かった、しかし私は考えた。恐がっても何にもならない。   勇気が必要だ。この国には勇敢な人が必要だ。大胆な発言を恐れない人が必要だ。   私はこのように考え、書き始めた。   どうか、読者の皆さんもこのような思いで読んでください。   あなた自身が大胆な発言を行う覚悟で、偏見を打ち砕く覚悟で。   頭にしみついた考え方、80年間培われた考え方 全文をよむ

2010-07-03 Ismet Berkanコラム:このクルチダルオールでは何も解決できない (Radikal紙)

周囲で共和人民党の新党首、ケマル・クルチダルオール氏に関する高い期待があり、メディアがいうところの「クルチダルオールの風」が吹いていることに、もちろん気付いている。      しかし、風を吹かせる希望と楽観と、その風が続くことを保障する正しい政治活動とが混同されている。風を吹かせる希望と楽観を、少なくとも選挙の日まで高く維持するには、楽観的な期待を抱かせる政治家達が常に「正しく」振る舞わねばならない。そうしなければ、追い風は弱まり始める。      アメリカにおいてバラク・オバマ氏は、自身に関す 全文をよむ

2010-05-19 Sami Kohenコラム:イランとの合意の後に来るものは・・・ (Milliyet紙)

トルコの外交は、イランとの核開発をめぐる合意が実現したことにより、誇りと喜びをかみしめている。このことは昨日、イスタンブルでアフメト・ダヴトオール外相がコラムニストらに伝えた言葉から十分に感じ取ることができる。   外相と隣にいた参謀らのこの興奮と喜びはもちろん的外れではない。本当にトルコの外交はこの出来事により世界規模での成功のパフォーマンスを披露した。ブラジルをも取り込み、何ヶ月もの間続いた対立を解決すべく合意文書を、イランに署名させたのだ・・・   ここまで来るためにいろいろな立場の国々を 全文をよむ

2010-05-09 Devrim Sevimay コラム:ハサン・ジェマルとのインタビュー (Milliyet紙)

結果として、全く疑問の余地はないが、民政が優勢を示すようになり始め、かつての軍人の不可侵権(軍人の特権)がなくなり、ある意味、法の優位または自らの法に従うという認識が弱まっている時代に私たちは生きている。これは、軍―民関係において、民主主義の観点から、転換点というべき重大な変化です。背中に「ミッリー・ギョルシュという衣」をまとう人々、こうした人々が生活の一部分において「私たちが依拠しているのはイスラムです」と言いながら政治を行ってきた。彼らは急進的であった。そしてこれらの人々の急進さは90年代前 全文をよむ

2010-04-30 Derya Sazakコラム:憲法改正案と過去の清算、80年クーデター (Milliyet紙)

国会で9月12日クーデター遂行者を裁くことにつながる憲法暫定15条の廃止についての投票の結果が、30年前に軍事政権が成立した午前四時頃に明らかとなった。       歴史とは皮肉なもので、336票の賛成によって国会を通過した暫定15条を廃止したのは、9月12日クーデターにより成立した軍事政権によって解党させられた共和人民党(CHP)と民主主義者行動党(MHP)の党員ではなく、公正発展党(AKP)党員たちである。このような矛盾した状態は、1970年代にトルコと同じような環境下にあったチリ、アルゼン 全文をよむ

2010-04-25 Cengiz Candarコラム:シリアの砂漠の中で1915年4月24日をおもう (Radikal紙)

4月24日17時、この文章をシリア砂漠の中心近くのある場所で書いている。イスタンブルで初めてトルコ人の4月24日記念がどのように結論づけられるのか、またどのような結果となるのかについては何も知らない。タクスィム広場での集会は19時に始まる予定であった。ハイダルパシャ駅で昼に行われた集会は比較的「何事もなく」済んだことを知った。オバマ大統領が何を言ったかも私は何も知らないし、興味もない。      シリア砂漠で先へ進む際、イスタンブルのアルメニア人の兄弟にメッセージを送った。そして「今砂漠でデリゾ 全文をよむ

2010-04-20 Sami Kohenコラム:北キプロス大統領選挙結果がもたらすもの (Milliyet紙)

北キプロス・トルコ共和国の大統領選挙でデルヴィシュ・エルオールが勝利したことで、国民がメフメト・アリ・タラト(現大統領)任期時に見受けられた政策について根本的な変化を望んだことを示した。この状況で一番最初に想起されることは、エルオール新大統領が何を、どれくらい変えるかである。問いに答える前にこの選挙がどのような理由によってこのような結果をもたらしたのかを調べる必要がある。      エルオール新大統領が党首であった国民統一党(UBP)は昨年(2009年)行われた議会選挙でも大きな投票差で勝利した 全文をよむ

2010-03-21 Murat Yetkinコラム:イノニューダヴトオール、歴史と再現 (Radikal紙)

ダヴトオール外相がナルバンジャン・アルメニア首相と会見する。彼はさまざまな努力により、アメリカ合衆国の偉大なる外交官であるヘンリー・キッシンジャーと並び称されている。彼は望んだ通りの結果を得ることができるのだろうか?      外交だけとは限らないが、しかしながら特に外交において何らかの手段が取られる時、それがどれほど影響力があるかではなく、結果が出たかどうかによって判断される。   結果が成功であったならば、その手段がとられたときに、それがどれほど影響力を持ち、巧妙であったかが重要になるが、失 全文をよむ

2010-03-13 Can Dündar コラム:世界中から大使を召還するのだろうか? (Milliyet紙)

トルコは、父親が殺人に関係したことが明らかになり、友達から仲間はずれにされた子供に似ている…。   (その子は)全く考えたこともなかったのだ、この殺人について…。      (子供は)父親を拒絶したが、その過ちを無言のうちに押しつけられてしまった。その後は見て見ぬふりをしてきた。   しかし、犠牲者の近親者たちは、それで終わりにはしなかった。家々を回り、町の人達全てに聞かせたのだ。彼らの身に降りかかったことが知られ、償いがなされるようにと、と望んでいる。   子供は、「僕が悪いんじゃない、お父さ 全文をよむ

2010-03-10 Ismet Berkan コラム:扉を開き、閉じないこと―放り出された問題の行方 (Radikal紙)

もう忘れてしまっているかもしれないが、「クルド問題の民主的解決」や「民主主義への門戸開放」などについてはすっかり話されなくなってしまった。ついこの間までは熱く語っていたというのに。今ではそれらにとって変わって憲法改正案や、司法改革についての議論をしている。この議論はいったいいつまで続くのだろうか。そしていつになったら話題にならなくなるのだろうか。      問題は次のようなことなのである、多分。政府は、本当にこの国にとってとても重要な問題を議題にとりあげ、一定期間議論されるようにしているが、その 全文をよむ

2010-02-19 Fikret Bilaコラム:司法改革はなるか? (Milliyet紙)

サードゥッラー・エルギン法務大臣は、司法制度に関し昨今、緊張が高まっているのをうけ、司法改革が緊急を要すると発言した。法務省が講じた最重要の対策のひとつが、裁判官・検察官高等委員会(HSYK)と憲法裁判所の構造改革である。HSYK副会長カーディル・オズベキ氏は、エルギン大臣の発表を「HSYKを解体するための基礎固めだ」と解釈した。      政府と高等司法との関係は非常に緊張した状態にある。エルギン法務大臣は、HSYKと高等司法組織を鋭く批判した。HSYK副会長オズベキ氏と、最高裁判所長官ハサン 全文をよむ

2010-02-13 Taha Akyol コラム:政治はどこへ?―憲法改正問題暗礁に (Milliyet紙)

ギュル大統領は、国会が新憲法制定の機会を逃したとのべたが、(その発言は)おおむね、真実を語ったものだった。なぜなら、政党間で、争議の収集がつかないほど加速していることが、憲法の改正を難しくさせたからである。これは誰のせいか?全員が「他の政党」であるというが、いずれにせよ結果として憲法改正は難しくなった。この観点から、残念ながら、ギュル大統領の「この国会は機会を逃した」との言葉は現実である。ギュル大統領も、これを残念そうに述べた。      しかし、あたかもギュル大統領がそれを喜んで言ったかのよう 全文をよむ

2010-01-20 Taha Akyok コラム:アルメニア議定書に暗雲 (Milliyet紙)

アルメニア憲法裁判所は議定書の一本の柱を折ってしまった。今後(両国関係が)進展するのはかなり難しくなるだろう。   この事態を受け、タシュナク派と在外アルメニア人らは今とても安堵している。裁判所の決定を調べてみた。決定の条項では、『議定書は合法である、承認した』となっているが、根拠条項の第5項には「議定書のアルメニア側の柱は崩れ落ちている」と書かれている(も同然である)。      この第5項の要約は次の通り。   「アルメニア-トルコ間の議定書は、アルメニア憲法の序文と独立宣言の第11項に反す 全文をよむ

2010-01-15 Ismet Berkan コラム:イスラエルとのこれから (Radikal紙)

トルコがイスラエルに起こした批判は目新しいものではない。ガザで行われた不均整な軍事作戦では足りないかのように、その時以来、あの狭い土地で生きる150万人の人々を、水やパンといった最低限の生活必需品にも困窮させることは、トルコだけでなく、多くの西洋諸国がイスラエルに反発する原因となっており、また原因であり続けるだろう。   一方で、トルコにおけるイスラエル批判の激化がこの国で人種差別的感情を引き起こし、まったく予想しなかった人々さえも、気づかないうちに反ユダヤ的発言に踏み込んだことは疑いない。   全文をよむ

2010-01-02 Ismet Berkan コラム:2010年に期待するのは、こんな理由・・・ (Radikal紙)

一年前、2008年が終わり、2009年が始まる時、「呪われたが終わった」と述べたが、2009年についても、たいした希望をもっていないと書いた。      しかし、今は、「一つの呪われた年がまた終わった」と喜びつつ、2010年への希望を隠すことはできない。   なぜ私は、今年が過去2年よりも良い年になることを期待しているのか?   その大部分は政治的な理由からである。      トルコは、2つの重要なテーマにおいて、意図してか意図せずにか、2009年のはやり言葉によれば「アチュルム(解決への歩み寄 全文をよむ

2009-12-27 Murat Yetkinコラム:緊張は深層部へ (Radikal紙)

アルンチ[副首相暗殺未遂]事件の捜査に関して、刑事司法と警察がはじめて軍の本部の深層部にまで強制捜査を行った。エルドアン首相とバシュブー参謀総長が3時間会談した。      タイイプ・エルドアン首相の昨日(26日)の予定では、11時30分に、12月28日に行われる国家安全保障評議会(MGK)のメンバーである閣僚達との会合を行うはずだった。しかし、この会合は15時に始まった。なぜなら11時にバシュブー参謀総長とウシュク・コシャネル陸軍総司令官が首相官邸を訪れ、エルドアン首相と会談に入ったのだ。バシ 全文をよむ

2009-12-25 Cengiz Dundar コラム:アンカラから南東アナトリアを覆う、濃く厚い霧 (Radikal紙)

「クルド問題解決策」に3つの「致命的打撃」を挙げよといわれたら、ためらいなく、つぎの3つをあげることになるだろう。      (1)12月7日のトカト県レシャディイェ郡で7人の兵士が命を落とした「PKK分隊」によるテロ   (2)憲法裁判所による12月11日の民主市民党の解党決定と、一般にもっとも穏健なクルド政治家といわれているアフメト・チュルクが、アイセル・トゥールクをはじめとする多数の民主市民党党員とともに、5年間の政治活動禁止に処せられたこと   (3)多数の自治体首長を含む、新たに作られ 全文をよむ

2009-12-25 Ferai TINCコラム:日本の鳩山首相の去就とトルコ政治 (Hurriyet紙)

私はニュースの全容が完全にわかるまで慎重だ。すぐにペンを取り、思いつきを述べるようなことはしない。確認が取れないうちに、ことの次第を理解する前に、意見することはできないのだ。      そんな性分だから、今日は日本の首相、鳩山由紀夫氏について語るのが一番良いだろう。      なぜならば、(トルコ国内では)将校たちが議長の暗殺計画を企てていたことが政府によって確認され、参謀本部は彼らが他の議員をマークするよう任務を受けていたと発表するなど、事件が非常に複雑だからだ。      というわけで、鳩山 全文をよむ

2009-12-16 ERGİN YILDIZOĞLU コラム:Blut(血=エスニシティ) と Boden(地=領土) (Cumhuriyet紙)

トカトでの攻撃、民主市民党への解党命令、イスタンブルのタクスィム広場周辺でのピストル発砲やドネル包丁での殺傷・・・。「解決策」と呼ばれたこのプロセスは、始まって以来、しだいに深かまり、最近、新聞コラムでもよく取り沙汰されている不安は、不当だと言えるだろうか。      不安は当然のものである。何故なら、1923年に共和制の開始によって開かれた「可能性の門」を閉じるために、多分オザルの時代の「第二共和制」の言説によって加速したプロセスが最終段階に入ったからだ。今現在、宗教的な言説で抑圧できないよう 全文をよむ

2009-12-12 Ismet Berkan コラム:政党への解党命令は合法か (Radikal紙)

憲法裁判所は、DTPに対して全会一致で解党命令を下した。   解党命令の発言の後、この決定についてすぐに様々な見解が噴出した。コメントする人があまりに多いため、テレビ各局はコメンテーターに対し、「見解を何文かでまとめるように」とさえ言っている。   (様々な見解については)解党命令が下される前からあふれていたが、判決の後には、車一台分もの意見が述べられ、「判決は合法だが、裁判所は政治的な決定を下すべきであって、解党命令を発するべきではなかった」と言う者もいた。      この見解はここのところ、 全文をよむ

2009-12-02 ORAL CALISIR コラム:トルコの抱える新たな問題=左派 (Radikal紙)

共和人民党(CHP)を左派と見る人の数が減少しているにも関わらず、(まだ)CHPを左派政党と見る人々が明らかに存在する。CHPに投票する人々の大部分は、自分たちを左派と定義し、そしてCHPをも(これに対するあらゆる反発があるにも関わらず)左派政党であると捉える人々から成っている。      私はずっと前からCHPは左派政党には入らないと考える一人である。トルコには人民主義的、自由主義的、民主主義的であり、公正発展党(AKP)に対し左派の普遍価値の観点から反対し、EU基準の国家を願うような左派政党 全文をよむ

2009-11-14 Oral Calislarコラム:1938年のデルスィム、2009年議会における共和人民党 (Radikal紙)

1938年にデルスィムで何が起きたのか?何千人のデルスィム市民が不当に殺されたのか?何千人の子供たちが父親や母親を亡くし、アナトリア各地に送られたのか?誰がこの虐殺を行ったのか?責任はだれにあったのか?公式の歴史書にその情報を見つけることはできない。市販の歴史書や中立的な研究書で探す必要すらない。多少の関心があるなら、インターネットの「デルスィム」の名を冠するサイトをざっと見渡すだけで、て真実が何であったのか、その日に何が起こったのか知ることができる。      デルスィムについては、まずオヌル 全文をよむ

2009-09-29 Ismet Berkanコラム:新聞は政党ではない (Radikal紙)

そう、新聞は政党ではない。しかしこの国では特に一部の読者が、新聞やそのコラムニストに政党のように振る舞うことを期待し、その期待の先で新聞やコラムニストに最近の流行語で言うところの「隣人への圧力」を重ね合わせる。   むろん、新聞には広い意味での政治的偏向が存在する。この偏向は新聞のアイデンティティーの切り離すことができない一部である。しかし、新聞が政治的偏向を持ち、その偏向が、国の政党が煽ることで一つの政党と一体化するとしても、新聞を政党にしてはいけないし、すべきではない。なぜなら新聞は何よりも 全文をよむ

2009-09-25 Ali Bulacコラム:アイドゥン・ドアンへの記録的課税問題に関する見解 (Zaman紙)

時として、コラムニストという職を遂行するのはとても難しい。真に公正で道徳的で、自由な世界のために闘うこと以外には興味がない人間にとってはさらに難しい。私はアイドゥン・ドアン氏(注)に課された記録的追徴課税を批判したために、保守‐右翼層から理解しがたい醜悪な攻撃を受けている。      (訳者注)ドアン・メディア・グループの総主。ドアングループは、ミッリイェト紙、ヒュッリイェト紙、ラディカル紙などを所有する。      私はアイドゥン・ドアン氏を個人としてでなく、トルコの政治的、社会文化的環境のな 全文をよむ

2009-09-18 Bulent Korucu コラム:民主主義の首にかかった輪;9月17日 (Zaman紙)

[1961年]9月17日は、我々の民主主義史上、最も暗い日だった。血塗られたクーデターによって残忍に殺害されたアドナン・メンデレス首相の処刑日を、私たちはそれにふさわしい形で思い起こしているとは言えない。      ふさわしい形で思い起こす、というとき、それは、嘆きの声をあげることをいっているのではない。あの悲しみを思い出したいというのでもない。残念ながら、私たちはその日を思い起こさなくてはならない国である。この国では首相たちが未だに「私は2つのシャツを持っている。一つは処刑着(idamlık) 全文をよむ

2009-09-06 Hasan Celal Guzel コラム:トルコにおけるクルド人の人口数と諸事実 (Radikal紙)

親愛なる読者のみなさん、この日曜談話で、これまでたくさん議論され、多くの憶測がなされてきたトルコのクルド人人口について私の認識を今一度お伝えすることにしましょう。   まず初めに、強調すべきは、私はトルコ人とクルド人を区別することにまったく反対である。トルコで生活する国民はみな同じだと思っている。下位のアイデンティティがどうであれ、クルド人はトルコ国民から切り離すことのできなり一部分であり、我々の真の兄弟である。彼らについて話すときに「私たちー彼ら」という区別をすることですら私には違和感がある。 全文をよむ

2009-09-05 Ismet Berkanコラム:行き詰った諸問題、凝り固まった答 (Radikal紙)

最近、頻繁に使われ始めたひとつの言葉が気に入っている。行き詰った諸問題、と呼ばれているものだ。       アルメニアとの私たちの問題は、1993年以来、行き詰った状態にある。   私たちの「クルド問題」は、少なくとも1984年以来行き詰った状態にある。   私たちのキプロス問題も少なくとも1974年から変化はない。   これらの諸問題は、いずれも未解決であるか、あるいは、行き詰まりの奥底から抜け出せず、軟化する気配もないかである。目下、我々が行っていることといえば、「一体、これらの諸問題を解 全文をよむ

2009-09-04 Fikret Bilaコラム:政府の「クルド問題解決策」の方針に変化 (Milliyet紙)

「クルド問題解決策」と名付けられたプロセスを、「国民統一プロジェクト」と呼び始めた与党側は、方針を変えた、または新たな方針をとったと言えるだろう。   プロセスの初期には「境界」を明確にしなかった政府は、特にイルケル・バシュブー参謀総長が8月30日にメッセージを寄せて以降、「同様」の態度を取り始めた。レジェプ・タイイプ・エルドアン首相の直近の演説における強調然り、ベシル・アタライ内務大臣の直近の記者会見然り、DTP(民主市民党)との「間が開いたことを」示している。   当初、枠組みを定めずに出発 全文をよむ

2009-08-30 Joost Lagendijk コラム:すべてがイスラームフォビアでは説明されえない (Radikal紙)

欧州の多くの国でイスラームフォビア(イスラーム嫌悪)は高揚しているのだろうか?答えはイエス、残念ながら高まっている。トルコ人はこの傾向の影響を受けているのだろうか?答えはイエス、折々に影響を受けている。では欧州のトルコ人に起きるすべてのことの説明がイスラームフォビアでつくのだろうか?答えはノー、そうではない。      欧州のポピュリスト政治家は、近頃票を集めるための最もよい手段が、多くの欧州国民がイスラームに感じる恐怖を利用することであることを知っている。2001年9月11日の攻撃以来、多くの 全文をよむ

2009-08-29 Cengiz CANDARコラム:集権(ユニテル)国家は、トルコ民族国家か (Radikal紙)

「クルド問題解決策」にトルコ共和国憲法第3条を持ち出して、こうして「解決策」の行く手を阻もうとするのは、政治的にも道徳的にも正しくはない。憲法のいわゆる第3条は「改正不可」であり、「さらには改正発議も行ってはならない」とされる諸条項に含まれている。      このこと、つまり第3条が「改正不可」で「改正発議不可」であることに触れ、問題の条項に人工の「神聖性の鎧」をまとわせることに意味はない。書物の形となったものにある「改正不可」と「改正発議不可」にある定めは、ただ神聖なるコーランと聖書のような一 全文をよむ

2009-08-18 Taha Akyol コラム:オジャランの「解決案」は、解決案か (Milliyet紙)

果たしてオジャランは、テロを終わらせることに賛成なのだろうか?   昨日のいくつかの新聞の見出しを見てこう考えさせられた。Milliyet紙はより現実的に論評することで、オジャランの「クルド人は防衛力を有するべきだ!」という言葉を見出しにすえた。   実際、オジャランは、PKK(クルド労働者党)の非武装化はさて置いて、「防衛力」という形での武装化が承認されることを望んでいるのだ!   しかしながら10年前、彼は弁護士を通して次のような声明をだしている。   「トルコにおける衝突とテロの状態は、人 全文をよむ

2009-08-12 İsmet Berkanコラム:エルドアン首相、「クルド問題」で歴史的演説 (Radikal紙)

昨日(11日)の公正発展党会派会議でのレジェプ・タイイプ・エルドアン首相の演説は、多くの点から歴史に残る発言だった。      第一に、わずか10年程前まではこの演説の一部と同し内容を、書いたり発言した人は裁判に訴えられ、その多くが「テロ組織への援助」であるとして、投獄されてた。今日、わが国の首相が同じ発言をしたのである。      第二に、PKKとの戦闘で殉職した兵士の遺族や、PKKに加わった息子を山岳部での戦闘で亡くした遺族に対しての共感が示されたことは、トルコ政治の歴史上、ほとんど例のない 全文をよむ

2009-08-01 Fikret Bila コラム:「クルド問題解決策」の境界線 (Milliyet紙)

ベシル・アタライ内務大臣が発表した「クルド問題の解決過程」は、8月1日に警察学校で行われる会議から始まる。会議には、外国人の専門家と共に、政府の方針に近いことで知られている一部の新聞記者も招待された。この類の会議は、今後も続く。   決定権のある組織と共に、公的とも言える会議への新聞記者の参加に関する方法についての議論はさておき、このことは、政権政党が、この件について未だに国家政策を決定しきれていないことを表している。      ■「勇敢さ」の境界線      内務大臣は、「我々は勇敢な歩みを進 全文をよむ

2009-07-24 Taha Akyol コラム:アタテュルクTシャツをきた殺人犯の衝撃 (Milliyet紙)

ドイツ人観光客のケルケリングさんが、イスティクラル通りでナイフで殺害されたのは、法的観点から見ると「一つの個別の事件」であるが、社会的観点から見ると、病的なひとつの流れが表面化したものである。   フラント・ディンクが殺害されたように!   サントロ司祭が、マラトヤではジルヴェ出版でドイツ人1人を含む3人が、「宣教師」であるために殺害されたように。   イズミルの教会で、礼拝後にフランチニ司祭を刺した青年が、「フラント・ディンクとサントロ司祭の殺害に影響を受けた」と語ったことも、同じ流れが表面化 全文をよむ

2009-07-08 ERGİN YILDIZOĞLUコラム:ホンジュラスの教訓 (Cumhuriyet紙)

「社会的生活とは、本来、実践に関する事柄である。理論を神秘主義へ仕向ける総ての神秘性が合理的な解決を人間の実践とその実践の理解において見出す。」      昨月ホンジュラスで現実となった軍事クーデター(実践)は、トルコで暫く前から我々が経験している最も軽い表現で「曖昧な」(神秘性に満ちた)「クーデターの脅威」や「クーデター支持者たち」にまつわる議論を考察する上で役立つ良い例である。      ■三成分方程式      しかし、この「神秘的な」議論は、偶然で「非合理的」なものだと考えてはならない。 全文をよむ

2009-06-28 Cengiz Çandarコラム:シリア正教徒の夢、クルドとアラブの現実 (Radikal紙)

建立1400年になろうとしているデイルズザファラン修道院の中庭で、サリバ・オズメン府主教と抱擁し合う機会があったのだが、見る価値がある。「フェネルバフチェ・ファンの友よ」と言いながら私に飛びついてきた。最後に一緒だったのは、数ヶ月前にアルビルにおいてであった。別れの寂しさを消すかのごとく、きつく抱擁しあった。別れのときも、私の耳に顔を傾け、「移籍についてどう思う?」と尋ね、私の答えを待たずに結論に至った。「国内選手の移籍に関しては最高だった!」。われわれのやり取りを見ていたネシェ・デュゼルは、「 全文をよむ

2009-06-26 Ertuğrul ÖZKÖK コラム:エヴレン元大統領との談話、「裁判なら、自殺を選ぶ」 (Hurriyet紙)

朝早い時間に、第7代大統領ケナン・エヴレンが電話してきた。いつもの生き生きとした元気な声はなく、年齢を思わせる印象が格段に増した声が聞こえてきた。      私はまず、「お体、お大事に」と言った。   私は、あの年齢での肺炎がどれほど危険なものかを知っている。   肺炎に続いて、心臓の血栓が診断されると、彼はバイパス手術を受けたらしい。   彼はイズミルの自宅から、ヤルカヴァクにある夏の別荘に行く準備をしていた。   もちろん、私たちは、共和人民党党首デニズ・バイカルが、1980年の9.12クー 全文をよむ

2009-06-23 Fikret Bila コラム:「AKPとギュレン運動撲滅」文書事件からの教訓 (Milliyet紙)

「AKPとギュレン撲滅計画」という名前で世間に広まった「文書」のために何日にも渡って行われた議論や接触は、重要な教訓に満ちていた。   政治も軍もメディアも注意して学ぶ必要があるこれらの教訓を次のように要約することができる。      ■ 危機管理   1.トルコの政治と軍の関係は依然もろい構造である。信用問題は完全に解決されたわけではない。この関係は挑発からより注意深く守られる必要がある。文民の権力も軍部の権力も第3の勢力の策略に乗らないことが非常に重要である。      2.もはや「脅威」や 全文をよむ

2009-06-22 Kadri Gürsel コラム:イランでムーセヴィーへ、トルコでCHPへ投票する人たちの悩み (Milliyet紙)

我が国は、「世俗主義/イスラム主義間の断層」の両者の側にかように防衛戦を構え、政治化し、分断化している。このため、こうした深い分断の先端に僅かでも抵触するようないかなる問題も、メディアで率直かつ円滑に議論することはできないのである。      イランを例に挙げると、とても深刻な不備のもとの大統領選挙とそれに続く事件に関連して、イランは再び我が国の話題にのぼったのである。この問題はただちに、いくつかの相反する動向をもつ人々の手によって、「イラン(を扱う)外観を呈したトルコ論争」の状態になった。   全文をよむ

2009-06-14 Taha Akyolコラム : 女性の教育とメヴラーナ戦略(アフガニスタン雑感) (Milliyet紙)

メザール・シェリフにある聖者アリーの聖廟から出てきたところである。入り口の左手の所でブルカ(頭から足首あたりまである、体の線を隠すための衣服)をまとった女性たちが待っている。私たちが出てから廟へ入るつもりのようだ。   彼女たちの側に近寄り、微笑みながら手を振って挨拶をした:―アッサラーム・アライクム(あなた方の上に平安がありますように)、アッラーの慈悲がありますように!   私の挨拶への返事はなく、彼女たちは急いで私から遠ざかり、少し先の所でまた待ち始めた。   彼女たちは市場やバザールで買い 全文をよむ

2009-06-14 Hasan Celal Guzel コラム:国家安全保障評議会での「フェトフッラー・ギュレン主義者」秘話 (Radikal紙)

読者の皆さん、今週は皆さんと「トルコ語オリンピック」の話をしようと思っていた。世界の115カ国からやって来た700名ほどの子どもたちの成功を語り、世界のあらゆる場所にある何百もの学校で何万人もの子どもたちを教える、敬意に値する理想主義に燃える先生方や、我が国の信仰心のあるビジネスマンや人々に、そしてついにこの驚異的な活動を実現させたフェトゥッラー先生とそのチームに、感謝をささげるつもりだった。      私の称賛と感謝は永遠です。しかしながら、タラフ紙の6月12日付け「公正発展党とギュレンを撲滅 全文をよむ

2009-06-07 Murat Yetkinコラム: 「フェトフッラー・ギュレン運動」の新たな展開 (Radikal紙)

木曜日の夜に、トルコ語オリンピック・ソングコンテストの模様をサマンヨル・テレビで見た。その前の日には、(それに参加する)若者たちのグループが、ラディカル・アンカラ支局を訪問し、彼らはわれわれに歌や詩を読んでくれた。   世界のあらゆる場所で、子どもたちや若者たちがトルコ語を使って話しているということに、感銘を受けずにはいられない。   世界115カ国でトルコ語の教育がされているといわれている。トルコは98カ国に大使館を構えている。アフリカや南アメリカに新しく開設される大使館を含め、来年には110 全文をよむ

2009-06-05 Hasan Cemal コラム:よい始まり、問題はこれから―オバマ大統領のカイロ演説に寄せて (Milliyet紙)

バラク・オバマ米国大統領は、昨日(4日)カイロでの歴史的ともいえる演説で、イスラム世界に対して和平の手を差し伸べ、民主主義を呼びかけた。   同時に、米国の外交政策において衝突と戦争に依拠するブッシュ政権が終わる一方で、対話と和解の門戸を開いた。   新しい、そして良い始まりだ。   このあとが続きますように。   私たちはそう願っている、というのも、もし、オバマ大統領がカイロ大学で述べたことが実現されるとしたら、人類はより穏やかな世界で暮らし始める。中東でもついに、和平と安定の時代が開かれる。 全文をよむ

2009-05-22 Taha Akyol コラム:大統領を容疑者と呼ぶ司法の愚 (Milliyet紙)

スィンジャン重刑裁判所の決定は明白だ:ギュル大統領をエルバカン首相に関する「1兆リラ紛失問題」に関し裁こうとしている!   決定では、5回も「アブドゥッラー・ギュル容疑者」と強調している!以前にも、同様の決定をして、「首相を破滅させた裁判官(hakim)は私だ」と誇っていたこの裁判官が、大統領についても、5回にわたって「容疑者」と強調するとき、同様の喜びを感じたのか、これは勿論分からない…。しかし、次のことは確実だ:トルコ共和国には、ついに「書類偽装」の罪で「疑いのある」大統領がいるのだ!   全文をよむ

2009-05-12 Sahin Alpay コラム:ビュユクアヌト元参謀総長の「歴史的告白」に関して (Zaman紙)

タラフ紙は、元参謀総長であり退役陸軍大将のヤシャル・ビュユクアヌト氏がCNNトルコの「32番目の日」という番組で語ったすべてを「歴史的告白」というタイトルで報じた(5月8日)。ビュユクアヌト氏が語ったことについて、ここで考えてみるべきである。      ビュユクアヌト氏は、2007年4月27日の軍のウェブサイト上の警告を自身が書いたことを明らかにしている。残念だ。これを読むまで、件の文章は非常に無知で粗野な人物によって書かれたと信じ、署名がなかったことも正にその証拠だと考えていた。私は間違ってい 全文をよむ

2009-05-02 Derya Sazakコラム:「壁の崩壊」―歴史に残るタクスィム広場5.1, 2009 (Milliyet紙)

あるタブーがついに崩れ去った!1977年5月1日の労働者虐殺事件から32年が過ぎ、「適切な数の」労働組合、政党、市民グループ組織代表らが「労働者の祭典」を苦い思いではあるがタクスィム広場で祝った。      パンガルトに集まった行列が、革命的労働者組合連合(DISK)、 公務員組合連盟(KESK)、共和人民党(CHP)、トルコ共産党(TKP)などの旗を振りながらタクスィム広場へやってきたとき、歴史は再度書きかえられたようだった。民主主義の高揚がクーデターにより阻まれたこの国で失われた価値への回帰 全文をよむ

2009-05-02 Taha Akyolコラム:内閣改造、中道に向かうAKP (Milliyet紙)

エルドアン首相の内閣改造は政治的観点から4つの点において「政治改革」のメッセージを与えている。公正発展党(AKP)の7年間の政権の間に大きな不和を作り出し、最近AKPを最も疲弊させた「神経の先端」ではほとんど治療の努力が見られている。   この神経の先端とはなんだろうか?      ・世俗主義、宗教団体(教団)、情実人事のような議論であった。   ・デニズフェネリをはじめとする不正の告発が「公正」のイメージを傷つけた。   ・危機的時代において経済を効果的に運営できないという考えが実業界で広がっ 全文をよむ

2009-04-09 Huseyin Gulerce コラム:オバマ後のトルコ (Zaman紙)

黒人がアメリカ大統領となることはまず共感を生む。名前にヒュセインとつくと、イスラム世界では親しみを喚起する。私たちの国民は実際に「元来イスラム教徒だがもちろん表明していない…」という風にずっと前からなっている。      アメリカの大統領就任からまだ100日も経過しないうちに、初公式訪問をトルコへおこない、イスラム世界に向けて大国民議会で「イスラム世界との戦いはありません、起こす気はありません」というメッセージを送るということはとても特別なことである。学生たちと、超大国の大統領のようにではなく、 全文をよむ

2009-04-08 Ismet Berkan コラム:「穏健なイスラーム」が我々に及ぼした困難 (Radikal紙)

合衆国政府で職に就く人がくしゃみをすると、トルコの全システムが風邪をひく。状況はまさにこうである。コリン・パウエル氏は、2004年にアメリカの国務大臣としてトルコに対し「穏健なイスラーム」と言及した。この他愛のないと思われる発言の対価を、我々は、クーデターの企てによって、今日のエルゲネコン捜査によって、これらすべてが我々の民主的システム上につけた傷によって支払ったし、おそらくさらに支払うことになるだろう。      長年の陰謀論や「大中東プロジェクトの共同リーダー」という談義などには触れないつも 全文をよむ

2009-04-07 Taha Akyolコラム:オバマ大統領とコーカサス (Milliyet紙)

大統領官邸での会談でギュル大統領は、オバマ大統領に対し土米関係における共通の利害の重要性を次のように話した。   ―まず貴方の国の優先課題を紙に書き出してください。私も我が国の優先課題を書きましょう。完全にではなくとも、大部分が重複することに気付くはずです。   大統領は、異なる利害もあるが共通の利害がより大きいことを説明しているのだ。   オバマ大統領も、トルコ訪問前に準備されていたに違いないTBMM(トルコ大国民議会)での演説の中で、「常に同じ意見を持ち続ける必要はないこと」、しかし共通の利 全文をよむ

2009-04-03 Fikrek Bila コラム:政治勢力地図上の南東アナトリア (Milliyet紙)

ジェミル・チチェキ副首相(の発言)は、選挙の後誰もが目にし、しかし説明するのを避けてきた真実を映し出した。選挙の結果が示すように、民主市民党(DTP)は南東部で支配的な政党である。南東部(の議席)はDTPがほぼ獲得した。      なぜ彼らが勝利したのかは、ジェミル・チチェキだけなく誰もが知っている。DTPは選挙区の有権者の票を、「クルド政党」であるが故に獲得したのだ。過去そして今後に行おうとしている行政サービスゆえではない。この点は非常に明確である。チチェキ氏の「サービス(の中身)か候補者(の 全文をよむ

2009-03-21 Şahin Alpay コラム:誰が誰になぜ投票するのか? (Zaman紙)

バフチェシェヒル大教員のユルマズ・エスメル教授は、有権者の価値観、行動様式、態度の問題を専門とする研究者のうち、第一人者の一人である。エスメル氏は先週、大学で「理性的な有権者という伝説」と題する講演を行った。      氏は、有権者の大多数が理性によってではなく、感情によって票を投じたと述べた。「政党と候補者は、[有権者の]感情を掴み取ることができなければ成功できない」と述べた。アメリカとイギリスでなされた最新の調査と同様に、トルコにおける1999年、2000年、そして2007年総選挙に関する、 全文をよむ

2009-03-09 Semiz Idizコラム:クリントン国務長官から世俗主義に関する重要発言 (Milliyet紙)

アメリカ合衆国国務長官ヒラリー・クリントンの訪問は、ブッシュ前政権が、公正発展党(AKP)政権を見てトルコの政治的体制を定義付けようとしたことに不満をもつ人々にとって安心感を与えるものとなった。      ヒラリー・クリントン氏が、ブッシュ政権の『穏健派イスラム』という発言から離れて、トルコについて何度か「憲法が世俗的である国」として言及したことは、ワシントンの新たな政権によって行われた重要な『政治的尺度』として受け止めることが必要である。      行動や会見などで好感を集め、(また)このこと 全文をよむ

2009-03-07 Taha Akyolコラム:オスマン史に学ぶ (Milliyet紙)

私はエルドアン首相の権威化を重視しており、それに不安を感じている。このことは首相の個人的な気質という面もある。しかしより重要なのは、我々の政治文化における「自由な哲学」の欠如である。      このために我が国では、右派、左派、そしてケマリストという流派が、簡単に権威主義に傾く可能性がある。これは非常に重要なことだ。      しかし私は、「最後のオスマン帝国のスルタン」と書かれたプラカードがエルドアン首相に掲げられたことは重視してはいなかった。それは単独の、エキセントリックな出来事と見ていた。 全文をよむ

2009-03-06 Mehmet Ali Birand コラム:残念、トルコ航空の成功にかげり (Milliyet紙)

少し前に、私はトルコ航空を誇りに思っていると書いた。何十万人という人が同じ気持ちを抱いていた。この会社はきらきら輝いていた。次々に記録を樹立し、機体は常に増え続け、誰もが収益を落とす中、トルコ航空は収益を上げて一年を終えようとしていた。ケヴィン・コスナーの広告とともにトルコ航空の飛行機に乗る誰もが、確実に自分のことを“スターのように感じる”のを約束していた。      その後、すべてが突然崩れた。トルコ航空墜落の原因についての初期の説明を読めば、事故の原因がったひとつでないことはすぐにおわかり頂 全文をよむ

2009-02-25 Ergin Yildizogluコラム:市民文明と公正発展党 (Cumhuriyet紙)

左派リベラルと保守主義的な知識人たちの間で支配的な言説によると、公正発展党の政権時代においてトルコで自由主義的且かつ民主主義的な変革が起こっている。まるで公正発展党はトルコの「中途半端な市民革命」を火と血を要せずに完成させているようである。      しかし、公正発展党政府の施策はこれらの主張をくつがえすのみならず、我々は、この国の市民文明の清算に向かう過程に直面していると考えさせられる。      ■「自然権」及び民主主義と他の体制      市民文明は「旧体制」に対して闘う過程における人類史 全文をよむ

2009-02-24 Taha Akyol コラム:女性には名がある! (Milliyet紙)

故ドゥイグ・アセナは、トルコにおける大きな変化の先駆者だった。当時は本当に「女性は名をもっていない」のであった。名を持っていないということは、他の国々でもそうであったように、私たちの国でも結婚した女性は旧姓を捨て、夫の名字で自分が何者かを表現しなければならないということだった。   ドゥイグ・アセナが反旗を翻し、事態は急速に進展した。すなわち民法が改正され、今や女性たちは望む場合は旧姓も使い続けている。私は旧姓を名乗る人にも、そうでない人にも敬意を表す。      トルコの女性運動の歴史における 全文をよむ

2009-02-20 Mumtaz’er Turkoneコラム:「小さなトルコ」民族主義 (Zaman紙)

セーヴル条約では内陸アナトリア地方に限られた「トルコ国土」が想定されていた。「小さなトルコ」民族主義という表現で、私は、ほぼ同様の結果に至るような狭くて暗い道を頑固に歩もうとしている人々を指し示したい。これは、絶えず敵を創出し、憎悪を吐き散らし、周囲を怒りの目で見回す病的で劣等感に蝕まれた民族主義だ。理性や常識や論理がこの病的な世界に浸透できない。      「全世界がトルコ人であれ」という標語に対して、ただ「どうして火星を外すのか?」としか答えようがない。気に入らない人を「トルコの血統を持たな 全文をよむ

2009-02-20 İLHAN SELÇUK コラム: アイドゥン・ドアン氏を弁護する (Cumhuriyet紙)

どんなことでも想像できたと思うが、アイドゥン・ドアン氏をこのコラムで弁護することになるとは思いもよらなかった…。   何故か?   何故なら、ドアン・グループに属する新聞各社にコラムをもつ、不誠実なコラムニストたちは、今日でさえジュムフリイェト紙や私個人を攻撃する機会を逃さないからだ。   しかし、それは重要なことではない…。      加えてアイドゥン・ドアン氏は、我が国の最大手メディアのボスだ…。   このような人を弁護してよいのか?   答え:   もし、イスラム主義ファシズム政権の攻撃の 全文をよむ

2009-02-16 Cumhuriyet紙社説:トルコはある特定の方向に向かっている (Cumhuriyet紙)

現代において国家が存在する理由は、一体化した社会と個人を幸福にすることにある。   トルコは1923年の共和制発布によって、この道を歩みはじめたのだった。   しかし、近年、この近代国家の前提が、危機に引きずりこまれているように見える。   これに「止まれ」と言えるために、二本の赤い線があるとされている。ひとつは「政教分離」で、もうひとつは「団結」であった。      残念ながら、引きずりこまれた現時点において、「宗教主義・イスラーム主義」という政治が、帝国主義の大中東プロジェクトによって外部か 全文をよむ

2009-02-07 Taha Akyolコラム:反ユダヤ主義 (Milliyet紙)

自分に問うてみた。私はこれまでの人生で「反ユダヤ主義」という意味での「ユダヤ嫌い」になったことがあっただろうか。人種的な意味でのユダヤ嫌になったことはない。しかし世界中で起こるあらゆる害悪について、ユダヤ人が関与していないか考えるようになった。大学に入ったばかりのころ・・・。      「フランス革命、ロシア革命、二つの世界大戦などは全てユダヤ人の陰謀であった。人文主義思想の動きは、特にユダヤ人の策略であった!革命、改革は彼らが企んだものであった」      歴史をこうした不可解な陰謀の連続とし 全文をよむ

2009-01-31 Haluk Şahin コラム:ダボス会議後の覚書 (Radikal紙)

私がもっとも気になっているのは、エルドアン首相が会場を退席した後、イスラエルのシモン・ペレス大統領とワシントン・ポスト紙のコラムニストで司会のデイヴィット・イグナティウス氏の間で交わされた会話だ。討論会の終わりに握手を交わし、カメラに背を向けて互いに何を話していたのだろうか?彼らの表情に浮かんだ笑みを見ると、とても不幸であるとは思えなかった。   *   これほどとはおそらく予想していなかったにしても、ペレス大統領もイグナティウス氏もエルドアン首相が激怒したことに、さほど驚かなかったと私は思って 全文をよむ

2009-01-25 İsmet Berkanコラム: 「なんなの、これ?」という人のための、エルゲネコン講義 (Radikal紙)

 土曜の朝、無気力の中で数人の友人が座り私達は話をしている。私達の中の一人が、彼の前にあった新聞の束から一紙を手に取ると一面に目をやり、「エルゲネコン捜査がなんなのか、まるでわからない」と言った。友人はエルゲネコンを批判的に見ており、さらには「この訴訟は反公正発展党(AKP)の人物らを脅すための訴訟である」という説を支持していた。彼に対し、私がそうであると信じ、これまで注視してきたエルゲネコンについて説明した。彼は納得したと思う。同じことを、今度はあなた方に説明したい。おそらくあなた方も納得して 全文をよむ

2009-01-20 Derya Sazakコラム:フラント・ディンクを追悼する (Milliyet紙)

我々の同僚であるフラント・ディンク氏が裏切り者によって暗殺されてから二年経った。ディンク氏暗殺に関する新しい文書や情報は、多くの人々の良心を傷つけただけでなく、「安全の中で共に生きる」という気持ちがどれほど揺さぶられたかを明らかにしている。「司法」への期待に、「単なる殺人事件の訴訟」以上の意味が込められている。   フラント氏の友人たちは、このため殺人者らへの追究をやめないでいる。   「殺人が計画され、実行され、殺人後に証拠が隠匿され、あるいは破棄されたことに関わった全ての人、そしてこれらと国 全文をよむ

2009-01-19 Rıza Türmenコラム:人口登録システムの不思議 (Milliyet紙)

2009年3月29日に行われる地区選挙に際して、街区別選挙人名簿が再び掲示された。掲示と同時に苦情も始まった。アタキョイでは4000人の選挙人が名簿に載っていない。どこもかしこも虚実の選挙人で溢れている。建設が終了していない建物に、存在しないはずの選挙人が記載されている。死亡者や乳幼児も名簿に掲載されたり、同一人物に別の番号が何度も割り振られているという。      ■選挙の公正性へ影      二つの異なる問題があることは明らかだ。   第一の問題は、タルハン・エルデム氏が数ヶ月もの間、文書や 全文をよむ

2009-01-11 Hamdullah Ozturk コラム:「エルゲネコン」の推移 (Zaman紙)

ジャンダルマへの通報によりウムラニエで爆弾が押収された。その痕跡を辿った検察は、エルゲネコンの入り口にまでたどり着いたのだった。ウムラニエ訴訟がエルゲネコン訴訟に姿を変えたときから、緊張は急に高まった。      最初、「クーデターをこれらの人物が起こすというのか?」といった軽視した言葉が投げかけられた。その後、主張されていることと、容疑者の言い分が一致しないという理由が示され、「この訴訟からは何もでてこないだろう」と言われ始めた。端的に言えば、エルゲネコン訴訟は、「たわ言」から成り立っており、 全文をよむ

2009-01-10 Fikret Bila コラム:エルゲネコン武器発見で浮かぶ疑問 (Milliyet紙)

エルゲネコンの裁判と捜査の2つの軸のうちのひとつは、武力によるテロと、その準備活動に関する疑惑である。イブラヒム・シャーヒンの家で見つかった一枚ないしは複数枚の図面に基づいて行われた空き地の掘り起こし捜査の結果、アンカラのギョルバシュで武器、爆弾、弾薬が発見された。      ギョルバシュでの捜査が終わると、次はアタテュルク森林農園やサクルバフチェとよばれる野原など、アンカラの森林地帯の比較的目に付かない場所で捜索が行われた。警察は、シャーヒンの自宅から見つかった書類、または得られた情報を元に、 全文をよむ

2009-01-10 Ismek Berkan コラム:クルド労働者党(PKK)あってのエルゲネコン (Radikal紙)

エルゲネコンとは一体何なのだろうか。私は、この捜査を進めている検事や警察官すら、これについてはっきりした考えをもっていないと思う。      エルゲネコンとは何かは議論の的である。私は、個人的には、この捜査を進めている検事や警察官すら、これについてはっきりした考えをもっているとは思わない。エルゲネコンとは何かについて、一年ほど前に、要職にある治安関係者と話したことがある。そして、今日、ススルルク事件の有名な有罪者の一人であるイブラヒム・シャーヒンの家から押収された地図に基づき行われた捜索により地 全文をよむ

2009-01-06 Şahin Alpay コラム:対イスラエル関係における理想主義と現実主義 (Zaman紙)

イスラエルは、まず18カ月封鎖を続けることでガザを大規模な「強制収容所」に変えた。そしてその後6カ月間停戦期間をおき、その間に戦争を準備した。      イスラエルは停戦を破った。そしてついにハマスを殲滅するためと主張して戦争を開始した。世界で最も人口過密な地域に対して始まった攻撃で、徐々に増加している死者は民間人であり、女性や子どもたちである。      イスラエルのガザ攻撃が、世界中のあらゆる場所と同様、トルコでも社会の各層の人々の間に激しい憤りを噴出させたのは当然である。というのも、これは 全文をよむ

2008-12-30 Şahin Alpay コラム:圧力と差別の根源 (Zaman紙)

バフチェシェヒル大学政治学科長であるビンナズ・トプラク教授が、ボアズィチ大学から支援を受けて公刊した「トルコで(多数派と)異なること:宗教と保守主義の軸線から他者となった人々」という題名の研究調査は、アナトリアで多数派とは異なる信仰、アイデンティティ、意見を持つ人々がさらされている圧力と差別をテーマとしている。      この調査は、「イスラーム」層がさらされている圧力と差別については十分に調査・把握されており、さらに公正発展党政権下ではこの問題に関する不満が減少したという理由で、「世俗的なアイ 全文をよむ

2008-12-29 Taha Akyol コラム:ふたたび司法の問題 (Milliyet紙)

「またしても」と言おう、なぜなら私は何年もの間、『司法の問題』を話題にして多くの記事を書いた。この問題がまたしても検討課題となっている。   最高裁判所長官のハサン・ゲルチェケル氏は、「しばしば司法が政治化したという批判が集中する」、「司法が国内の緊張を招いている」と言い、次のように述べている。   「いかなる時においても、司法の政治化に反対です。この国は明らかな緊張状態の中にあります。私は最高裁判所をその緊張状態の中に置かないよう努力しています。司法と司法に関係する問題は、論争を避け、また政治 全文をよむ

2008-12-28 Fikret Bilaコラム:クルド語放送5つの狙い (Milliyet紙)

TRTによる、クルド語テスト放送が始まった。新年とともに24時間放送へ移行する予定だ。    TRTの24時間クルド語放送が国家の政策であることに疑いはない。クルド語テレビ放送が、トルコ共和国の政策において非常に重要な転換点となることを歴史に記す必要がある。    1980年代に「クルド人はいない」と言いクルド語を禁じた政府が、公営放送において24時間のクルド語放送を始めることは、非常に重要な変化が生じていることを示している。クルド語放送という政策で、国家は何を狙っているのか、以下の点を挙げるこ 全文をよむ

2008-12-21 Cengiz Çandarコラム:2008年と2009年の狭間で (Radikal紙)

今日は12月21日。毎年のように夜が最も長く、昼が最も短いとき。この日(冬至)が過ぎれば陽はまた延び始める。2008年も残りあと10日。もうじき2009年がやってくる。      この時期、今年のビックニュースや2009年の予想といった話題が巷に溢れる。今から私なりの「重要度」に従って、世界とトルコで起きた08年の重要事項を記してみよう。      ――08年の世界最大の出来事は、バラク・フセイン・オバマの米大統領当選だろう。歴史上初めて、一昔前なら決して予想だにできなかった展開が現実のものとな 全文をよむ

2008-12-20 Turker Alkan コラム:最新の社会調査結果にみる「包囲」 (Radikal紙)

「トルコはアフガニスタンにはならない!イランにもならない!」   我われはこう言い続けている。トルコはもちろんアフガニスタンにもイランにもならない。ましてはサウディアラビアには絶対にならない。歴史、文化、地政学的位置、発展のレベル、伝統などが、これらの国々とは異なるからである。しかし、「穏健なイスラーム」の潮流に巻き込まれたトルコは、これらの影響を受けずにはいられない。      トルコは、「トルコらしい」多くの特色を失い、宗教を基準にした日常生活と教育を送り、女性の権利を損ないかねない…。 全文をよむ

2008-12-20 MEHMET KAMIŞコラム:謝るということ (Zaman紙)

まだ30年前には、アルメニア人が非常に多く暮らしていた街区には、もはや誰もいない。古い家々は取り壊され、その跡地には魂のまったくこもっていない、極めて醜悪なアパートが建設された。      フラント・ディンクの暮らしたチャヴシュオール街区と、サルキョプリュ街区のアルメニア人のほとんど全員は、カナダへ、あるいはイスタンブルへと移住した。しかしながら、ここらにはまだ少し前までは、何とたくさんのアルメニア人が暮らしていたことか。      2ヶ月前、私は自分が初等教育を受けたマラトゥヤにあるヒダイェト 全文をよむ

2008-12-08 Taha Akyol コラム:バイカルとケマリズム (Milliyet紙)

チャルシャフ(黒衣)の着用者の割合は2%であり、いかなる社会的な活動もなく、そして徐々に縮小している層の服装である。   普及しているのは伝統的な、頭を覆うスカーフ姿である。イスラーム風スカーフはより近代的なテセッテュル(ムスリマが身を覆うこと)の一形式だ。   当然のことながら、バイカル共和人民党党首の目的は2%から数千票を得ることではない。バイカル党首は、服装についての強迫概念が共和人民党と国民との間に心理的な壁を作ってしまったと認識しているのだ。      共和人民党は、近代性を服装とダン 全文をよむ

2008-12-02 Ertugrul Ozkok コラム:1枚の家族写真―黒衣の祖母とともに (Hurriyet紙)

この写真に写っているのは・・・      この写真に写っているのは、私の家族だ。1949年にイズミルで撮ったものらしい。後列の左はしが、私の父のシュクリュ・オズキョク。そのとなりが母のハフィーゼ・オズキョク。そのとなりに叔父のメフメト・ロドプ。前に座っている黒衣(チャルシャフ)の二人のうち、左側が祖母のファトマ・ロドプ。そのとなりは、名前がはっきりと思い出せないのだが、祖母の姉妹。たしか、サードゥカ・ハヌムだろう。たぶん、ギュムルジネ(ギリシャのトラキア地方の町)から遊びにいきていたのだと思う。 全文をよむ

2008-11-22 Ozlem Albayrak コラム:バイカルCHP党首「選挙なので、信心深い人たちに親切にします」 (Yeni Safak紙)

この問題には気乗りがしなかった。「千年の間、1日に5回書いたとしても、何一つとして変わらないだろう」と、いやいやながら最悪の気分で自分に言い聞かせた「諦め」のせいだけというわけではなかった。私のようなスカーフ着用者が、スカーフあるいはチャルシャフ(黒色長衣)について行うあらゆる発言は、空虚な穴に投げこまれる声のように消えていくと知っているせいというわけでもなかった。      理由のひとつは、おそらく、共和人民党(CHP)が関わっているせいで、「スカーフ」問題について(インターネットに)2日間で 全文をよむ

2008-11-16 Fikret Bila コラム:ギョニュル国防相の発言内容―住民交換と国民国家 (Milliyet紙)

ヴェジディ・ギョニュル国防大臣は、ここ最近、渦中の人物のひとりだ。   ギョニュル大臣がブリュッセルで行った住民交換に関する発言がトルコで反発の原因となった。ギョニュル大臣は住民交換という思想を弁護したことで非難された。大臣の発言は、現在にあてはめられ、まるでクルド問題やアルメニア問題にも『住民交換』を推奨しているかのように激しく非難されている。   ではギョニュル大臣は、「住民交換がなされなければ、このような国民国家を建設することができただろうか」と述べた時、何を意図していたのだろうか。   全文をよむ

2008-11-15 Hasan Pulur コラム:憲法改正論議、再び… (Milliyet紙)

ティムール・セルチュクの素晴らしい歌がある。「経済が好調だ…」   「なんとまあ有り難い!」単に経済だけではなく、ほぼすべてのことがうまくいっている…。   うまくいっているがために新たな課題が作り出され、新たな問題が出されてきている。   何百万もの人々が失業し、また何百人もが最低生活線上にあり、そしてテロが頻繁に起こっている。   なんてありがたいことだろう、物事がうまくいっているために喧嘩や論争のための新しい問題が探し出されている。   そうでなければ、憲法裁判所のハシム・クルチ長官が憲法 全文をよむ

2008-11-09 Hasan C. Guzel コラム:「私たちのムスタファ」―没後70年・関連文書の行方・映画 (Radikal紙)

読者の皆さん、明日(10日)は偉大な指導者アタテュルクの亡くなった日だ。死去から70年。「彼」を、感謝と尊敬を込めて追悼する。「彼」は、解放戦線の導き、トルコ共和国国家をつくり、トルコの近代化と変革を実現したのだから。      ケマリズムの破綻    しかし、残念なことに、この偉大なリーダー、政治家は長年にわたり、先入観で判断されてきた。日々の政治の中心に引っ張り出されてきた。アタテュルク自身が「私の思想を教条として固定化しないように」といって反対したという、ケマリズムと呼ばれるこのいい加減な 全文をよむ

2008-11-08 Ismet Berkan コラム:オバマの教訓 (Radikal紙)

あまりおおげさにしたいとは思わないが、「バラク・オバマ物語」の基本的な部分については看過されるべきものではない。   私はオバマが救世主や「スーパーマン」、改革者であるなどとは考えていない。結局のところ彼はアメリカの政治家である。鋭く厳しいあるいは改革者としての側面は、一時期あったとしても、十分に鈍らせられずして、また十分に折り合いをつけられずして、オバマが今日たどり着いた地点に到達することは不可能なことなのである。   しかし、私にとってこの「鈍らせること」ということは、思うほど悪いことではな 全文をよむ

2008-11-03 Can Dundar コラム: 革命は徐々には成し遂げられない (Milliyet紙)

「アタテュルクのメモ帳」というこの連載コラムを、このメモ帳の中の最も興味深い記述のひとつで、今日(3日)、終わりにしたい。   1931年、アフェト・イナン女史がチャンカヤの旧大統領官邸図書館で調査をしているときに見つけたこのメモ帳。それは、アタテュルクが1918年、病気治療のため訪れたカールスバトで記した日記だった。   内容を精査した。158ページにわたるメモ帳は、最後のページを以下の文で締めくくっていた。      ■私は書いたものを、一日で消した   「カールスバトで過ごした日々の思い出 全文をよむ

2008-11-02 Ataol Behramoğlu コラム:訪問中の東京より (Cumhuriyet紙)

遅くとも金曜の昼までに送らなくてはならない土曜日のコラムを、通常私は木曜日に書いている。金曜日まで残しているのは非常に珍しい。今回の金曜はといえば、午前にしかもリラックスして書いている…。というのも、トルコでは今頃は真夜中であることを知っているので気楽なのである…。国際東京ポエトリー・フェスティバルの招待客としてやってきた日本は、トルコより7時間進んでいる。単に時間の点だけからだけだろうか?これは全く別の問題である。      ***   日本の文学、芸術、文化そして人々をあまりに知らなかったと 全文をよむ

2008-10-26 Fikret Bila コラム:憲法裁判所が描くロードマップ (Milliyet紙)

憲法裁判所は2つの重要な判決の理由を明らかにした。   イスラーム風スカーフ訴訟と公正発展党(AKP)解党訴訟で憲法裁判所が下した判決の理由は、政党にとってはロードマップの意味合いをもつ。      ■共和国の性質   憲法裁判所は、イスラーム風スカーフ解禁のために実施された、第10条及び第42条の改変を無効にした判決で、トルコ大国民議会の権限領域を線引きしたことになった。   この判決では、憲法の改正不可条項、また改正の提案不可条項に関して、トルコ大国民議会が憲法改正をすることはできないとした 全文をよむ

2008-10-21 Ismet Berkan コラム:裁かれるのは何か? (Radikal紙)

極めて、本当に極めて長い時間待たされたエルゲネコン裁判が、云わば昨日(20日)始まったが、真にはいまだ始まっていない。      被告人の数に見合う法廷の場所を未だ見つけられず、今後見つかるかどうかもわからない。      法廷環境が適切で、エルゲネコン訴訟の重要性に見合うものでないとすれば、被告人の弁護人たちも実際、常にクライアントたちの利益に沿わない要求をしたし、あるいは今後するだろうと述べた。      もし本当に訴状が審理において容疑者たちの面前で読みあげられる必要があるのなら、被告人た 全文をよむ

2008-10-20 Taha Akyolコラム:外交的勝利; トルコ、国連安保理非常任理事国入り (Milliyet紙)

トルコが47年もの間望み続けた外交的勝利をものにした。国連安全保障理事会の非常任理事国に選出されたのである。しかも191カ国の内159カ国の賛成票を得て!      国連のロビー活動において、トルコに対する支持・不支持をめぐるとても多くの劇的な出来事を経験した、経験豊富な外交官であるバーキ・イルキン氏の喜びの涙は、成功の大きさに由来している。      以前ギリシャが選出されたことがあった。今回はウガンダも選出され、ようやく2年間のメンバー入りかと過小評価することは間違いである。ウガンダはアフリ 全文をよむ

2008-10-16 CAN DUNDARコラム:アメリカのクルド政策 (Milliyet紙)

アブドゥッラー・オジャランがトルコに引き渡された時期の首相であったビュレント・エジェヴィトは、後々に「アメリカがアポ(オジャランの別称)をなぜ引き渡したか、まだ解らない」と言っていた。   しかし、オジャランは既にその理由を引き渡し直前にオズギュル・ポリティカ(自由政治)紙に説明していた。   「直接的にアメリカ合衆国によって方向付けられた謀略によって、民族解放戦線の徹底的な根絶が目的とされている。北イラクのクルド系リーダー達が参加したワシントン宣言プロセスは我々の消滅の上で成立している。バルザ 全文をよむ

2008-10-12 Hasan Celal Guzel コラム:新作映画「聴け、ネイの音を」 (Radikal紙)

親愛なる読者の皆さん、我々が次々と埋葬した、獅子のように勇敢な兵士や警官の殉職者を目にし、私と同様に皆様の心も暗くなったことでしょう。   この美しい秋の朝にこの悲しみ、憂い、鬱憤から皆様を一瞬でも引き離したいと思う。   日曜日の話題として、封切られたばかりの「聴け、ネイの音を」という傑作映画についてお話する。      ■我々の歴史における一つの光   これほど豊かな歴史、文化、芸術という宝を所有し、これを発信するとなるとこれほどの無能力にあえいでいる-そんな国民は(他に)見つからないでしょ 全文をよむ

2008-10-04 Fehmi Koru コラム:アメリカの危機とトルコのチャンス (Yeni Safak紙)

冷戦後、世界の「唯一の超大国」として知られたアメリカは、カリスマ性をひどく失った。アフガニスタンとイラクで望むような秩序を構築できなかったため、軍事面で困難な状況に陥っている;昨今の経済危機は、権威をすっかり失墜させた。立派に見える金融機関もどうも吹けば飛ぶような紙切れで覆われているようだ;民主主義はといえば、危機に即座に応えなければならない国で仕事を遅らせているようだ...      ある国が「超大国」とみなされるために必要な条件は、多勢で機能的な軍隊と強固な経済を安定した民主主義の中で保つこ 全文をよむ

2008-10-04 Fikret Bila コラム:テロとの戦いを民族紛争にしてはならない (Milliyet紙)

テロは、トルコの最も重要な問題である。テロとテロとの戦いは25年間続いている。参謀総長のイルケル・バシュブー陸軍大将は、新聞記者との懇談会の席上、(テロとの戦いによる)殉職者の数と無力化させたテロリストの数を明らかにした。クルド労働者党(PKK)によって殺された人の人数は、一般市民を含め、総数は3万5千人に上る。   この過程が生み出した状況は、政治領域にも影響を与えた。PKKと系譜を同じくする民主市民党(DTP)は、トルコ大国民議会に議席を有している。その前身の党同様、DTPについても解党訴訟 全文をよむ

2008-09-28 Osman Ulagay コラム:「シェケル・バイラム」か「ラマザン・バイラム」か (Milliyet紙)

イスタンブルで裕福な層に入る家庭の長である私の祖母は、シェケル・バイラム(砂糖祭)とクルバン・バイラム(犠牲祭)が伝統に沿った形で祝われることを非常に大事にしており、バイラムの初日には全家族を家に集めたものだった。   家族の他に、亡くなった夫が設立した家族経営の会社で長年働く一部の従業員たちも、「女主人」の手にキスをするために家を訪れ、バイラムを祝ったものだった。家では骨を折って準備された甘いお菓子や砂糖祭にちなんだお菓子が訪問者に供されたものだった。      私の父方の祖母は断食をし礼拝を 全文をよむ

2008-09-28 Altan Oymen コラム:「国家主義」容認における1929年の役割 (Radikal紙)

1929年の「世界大恐慌」のころのトルコの状況はどのようなものだったのか?先だってのコラム2本ではアメリカとヨーロッパでの当時の状況の要約を試みた。今日は、多少なりとも「われわれ」に眼を向けてみることとしよう。   すなわち、1929年時点では、トルコは新たに建国されてからいまだ6年目になったところだった。対外経済関係は極めて限定的なものであった。輸出産品は葉タバコ、干しぶどう、干しイチジクといった限られた農産物で成り立っており、各種工業製品のほとんどは輸入を余儀なくされていたのである。   恐 全文をよむ

2008-09-27 Guneri Civaoglu コラム:アメリカの公正発展党(AKP)観 (Milliyet紙)

アメリカ中央情報局(CIA)で長い間トルコ部長を務めたグラハム・E・フラーによると、「AKPとイスラーム」との関係は次のようなものだ:      「私はAKPを単に穏健なだけでなく、同時に、さらにより重要なものとして、宗教的価値観が政治的領域と統合されることがどのような意味を持つかを発見しようと努めているイスラーム主義の政党だと考えている」。      AKPは、イスラーム主義政党の思想形態において新たなページを開いている。この意味でムスリム主義(Muslimhood)は、ある明白な宗教的議題を 全文をよむ

2008-09-21 Gunduz Vassaf コラム:宗教、民族、若者そして未来 (Radikal紙)

わずか100年前には知識人あるいは進歩主義者であることは、ナショナリストであることを意味していた。   ナショナリズム運動がオスマン帝国を崩壊させた。ギリシャやブルガリアを、ほとんどアルメニアとクルドを、そしてついにはトルコを誕生させたのは、知識人や進歩主義者、詩人、作家たちが主唱したナショナリズム運動であった。ナショナリズムは100年も経たずに民族浄化やレイシズム、ファシズムとともに言及されるようになった。今や詩人、作家、知識人、進歩主義者たちはといえばナショナリストの標的となり犠牲者となって 全文をよむ

2008-09-17 Haluk Sahin コラム:在外トルコ人いまむかし (Radikal紙)

いまや、旅客機が落ちたのが世界のどこであっても、決まって我々の心はざわついてしまう。そして、私たちはこう問いかけるのだ。「乗客のなかにトルコ人はいたのか?」と。   そして、悔しくも、そういった恐れは往々にして的中してしまうのだ。スぺインで、アフリカで、そして、シベリアで・・・。いずれの旅客機墜落の際にも、乗客のなかにはひとりか、それ以上のトルコ人が居たということである。   かつては明らかにそうではなかった。たとえ遠い異国で旅客機が墜落しても、我々が気を揉むことなんてなかったのだ。そのような場 全文をよむ

2008-09-14 Mustafa Unal コラム:80年クーデターにNoで憲法にはYes? (Zaman紙)

軍事クーデター記念日には、興味深い色々な形の反発と抗議が目撃された。若い市民たちが再びその舞台にいた。      市民らは戦車が通りに現れた午前4時にイスタンブルとアンカラのラジオ局の前でデモを行った。プラカードの中の「82年憲法はクーデターを続けている」というスローガンは目を引くものだった。ビルギ大学では「良心の裁判所」という名称の象徴的な裁判所が設けられ、クーデターを起こした人々が裁かれ、「民主的トルコのために働く」という刑が申し渡された。実際の裁判のために、検事らも呼ばれた。労働組合や市民 全文をよむ

2008-09-12 Murat Yetkin コラム:テロリスト対策とテロリズム対策 (Radikal紙)

昨日、タイイプ・エルドアン首相を座長に開かれた包括的テロ対策会議は、911攻撃の7周年記念日と重なった。会議に続いて行われた短い会見では、本来の議題の1つがクルド労働者党(PKK)への参加をどのように阻止できるかであったことが明らかになった。   会議の冒頭、参謀総長のイルケル・バシュブー陸軍大将がブリーフィングを行ったことが分かっている。これは事態の流れに沿ったものだ。バシュブーは先週軍司令官たちとともに訪れたディヤルバクルで、交渉と見聞(の成果)をまず政府に伝えることを明言していた。   バ 全文をよむ

2008-09-07 Mumtaz’er Turkone コラム:憲法裁判所は個人を世俗化しうるのか? (Zaman紙)

私は昨日のコラムで、もし世俗主義がひとつのライフスタイルなら、憲法裁判所が指針となる説明をする必要があると述べたのだった。というのも、裁判所は公正発展党と別の立場でわれわれについての規則を定めているからだ。      お聞きしますが、世俗的なライフスタイルに従って生きるということはどういうことでしょうか。これは問題の最も重要な点ですので、繰り返し言うことを厭いません。憲法裁判所は公正発展党を「世俗主義に反する活動の中心」であると結審した時に、侵害された世俗主義がひとつのライフスタイルだと考えるな 全文をよむ

2008-09-06 Ismet Berkan コラム:ギュルのアルメニア訪問がもたらし得るもの (Radikal紙)

朝も早くからNTVテレビで共和人民党(CHP)のデニズ・バイカル党首の話を聞いている。彼はムラト・アクギュンの質問に答えている。   アブドゥッラー・ギュル大統領がなぜアルメニアに行くべきではないかを説明し始めたとき、バイカルは3つの基本的な問題領域について触れた。かいつまんで言うとそれらは、   1.アルメニアはトルコの国土の一体性を承認していない。   2.かつてアルメニア解放秘密軍(ASALA)のテロ活動を支援していたアルメニアは、大虐殺の主張によってトルコを苦しめている。   3.アルメ 全文をよむ

2008-09-03 Cengiz Candar コラム:アブドゥッラー・ギュルの「エレバン遠征」 (Radikal紙)

アブドゥッラー・ギュル大統領が土曜日にエレバンを訪れること、つまり、一人のトルコ共和国大統領がアルメニアの首都に、その肩書きのまま初めて足を踏み入れることの前には、もはや何らかの奇跡しか阻むものはないだろう。   ワールドカップ予選における、抽選の妙、つまり確率の傑作たるトルコとアルメニアとの対戦は両政府にとっての、そしてより重要なのはトルコ人とアルメニア人にとっての新たな歴史的地平を拓く可能性を生み出したのだった。   2008年2月に選出されたアルメニア共和国の新大統領セルジ・サルキシャンは 全文をよむ

2008-09-01 Taha Akyolコラム:ギュル大統領、アルメニアを訪問すべきか (Milliyet紙)

ギュル共和国大統領は、国際試合を観戦するために9月6日にアルメニア共和国の首都エレバンを訪問し、サルキシャン大統領と会談するのだろうか。      ギュル大統領が外務省に与えた指示がある。それは「この訪問は観光を目的とした訪問であってはならない。政治・経済の分野で進展が見込まれるようなら私は行きましょう。さもなければ必要はない」というものである。      そう、ギュル大統領はテレビで試合を観戦できるのだ。訪問するにあたって政治的利益は絶対に必要である。      現在、ギュル大統領の訪問のため 全文をよむ

2008-08-31 Mumtaz’er Turkone コラム:軍と宗教団体 (Zaman紙)

イルケル・バシュブー将軍が引継式で行った演説には、馴染みのない項目がある。      次の文章は、演説を準備した一般幕僚代表団が従うはずの基準と流れを逸脱しており、司令官によって直接、加筆されたようにみえる。   「軍人という職業は、倫理的価値を重要視する職業の筆頭にくる。もちろん個人の倫理的価値という観点では、宗教も一要素である」   表現は良くないが意図は明白である。宗教と敬虔さに対し、軍人という職業という視点から肯定的に、さらには重要な意味付けがなされている。宗教を肯定的に捉えるこの文言の 全文をよむ

2008-08-27 Fikret Bilaコラム:バフチェリMHP党首が提案したロードマップ (Milliyet紙)

民族主義者行動党(MHP)のデヴレト・バフチェリ党首は、先の会期中、これまでとは違う野党としての見識を披露した。   この見識は、「妨害ではなく、協力する野党」と定義することができる。少なくともバフチェリ党首はそう考えている。      バフチェリ党首は、トルコ大国民議会の行き詰まりを防ぎ、「問題山積で行き詰った」とされる分野においても、公正発展党の前途を開く二つの重要な貢献をした。      1. 議会における367票問題を克服し、アフドゥッラフ・ギュル大統領選出を後押しした。   2. 大学 全文をよむ

2008-08-23 Fikret Bila コラム:公正発展党の信用問題 (Milliyet紙)

憲法裁判所は、公正発展党(AKP)が世俗主義に反する活動の中心であるという訴えを、1票対10票で[否決する]判決を下した。同党を解党せず、国庫からの政党助成金を一定の割合で削減する決定をした。   高等裁判所のこの判決からさほど経たないうちに、政府と公正発展党のスポークスマンたちは新憲法プロジェクトを再び口にし始めた。公正発展党は新憲法を通すことに執着しているようだ。つまり次の会期に、公正発展党の新憲法プロジェクトが再度、トルコの議事項目になるのだろう。      ■信頼性の問題   憲法問題に 全文をよむ

2008-08-21 Ismet Berkan コラム:コーカサスプラットフォームは有用か? (Radikal紙)

グルジアが南オセチアを攻撃し、その後まもなくロシアによって撃退されたことは、事態の引き起こした影響や波紋という点から容易に収束する状況ではない。紛争の開始当初、ロシアがはっきりと名指しで非難した2つの国の内の1つであるトルコは、積極的な外交によって和平の構築に貢献したがっている。もちろんロシアがまず軍事作戦を停止し、続いてオセチアとアブハジアの境界までの撤退を表明すること(しかしいまだに撤退していない)は、国際社会の干渉を要さずに実現した。そのためトルコは何の役割を果たすことができなかった。   全文をよむ

2008-08-09 Ismet Berkan コラム:自殺へと向かう戦争-コーカサスの西隣から流血の事態を読む (Radikal紙)

グルジア軍は、一昨日の夕刻、「分離主義」を掲げる南オセチアに入り、カフカスの中心で、カフカス山脈で戦争が始まった。   [それは]長い間、いやもう随分と長い間、予測されていた戦争であった。特にサアカシュヴィリがグルジアで権力の座について以後は・・・。   正直に言えば、私は戦争がアブハジアで[起きる]と予測していた。しかし、どうやらグルジア軍は「より楽な片割れ」だと考えて、まずはオセチアを攻撃したのである。   これは、基本的に自らを殺める戦いである。グルジアの自殺である。なぜなら、グルジアはど 全文をよむ

2008-07-23 Turker Alkan コラム:「穏健キリスト教国家」のすすめ (Radikal紙)

一党体制期のアンカラ知事であったタンドアンのものだとされる言葉がある:「もしやこの国に共産主義が導入されるとしたら、それを導入するのも我々なのです。」   実話なのか、作り話なのか、私には知る由もない。けれども、少なくともタンドアン[という人物]はこの国の出身で、外国人ではなかった。しかし、現在の世界の情勢を見るや、私たちはより一層深刻な状況に直面している。   アメリカは世界の知事を勝手に宣言したらしく、それを後ろ楯にして、様々な報告や構想や観測を世界中に向けて発信している。   「貴国で民主 全文をよむ

2008-07-07 Can Dundar コラム:この父にしてこの子あり-ウィンブルドン中継と訴訟のニュース (Milliyet紙)

父親になったと考えてみてください。ある日、1冊のテニスの[教則] 本を手に入れる。   あなたにはふたりの幼い娘がいて、彼女たちにテニスを教えよう、とあなたは決意する。   けれども、あなたは生まれてこのかたテニスを一度だってやったことがない。   本で読んだ限りにおいて、言って聞かせて、やって見せる。   すると、当の娘たちはお互いでプレーしはじめた。   彼女たちはテニススクールに通い、時とともにプロ選手になる。   次第に国際トーナメントで頭角をあらわすようになる。   そして、彼女たちは 全文をよむ

2008-06-30 Ugur Gurses コラム:「体重1キロあたりお幾ら?」―「デリー航空」の環境広告を読む (Radikal紙)

航空各社を、増加する競合他社、更には原油価格が圧迫している。国内では、民間航空各社に対抗すべく、トルコ航空が、アナドル・ジェット運賃を導入しはじめ、一方、国外ではとりわけアメリカでの新たな実施策が議論の的になっている。      原油価格の上昇はご承知の通りである。しかしながら、「クラック・スプレッド」と言われる原油価格と航空燃料価格との間に存在する取引価格差は[普通であれば]5-7ドルの水準で推移するものであるが、2003年以降は10―20ドル、2008年には30ドル近い水準で推移しはじめた。 全文をよむ

2008-06-28 Mehmet Ali Birand コラム:まだ正気に戻れていない・・・ (Milliyet紙)

また元の病気がぶり返した。      国際メディアは私たちを褒め、外国の専門家たちは、我々がどれほど成功者であるか書き立てたと、すべて忘れてしまいそうである。自尊心がくすぐられ、外国人から3回拍手を受けたと、チャンスを逸したのをもう忘れてしまったとばかりに…。 彼らは我々の背中を少し撫でて慰めてくれたと、カップを他人に手渡したのを問う者はいない。      親愛なる読者たちよ、   本当だ、我々は良いプレーをした、我々は素晴らしかった云々…。 でも忘れてはならない、本来の目的はカップを獲得するこ 全文をよむ

2008-06-09 Semiz Idizコラム:日本の投資家、静観の構え (Milliyet紙)

日本訪問中、憲法裁判所のスカーフに関する決定をはじめとする内政問題については話さないと決めていたギュル大統領は、それでも新聞記者たちがこれらの問題について、なんとか話題にしようとするので、ほとほと閉口していた。昨日、大阪で、日本での活動を総括するための記者会見をおこなったギュル大統領は、この手の質問に対しいらだち、新聞記者たちに、「何のためにここにいるんですか?トルコにいる同僚にその件はまかせなさい。あなたたちは日本のニュースを書きなさい」と非難した。トルコで嵐が吹き荒れている以上、新聞記者とし 全文をよむ

2008-06-07 Can Dundar コラム:「男はフェルト帽をかぶるものさ」―カラジャヒサル村の教訓 (Milliyet紙)

ウシャク県のバナズ郡にはカラジャヒサルという名の村がある。地元では「フェルト帽をかぶった人々の村」として知られている。というのも、3世代にわたって、村の男たちは帽子をかぶらずに通りを歩くことがないからだ。私たちもドキュメンタリー番組で見たことがあるが、1920年代、軍警察がやってきて、「フェズ[トルコ帽]を捨てたまえ。今後はつば付きの帽子をかぶるように」と命じたそうだ。村人たちも、「たとえ[措置の背景が]政治的なものであっても[そりゃ悪くないな]」とフェルト帽をかぶりだしたそうだ。   時が経つ 全文をよむ

2008-06-07 Mehmet Ali Birand コラム:憲法裁判所はAKPを解党とするのか? (Milliyet紙)

憲法裁判所の決定は、多くの議論を呼んでいる。論点はどの視点から見るかで変わる。   もし公正発展党(AKP)の視点から見るのなら、この判決に支持できるところはない。憲法裁判所は司法クーデターを行ったも同然だ。トルコで民主主義が崩壊し、そして司法制度も崩壊した。   世俗主義側はというと、その正反対のことを考える。   この判決で、トルコの未来が開かれた。   共和国の基本原理が守られた。世俗体制に対峙する危険が取り除かれたのだ。      では、今後は何が起こるのだろうか?   一般的な考えでは 全文をよむ

2008-06-07 Taha Akyol コラム:軍、司法、CHP (Milliyet紙)

憲法裁判所の決定に拍手を送る、または批判することはできる。しかし諸機関や社会を方向づける歴史的な動きに目を向けたほうが、より視野が広がる。こういった見方から見えてくる真実は、軍部、司法、そして共和人民党(CHP)が、政治形態という点でよく似た優先事項をもつ「歴史的な連合」を形成してきたことだ。       ジェラル・バヤルが『カイセリ刑務所日記』に書いた1963年10月26日付の記録メモは興味深い。   「憲法裁判所というのは、まさに『ヤッスアダ法廷』が少々穏やかになっただけのものである…」   全文をよむ

2008-06-03 Turker Alkan コラム:キュウリとトマトの並べ方は?―「禁止」全盛の風潮に思う (Radikal紙)

どうして昔の詩人たちが恋人を果物や野菜にたとえたのか、私は存じ上げない。恋人の頬をリンゴにたとえたり、唇をサクランボにたとえたり、目をブドウにたとえたりしたら、恋人が八百屋と何も変わらなくなる。こんなたとえに、ロマンチックでセクシーな面などありゃしない、というのが本音だ。      しかし、このようなたとえを未だに本気にする人々がいるとはびっくりだ。ついこの間まで、イラクのモースルはアル・カーイダの支配下にあった。イラク軍が街をアル・カーイダから解放して、アル・カーイダ独特の様々な統治手法は世の 全文をよむ

2008-05-31 Taha Akyol コラム:盗聴はスキャンダル (Milliyet紙)

共和人民党(CHP)のオンデル・サヴ幹事長、あるいは誰か別の人が電子機器によって盗聴されるとういうのは、スキャンダルだ!   しかしこのような事件が起こったのではなくて、「電話を切るのを忘れた」結果、幹事長の会話を聞いていたヴァキト紙がこれをニュースとして報道したとしら?!今回の共和人民党の「政府が盗聴を行っている」という主張がスキャンダルになる。この記事を書いている今、この推測を裏付けるようなニュースが入ってきている。まだ公式の確かな発表はないけれども…。      ヴァキト新聞社はオンデル・ 全文をよむ

2008-05-26 Taha Akyol コラム:シェリフ・マルディンは何を語っているのか? (Milliyet紙)

シェリフ・マルディンは我々の最も偉大な社会学者である。「街区の圧力」という社会学的概念に先生が言及すると、ほとんど「シャリーアの危険」の証拠のように示された。シェリフ先生は象徴的な言葉によって「教師がイマームに敗れた」と述べたのだが、ご存知のように、シャリーア体制が来ている[と解釈された]!先生は自身の「街区の圧力」概念がこうした形で用いられることを「快くはない」と述べていたが、曲解は続いてきた。      先生の分析を次のように要約することが可能である。「善、真、美」といった種々の価値は個人と 全文をよむ

2008-05-22 Besir Ayvazoglu コラム:ニコチン中毒文学論 (Zaman紙)

ひところ、風刺画家が画家[の姿]を描く場合には、すぐさまその手にパレットを一枚持たせて、頭にベレー帽をかぶらせて、あごひげを生やすものだった。[風刺画のモデルが]詩人だと描き分けるための小道具はといえば、彼らにとってはタバコだった。      風刺画家というのは、[モデルの]誇張できそうな隙には目聡い危険な人々である。彼らが、詩人のその指の間や口元に、燃えカスの灰が長ったらしくのびたタバコを描くということは、このことが、文学界にニコチン中毒が蔓延している証拠だと見てよい。私の手元のデジタル史料を 全文をよむ

2008-05-21 Turker Alkan コラム :女性が何を着たっていいじゃありませんか! (Radikal紙)

女子大生たちはイスラーム風スカーフを被るべきなのか、被るべきではないのか?この問題に関して憲法改正までもが実施された。憲法裁判所の意向についても遠からず我々の知るところとなる。      「大学ではイスラーム風スカーフについて自由であるべきた」とおっしゃる方々が主張する議論というのがあって、以前は私もこの考え方に賛成したものだった。この考え方によれば、イスラーム風スカーフというのは、保守的な家庭環境にある女性たちが社会生活へ参画することを容易にする一種のヴィザだと捉えることができるかもしれない。 全文をよむ

2008-05-18 Murat Yetkin コラム:民主市民党(DTP)はなぜ信用されないのか? (Radikal紙)

最後に言うつもりのことを初めに言っておこう:   なぜならクルド労働者党(PKK)は、DTPを信用していないからだ。なぜならDTPの、国会の党派グループ長であるアフメト・チュルクの表現によれば「同じ基盤を分け合っている」PKKとの関係は一方通行だからだ。つまりDTPは、PKKの政治方針を離れたところでイニシアチブを取ることができない。軍事作戦で身動きの取れないPKKが、軍に攻撃を止めて欲しがっているとでも言うのだろうか?   DTPが「武器の使用を止めよキャンペーン」を始めていることは周知の通り 全文をよむ

2008-05-16 Sami Kohen コラム:ショーなのか、別れの挨拶なのか・・・ブッシュの中東訪問 (Milliyet紙)

ある人はこれがブッシュ大統領にとって中東への「お別れ」の訪問だと言う・・・ ある人はパレスチナ問題を解決するための、ホワイトハウスを離れる前の「最後の努力」と言う... またある人は、ブッシュの今回の5日間の中東訪問が、地域のために何かをしたということを証拠付けるための「ショー」であると...   「訪問の理由」が何であれ、ジョージ・W・ブッシュ大統領が中東へこの5か月間で2度目の訪問をするとは興味深い事態である。これは共和党の大統領が、民主党の前任者とは逆に、アラブ-イスラエルの対立に対する無 全文をよむ

2008-05-16 Derya Sezak コラム:トルコにおける地震対策の現実 (Milliyet紙)

中国での地震における死者が5万人を越える可能性があるという驚くべきニュースによって、私たちは[今後]起こるとされるイスタンブル地震での結果について考え込まずにはいられなくなっている。      テレビ各局は、[ボアズィチ大学の]カンディルリ地震観測所長のギュライ・アルタイ教授による「訂正」的性格を持つ記者会見を報じた。[イスタンブル近郊での地震については]非常事態にあるわけではないこと[を明言し]、またそれと同時に、人々に警告を発する必要性を感じたがゆえであった:   「イスタンブルについて今後 全文をよむ

2008-05-14 Ali Bulac コラム:トルコは保守化しているのか? ― 「保守性」の3分類 (Zaman紙)

最近、巷に投げ掛けられた1つの問いへの答え探しが行われている:「トルコは保守化しているのか?」という問いである。本来、この問いを投げ掛けた人々が問いたかったのは次のことである:「トルコは信仰深くなっているのか?」。より急進的な人々は、「反動が強まっているのか?トルコは過去に向かって進んでいるのか?」と問うている。      何であれ、「意図を読む」ことを脇に置いておいて、社会学が我々にもたらした成果の中からこの問いへの答えを探し出すことに努めよう。このためには、手元には使いやすい概念的な枠組みが 全文をよむ

2008-05-12 Ali Bulac コラム:国民主義者よ、イスラーム世界に対する「了解」を破るな! (Zaman紙)

トルコ軍は国内の平穏を保つことだけで満足し、必要なときに戦ってこなかったと主張する人々がいる。この主張が正しくないことを、我々は1974年にキプロスに向けて行われた2度の進軍から知っている。共和国の建国後、トルコ軍は韓国で戦争に参加し、キプロスでも戦った。      だが、話がイラクやイランの順番に及ぶと、(トルコ軍は戦うことを)望んでいないことを明確にしたことを我々は知っている。この理由としては、前回のコラムで私が説明しようと努めた理由により、トルコにはアラブ人やイスラーム世界に対し、激しい戦 全文をよむ

2008-05-11 Fikret Bila コラム:駐土大使に見る米政府の対トルコ姿勢 (Milliyet紙)

アメリカのロス・ウィルソン駐土大使は、昨日内容をお伝えした記者会見で、とてもよく練られた方法でアメリカ政府のトルコに関する姿勢を映して見せた。   ウィルソンは、民主主義、世俗主義、穏健イスラーム、それにクルド労働者党(PKK)の問題について、本国の方針を伝える一方、トルコ世論に存在するいくつかの「疑念」の払拭に向けた発表を行った。      ■穏健イスラームプロジェクト      ウィルソンは、公式な発言として、アメリカには「穏健イスラーム」というようなプロジェクトがないことを繰り返し強調した 全文をよむ

2008-05-10 Metin Munirコラム:F1、トルコ人の大間違い (Milliyet紙)

フォーミュラ1は、トルコがトルコに働いた最も大きな詐欺のひとつである。   話は2000年ごろ、一部の抜け目ない連中がフォーミュラ1をトルコに呼び込むために、ある会社を設立したことに始まった。   世界レベルのプロの経営者、実業家、コンサルタントらも名を連ねるこの抜け目ない連中は、嘘八百の統計を用いてフォーミュラ1がトルコにとって有益なものであるという印象を広めた。   彼らは世論とメディアのほとんど全てを騙した。しかし彼らはフォーミュラ1の年間収入が、コース整備と事業支出さえも賄えないことを知 全文をよむ

2008-05-08 Ismet Berkan コラム:AKPの抱える矛盾(2)― 経済的困窮の代償を払うのは? (Radikal紙)

今日のトルコと公正発展党(AKP)が政権に就いた2002年のトルコは同じだろうか。疑いなく同じでない。   同じでないと言うとき、まず言えるのは、2002年にAKPを与党にした諸条件がなくなってしまったことだ。肯定的な意味で生じた変化があったことは否定できない。   少なくとも我が国は統制不可能な、明日をも知れない国から、統制された、そしてより重要なこととして見通しを立てることができる国になった。この点で果たしたAKPの役割は全く疑いなく、とても大きい。   ここで単純な推論を立てる必要がある: 全文をよむ

2008-05-07 Ismet Berkan コラム:AKPの抱える矛盾(1)―「中間所得層」の政党AKP (Radikal紙)

この図(※原文参照)をご覧になったことがあるかもしれない。1年前の2007年5月15日にこのコラムで初めて紹介した図である。数字は2003年から2005年の間のものである。本来ならこれらをアップデートする、すなわち2003年から2007年までの期間をカバーさせることができるが、私はうまくできなかった。しかしアップデートは有益である一方で、我々にこの図がすでに物語っていること以上の事柄を何も物語らないだろう:トルコは経済発展を続けたため、所得分布も相対的に見て改善し、この改善の結果、社会の最も貧し 全文をよむ

2008-05-04 Abbas Guclu コラム:高卒に関する国民教育省新施策の問題点 (Milliyet紙)

 国民教育省は、高等学校における留年の可能性をほぼゼロにしようとしている。初等教育の学校では実際のところ起こり得ないように。       さて、進級はなぜここまで容易にされているのだろう。子どもたちのことをよくよく考えているからであろうか。現代の教育制度が進級を必要とさせているであろうか。それともこれは、地方選挙を目前にして、子どもたちを喜ばせる新たな方法なのであろうか。       この問題には、これまでに述べられた数多の「戯言」がある。だがこれらは全て、真の理由ではない。国民教育省が公式に発 全文をよむ

2008-05-02 Fikret Bila コラム:タクスィム防衛戦! (Milliyet紙)

国によっては5月1日は休日だったので、昨日アンカラでは大使館の多くが閉まっていた。フランスでは労働者たちがエリゼー宮にいた。彼らはサルコジ大統領に招待され、5月1日を一緒になって祝ったのだった。   クロアチアのイーヴォ・サハデル[原文ママ。正しくはSanader(サナデル)。]首相は労働者と共に行進した。スロヴェニアのヤネス・ヤンシャ首相もまたしかり・・・。   中国で、日本で、ロシアで、そしてヨーロッパ諸国で、労働者は5月1日をさもバイラムでもあるかのように祝った。色とりどりの行進が行われた 全文をよむ

2008-04-28 Can Dundarコラム:「アナ"ドルムシュ"・ジェット」 (Milliyet紙)

4月26日金曜日夜・・・。アンカラ空港・・・。ある子供たちのグループは、先生たちに引率されて20時00分発の飛行機でアダナに向かうことになっていた。子供たちの家族は広場でそれを見送っていた。   1時間半が経っても、子供たちから連絡はない。携帯電話の電源はオフ・・・。家族たちは心配のあまりざわつきだした。しばらくして電話があった。   「まだアンカラなんだ。飛行機にトラブルがあったみたいで。機内で1時間半も待たされたんだよね。」   家族たちは心配のあまり、再び空港に駆けつけた。   乗客たちは 全文をよむ

2008-04-23 Turker Alkan コラム:普遍化する文化 (Radikal紙)

[『サバフ』紙のコラムニスト]メフメト・バルラスは月曜日に掲載された論説のなかでこんなふうに述べていた。「たとえば、日本は、彼らの様々な伝統をまもるだけではなく、それと同時に、近代化し、発展したのだった。」こういった見解は、度々いわれるものである。      まるで、経済やテクノロジー上の発達は、文化や諸価値には全く何の影響を及ぼさなかったかのようだ。こういった見解は、ズィヤー・ギョカルプも主張したのだった。彼は、科学やテクノロジー、経済に基づいた「文明」は普遍的なものであり、宗教や芸術、様々な 全文をよむ

2008-04-11 Ismet Berkan コラム:エルゲネコン8年史 (7) (Radikal紙)

公正発展党(AKP)政権を気に入らないことや、その政権が去って代わりに自分の気に入るような政権、あるいは自分の支持政党がその座に就くのを求めることは、道義に反することでも、禁じられたことでもない。それどころか、野党が存在することは、多数決に基づく民主主義の必要条件である。   しかし我々は何日にもわたってこのコラムで、そうした合法的、民主的な野党ではなく、それとは正反対に国家の資源や完全に異なる目的にあてがわれた公的資金、また国家の計画能力を利用しながら、密室の奥で秘密裏に反民主的な方法で、その 全文をよむ

2008-04-10 Ismet Berkan コラム:エルゲネコン8年史 (6) (Radikal紙)

そろそろこの連載を終わらせたいと思っているが、とても手短に説明し、書こうと思えば書くことのできる非常に多くのディテールを省いたにもかかわらず言葉は長くなるだけ長くなり、一向にきょう現在までたどり着けていない。今日までたどり着けていないだけでは足りないかのように、出来事をおおよそ起こった順番で説明する一方で、言葉が長くなりすぎないようにとだけ考えて、割り込んでいくつかの追加情報を紹介することもできていない。   昨日(のコラムで)昨年の共和国ミーティングまでたどり着いていた。ミーティングに従い、そ 全文をよむ

2008-04-09 Ismet Berkan コラム:エルゲネコン8年史 (5) (Radikal紙)

去年の今頃を思い出して頂きたい... まずジュムフリイェト紙の(社屋の)庭に爆弾が投げ込まれ、それが不発に終わると数日後にまた投げ込まれた。その後行政裁判所襲撃事件が起こった。何十万人もの人々が(犠牲者の)葬儀を政府への抗議デモと世俗主義ミーティングへと変え、首相は野次を飛ばされ、法務大臣はモスクの中庭で襲撃に遭い、司令官たちは大きな拍手を受けた...   しばらくの間の議論の争点から外れていたように見える世俗主義問題は突如最大の議論の的となり、誰もが4月中頃に始まる大統領選挙のプロセスに注目し 全文をよむ

2008-04-08 Ismet Berkan コラム:エルゲネコン8年史 (4) (Radikal紙)

1日の中断をまたいで、連載へ戻ろう。今日「エルゲネコン」という名前で知られており、私が時折「公正発展党(AKP)よいなくなってどうにでもなってしまえ組織」という名前も使う「陣容」の観点から見れば、キプロス問題、より正確に言えばアナンプランが国民投票にまでかけられたことはとても重要な転換点である。   日曜日のこのコラムでも私は説明しようと努めたが、当時の2人の軍司令官は、国連のコフィ・アナン事務総長と会談するためにニューヨークに向かった北キプロス・トルコ共和国(KKTC)のラウフ・デンクタシュ大 全文をよむ

2008-04-06 Ismet Berkan コラム:エルゲネコン8年史 (3) (Radikal紙)

エルゲネコン捜査への希望をもって説明し始めた、最近の「エルゲネコン史」シリーズのクライマックスの部分の1つを私は今日書くことになる。昨日まで3度にわたって(軍が選挙で)選ばれ国会から承認を受けた文民政府へ抵抗し、トルコの将来に自分自身で決定を下した例、すなわち「クーデター」を説明した。今日は4番目の、そして実現に最も近づいたクーデターの順番となった。   2002年12月にコペンハーゲンで開かれたEUサミットに大きな希望を持って臨んだが、(加盟交渉が正式に開始されることで)EUの加盟候補国となる 全文をよむ

2008-04-05 Ismet Berkan コラム:エルゲネコン8年史 (2) (Radikal紙)

すでにお話しているように、イスタンブル共和国検察局が行っているエルゲネコン捜査は我が国の多党制民主主義史上最も重要な犯罪捜査となり得る1つ候補である。   この重要な捜査をよりよく理解するために、私は昨日から「(エルゲネコンの)最近の歴史」を書き始め、2001年と2002年に起こった2つの「クーデター」を説明した。2番目のクーデターは、2002年8月30日、参謀総長に就任したヒルミ・オズキョクを無力化させる目的で行われ、ヒュセイン・クヴルクオール元参謀総長が任官の慣例を破ることによって、陸軍総司 全文をよむ

2008-04-04 Ismet Berkan コラム:エルゲネコン8年史 (1) (Radikal紙)

イスタンブル共和国検察局は、私の理解する限り、共和国史上最も重要な捜査の1つを行っている。これまでにこの捜査の一環で47人が逮捕され、様々な拘置所に収容された。検事が起訴状を準備し裁判を提起することが待たれている。   私は以前にもエルゲネコンの話を何度も書き、「大」「小」のエルゲネコンについて話をした。同じ話を繰り返すのを承知で、そもそも読者の皆さんもご存知であろういくつかの点について改めて取り上げたいと思う。   エルゲネコンと呼ばれる組織化の起源をかなり昔に求める人々がいる。もしかしたら彼 全文をよむ

2008-03-24 Can Dundar コラム:「開かずの扉」を開けるには―「お門違い」な非難を越えて (Milliyet紙)

昨日の『ヴァキト』紙に掲載されたある記事。題名は「よくよくご存知あれ、二枚舌の者どもを!」。記事にいわく「2月28日過程において夜明け前に身柄を拘束された敬虔な人々に対しては眉ひとつ動かさなかった(・・・)カルテルを結成した論客たちは、イルハン・セルチュクが身柄を拘束されると、すぐさま抗議の立場をとり、完全なダブル・スタンダードであることを示した。」   記事の下段には「カルテルを結成した論客たち」のうち8名の名前が載っていた。   そのうちのひとりは、私だ・・・。   これらコラムニストが何を 全文をよむ

2008-03-23 Turker Alkan コラム:正統性が崩れゆくとき (Radikal紙)

スキャンダルの最もドラマチックな側面はきっとこういうことに違いない。すなわち、人は生涯にわたって、信頼感があって忍耐強く、良識を備えていて率直な人間だというイメージを作り出すことを目指すのである。そして、こういったイメージが覆るのには10分もあれば十分だ!      ニューヨーク州知事の状況を御覧なされ!      公正発展党(AKP)も、政権に就く以前は、自分たちのイメージに多大な配慮を示していた。設立直後、彼らは何度となくこう明言した。「今後『コーラン』を典拠として引用するのを我々が容認すこ 全文をよむ

2008-03-22 Murat Yetkin コラム:迅速な進展が期待されるエルゲネコン捜査 (Radikal紙)

イスタンブル警察は、83歳のイルハン・セルチュクの家に朝4時半に突入して逮捕しなければ、朝一番の飛行機で国外へ逃亡し、犯罪の証拠を闇に葬るとでも思ったのだろうか?セルチュクは、警察によってここしばらく行われている「エルゲネコン」捜査の一環で、労働者党のドウ・ペリンチェク党首、元イスタンブル大学学長のケマル・アレムダルオールと同じく昨日逮捕された。      逮捕は、エルゲネコンと名付けられた捜査を行ったイスタンブル共和国検事のゼケリヤ・オズの指令により実行されたものと見られている。オズは、地下組 全文をよむ

2008-03-21 Ferai Tinc コラム:5周年を迎えた米のイラク占領 (Hurriyet紙)

イラクがアメリカによって占領されて丸5年が経った。共和党のマケイン大統領候補は、あと100年アメリカが地域に留まる可能性があると話した。      そもそも5周年と言い方もまた正しくない。アメリカは1990年からイラクと関わっている。      ソビエト連邦の崩壊後、中東の再構築は18年来続いている。      最初の戦争の前、アメリカの強大な力を信じる人々が鳴らした戦争のドラムの音を私たちは5年前にも耳にしていた。      アメリカは1つの枝先でサッダームの役目を終わらせ、1つの枝先で民主的 全文をよむ

2008-03-19 Hursit Gunes コラム:AKPを下野させるのは法ではなく経済 (Milliyet紙)

先週末、最高裁判所主席検事による公正発展党(AKP)の解党請求により憲法裁判所で裁判が開かれることを受け、政治の主要な協議事項もこのこととなった。一部の勢力は提訴を大歓迎する一方、別の勢力はこれがどれほど誤っているかを論じている。喜んだ人々はこれがAKPから解放される機会であると考えている。誤りだと考える人々は、AKPが完全に萎縮してしまうのではないかと心配している。しかし誰も今回の動き(=訴訟)の結果、AKP以外の選択肢が社会基盤において力を獲得するだろうとは考えていない。しかし実際は、本当の 全文をよむ

2008-03-18 Sahin Alpay コラム:AKP解党訴訟、本質は新旧名士層の権力争い (Zaman紙)

3月14日金曜日、私はキプロスにいた。ドウアクデニズ(東地中海)大学キプロス政治研究センターの開いたパネルディスカッションに出席した。   何本か電話が入ったのは、会合がちょうど終わったときだった:主席検事が公正発展党(AKP)の解党を請求した... ちょうど「トルコにおける自由主義的民主主義への移行」というテーマでの私の話に関連して入ってきたニュースは、もちろん冷たいシャワーを浴びたときのような効果を私にもたらした(=私の目を覚まさせた)。まるで(参謀本部による2007年)4月27日のe-けん 全文をよむ

2008-03-16 Kadri Gursel コラム:EU問題で矛盾し合う大統領と政府 (Milliyet紙)

トルコがEU加盟の道程において、毅然とした、精力的な態度を示すことは、国際プラットフォームにおける影響力の継続という観点からとても重要である。この事実を、3月13、14日にセネガルの首都ダカールで開かれた第11回イスラム会議機構(İKÖ)サミットで、トルコ共和国を代表した人々が思い起こしたことを私は確認した。   アブドゥッラー・ギュル大統領がサミットで行った演説の、メディアに配られた英文を私が翻訳して下に載せた文章そのものは、伝えたメッセージという点から見ればとても正しい。しかし現実の状況と比 全文をよむ

2008-03-16 Meral Tamer コラム:貧困層と雇用(下)貧困の民族的側面 (Milliyet紙)

ボアズィチ大学社会政治フォーラムの共同議長であるアイシェ・ブーラ教授とチャーラル・ケイデル教授による、トルコの9つの都市の最も貧しい街区で生活する人々の雇用に関する最新の研究結果のまとめを昨日の私のコラムでご紹介し、貧困の民族的側面に関する詳細情報を今日書くと約束していた。1800世帯で行われた調査は、公正発展党(AKP)政権による貧困層への援助政策からロマ人とクルド人が受益されていないことを明らかにした。   トルコ科学技術研究機構(TÜBİTAK)の支援により行われた調査のフィールドワークか 全文をよむ

2008-03-15 Ali Bayramoglu コラム:民主主義にとって恥ずべきAKP解党訴訟 (Yeni Safak紙)

ニュースは、最高裁判所のアブデュルラフマン・ヤルチュンカヤ主席検事が「公正発展党(AKP)が世俗主義に反する活動の震源であるという理由により閉鎖を求めて裁判を起こした」と伝えていた...      通信社から来たこの文章を読んだとき、私はしばし唖然とした言わなければならない...      今回のことほど私をこれほど驚かせることも、国家の構成要素や高等司法機関が不合理さと無力さにおいてこの地点に到達していることを考えさせられることも他になかった。      こんなことがどうして起こりうるのか?  全文をよむ

2008-03-15 Ismet Berkan コラム:解党は解決か? (Radikal紙)

憲法裁判所は、まず福祉党(RP)を、のちに美徳党(FP)を解党させた際には、イスラーム風スカーフの解禁を単に主張することさえもを、「反世俗主義的行為」であるとし、両政党の解党要件のひとつだとみなしたのだった。とりわけ、美徳党[解党]訴訟の際にはイスラーム風スカーフの解禁を求め、[同党所属の]メルヴェ・カヴァクチュがイスラーム風スカーフを被って国会議員としての宣誓を行おうとしたことが、ほとんど唯一の解党要件だった。   しかし、これらは10年前の話だ。トルコはこれらを乗り越え、既にEUの扉に身を預 全文をよむ

2008-03-15 Meral Tamer コラム:貧困層と雇用(上)労働参加できない女性 (Milliyet紙)

ボアズィチ大学社会政治フォーラムの調査によると、ムシュの貧しい街区において職を持つ女性の割合はわずか2.0パーセント、コンヤでは3.1パーセントに留まっている。      アイシェ・ブーラ教授とチャーラル・ケイデル教授が共同議長を務めたボアズィチ大学社会政治フォーラムは、重要な調査結果を再確認した。トルコの9つの都市の最も貧しい街区に属する1800の世帯を対象に1年かけてまとめられた調査は、特に女性のほぼ全員が労働市場から排除されている事実を明るみに出した。   別表1では、調査のために選ばれた 全文をよむ

2008-03-06 Besir Ayvazoglu コラム:120名のヴァン出身少年たちの悲劇――映画『120』批評 (Zaman紙)

どうやら、真冬に徒歩で前線に弾薬を届けた12~17歳の120名のヴァン出身の少年たちの物語は実話らしい。ましてヴァンにはこれらの少年たち記念して建てられた碑さえあるのだという!正直なところ、私はオズハン・エレンの想像力が産み出した話だとばかり思っていた。      サルカムシュの悲劇について特別な思い入れを持ち、またサルカムシュ地方の民謡の作曲家でもあるオズハン・エレンは、自身の初脚本、初監督の試みとして、大いに奮い立ってこの悲劇をとりあげたそうである!結果は?このような話を真正面から率直に描く 全文をよむ

2008-03-03 Ismet Berkan コラム:軍事的安定と文民的解決 (Radikal紙)

もう随分と言い古されたことで、また、口に出すうちにその内容が失われてしまったことも中にはあるのだけれど、それでもやはりいくらかの主要なポイントについて繰り返しておくのがいいだろう。      ①北イラクの対トルコ国境地域において、時計の針は1999年以前まで巻き戻った。同地域は、PKKによる[勢力]確立の企てのたびに、トルコ軍の軍事作戦展開の舞台となった。   ②トルコ軍が、長年の空白期間にもかかわらず、季節や気象条件、状況を問わず、PKKに打撃を加えられるだけの、[PKKの]組織に深刻な損害を 全文をよむ

2008-02-22 Taha Akyol コラム:変化よ、何処へ? (Milliyet紙)

ハルク・シャーヒン(ラディカル紙のコラムニスト)はメディア業界において、読み、考え、より重要なことには観察し分析することができる尊敬すべき人たちの一人である。シャーヒンの最新刊は『リベラリスト、ナショナリスト、イスラミスト、そしてその他』というタイトルである。我々の友人デヴリム・セヴィマイが行った「問答」に因んでいる。   シャーヒンが描く構図には「リベラリスト」も「イスラミスト」も「ナショナリスト」もいる・・・。しかしシャーヒン自身これらのどれとも重なり合うことがないため、自分を「その他」の中 全文をよむ

2008-02-14 Besir Ayvazoglu コラム:難局にある文化・文学雑誌 (Zaman紙)

YAYSATはトルコにおける新聞・雑誌流通の市場を握る二大企業のうちのひとつである。各雑誌は、様々な規定がもう一社と比べればより利用しやすいため、同社をひいきにしているのである。      しかし、つい先頃新たな―そして非常に重大な―諸規定を持ち出したYAYSATは、現在流通している各誌に対して、2,000部につき2,000新トルコリラ[≒179,816円:訳者]を、また出荷数の50パーセントを上回る返本については1部あたり40新クルシュ[≒36円:訳者]を支払うよう[唐突に]求めたのであった。 全文をよむ

2008-02-09 Haluk Sahin コラム:ブラボーなジャーナリストたちへ―ブランド時計と職業倫理 (Radikal紙)

アブドゥッラー・ギュル大統領がカタールを訪問した際に起こったある出来事は、トルコのジャーナリズムが、その当初はまるで馴染みのなかった倫理という概念を、その内部に消化し始めたことを示している。この一件は、その他の組織や今回の場合は政治的な組織にとっても範例となるような事の成り行きである。      おそらく各紙でご覧のことと思われるが、カタールの首長は、ギュルに同行した29名からなる記者団に対して様々な品々を贈与したという。それらの筆頭にくるのは、3、4千ドル相当のブランドものの時計だそうだ。訪問 全文をよむ

2008-01-31 Turker Alkan コラム:結び目のはなし―スカーフとゴルディウス (Radikal紙)

聞くところによると、オスマン軍がイスタンブルの城壁を乗り越えて街を手に入れようとしているまさにその時に、ビザンツの聖職者たちは天使たちの性別について議論していたそうである。しめしめどうやら、我々はビザンツ人ほどひどい状況にあるわけではないらしい。とはいえ、それでもやっぱり私たちが議論すべき問題というのはある。そして、我々は何日も何日も「イスラーム風スカーフの結び目」について議論している!      イスラーム風スカーフを下あごの辺りで結べば、それは「スカーフ」となり、問題は解決されたことになるは 全文をよむ

2008-01-19 Sahin Alpay コラム:フラントのために、正義のために-フラント・ディンクの一周忌に (Zaman紙)

今日は2008年1月19日である。政治的殺害の犠牲となったアゴス新聞総編集長であり私の大切な同業者であり、そして親友でもあったフラント・ディンクを、一周忌を期に悲しみと敬意をもって偲んでいる。      アルメニアのヴァルタン・オスカニヤン外相は、1月17日付トゥデイズ・ザマン紙(Today’s Zaman)と本日付のザマン紙に掲載された記事で次のように述べている。   「エレヴァンに来る時はいつも、私たちは短くても話をするための時間を割いたものだった。トルコでの雰囲気を知るために彼と話をするこ 全文をよむ

2008-01-19 Can Dundar コラム:暗殺34時間後の電話―フラント・ディンク襲撃から1年― (Milliyet紙)

2007年1月20日土曜日・・・・。フラントが前日に暗殺されて、私の心の痛みはまだ生々しかった・・・・。   23:30にエルドアン首相はクズルジャハマムで「暗殺の容疑者がサムスンで逮捕された」と発表した。   暗殺犯は22:30にトラブゾン行きバスの車内で逮捕された。暗殺事件は解決に向かうのだろうか?   日付が変わると、私は首相に極めて近い某氏に電話をかけ、「何が起こっているのか?」を尋ねた。   記事にしないとの条件で次のようなことを彼は語ったのだった。   「暗殺の一方が届いたとき、首相 全文をよむ

2008-01-14 Tarhan Erdem コラム:真の行動計画を作成せよ (Radikal紙)

公正発展党(AKP)政権の第三次行動計画が[エルドアン]首相によって発表された。公正発展党第一次内閣の「行動計画」は2002年11月16日、まだ組閣前で、同党所属の国会議員ではなかったエルドアン党首によって発表されたのだった。      行動計画その二は[2007年]7月22日の結果組閣された第60次内閣による3ヵ月行動計画だった。10月8日付けのこの計画は、ナーズム・エクレン副首相によって発表された。      実施期間を終えたふたつ、新たに始まったひとつのこれらの「行動計画」は、公正発展党に 全文をよむ

2008-01-13 Hikmet Bila コラム:彼らは「人間」と言う (Cumhuriyet紙)

「アレヴィー派と集合イフタール」プロジェクトはうまくいかなかった。   そもそもうまくいかないことが明らかだった。    1400年間の残虐を経験し、疎外され、騙され尽くして成熟したアレヴィー社会が「政府との食事」ひとつで服従するとは想定不可能だった。   残虐や虐殺でも全滅せず、服従を受け入れなかったアレヴィー派を政治権力につなぎ合わせるためにウマイヤ朝においても、アッバース朝においても、セルジューク朝においても、オスマン朝においても沢山の企みがあった。だが、アレヴィー派は弾圧されても、追放さ 全文をよむ

2008-01-08 Ekrem Dumanli コラム:適切な時期の意義ある訪米 (Zaman紙)

 トルコ‐米国間の関係は新たな段階に入った。「冬の只中に春の陽気」といったような光景だ。なぜなら、つい昨日まで、両国間には冷たい風が吹いていたことは周知だからだ。       袋の事件(注)や(北イラクへの)攻撃認可の危機の後、一部の人々によれば、両国間の関係は完全に破壊されていた。米国人達がこれらの事件に激怒していると思った人々は、政府が実行した慎重な攻撃認可の政策をも批判し、責めた。そのように言う人々によると、トルコ‐米国間の関係に生じた亀裂はもはや決して修復出来ないほど大きいものであった。 全文をよむ

2007-12-21 Ismet Berkan コラム:世俗主義とは何だろうか? (Radikal紙)

先日、世俗主義問題についてとても敏感になっていることを私がよく知っている若い女性で、トルコの最近の基本的な問題が宗教の位置付けであると信じ、そして彼女自身のライフスタイルが脅威にさらされていると感じている人と話をした際、彼女が世俗主義に起因する政治的分裂を、私よりもはるかによく概念化していることに気がついた。      彼女が述べていたのは、「彼ら、つまり公正発展党(AKP)の支持者たちによれば、世俗主義とは、国家が宗教に介入しないことを意味します。でも、私や私と同様の考えを持つ人々にとっての世 全文をよむ

2007-12-17 Taha Akyol コラム:PKKに対する「包括的な計画」 (Milliyet紙)

 日曜日の深夜に北イラクにおけるPKKの軍事施設に対して行われた空爆は長期にわたる政治的・技術的準備の産物である。    米のライス国務長官はアンカラを訪問した際、PKKとの闘争におけるトルコの「包括的な計画」があることを、エルドアン首相はこれをブッシュと話し合う予定であることを述べた。「包括的な計画」とはむろん政治的な指示に従って、軍関係者、外交筋、情報機関員によって準備された。    エルドアンは11月5日にブッシュと会談した際、この「包括的な計画」の主要な部分において同意に達した。エルドア 全文をよむ

2007-12-16 Murat Yetkin コラム:ヨーロッパの不安、ファズル・サイの不安 (Radikal紙)

先立って、EUの加盟国で我が国の北大西洋条約機構(NATO)の同盟国であるある国からやって来た参謀将校候補生にトルコの内政・外政の最新状況を説明せよとの申し出を頂いた。60人ほどの将校は、トルコ、ロシア、アメリカで意見交換を行い、知見を得るための旅行の途上にあった。このような情報収集旅行の行き先にアメリカやロシアと並んでトルコが選ばれたことだけでも興味深かった。私は申し出を受諾した。   この種の会合は新聞記者の仕事という観点から見れば情報を与えるというよりも、むしろ情報を得る会合に変わる可能性 全文をよむ

2007-12-06 Yonca TOKBASコラム:カーバ神殿付クレジットカードは、ケバブ付ピラフのようなもの (Hurriyet紙)

最近、変だと思うことが私のまわりにありすぎる・・・      私はだんだんこの世界で自分を「ゾンビ」のように感じるようになった。   いや、ちょっと待って・・・   だんだん「世間知らず」に感じるようになったと言ったら、とても良心的なってしまう。だから言わない。   「大ばか者」と言ったら、とても悪意のある表現になる。自分にこれは言えない。   「宇宙人」のように感じていると言えば、以前にも使い古された表現になってしまう。   あれこれ考えあぐねて、「ゾンビ」に決めた。      理由ですか?  全文をよむ

2007-12-05 Fikret Bila コラム:頭を覆い隠す公務員 (Milliyet紙)

(ラディカル紙コラムニストの)タルハン・エルデムが代表を務める調査会社、KONDAが本紙のために行った「日常生活における宗教、世俗主義、イスラーム風スカーフ」をテーマとする調査は驚くべき結果を明らかにした。調査結果によれば、過去4年間で頭を覆い隠す人の割合は64.2パーセントから69.4パーセントに上昇した。イスラーム風スカーフをかぶっている人の割合は、3.5パーセントから16.2パーセントに増えた。   エルデムによると、頭を覆い隠している人の割合の過去4年間に見られた上昇の最も主要な要因は、 全文をよむ

2007-12-02 Mahfi Egilmez コラム:『カパルチャルシュ』ブックレビュー (Radikal紙)

最近になってしばしば、ムスルチャルシュ(エジブシャンバザール)の中を通って歩いてカパルチャルシュ(グランドバザール)へ行くようになった。何かを買うために大急ぎで見て回るのではなく、本当にぶらぶらするために行くのなら、バザールの中やその周辺で全く別の世界を目の当たりにするだろう。オンデル・キュチュクエルマンとケナン・モルタンの『カパルチャルシュ』という名前の本が出版された(文化観光省出版、アンカラ、2007)。私はケナン・モルタンがこの数年をこの本の執筆に捧げていたことを知っていた。今、本を手にと 全文をよむ

2007-12-01 Sahin Alpay コラム:宗教・信仰心と政党選好 (Zaman紙)

英オクスフォード大学によって出版されているハンドブック(Oxford Handbooks of Political Science)は、政治学に関わる人々の重要な情報の参照元の1つである。      今年出版されたシリーズ最新刊は「政治行動(Political Behavior)」についてである。最新刊には、ユルマズ・エスメルとスウェーデン人政治学者のトーリーフ・パターソンの共著による「宗教と信仰心(敬けんさ)の有権者の行動に対する影響」というタイトルの論文も掲載された。トルコ人有権者の価値観と 全文をよむ

2007-12-01 Taha Akyol コラム:トルコのアイデンティティーを考察する (Milliyet紙)

 サバンジュ大学のアリー・チャルクオール教授とエルシン・カラユジュオール教授による「2007年総選挙」の考察は、総選挙以降におけるトルコの考察を反映している。私はまず「アイデンティティー」の項を見た。何故なら、トルコにとって最も重要な問題だからだ。    この問題をより大きな苦しみへの契機とすることなしに、民主主義の中で我々が乗り越えることが必要だ。    調査によると、4280万人の有権者のうち535万が「クルド語を話す人々」であり、人口の12%に相当する…民主市民党(DTP)所属で、今回無所 全文をよむ

2007-11-25 Oktay Eksi コラム:エルドアン首相の談話、正しいことには賛成、しかし・・・ (Hurriyet紙)

24日(昨日)、エルドアン首相は党首を務める公正発展党がクズルジャハマムで開催した「第9回協議・評価会議」でスピーチを行った。同首相は、我々が承認可能なアイディアと、我々が「待ってください。それはそうではありません」といわざるを得ない見解を混在させたスピーチをこの会議で行った。      まず我々が賛成する事柄に触れましょう。   首相はこう述べている。   「暴力とテロの敵は、自由な環境なのです。そうであるならば、テロとの戦いで最終的な結果を得るために、多元的民主主義を実践しましょう。自由な環 全文をよむ

2007-11-18 Turker Alkan コラム:環の時間、線の時間―昔の暮らしと今の暮らし (Radikal紙)

時間をどう使うかということは、そもそもどう生きるか[暮らすか]ということに関わるものだ。若者の多くは、「パソコンや『i-Pod』やテレビ[登場]以前の生活なんてものはあるのだろうか」という問いの答えを気にしている。      ええ、そんな道具が無くたって生活はあります!毎日が楽しみに溢れた生活さえもがね。      先頃、黒海地方のある村が電気を引くのを拒絶した。「電気が通じればテレビもパソコンもやってくるけれど、[そうなると]人間味のある関わり合いが減ってしまう」と恐れたためだ!ことの成り行き 全文をよむ

2007-11-14 Hasan Cemal コラム:バイカルを近くから追跡せよ! (Milliyet紙)

 共和人民党(CHP)の党首バイカルが北イラク及びクルド人に関して行った最近の発言は関心を呼び、積極的な評価に道を開いた。    理由は明白である。    バイカルは、近年「クルド」の単語をほとんど口にすることを避けていた。クルド問題が存在しないという立場をとる政治家となった。別の言い方をすれば:    社会民主主義を忘却する一方で過激な民族主義路線に移動した。    このフィールドにおいてバイカルは、オヌル・オイメンのようなスポークスマンとともに、特に近年の選挙において民族主義者行動党(MHP 全文をよむ

2007-11-13 Can Dundar コラム:変化の“陰”の立役者 ― クライ教授の記したアナトリア女性と家族 (Milliyet紙)

アナトリアにおける女性の位置付けとはどのようなものだろうか?男性に服従する「ペチコート(=侮蔑的な意味合いを込めた「女」)」なのか?   家庭内の「真の権力の持ち主」なのか?   この役目は固定されたものなのか、それとも変化しつつあるものなのか?      先日亡くなった(社会学者の)ミュベッジェル・クライ教授は、1976年に発表した論文(「Mediterranean Family Sctructure(地中海的家族構造)」ケンブリッジ大学出版局)の中で、こうした問いへの答えを模索する一方、モデ 全文をよむ

2007-11-12 Ismet Berkan コラム:「文化的権利と集権的統一国家」の両立 (Radikal紙)

先日このコラムで退役司令官たちが『ミッリエト』紙のフィクレト・ビラに対して語った後に[残された]問題について私はこんな風に問うたのだった。初等教育のうち1年間、そして高等学校で1年間「クルド語とクルド文学」の授業ができて、この授業がクルド語で行われたらどうなるのか?国家が分断されるのか?      あぁぁ、私のEメールボックスがぶっ壊れてしまいました。      歓迎し感謝の意を伝えるメールの数と、私を批判するメール、あるいはあからさまに罵倒するメールの数はほぼ同じだった。      罵倒につい 全文をよむ

2007-11-11 Ismet Berkan コラム:社会学者ミュベッジェル・ハヌムを偲ぶ (Radikal紙)

彼女の仲間たちは「ベジョ」と呼んでいた。私たちは「タンク」と呼んでいた。教室に戦車のように入ってきたから、そして私たちの誰に対しても言いたい放題で、変なことをされたと思うや大声で罵ったからである。   今まで私が出会った先生方は私に多くのものを教えてくれ、そうしたものは今でも私の中に残っている。しかしミュベッジェル・クライの、トルコにおける現代社会学と社会人類学の第一人者としての地位は常に別のものであり、別格であり続けるだろう。      授業でヒュッリイェト紙の小さな広告ページを開き、「オーバ 全文をよむ

2007-11-09 Hasan Cemal コラム:今こそ「司令官殿、ご命令を」姿勢からの脱却を! (Milliyet紙)

(ミッリエト紙コラムニストの)フィクレト・ビラが本紙で展開した、退役司令官とクルド労働者党(PKK)の連載は興味深い。歴代の参謀総長と軍の司令官が、これまでのいくつかの誤ちを明らかにする一方で、ところどころ限定的ではあるが告白に及んでいる。   いい、素晴らしいことだと言ってやり過ごしておいていいのだろうか?   そうは思わない。   正しいことは議論することである。   詳しく取り調べることである。   これらの告白と反省の見地から、国の今日の公の政策を吟味することである。   このようなプロ 全文をよむ

2007-11-09 Taha Akyol コラム:経済発展とエスニック・ナショナリズム (Milliyet紙)

前参謀総長のヒルミ・オズキョク陸軍大将は、本紙コラムニストのフィクレト・ビラと行った対談でエスニック・ナショナリズム(※)について、「軍事的な思考で全ての側面を見ることはできない」と語った。   これは(前参謀総長の)科学的な物の見方を反映した言葉である。現代において、「何でも知っている」知識人たちの時代は過ぎ去った。専門性が極めて重要である。軍人であれ文民であれ「全てを」知ることは不可能だ。   専門知識を結集させることで「学際的」アプローチをとることは可能であり、また必須である。   エスニ 全文をよむ

2007-11-08 Ismet Berkan コラム:退役司令官たちが明かしたこと (Radikal紙)

フィクレト・ビラは、ほぼ一週間にわたって『ミッリエト』紙上に掲載され、昨日単行本として発売された最新の彼の仕事のなかで、[PKKの]テロとの戦いにおいて高位にあった、つまり、軍司令官、あるいは参謀総長といった地位で職務に当たった一連の退役司令官たちにインタビューを行っている。      インタビューのほぼ全てに共通した点がある。司令官たちは、クルド問題について語る際に、トルコ共和国国民たるクルド人が、彼らの言葉[→クルド語]で会話し、彼らが自らの文化の中で生き、彼らの文化を生かす必要性について否 全文をよむ

2007-11-07 Taha Akyol コラム:アメリカ訪問は成功なのか? (Milliyet紙)

この問題に国内政治という観点から解答を探すのは間違いである。何故なら、エルドアン首相を支持する方々は肯定的に、支持しない方々は否定的に捉えるでしょうから。   正しい見方は、問題が何であるのか、そして、アメリカ訪問で下された諸々の決定事項が適用される段になってどのような意味を持つことになるのかをよくよく吟味することだ。   問題が何かという点については、ヒルミ・オズキョク大将が、我々の同僚であるフィクレト・ビラに対して語った中で明らかになった。「越境軍事作戦によってPKKをせん滅できはしない・・ 全文をよむ

2007-11-06 Can DUNDARコラム 共通の敵は誰? (Milliyet紙)

アメリカ合衆国のブッシュ大統領はエルドアン首相との会談の後、多くの期待を裏切った談話の中でバランスをとるために、ちょうどライス国務長官のように、トルコに対して「PKKは我々の共通の敵だ」と言った。   ライスの談話の二日後にアメリカ合衆国は、ちょうどエルドアンがワシントンへ飛行している間に「共通の敵」に圧力をかけ、捕虜となった兵士の解放を確保していた。   こうして、「敵」に命令できることを証明したのである。   最後に述べることを冒頭に書いておこう。   トルコ人とアメリカ人の敵は共通のものか 全文をよむ

2007-11-06 Taha Akyol コラム:民主市民党(DTP)と新旧2人の党首 (Milliyet紙)

クルド労働者党(PKK)運動はアフメト・チュルク(元DTP党首)を利用し、今になって端に追いやっている。アフメト・チュルクは共和人民党(CHP)出身の政治家で、彼には政治的な経験がある。世論に大きく逆行するであろう見解でさえ、「政治的な」言葉で説明することができる。政治家やその周辺に友人や知人がいるはずだ。故エルダル・イノニュ(社会民主人民党(SHP)元党首)の葬儀に姿を見せたが、誰からの反発も受けなかった。どんな新聞やテレビでも彼の発言を目にすることができる。国会の開会日に(トルコ民族主義の立 全文をよむ

2007-11-06 Derya Sazak コラム:越境軍事作戦に事実上のゴーサイン - 土米首脳会談 (Milliyet紙)

ホワイトハウスでのブッシュ-エルドアン首脳会談は、トルコによる北イラクのクルド労働者党(PKK)キャンプに向けた「越境」軍事作戦に対し(アメリカが)「情報」支援を行うことで合意に達した。   エルドアン首相は、国民記者クラブの開いた記者会見で、トルコがPKKテロの抑止について国際法に基づく権限を行使することを明確な言葉で表明した。エルドアンは、予定されている軍事作戦の性質を明らかにする一方で、「我々は戦争をしたがっている訳ではない。軍事作戦を行う決議を受けたのだ。どういう形になるかは我が国の参謀 全文をよむ

2007-11-06 Turker Alkan コラム:「世俗主義の崩壊」とは一体...? (Radikal紙)

我々は大言を吐くことが大好きだ。一時期左派の人々は「資本主義の崩壊」について話題にし続けた。「歴史のごみ溜め」について好きなように語っていた。理論的に(少なくともマルクス主義の理論によれば)資本主義は崩壊しなければならなかった。しかし実際は、現実は理論に従わなかった。資本主義はしっかりとした足取りで立ち、代わりに社会主義は彼方に去ってしまった!その上(社会主義は)ひとりでに、内的なダイナミズムの結果として、もう自分の足で立っていられなくなったために崩壊した。   昔からよく言われてきたもう1つの 全文をよむ

2007-11-03 Mehmet Kamis コラム:中東では生きるより死ぬことの方が簡単なのか? (Zaman紙)

世界で最も長い歴史と高い権威を持つ週刊の医学雑誌の1つである「ザ・ランセット(The Lancet)」は、占領が始まった2003年3月から2006年6月までの間にイラクで60万人の人が亡くなったと報告した。      (同誌は)この数字は、1994年にフランスの監督の下、ルワンダで起こり、50万人以上の人々が亡くなった大虐殺に匹敵すると述べている。「オピニオンリサーチビジネス」という名前のイギリスの調査機関が2007年9月に行った調査によると、この戦争で命を落としたイラク人の数は100~200万 全文をよむ

2007-11-03 Sahin Alpay コラム:イラクのクルド人リーダー達が語ったこと (Zaman紙)

(ミッリイェト紙コラムニストの)ハサン・ジェマルはとてもいい仕事をした:イラクへ行ってクルド地域政府のマスード・バルザーニ首相、ならびにイラクのジャラール・タラバーニー大統領と話したのだ(ミッリイェト、10月30、31日版)。このようにしてメディアによる事実の歪曲を乗り超え、我々はイラクのクルド人リーダー達が本当に何と言っているのか知り得る機会を得た。バルザーニとタラバーニーの発したメッセージは次の数点に集約される:      ・トルコ人とクルド人の共通の利益は、平和の中で共に暮らすことだ。イラ 全文をよむ

2007-11-01 Cuneyt Ulsever コラム:首相がアメリカへ向かうとき (Hurriyet紙)

思うにほとんど誰もが、アメリカには北イラクで具体的な政策があり、手綱を操っており、こうしたことも背景にしてアメリカは自らが望めばクルド労働者党(PKK)を止めることができると思っている。   金曜日にアンカラにやって来るアメリカのコンドレーサ・ライス国務長官は、具体的な提案を持参して来ると思われている。   トルコで人々は、心理的に、世界の超大国はほとんど全ての問題を支配しており、望むならどんな悩みに対しても特効薬となるだろうと考えている。というのも、この50年間の世界の歴史は、「アメリカが限り 全文をよむ

2007-11-01 Sami Kohen コラム:イラク隣接諸国会議と北イラク問題 (Milliyet紙)

もしトルコで全ての注目がクルド労働者党(PKK)の最新の攻撃と北イラクに行われるかもしれない軍事作戦に注がれていなかったなら、今日からイスタンブルで準備が始まる「拡大」イラク会議は全く別の関心を集めるはずだった...   この会議は、トルコが以前から大変重視し、積極的に参加することによりリーダーシップを発揮してきた会議の第2幕である。   どれだけ公式の名称が「イラク隣接諸国会議」であっても、この会議は地域外の主要国や機関のリーダーを一同に集めている。国連事務総長から(国連)安全保障理事会の5つ 全文をよむ

2007-11-01 Semih Idiz コラム:来年の採決も微妙な米のアルメニア人大虐殺法案 (Milliyet紙)

人々の目が北イラクに関連した事態の進展に釘付けになっている。しかし、周囲を今度はすっかり混乱させた、アメリカ(連邦)議会の106号アルメニア人大虐殺法案に関する最新の動向も見逃してはならない。この法案が今年下院で採決される可能性は先週なくなった。法案の議会通過を推し進めていた4人の下院議員がナンシー・ペロシ議長に書簡を送り、法案を今年の本会議で採決にかけることを断念したいと申し出たことがこのことを決定づけた。   今年の採決を断念した理由はといえば、投票にかけた場合、法案が否決される可能性が確実 全文をよむ

2007-10-31 Turker Alkan コラム:ニワトリが先か?タマゴが先か?―反発デモとニュース報道 (Radikal紙)

言い古されたこんな問いがある。「ニワトリがタマゴから生まれたのか?タマゴがニワトリから生まれたのか?」   言い古された答えはこうだ。「いずれも真なり!」      このところ、PKK(クルド労働者党)に対して反発が高まっている。そうあってしかるべきでさえある。国家を分断しようと企てたことのみならず、トルコ人やクルド人を問わず、子供や女性までもを、すなわち人々を死に至らしめ、憐れな状況に至らしめたことについて、PKKは糾弾されてしかるべきである。   武器を持つことなく、血を流すことなく、争わず 全文をよむ

2007-10-30 Ali Sirmen コラム:共和国の84年間 (Cumhuriyet紙)

昨日(10月29日)、我々は共和国の84周年を迎えた。2007年にトルコを支配する体制と1923年に(建国が)宣言された共和国は、その目的や性質の観点から互いを調和させることが不可能な大きな相違がある。   1923年10月29日の歴史的な国会で、トルコ大国民議会の議員であったユヌス・ナーディは、演説の中で、基本的に、自分達の行った仕事は体制の性質を発表することに他ならなかったと述べている。   そもそも祖国解放戦争の最中の、1920年4月23日に始まり、効力を発揮していた体制は、国民が自分達を 全文をよむ

2007-10-26 Gungor Uras コラム:テロに付ける薬は「生産」 ― イラク国境地帯での取り組み (Milliyet紙)

誰しもハッキャーリでのテロ事件とテロに奪われた命に涙している。しかしハッキャーリにあるのはテロだけではない。いい出来事も起こっている。そしてこうしたいい出来事が増えた分だけ、テロも後退し、涙が止まるだろう。   10月20日土曜日の夜、ハッキャーリの山岳地帯でテロリストが我が国の12人の兵士を殺害した。このつらいニュースのため、同じ日にハッキャーリで開かれた「ハッキャーリブランド製品第1回展示会」と、この展示会の一環で行われた「植物性・動物性製品と産業発展のハッキャーリ県の開発における役割」をテ 全文をよむ

2007-10-26 Fikret Bila コラム:イラク問題で衝突するトルコとアメリカの国益 (Milliyet紙)

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、トルコの干渉を望まないアメリカに、ブカレストで強硬姿勢を示した。   エルドアンは、「越境軍事作戦の決定を下すのは我々だ」と発言した後、「アメリカがイラクに何の用事があるのだ」と問い掛けた。エルドアン首相は、「テロと戦っている」と言ってイラクを占領しているアメリカが、テロ組織に向けたトルコの軍事作戦に反対することの矛盾を突いたことになる。(首相は)これだけでは満足せず、「戦略的パートナー」として「アメリカは我々とともに行動しているからだ。我々はアフガニスタン 全文をよむ

2007-10-25 Sukru Kizilot コラム:簿外取引が疑われるバス会社のヤミ燃料問題 (Hurriyet紙)

(シェケル)バイラムの2日目にヴァタン紙に(同紙記者の)ケリム・ウルケルによる興味深い記事が載っていた。   記事では(大手バス会社の)ウルソイ社社長で全バス事業者連盟(TOFED)のムスタファ・ユルドゥルム会長の「トルコには都市間・国際間の便を運行するバスが1万1千台ある。全てのバスの使っている燃料のほぼ3分の1はヤミ燃料だ。これは、30万トンのヤミ燃料とおよそ4億新トルコリラの税収減を意味している」といった形での衝撃的な発言が掲載されている。      ■ヤミ燃料はどのように入手されているの 全文をよむ

2007-10-25 Besir Ayvazoglu コラム:チンギス・アイトマトフ、エラズーに (Zaman紙)

チンギス・アイトマトフが、1992年にトルコ学術・文学著作家連盟の「トルコ世界文学功労賞」を受けるためにトルコを訪れた際、私は彼に長時間の取材を行った。      これは、おそらく彼がソヴィエト体制を明確な形で批判した初めての取材だった。独立国家共同体の駐ルクセンブルク大使であったため、あまり気乗りして語ったわけではないのだが、それでも当時の様々な条件の下で語れる限りのすべてを語り、かつての状況を「ソヴィエト作家は手も足も縛りつけられていた」と要約したのだった。      時がたつにつれ、より一 全文をよむ

2007-10-23 Can Dundar コラム:怒りよ、どこへ向かう? (Milliyet紙)

日曜の晩... 窓からスローガンが聞こえてくる。   大学の同じ寮で、隣同士の部屋で、もしかしたら同じ2段ベッドに寝泊りしている若者たちが互いに向き合って陣取っている。   「くそ食らえPKK(クルド労働者党)」と叫ぶ若者たちにもう一方がこう応酬する:   「諸民族の兄弟愛万歳!...」   昨日ある新聞記者の先輩と電話で話したとき、彼の妻が受話器を奪って、怒りをたたえた声でこう尋ねた:   「テロ抗議運動を見ているけど、その中にイスラーム風スカーフをした人は1人もいない... あの人たちはどこ 全文をよむ

2007-10-23 Cuneyt Ulsever コラム:クルド労働者党(PKK)の背後にいるもの (Hurriyet紙)

専門家たちは、PKKのこの前の野蛮な攻撃が大規模な計画を練り、技術的装備と後方支援(の水準)が高く、非常にしっかりとした教育を受けているテロリストたちによって行われたと言っている。   彼らを誰かが支援し、食べ物を与え、育成しているのは明らかだ。   テロ組織に関連して、世界で例外なく当てはまる1つの法則がある。テロ組織が基地を長期間維持できているなら、必ずやその背後には1つ、さらには複数の国の存在がある、ということだ。   誰かがPKKを通じて我々をイラクに引っ張り出したがっている。   PK 全文をよむ

2007-10-23 Yusuf Kaplan コラム:テロは「バランス調節」の道具か? (Yeni Safak紙)

昨今のテロ攻撃は、我が国を悲嘆に暮れさせた。この攻撃は、連鎖的なテロ攻撃の最終末のものである:(総)選挙前に開始された攻撃は、トルコでの選挙に影響を与えることに向けられていた;選挙後の攻撃はと言えば、第一義的に政府に打撃を与えることを目的としている。これらの攻撃が今後、大都市へ飛び火するかも知れないということは想像に難くない。      これらのテロ攻撃の目的は、西洋化/世俗化プロジェクトに“引導を渡した”「世俗トルコ」に打撃を与えることではない。真の目的は、中・長期的に、トルコの前途を開くこと 全文をよむ

2007-10-20 M.Ali Kislali コラム:抑止力としてのトルコ軍 (Radikal紙)

トルコ大国民議会が政府に北イラクへ軍隊を派遣する権限を与えると、世間の関心はトルコ軍に向けられた。   今、トルコの国益をトルコ(自身)よりも我々の方がもっともたらしているのだといった雰囲気を漂わせている勢力が、「絶対北イラクに侵攻してはならない。これまで24回入って行ったがどうなったか?あそこは泥沼だ。はまって出られなくなる」と言っている。   まるでトルコ軍が、どこまで行って、誰を標的として、どこでどれだけ滞留して、どの目標に向かわなければならないかを知らないかのように。   こうした見立て 全文をよむ

2007-10-20 Sami Kohen コラム:「北イラクへ行け!」と言うだけで終わるのか? (Milliyet紙)

トルコ大国民議会の越境軍事作戦に関連した決議は最初の政治的影響力を示し始めた。アメリカ政府に続き、イラク中央政府と北イラクの地域政府が積極的に動き始めた。   こうした中、イラクのジャラール・タラバーニー大統領とホシャール・ズィバーリー外相が ―クルド系であるという観点からも― クルド労働者党(PKK)のイラクからの撤退に向けた呼び掛けを行っていることは意味深い。   2人のリーダーによる公の要望に対してPKKがすぐに武器を放棄する、あるいは陣地を去ることを期待するのは楽観的に過ぎるのは確かだ。 全文をよむ

2007-10-19 Ozdemir Ince コラム:宗教は国家の監督下に置かれ「なければならない」 (Hurriyet紙)

世俗主義の小学校での定義である「宗教と国家の領域の分離」から話を発展させて、思想的な工作を行っている人々がいる。そうした人々は続けて「トルコではまさに、宗教は国家の圧力の下にある」と悲壮な声を上げている。   宗教と国家の領域の分離ということからすれば、両者とも互いの役割に干渉してはならないらしい。しかし世俗的国家が宗教を監督しなければ世俗主義は成り立たないし成り立ちえない。(そうでなければ)とくにムスリム諸国において、(イスラ-ム法を排除した)単一の法と、(宗教教育を排した)教育の統一は成り立 全文をよむ

2007-10-18 Fehmi Koru コラム:トルコを「テロ自由地域」にしてはならない (Yeni Safak紙)

国家は今日の世界でテロに対して以前よりもよりぜい弱な状態にある;どれほど強力であっても、今日どの国であれテロによって導くことは可能だ。テロもこの方向で性質を変えたように見える;昔のテロとは違って、ある地域的な目的を実現させることよりも、国家の態度を改めさせるためにテロという手段に訴えられている。このことから生じる結果は明白だ;「テロ組織」と呼ばれる組織は、少なくともその大半が国際的な目論見の実現の道具となっている状態である。      トルコが今日直面してるテロも、この観点から考えてみる必要があ 全文をよむ

2007-10-18 Turker Alkan コラム:現代に息づくスルタンの伝統 (Radikal紙)

メフメト4世[在位1648-1687]の皇子ムスタファとアフメトの割礼の祝宴は15日間続いたのであった。国家の文武を担う高官たちをはじめとして誰も彼もが招待された。帝国の官人は皆、スルタンの衣の裾にくちづけて、神の恵みを乞う祈りの言葉を述べた。そして、皇子たちに祝いの品々を献上した。真珠があしらわれダイヤの象嵌が施された書物、ダイヤで装飾されたターバン飾り、馬、上等な織物や衣装、ダイヤが嵌め込まれた三日月刀・・・   祝い品の献上が済むと、饗宴が始まった。タンブールとネイが奏でられ、舞が舞われ、 全文をよむ

2007-10-17 Yalcin Dogan コラム:トルコに目を向け始めたドイツ (Hurriyet紙)

ドイツのアンゲラ・メルケル首相は昨日私と握手したとき、目は友情で輝いていた。   「このシンポジウムであなたとお会いできて大変うれしい。ドイツとして、ドイツで生活している移民の方々、またトルコ人の人々に我々の社会に適応してもらうために多くの努力をしている。この会議を大変重視している。我々の行っている取り組みがトルコの関心も引くことを期待している」。      昨日の昼、ベルリンのドイツ外務省。前面は新たに建てられた建物で、後ろの部分は1930~40年代のライヒスバンク、つまりヒトラー時代の中央銀 全文をよむ

2007-10-17 Ertugrul Ozkok コラム:あの日のえりのカーネーションは・・・ (Hurriyet紙)

「トルコ軍は北イラクに入るな」と言う人は必ずクルド労働者党(PKK)の一味なのか?   民族主義者行動党(MHP)のデヴレト・バフチェリ党首は、「そうだ、PKKの一味だ」と言っている。   私は彼のこの言葉を認めない。   今日北イラクに侵攻するという決定を下すことは、非常に困難で注意を要する決定である。   1つの政権にとってこの決定を下すことは、入らないという決定を下すことよりもずっと困難だ。   ずっと大きなリスクを伴う。   だから私は、デヴレト・バフチェリのこの言葉から一切影響を受けず 全文をよむ

2007-10-16 Sukru Kizilot コラム:子どもの価値、お年寄りの価値 (Hurriyet紙)

バイラム(祝祭日)の最中、家族でロンドンにいた。   例年同様、この(ラマザン明けの)バイラムでもロンドンを訪れた多くのトルコ人がいた...      ■子どもたち      イギリス人の特徴の1つが、子どもたちにずっと多くの価値を置いていることだ...      子どもが生まれると、家族の経済状況とは無関係に与えられる「養育費」や、家に子どもだけを残す家族に科せられる重い罰、子ども向けの(発育に応じた)特別教育。これらは彼らが子どもに置いている価値を示すためのいくつかの例に過ぎない...   全文をよむ

2007-10-14 Kadri Gursel コラム:公正発展党(AKP)崩壊の引き金を引く「越境」軍事作戦 (Milliyet紙)

教訓となる出来事その1:アリ・ババジャン外相は先週末に続けて訪問したダマスカスとエルサレムで、それをさかのぼることちょうどひと月前にイスラエルの航空機がシリアにある1つの目標を攻撃する際にトルコの領空を利用していたことについて、イスラエルからの説明を引き続き期待していると述べた。   オルメルト首相ならびにリヴニ外相との会談後の沈黙から、ババジャンは期待していた説明を受けられないままエルサレムを立ったとみられている。   しかし、実のところババジャンは、エルサレムまでわざわざ足を運ばずとも参謀本 全文をよむ

2007-10-14 Gungor Uras コラム:オリーブの木を植えるなら (Milliyet紙)

いいニュース:我が国の人々がオリーブの木を植え始めた。(木の本数を)9千万本から1億3千万本に到達させた。   悪いニュース:オリーブの木を植えている人は、(緑色の)「domat」や「uslu」オリーブの代わりに(黒色をした)「Gemlik」種を植えている。   輸出においては需要は「domat」種のオリーブにあるが、「Gemlik」種の木を植えることは安上がりで早く収穫ができる。そうしてこうした理由から本来木を植えるはずのない場所に「Gemlik」種の木が植えられている。近々「余剰分が市場に流 全文をよむ

2007-10-14 Ilhan Selcuk コラム:トルコ人の半分は馬鹿ではない (Cumhuriyet紙)

「祖国」という概念 は昔、世界にも西洋にも我々にもなかった。    オスマンの「領土」の終わりをもたらしたのは1789年革命で出てきた「祖国」と「国民」の概念の意識化だった。   問題は何だったのか?    アナトリア半島はオスマンの領土だったが、誰の祖国になるのだったか?    ルーム人(トルコのギリシャ系住民)のか?    アルメニア人のか?    トルコ人のか?   クルド人はあの頃事態に介入できる意識がなかった。    戦争…戦争…戦争・・・   バルカン戦争…   第一次世界大戦…  全文をよむ

2007-10-13 Taha Akyol コラム アメリカ アルメニア民族主義 (Milliyet紙)

 1919年にアメリカ大統領ウィルソンはトルコに様々な調査を行うことを目的とした諸団体を送り込んだ。アルメニア人虐殺の主張を、委任統治領問題を、「民族の原則」に従い、トルコに残され、トルコから切り離される地域を調査するためである…    これらの調査団の1つはハーボルド将軍を責任者とし、専門家達によって組織されたものだった。アナトリア、コーカサス、そしてアルメニアで三ヶ月間実地調査を行った。1919年9月にスィヴァスでムスタファ・ケマルに、エルズルムではキャーズム・カラベキルとも面会した。   全文をよむ

2007-10-12 Ismet Berkan コラム:バイラムを喜ばしく迎えられないこと (Radikal紙)

今日は私にとっては「シェケル・バイラム(砂糖菓子祭り)」だ。つまり、ある時期から普及した呼称「ラマザン・バイラム」ではない。じつは先日、ある友人が言った。(つまり彼の受け売りなのだが)、この祭りの本来のアラビア語名称は「シュクリュ・バイラム(感謝祭)」なのだそうだ。      おそらくラマザンのような「苦しい試練」の月のすぐ後にやってきて、神の恵みに感謝を捧げるためこのバイラムを「神に感謝する」と名付けるほうが適しているし、正しいということなのだろう、私はよく知らないが。      名称に関する 全文をよむ

2007-10-10 Bertan Onaran コラム:「アナトリアの赤い出逢い」 (Cumhuriyet紙)

これはベルフィン出版が発行したアスケリー・オネルの本の題名だ。小説と記されているが、真実のアナトリアの、トルコの、ひいては人類の歴史の要約だ。   アスケリー・オネルは、我々皆のように、偶然と必然の産物だ。1945年にタルススで生まれ、経済・商業を学び、1968年代の情熱で社会的現象に関心を寄せている。1971年の軍事介入でドイツに避難し、1974年に祖国に戻り、1980年まで労働者組合や生産者協同組合活動をして、労働者の組織化に参加している。1980年の軍事クーデターで投獄され、党も解散してい 全文をよむ

2007-10-06 Hakki Devrim コラム:オズキョクとベルカンが喧嘩しているのだとすると・・・ (Radikal紙)

イスメト・ベルカンのコラム(『ラディカル』10月3日付け)の題名は「女性が何処にいて欲しいと我々は望んでいるのか?」であった。エルトゥールル・オズキョクは、やはり問いかけを含んだ回答(となるコラム)を掲載したが、それが「それは父親のもとか、夫のもとではないか?」(『ヒュッリイェト』10月4日付け)であった。ベルカンは、筋金入りの頑固者のはずだ。そして再度(コラムの題名でこう)問いかけている。「女性は家に居ろというのか?」(『ラディカル』10月5日付け)。皆さんと同じく、『ラディカル』と『ヒュッリ 全文をよむ

2007-10-05 Tamer Korkmaz コラム 「頭をスカーフで覆うのであれば家にいなさい!」 (Zaman紙)

「スカーフを被った女性達はどこにいろというのだろう?前大統領セゼルを始めとする頑固な世俗主義の信奉者達によれば、スカーフを被った女性達は家に留まり、大学で教育を受けてはならず、この当然の帰結として、手に職をもたない主婦にならねばならない…」   ラディカル紙のコラムニストであるイスメト・ベルカンによるこの文章の考えは100パーセント真実を反映している…   大学におけるスカーフ着用禁止の根底には「世俗主義的体制派」が、女性が覆われることに感じる大きな(体系的)アレルギーが横たわっている…   「 全文をよむ

2007-10-04 圧力がムスリムたちを区分けした (Milliyet紙)

圧力がある。   その名が「隣人からの圧力」だとしても、他のものだとしても...   圧力がある。   この圧力は自分が信心深いと考えている一部の者たちから来ている。   では、圧力の対象となっている者たち、つまり圧力の下にいる者たちはムスリムではないのか?その宗教に帰依している者ではないのか?   私の考えでは、彼らもムスリムである。彼らも自分たちの宗教に帰依している。   つまり圧力をかけている者たちも、圧力を被っている人たちもムスリムである。   双方ともがムスリムなのだ。   それならば 全文をよむ

2007-10-03 GURAY OZコラム:自由主義オオカミの話 (Cumhuriyet紙)

私たちは慰めを必要としていないが、彼は私たちを慰めている。「怖がるな、怖がるな」と彼は書いている。「怖がるな、怖がるな、ここはカリフの宮殿に妾がいたような過去を持っている。」彼はオリエンタリストのハーレム物語に影響を受けているようだ。禁酒のことはベキリの小話で知っているようだ。   彼は私たちを安心させ、私たちの「恐怖」を拭い、涼しい夜の果てに「自由」な朝へと目覚めさせている!「シャリーア(イスラーム法)もカリフ制も一瞬のうちに不図廃止された。それでどうなったというのか。」と彼は訊ねる。そして、 全文をよむ

2007-10-02 Mehfi Egilmez コラム: 加熱する「1ドル=1新トルコリラ」議論に「待った」 (Radikal紙)

先週は、1ドル=1新トルコリラについて様々に議論されたのだった。[そのような議論では]この[1ドル=1新トルコリラで]等価になるという可能性について最初に言い出した人間としての私の発言が、時に正確に、時に誤って引用されていた。まずは、2006年の頭と2007年の半ばに、私が述べていたことが何であったのかをこの場で改めて要約し、その上で、現時点での私の見解を明らかにしたい。      2006年1月31日付の『ラディカル』紙に掲載されたコラム「新トルコリラ高にはなるものの」で、私は次のように書いた 全文をよむ

2007-09-29 Derya Sazak コラム 左派の討論会 (Milliyet紙)

     共和人民党(CHP)における党大会の争い及び新たな組織形成に関して声を上げられた考えを2つに集約することが可能だ:   1-党首と党運営とについての考え方が刷新されたCHPにおいて統合されること。   2-左派において新しい政党が結成されること。    ウール・セテンはCHPに向けた希望を保持している。   「トルコは我々の手中からすべり落ちている。海(デニズ)は終わり、船は座礁した。このような危機的な時期において、我が国が直面している問題をただCHPが政権に就くことによって乗り越える 全文をよむ

2007-09-27 Can Dundar コラム:穏健イスラムとアメリカ② (Milliyet紙)

こんなふうに、マレーシアについて、より正確には「穏健イスラム」についての議論の起源を解き明かそうとしていたのだった。   月曜日(ママ)のこのコラム欄で私は、アメリカの外交政策を左右する影響力をもつ組織、ランド・コーポレーションの過去のレポート群について紙面を割いた。そこでも明らかになったように、ランド・コーポレーションは1990年代の初頭以来、ワシントン[アメリカ政府]に、原理主義勢力に対しては、反米路線をとる世俗主義勢力の代わりに「穏健イスラム勢力」が組織化するのを支援するよう提言している。 全文をよむ

2007-09-25 Can Dundar コラム:穏健イスラムとアメリカ① (Milliyet紙)

[昨今の]マレーシアに関する議論がどのように始まったのか思い出してみるのが有益である。   アメリカの元国務副長官であり、次期国務長官だと目されるリチャード・ホルブルックは、この8月、PBSの討論番組で次のように述べたのだった。   9・11以降アメリカは、世界中で穏健なイスラム的民主主義を望んでいます。ええ、ただふたつの例があるばかりですが、つまり、トルコとマレーシアです・・・。トルコ人は極めてドラマチックな選択をしました。穏健イスラム政党が、トルコ共和国の建国者アタテュルクにその正統性を求め 全文をよむ

2007-09-23 Turker Alkan コラム:孤独死を考える (Radikal紙)

学校が始まった。何百万人もの父親たちは、何百万人もの子供たちに向かって「さあ、わが子よ。私たちはわが身を粉にしてお前を学校にやるのだから、勉学して一人前の人間になれ!けっして怠けることがないように。仕事[学業]に励めば成功もし幸せにもなるのだからね?」と言った。      本当に、たくさん働いたら幸せになるのだろうか?      極めて議論の余地ありだ。[経済的に]豊かな国民が貧しい国民よりも幸せだと言えるだろうか?「世界豊かさ調査」に従えば、貧しい社会でも、とても幸せな場合だってありうる。   全文をよむ

2007-09-18 Mumtaz’er Turkone コラム:憲法上の「トルコ人たることの定義」 (Zaman紙)

「文民的憲法」の議論をややこしくしている問題の筆頭に、「国民」の定義があると考えられる。この問題は、まず、トルコにおける民族問題と密接に関連している。      政治に携わるクルド人たちは、憲法第66条における国民の定義が「トルコ人と国民」を同一視していることにより、すべての者が「民族的にも、トルコ人になってしまう」ことに異議を唱えている。反対に、この「トルコ人」という言い方が「民族的ルーツを意味しない」という主張もなされており、これも正しい。一人の人間の民族的ルーツを、法規や憲法によって定義す 全文をよむ

2007-09-17 Tufan Turenc コラム:エルドアンが作りだしたトルコ――ラマザンの食事風景から (Hurriyet紙)

イスタンブルのバージュラル区には巨大なイフタール[ラマザンの日没後に供される特別な食事のこと]用テントができている。中は寿司詰め状態で、責任者の話によると3000人がいる。   彼らは、押しあい圧しあいしながら、首尾よく入場することができた幸運の持ち主たちだった。   中は二手に分かれている。   右側のテーブルには男性が、左側のテーブルには女性と子供が座るとのこと。   各テーブルには大皿に盛られた料理がおかれている。   テーブルはどこも、[ウェイターたちに頼まずに]めいめいが手ずから取り分 全文をよむ

2007-09-11 Turker Alkan コラム:「イデオロギーとは無縁の憲法」論の死角 (Radikal紙)

悩ましい日々がやってきた。お聞き及びのこととは思うが(!)、「新憲法」論議が様々な問題を巻き起こす原因になるだろう。      まあ、始まったばかりなのだが。「リベラルで民主主義的な憲法はイデオロギーとは無縁であるべきだ」と言われている。      とってもスマートでエレガントな文言じゃないか。そうだとしても、「リベラリズム」とはイデオロギーではあるまいか?イデオロギー的に想定されているものは自由市場経済ではあるまいか?個人の利益が増大すれば社会全体の利益も増大するはずだ、というのがそのイデオロ 全文をよむ

2007-09-06 Besir Ayvazoglu コラム:ベヤズト国立図書館略史 (Zaman紙)

ベヤズト国立図書館は、私が度々足を運び、そんな私にたくさんの成果を与えてくれた、この上なく重要な図書館だ。      この巨大図書館を、多くの不備不足を抱えながらも、うまく運営してきたシェファーレッティン・コジャマンさんと、つい先頃、ずいぶん長く話をする機会があり、どうすれば読者にとってより使いやすくなるだろうか、と知恵を絞りあった。      シェファーレッティンさんは頭の痛い問題を抱えていた。というのも、11,120点の写本、約550,000点のアラビア文字、ラテン文字による刊本をはじめとし 全文をよむ

2007-09-04 Oral Calislar コラム:どのような憲法がふさわしいのか?―与野党に望むこと (Cumhuriyet紙)

トルコはかなり以前から、悔しいかな、クーデター後に制定されたいくつかの憲法によって統治されてきた。これらのクーデター憲法は、その折々のクーデターの持つ精神にしたがって形づくられたものだ。もちろん、そのたびに、政権に対して軍部の重要性を高めるような条文が加えられつつ、いまに至るのである。      公正発展党は、議会での多数を背景に新たな憲法を制定するべく行動に移った。実際には、[憲法案可決に必要な]議会の3分の2の議席を彼らが有しているわけではない。しかし、問題を国民投票にかけることによって、[ 全文をよむ

2007-08-29 Taha Akyol コラム: チャンカヤで変化すること (Milliyet紙)

 7年と100日前、大統領選挙の推移を見守るため、私はやはりアンカラにいた。今日のように、当時も私は胸中で安心を感じていた。イェルキョイにある第一司法裁判官時代以来の知人であるアフメト・ネジュデト・セゼルが大統領に選出されようとしていた。憲法裁判所長官に就任した後、彼と対談した。多くの点において見解を共有していると私は感じた。憲法裁判所長官時代に行った2つの演説には私も拍手喝采したものだ。    昨日、古い資料に少々当たっていた。2000年の7月と8月に2つの大きな危機があった;新たに選出された 全文をよむ

2007-08-29 Mumtaz Soysalコラム:ギュルのハンディキャップ (Cumhuriyet紙)

 昨日〔8月28日〕は、「セゼルのいる時代」の最後の日だった。言い換えれば、共和国のトップに、従来の態度を文句なしに受け入れ、革命原理を心から信じている人物がいた日だ。セゼルが外国にほとんど関心を抱かず、国内をまわって民衆と気の置けない関係を築くことに時間を割かなかったことを批判する者もいた。そう言ってセゼルを批判していた人たちは、セゼル自身が集めていた尊敬を打ち壊すことができなかったし、また、セゼルの法律家らしい細心さを取り上げて非難していた人たちも同様だった。公正さや、国家の名誉を守り、民衆 全文をよむ

2007-08-29 Murat Yetkin コラム:そして、ギュル氏がトルコ大統領に (Radikal紙)

トルコで新しい時代が始まる。緊張を過去に葬り去るのは、アブドゥッラー・ギュル氏の手腕にかかっている。      アブドゥッラー・ギュル氏は昨日(28日)、議会においてこれまでの候補のうちもっとも多くの票を得て、第11代大統領に選出された。宣誓の後すぐ議会にむけて行った謝辞演説の冒頭で、自身の選出がトルコにおける民主主義の成熟度のバロメーターであると位置づけた。      次に述べるようにこの発言には一理ある。つまり、2002年選挙の前には、公正発展党(AKP)がたとえ選挙に勝ったとしても、同党に 全文をよむ

2007-08-25 Resul Tosunコラム:トルコ人、クルド人、アレヴィー信徒、アルメニア人 etc… (Yeni Safak紙)

問題を真正面からとりあげるなら、最初に言いたいことは、「人に母親や父親を選ぶことはできない」という一文になるだろう。人に母親と父親を選ぶ権利が無いのだから、自分が属しているルーツのために非難されたり、侮辱されたりすることは、見識にも道理にも反している。      したがって、誰かを異人種だからといって侮辱したり、否定したり、または悪態をついたりすることも間違いである。      言い換えれば、人種差別は間違っている。      その一方で、人が母親や父親を、ひいては自らの人種を愛することはごく自 全文をよむ

2007-08-25 Zeynep Gogus コラム:アルコール販売が減っても増えても・・・ (Hurriyet紙)

私の家族の出身地であるガズィアンテプは「トルコで最もラクの消費量の多い都市」と言われるが、どうもそれは正しくないらしい。      都市伝説の中にはすでに当てはまらないものがある。ある時期について正しいかもしれないデータは、トルコ社会の変容と移住の送り出し/受け入れに伴って全ての都市にとってすでに有効でないかもしれない。ガズィアンテプは女性のウェイターでも自慢していたものだったが、これもまた最も新しく見積もっても5、60年前までのノスタルジックなデータだ。あるいは古き良き思い出である...   全文をよむ

2007-08-25 Can Dundar コラム:「リスト」を持つ男たち―ベヒチ・エルキンとユスフ・ハラチオール (Milliyet紙)

ちょうど、ベヒチ・エルキンの物語を、彼の孫のエミル・クブルジュクの手による『大使』(ゴア出版社 2007年)で読んだ。   ベヒチさんは、第二次世界大戦時、在パリ・トルコ共和国大使だった。   彼はその在任中、占領下のフランスでナチスが行ったユダヤ人の強制収容所への送還を目撃した。   傀儡のフランス政府は、ナチスのためにフランスに住むユダヤ人のリストを用意していた。   当時のフランスには、オスマン帝国から移住したユダヤ人が多数暮らしており、彼らの一部はトルコ国籍を持っていた。   ベヒチさん 全文をよむ

2007-08-25 Abbas Guclu コラム:F1のある生活 (Milliyet紙)

フォーミュラー1(F1)が昨日イスタンブルで開幕した。決勝は明日だ。トルコの宣伝という観点から素晴らしいイベントだ。しかしまるでトルコで始まったときに起こった熱狂は今なくなってしまったかのようだ。一昨年、観客席で針を投げたら落ちる場所がなかった(=びっしりと満員だった)。何万人もの国内外の観客がいた。組織運営のおかげか、スポンサーのおかげか、あるいは『ほう、こういうものだったのか』と(いう関心からか)、とにかくみんな見に行った。関心のなさからだろうか分からないが、去年はひどく盛り上がらないまま終 全文をよむ

2007-08-24 Hasan Cemal コラム:私のルーツ ―ハラチオール発言へのとまどい― (Milliyet紙)

トルコ歴史協会会長のユスフ・ハラチオール教授の発言を聞いて、私は自分のルーツを思い出した。   そして、考え込んでしまった。   私は何者なのだ?   ハラチオールは、ある会議で、クルド人は元々テュルクメン人であり、アレヴィー信徒のクルド人は元々アルメニア人であると明らかにした。その一方で、この国土で「27種類の民族的ルーツについて語ること」は間違っていると熱弁を振るったらしい。   そしてこう付け加えた。   「皆さんはご自身が何者かを知らなければなりませんよ!」   私はとまどってしまった。 全文をよむ

2007-08-21  Haluk Ozdalga 解説:新たな時代においてトルコを待ち受ける諸危機(2) (Zaman紙)

昨日の記事において、7/22総選挙の結果がトルコに真の意味で、ある時代に跳ぶ機会を示し、:今後焦点を当てることが必要な3つの点がインフレの抑制、教育の努力、そしてEU加盟の目標が確かであることを示した。       しかし、来たるべき時代において、上手く制御されねばならない危機もある。内部から生じる危機はより政治的に生じることが言える。軍、高等教育協議会、高等裁判所、といった官僚機構が異なった政治的政策に対し抵抗することが、この時代に完全に終息することを期待するのはおそらく現実的ではない。政権 全文をよむ

2007-08-20 Can Dundar コラム:ギュル外相夫妻の結婚記念日 (Milliyet紙)

アドゥヴィエ・ギュルは1980年にカイセリでのある結婚式でハイリュニサさんを見かけた・・・   そして、とっても気に入ってしまった。   そもそも、ずっと彼女は、サカリヤ大学で助手を務めていた30歳の息子の運命の人を探していたのだから。   ハイリュニサを一目見て、その目が釘付けになった。   ハイリュニサ・オズユルトは、当時、(イスタンブルの)チェンベルリタシュ女子高校の生徒だった・・・。元々カイセリ出身の父の仕事先がイスタンブルだった。   アドゥヴィエさんは、オズユルト家のことを調べ、普通 全文をよむ

2007-08-16 Besir Ayvazoglu コラム:「我らのサン=ジュスト」―サーメト・アーオールの人物評より (Zaman紙)

サーメト・アーオールに、『父の友人たち』という題名の優れた著作がある。ネビオール出版社によって1958年に刊行されたこの著作で、(彼の父である)アフメト・アーオールの親しい友人たちの人物評を、その実名を記すことなく、見事な筆さばきで描き出している。各人物評の標題は、まるで、そこで語られている人物をひとことで要約したかのようである。      もしも、トルコ近代史を多少ご存知で、トルコ思想史や文学史に親しんだことがあれば、たとえば「国民的説教師」がオメル・ナジであり、「国民的詩人」がメフメト・エミ 全文をよむ

2007-08-11 Can Dundar コラム:雨乞いではなく辞任乞いを (Milliyet紙)

昨日、私はアンカラのコジャテペ・モスクで行われた雨乞いの礼拝をつぶさに見てきた。   朝から正午まではというと、とある病院にいた。   水不足がもとで各手術は中止され、重篤でない患者は自宅に返されたのだった。   給水車からは下水同然の水が届けられた。感染症の可能性があると明らかにされた。砂漠の国でさえ断水なぞないものだが、これまで行ってきた政策のゆえに首都を砂漠にしてしまい、首都の人々を狂気に至らしめてしまった(張本人である)メリフ・ギョクチェキ市長は、不測の事態であるとの例を示しつつ、「アッ 全文をよむ

2007-08-11 Murat Yetkin コラム:8月30日戦勝記念日のテスト (Radikal紙)

新大統領が8月28日に選出されれば、8月30日の戦勝記念日の催しに参加することになる。      新議長のキョクサル・トプタン氏の最初の仕事は、期待どおり第11代大統領選出プロセスを開始させる事となった。これは幾つかの観点から重要な決定だった。      まず、エルドアン首相が大統領選出を宙吊りにし、10月21日の国民投票プロセスの後まで引き伸ばし、第11代大統領も国民に選ばせようとしているという憶測が終息した。      第2に、選挙後少しでも早く任務に戻り働きたいという宣言に即した第一歩と 全文をよむ

2007-08-09 Taha Akyol コラム: 国会そして大衆に向かう大臣達 (Milliyet紙)

キョクサル・トプタンを私は1980年代前半以来知っている。(国会議長の)候補者として示された立場は実に彼にふさわしいものである。候補者であることは社会のあらゆる層から好意的に迎えられた。    あれは4年半前のことであった…タイイプ・エルドアンは党首であったが、未だ首相ではなかった。私達は党本部で会談した。話題は教育に及んだ。そしてエルドアンは以下のように述べた:   ―キョクサル・トプタンは国民教育省の非常に良い大臣になる、そう思わないか?    メモを取ろうとしたが、エルドアンは「書かないで 全文をよむ

2007-08-02 Naci Bostanci 解説:民族主義者行動党(MHP)の政治における最初の印 (Zaman紙)

 MHPは国会に14.3%の得票率、70議席と共に入った。穏健で安定を約束する、トルコを包みこむような政治の風により、公正発展党(AKP)が有権者の半数近くに達した選挙において、この結果はMHPにとって大きな成功である。事実、民主左派党(訳者註:総選挙直前に同じ中道左派系政党である共和人民党と選挙協力をした)の要素を片側においてみると、主要な野党の正道党(DYP)、更に、国会では無所属の議員達によって代表されるであろう民主市民党(DTP)も含めて全ての政党の票が減少したことが話題となっている。こ 全文をよむ

2007-07-31 Derya Sazak コラム:ケマリズムへの批判 (Milliyet紙)

公正発展党(AKP)から国会議員に選出されたザフェル・ウスキュル教授は、(クーデターの起きた1980年)9月12日の軍事政権の産物である1982年憲法を牛耳っている「ケマル主義」が払拭された、「無色の」市民的な憲法の作成を提案したために、多くの反発が集まった。   ニューヨーク・タイムズ紙による選挙前のトルコ分析のなかに、7月22日(選挙)のさっそくの解説ともいうべき、驚くべき論評があった。   同紙は、AKPの伝統的な保守層のほかにリベラル層も、世俗主義エリートと彼らの支援者である軍に背を向け 全文をよむ

2007-07-25 Sami Kohen コラム:総選挙、正しくない外国メディアの見方 (Milliyet紙)

連日、世界のマスコミはトルコでの選挙の結果について分析や解説を発表している。   これらの報道の分析を我々が行う前に、次のような喜ばしい事実を明確に示しておこう。すなわちどの国の、どういった政治的傾向の人々であっても、全ての外国人評論家の言ったことは、この選挙がトルコで真に民主主義の産物であり、民主主義の成熟(を示すもの)であるということである。西洋のメディアでこの点が賞賛を持って伝えられる一方で、アラブや(中東)地域のマスコミでは総じて羨望とともに言及されている。第1の人々(=前者)は出来事を 全文をよむ

2007-07-25 Turker Alkan コラム:トルコ総選挙、イスラーム主義者の勝利だったのか? (Radikal紙)

「ケマリストに対するイスラーム主義者の勝利」   多くの外国紙は総選挙のニュースをこう報じた。しかしトルコ国内での雰囲気はこれとはまったく異なるものだ。私が見たところ、誰も公正発展党のことを「イスラーム主義者」というカテゴリーに入れてはいない。公正発展党も、そしてエルドアン首相も、イスラーム主義者と見られないように大変な努力をした。「ショーウィンドウ」用のお飾りの候補者たちもイスラーム主義者という印象を払拭するためのものだった。公正発展党は、選挙運動中ずっと「宗教」、「スカーフ」といった問題に踏 全文をよむ

2007-07-23 Taha Akyol コラム: 投票箱からのメッセージ (Milliyet紙)

 総選挙がついに終わった。約1年にわたる緊張、論争に関し、ついに「国民」が裁可を下した。公正発展党(AKP)の得票数と共和人民党(CHP)の得票数は非常に多くの人々を驚かせた。驚きはこれほどに、トルコにおける市民社会の変動を知らなかったことに起因する。    公正発展党が得るであろう票を予測したタフラン・エルデムにはどれ程の侮辱がなされたことか!    もし、火星から、金星から「国民」を輸入しない限り、こうして「わが国民」の審判は確定した。    この審判の中に全ての政党は存在する。    まず 全文をよむ

2007-07-23 Ismet Berkanコラム:選挙結果の読み方 (Radikal紙)

 有権者は決定を下した。道を一人で歩くとき、もしこちらが公正発展党(AKP)に投票しなかったとしたら、向こうから来る人は投票したのだと今となってはわかる。そう、トルコではほぼ2人に1人がAKPに票を入れたのだから。       この成功はまた、複数政党制導入以降まれに見るほどの勝利である。この真実を受け入れずして選挙結果を正しく読み解くことはできない。       AKPの成功に影響を及ぼした要素はいくつも存在する。なかでも、経済と外交でしばしば成功をおさめ、そして不成功と評価されるような政策を 全文をよむ

2007-07-23 Ekrem Dumanli 解説:国民はいかなる意思を示したのか? (Zaman紙)

数ヶ月続いた選挙の興奮は昨日終りを迎え、形勢が今明らかになった。国民の意思が明らかとなった。今後、全ての人が行うべきことが一つある。それは、選挙が示したメッセージを正しく読み取ることである。      このメッセージは政党だけに向けられたものではない。同時に、メディアから市民団体に至るまでかなり多くの対話者に向けられた。選挙の白熱した結果の陰で、この件の一番目の対話者(政党)に向けられたメッセージを正しく読み取るために、一つの試論を呈することは有益であると考える。      公正発展党(AKP) 全文をよむ

2007-07-21 Taha Akyol コラム:総選挙の結果において優先的に見る2つの点 (Milliyet紙)

 明日の総選挙を、何年にもわたって私が主張してきた2つの点から優先的に見る:1つめは、トルコが「統治されうる」ことである。政治的見解の相違が二極化に向かわないこと、国を連立ではなく、絶対多数の議席を持つ1つの政党が統治すること…野党も「影響力のある」監視や、与党に取って代わる準備を行う力があること…    何年にもわたって私が注目してきた別の点は、「政治的統合」である:つまり、様々なアイデンティティーを持った人々を我々の政治システムにどの程度統合することが出来るのだろうか?もしくは、どの程度「別 全文をよむ

2007-07-13 Turker Alkan コラム:ベーチェット (Radikal紙)

「家は買うな、隣人は買え」とは戯れに言われたのではない。我々のこまった隣人であるギリシャ人のこのごろの物言いを読んで、先の格言が思い浮かんだ。いやいや、東アナトリアを「クルディスタン」だと明示している地図の話を言っているのではない。ただ、話は少なくとそれと同じくらい深刻な状況になっている訳で、(彼らは)人の病を我々の手から奪おうとしているらしい。      これが初めてというわけではない。以前にも、イチリキョフテやヨーグルト、ドネル(ケバブ)を、そしてハジュヴァットやカラギョズをも、彼らは我々か 全文をよむ

2007-07-11 Derya Sazakコラム:ギュル外相、大統領選立候補への固い決意を表明 (Milliyet紙)

アブドゥッラー・ギュル外相は、自身がいまだ大統領候補であること、そして候補資格を継続するかどうかは選挙結果によって決めるとの姿勢を明らかにした。同外相は、共和人民党(CHP)のデニズ・バイカル党首による「今度の一期だけは、国会外からの(大統領)候補で協調しよう」との提案を「民主的でない」と非難した。    キリス県・マルディン県へ演説に向かう機中で外相は、本紙ミッリイェトの記者の質問に答え、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相の「新大統領は新国民議会の折り合いによって決める」、バイカルCHP党首の 全文をよむ

2007-07-10 Fikret Ertan コラム:アフスカ・トルコ人の帰還問題 (Zaman紙)

アフスカ人(訳注:メスフ人、メスへティア・トルコ人という呼称が一般的)は、1829年までオスマン帝国の州のひとつであったアフスカ州に暮していたトルコ人であった。ロシアが1829年に同州をオスマン帝国から奪取したことで、アフスカ・トルコ人たちは、オスマンの統治から離れざるをえなくなり、程なくして、まずはロシアに、のちにはグルジアに併合され、両国の統治に服することとなった。      アフスカ地方は、今日の(トルコの)カルス、アルダハン両県のかなた、グルジア南部にあるとても広大な地域である。しかし、 全文をよむ

2007-07-10 Taha Akyol コラム:アタテュルクと世俗主義 (Milliyet紙)

ギュンドゥズ・アクタンは尊敬すべき外交官であり思想家である。幾つかの点で我々の考えは相容れないが、それは私が彼の価値を伝えるのを妨げるものではない。今日、彼はイスタンブル第1区のMHP(民族主義者行動党)の候補者となっている。成功を祈っている。   以前から宗教と世俗主義の問題において彼が主張してきた見解を、昨日、ラディカル紙でネシェ・ドゥゼル氏のルポルタージュのなかでも説明した。   そこで彼は二つの根本的な命題を主張している。      ●トルコ人は信仰においてはマートゥリーディー神学派に属 全文をよむ

2007-07-05 Turker Alkan コラム:ねじれた「男らしさ」と「医師の心得」 (Radikal紙)

アブドゥッラーギュルが、「男でなきゃいかん」といった意味の発言をして、我々はみんな、それに抵抗感をおぼえたのだった。「ってことはなにか?、肝が据わった女性なんてのはありえないとでも?」明らかにそんなはずはない。そもそも、多くの場合、女性のほうが男性より肝が据わっているものだ。      しかし、「男」という言葉を口に出さないからといって、それが(実際に)「あんたも男ならさぁ」という(発言を許すような社会の)態度を変えることになっているのか?      ちっともそんなことはない。今回だって「男」と 全文をよむ

2007-06-30 Hasan Cemal コラム:ブレアとバイカルの違いは何か (Milliyet紙)

1995年12月のことだった。私は、(デニズ・)バイカル共和人民党(CHP)党首が、(トニー・)ブレア英国労働党党首と会談をもったロンドン訪問を追っていた。トルコでは冬の最中選挙戦に入り、バイカルは(正道党党首のタンス・)チルレルとともに 正道党(DYP)-共和人民党連立を準備していた。選挙前にブレアと会談したことは、一方ではバイカルの選挙キャンペーンの一環であり、他方では欧州連合(EU)内部の社会民主主義者からトルコの関税同盟(入りへ)の支援と関係したものだった。      バイカルがその当時 全文をよむ

2007-06-29 Turker Alkan コラム:アメリカの・・・中にいる人・・・その中身 (Radikal紙)

アメリカは、世界で最も豊かで力強い国のひとつ。望んだ場所に赴いては、そこを乗っ取ってしまう。昨日はアフガニスタン。今日はイラク。では、明日はどうかと見てみるとイランか。世界に民主主義をまき散らす。しかし、(アメリカさんの)自宅での色々な問題についてはどうなのか、と仰るだろうか。      この国(アメリカ)では1960年代や1970年代には、人々が路上で寝起きするなんてことはなかった。その当時からすれば、経済はより発展し、一人当たりの収入も増えたが、路上で寝起きする人々の数も増え、数百万人にのぼ 全文をよむ

2007-06-24 Haluk Sahin コラム:こんな時代がくるのかも?「債務者はピザ禁止」 (Radikal紙)

選挙のために私たちは自分たちの頭を投票箱の中に突っ込んでしまって、世の中のことを忘れてしまった。しかし、この地上では日々の営みは続いている。多様な事柄が我々にも影響を及ぼすような形に、そもそも、選挙で明らかとなるであろう結果よりも、より一層影響を及ぼすような形に変わりつつある。      ご存知のとおり、昨今の私たちが最もよく利用しているテクノロジーは、遠隔操作のできる機器類と電子(情報を記録した)カード類だ。   これらを手に入れるため、銀行や保健機関をはじめとしたあらゆる場所に、私たちは個人 全文をよむ

2007-06-23 Sukru Kizilot コラム:軽油をめぐる攻防 (Hurriyet紙)

このところ、我々が最もよく取り上げる質問はこれだ。      テレビ番組や生中継の電話インタヴュー、あるいは我々と面と向かい合った方々が、こんなふうに尋ねるのだ。      「軽油は、(1リットルあたり)1新トルコリラ(*)になるんでしょうか?」      各党首脳の発言と選挙公報を見てみる。      人によって、また政党によって、そうなるかも知れないし、そうはならないかも知れない。言う人によっては1新トルコリラ未満に値が下がるらしい。国民のアタマはとってもこんがらがった。      ■(この 全文をよむ

2007-06-20 Deniz Kavukcuogluコラム:歴史は毎朝、新しく書き始められる (Cumhuriyet紙)

労働を最高の価値と認め、人間が人間によって搾取されない平和な世界、異なる肌の色、人種、宗教、言語からなる平和の園・・・      境界もなく、自由そのもの・・・      このような世界ではなかったのだろうか?我々が夢見て、求め、創造しようと切望した世界は。      かなわなかった、敗北だ。殺戮の的になった。命を死刑台にささげ、鉄格子の中や亡命先で年月を費やした。裏切り行為にあった。ひどい裏切り行為に・・・      我々の敗北、我々の死、我々の失われた年月、我々が受けた裏切りは、「歴史の終焉 全文をよむ

2007-06-18 Can Dundar コラム:誰にとってのミッドナイト・エクスプレス (Milliyet紙)

ビリー・ヘイズの名が、おとといのミッリイェト紙の見出し記事の中にあった。「ミッドナイト・エクスプレス」の本物のヒーローが罪を告白した。      「トルコは、この映画がもたらした悪い印象に相当しなかった」と述べた。これは32年遅れた弁解。ミッドナイト・エクスプレスは、ヒーローが後悔したことを正しいとするほど人種差別的な映画だった。私はここで映画以上に、ヘイズが拷問を経験し、重罪に処されることとなった出来事の背景に触れたい。なぜならばことは、いまだ現在の次元の話もあるからだ。      * * * 全文をよむ

2007-06-17 Orhan Bursaliコラム: 国民国家と資本主義 (Cumhuriyet紙)

ニュースを読んで笑ってしまった! とんでもない逆説だと思った!      ストックホルム国際平和研究所(SIPRI) が出した最新の世界軍事報告書によると、2006年、世界の軍事費が1兆2040億米ドル(米国:5827億米ドル)に達した。6月12日付ジュムフリイェト紙がそう報じている。      もっと重要なことは、最近10年間でこの軍事費が37%増えたことだ。      2002年以降、最も多くの武器を購入したのは、世界で経済成長を続ける中国、インド両国である。      「各政府の社会福祉分 全文をよむ

2007-06-17 Ercan Kumcu コラム:トルコ農業の生産性 (Hurriyet紙)

近年、トルコの産業セクターでの生産性は向上した。   経済成長の大部分は生産性の向上がもたらした。従って、経済成長は雇用には期待されたほどは結びつかなかった。   農業では、産業で見られる発展とパラレルの、同じ質の生産性向上が生じなかった。逆に、農業セクターは徐々に自らを養えない状態となり、農業における隠れた失業は都市における明らかな失業に変わった。潜在的な失業が顕在的な失業となったのだ。   トルコ経済の最も深刻な問題の1つは、農業セクターにおける生産性の低さだ。農業セクターでの生産性の低さは 全文をよむ

2007-06-16 Meral Tamer コラム:トルコの絵画、ヨーロッパへ渡る (Milliyet紙)

リスボンのちょうど真ん中にある、さまざまな種類の緑やカラフルな花々、樹齢100年の木々がまるで最も巧みな芸術家によって描かれたかのような広大な敷地の公園。そしてこの公園の美しさを基にデザインされた、天井から地面に達する大きな窓のある、自然と一体になった美術館。そもそも「美術館」という言葉では役不足である。ここは文化、芸術、学問を結集させた1つの世界なのだ。      イスタンブルに生まれ、ロンドンとパリで生活し、第2次世界大戦が起きると戦火を逃れてトルコに戻ろうとしたが、我が国が冷遇したためイス 全文をよむ

2007-06-16 Turker Alkan コラム:公正発展党は「清廉潔白」党か? (Radikal紙)

名は体をあらわす、と先人たちは言った。つまり、名前と同等の存在であるのが人間だということだ。しかし、きっと皆が皆、名が体をあらわしている訳ではない。お子さんに「チュナル」(「プラタナス」の意)と名づけ、あんなにも目を掛け(たにもかかわらず)、その果てはせいぜい「チャル」(「低木、茂み(*)」の意)のようなシロモノになるばかり。「イフェト」(「純粋」の意)と名づけると不純になるし、「イート」(「頑強、剛毅」の意)と名づけると軟弱になる。      しかし、それでもやっぱり、見栄えのよい名前をつけよ 全文をよむ

2007-06-11 Ismet Berkan コラム:参謀総長は何を望んでいるのか? (Radikal紙)

参謀総長のヤシャル・ビュユクアヌト大将は、先週の木曜日の晩にフィンランド大使館でのレセプションに出席した。ここで新聞記者たちはビュユクアヌト大将の周りを囲んでいつものように彼に質問の雨嵐を降らせた。   いつものように、と私が言っているのは、ビュユクアヌト大将はどういうレベルの記者とも笑顔で話し、質問にも必ず答える参謀総長だからだ。これまで新聞記者が参謀総長とこのような質問-返答のやり取りをこれほど頻繁に行うことはできなかった。      ともかく、やはりいつものようにビュユクアヌト大将に越境軍 全文をよむ

2007-06-11 Oral Calislar コラム:視覚障害者リハビリ・センターへの強制執行を問う (Cumhuriyet紙)

これは、短期間にイスタンブル広域市のカーディル・トプバシュ広域市長宛に私が書いた書簡の二通目である。一通目の文面では、ヤロヴァを発着する海上航路の廃止決定の凍結を求め、(航路に当たる)島民やヤロヴァ市民の要望を伝えた。ご返答はいただけなかった。      今日の書簡のテーマは視覚障害者である。行政当局が、アルトゥ・ノクタ視覚障害者協会(アルトゥ・ノクタは「6点」の意。世界的に一般的なブライユ式点字が各文字を「6つ」の突起の組み合わせで表記する「6点式点字」であることに由来する:訳者)が管轄するリ 全文をよむ

2007-06-08 Bekir Coskun コラム:人で溢れる「ど真ん中」 (Hurriyet紙)

各党は自分たちが「中道へと」移行したとおっしゃっている。      「御大(おんたい)、貴方の居場所はどのあたりで?」   「中道さ・・・」   「中道ってのはどのあたりで?」   「ど真ん中ってことよ・・・」   「・・・?」   「分かっているだろうに、我々は民衆により一層尽くさんがために出発したのだよ。いまや中道右派よりもっと中道に我々はいる。我が党が、自らを中道に位置づけた暁には、親愛なる我らが国民も、我が党本部に何をしてくれよう、そうだ、支持をしてくれようぞ。」      明らかに、右 全文をよむ

2007-06-03 解説 オズブドゥン教授: 2つのトルコがあるのだろうか? (Zaman紙)

国内外でトルコの動向を観察している一部の人々は、4 月14日のアンカラでの世俗派集会を2つのトルコがあることの表れと解釈した。この解釈は、エルドアン首相、デニズ・バイカル共和人民党党首、そしてメフメト・アアル民主党党首によって批判されたが、そうした批判は正しい。この件に関する経験的なデータを分析する前に、このような印象がなぜ生じるのかについて考えるのが適切だろう。      何よりもまず、世俗派集会に参加した何十万人もの人々のことを宗教の敵、民主主義否定者、クーデター支持者とみることが大きな間違 全文をよむ

2007-06-03 Hayrettin Karaman コラム:最大の脅威とは (Yeni Safak紙)

(『ラディカル』紙のコラムニスト)イスメト・ベルカンは、先の金曜日のコラムを次のように結んだ。「公正発展党が7月22日の総選挙でひとり勝ちではない場合、あるいは大きく議席を失う場合、クーデターの危険性は霧散する。その場合に我が国の民主主義がどういったものになるか議論することは可能であるが、少なくとも日常的にクーデターの危険が存在する状況には幕が引かれる。しかし、そうではなくて、公正発展党が勝利し、またも単独で政権をとることになれば(私見では、どうあっても今日のような多数を維持できないであろうが) 全文をよむ

2007-06-02 Turker Alkan コラム:政治的道具としてのスカーフ (Radikal紙)

ここのところ、アブドゥッラー・ギュルが(一般に)目されていたような御仁では全くなかったと私は考えつつある。あの、穏やかで笑みが絶えない、物静かで経験に富んだ、懐が深く話のわかる外見の下には別の人柄が横たわっているのだろうか?と自問しはじめた。当初遠慮がちに「では、失礼にならないように」と言って受諾するかのように行われた大統領選立候補の地位に今や彼がしっかりとしがみついていることの裏側には、(同職への)鋼のような意志と深い政治的野心が窺われる。      「いまだ大統領候補なのですか?」という問い 全文をよむ

2007-06-01 Derya Sazak コラム 終わらない論争 (Milliyet紙)

 憲法裁判所が大統領選挙の騒動に関して下した「367票の決定」を「恥ずべきこと」と結論付けたエルドアン首相は、上級裁判所に向けた批判を、しだいに激しくするスタイルで続けている。    公正発展党(AKP)のリーダーはそれ以前にも裁判所の決定を「民主主義に向けて発砲された弾丸」として結論付けた。    エルドアンの発言に対する返事がトゥライ・トゥージュから来た。憲法裁判所長官の反応は要約すると以下のようなものである:   「この決定が、学問的レベルで法的観点から批判されることはあっても、現代民主主 全文をよむ

2007-05-31 Ergin Yildizogluコラム:「重要なのは変革することである」、しかし・・・ (Cumhuriyet紙)

そうだ、マルクスが強調したとおり、「これまで哲学者たちは世界をただ解説してきたにすぎない。重要なのは世界を変えることなのに」。しかし、我々が変えようと志す世界を全体として「考えることができなければ」、変革のチャンスも大きく減少する。さらには変革どころか、改めて現況の強化に貢献してしまうことがある。      重要なのは「経済」だが、しかし・・・      コルクト・ボラタウ氏が5月27日の記事で「我らが世界の現状」を赤裸々に提示している。「支配階級の課題は、資本の無限支配に対して過去に設けられた 全文をよむ

2007-05-30 Mustafa Kutlu コラム:都市にいる村人 (Yeni Safak紙)

都市を農村から区別する最も重要な要素はヨーロッパ的な意味では農業と産業であるに違いない。産業(化)以前の都市はまた別の問題である。      話題を我が国に移せば、問題はごちゃごちゃの状態になっている。なぜなら我が国にはヨーロッパ的な意味での産業化はなかったからだ。      我が国の古い都市は、今から50、60年前まで農業や自然と断絶してはいなかった。したがって村人と都市民との間の根本的な違いについて言及するのは困難だった。      これはもしかしたら我が国の近代化の歴史のもたらしたヨーロッ 全文をよむ

2007-05-26 Ilhan Selcuk コラム:PKK(クルド労働者党)は帝国主義の手先である (Cumhuriyet紙)

凡人が抽象的な概念を理解するのは容易ではない。   例えば「帝国主義」がそうだ。      一般人に「帝国主義」を理解してもらおうと思っても困難だ。   しかし、その抽象的な概念が具体化し、目の前の現実となることがある。      *      帝国主義は中東において手を伸ばせば掴めるほど具体化している。   イラクを見よ!   アメリカ帝国主義が隣国を食い荒らしている。   片方の手をイスラーム教徒のアラブ人の首にかけ、   もう一方の手を油田のバルブにおいている。      帝国主義は無知な 全文をよむ

2007-05-25 Turker Alkan コラム:ブーイングの相手は?―「かつて」のデミレル?「今の」デミレル? (Radikal紙)

(イスタンブル・)ビルギ大学の20歳の意気軒昂な学生。彼の目の前に居るのは、齢80を過ぎた(スレイマン・)デミレル。何度も首相を務め、大統領を務め、クーデターを目撃し、コトの当事者であった御仁。この若者がデミレルから学ぶようなことは何ひとつない、と言えるだろうか?   しかし、若者はいきり立って言い放った。「私の祖父はアンタの言うことに耳を傾けた、父だって、私だって。もうたくさんなんですよ!」   二律背反とは、まさにこのことに違いない。我々国民は、デミレルの話に耳を傾けるべきではない時に彼の話 全文をよむ

2007-05-24 Cuneyt Ulsever コラム:公正発展党(AKP)分析 -3- (Hurriyet紙)

昨日私が書いたように、シェリフ・マルディンの次の指摘はとても重要である。      「トルコには「街区の圧力」というものがある。青年トルコ人の最も恐れたものの1つがこれであった。「街区の圧力」とは知られていない、社会科学によって説明することが非常に難しい1つの雰囲気である。この雰囲気がAKPとは関係なくトルコに広まったと信じている。したがってAKP以外の党でも、この雰囲気の広がりに適した条件が整えば、そのときAKPもまたこの雰囲気に屈服せざるを得なくなるだろう」(ヴァタン・キタップ ルーシェン・ 全文をよむ

2007-05-24 Ilhan Selcukコラム:国民化すること (Cumhuriyet紙)

首都で爆弾が爆発した。      都市の真ん中で。      死者に・・・負傷者・・・。      初期見解によれば事件はPKK(クルド労働者党)の仕業のようだ。   戦慄を覚え、反発を感じ、激怒にかられ、アンカラの中央で何人もの無防備な人々を攻撃するテロリストに対して敵意を覚え、防衛本能でどうする必要があるのかを考えること。   これらはすべて自然なことだ。      *      しかし、トルコが陥っている状況を現実的な観点から見ないで通り過ぎるわけにはいかない。   パレスチナで人々が死ん 全文をよむ

2007-05-23 Cuneyt Ulsever コラム:公正発展党(AKP)分析 -2- (Hurriyet紙)

昨日の記事で私は、AKPが2004年にEUへの道からそれたのち、特に2004年の地方選挙後にレーニンの「毛細血管理論」によって構築した組織化のモデルをトルコで最もよく実行しているミッリーギョルシュに引き渡し、この日を境にAKPの基盤の大部分が彼らの手に渡ったことを明らかにした。      ミッリーギョルシュはトルコで「街区政治(地域密着型政治)」を最もよく広めた組織として、直接のプロパガンダの代わりに「社会政策」を前面に掲げ、頭より先に心に訴えかける。      ***      先週(2007 全文をよむ

2007-05-22 Cuneyt Ulsever コラム:公正発展党(AKP)分析 -1- (Hurriyet紙)

トルコにおける民主主義の基本的問題の1つは、1950年以来政治の“駒”がしばしば居場所から移動することであり、移動すると元の場所になかなか落ち着かないということである。   実際、駒は1990年代にさらに1度移動し、未だに本来の場所に定着していない。      政治の古典的な鋳型によれば、我々は政党を頭の中で作り出した真ん中(中道)の右と左に置いている。中道に最も近い政党が中道右派と中道左派を構成し、一方が経済成長に、もう一方が所得分配に置いた相対的重要性によってこれらの政党の一般的な性格が定義 全文をよむ

2007-05-21 Can Dundar コラム:ビキニと世俗主義 (Milliyet紙)

女性たちが何を着て何を着るべきでないかの議論が男性たちの間で続いている。   毎年夏前になると、我々は同じビキニメーカーの同じ写真が同じ広告パネルに掲げられることが国民の倫理を破壊し、世俗主義に打撃を与えるか否かを延々話し合っている。   「この写真の女性はとても露出が多い」と言う役所の男性は、「あなた方にかかれば(体の)全てを覆ってしまうんでしょう」と言うアパレル屋の男性と口論になる。   我々はといえば、21世紀にいまだ「体を覆い隠す」問題にはまり込んだままでいることに恥ずかしさを感じている 全文をよむ

2007-05-20 Mahfi Egilmez コラム:トルコにおける中道右派と中道左派 (Radikal紙)

右派と左派の極端な立場を脇に置いておくとすれば、中道左派には社会民主主義が、中道右派には自由民主主義がある。トルコに限って見れば、中道左派の位置には共和人民党(CHP)と民主左派党(DSP)が、中道右派の位置には正道党(DYP)と祖国党(ANAP)があるのが分かる。ヨーロッパでは右派から(政治的)中道への近さ(距離)は民族主義や伝統に依拠した保守主義によって測られるのに対し、トルコでは主に世俗主義への態度によって測られる。左派から中道への距離は、ヨーロッパでもトルコででも、主に経済観のグローバル 全文をよむ

2007-05-20 Hakki Devrim コラム:「誰に投票すればいいかな?おじいちゃん」―有権者一年生の孫娘との約束 (Radikal紙)

好きで、新刊が出ればすぐさま手に入れるような作家が全ての年代にいる、とか。舞台やスクリーンで観たくて仕方がなくなるような俳優がいる、とか。毎朝、そのコラムを読まずにいられないようなコラムニストがいる、とか。観るのに嫌気がさして、もうこれっきりにしたいスポーツ選手がいる、とか。その行動を追いかけずにいられない歌手がいる、とか。   私の孫のなかでいちばん末にあたるエリフの問いが、今回は、上に述べたような事柄についてではなかった。こんな問いに応じることになると予想できていなかったことに、実を言えば、 全文をよむ

2007-05-19 Taha Akyol コラム: 一つの出来事に二つの反応 (Milliyet紙)

国会議長ビュレント・アルンチ氏とCNNトルコで私が行った対談に関して、1つはエミン・チョラサン氏が、もう1つは最古参の新聞記者ハック・デブリム氏が文章を書いた。    メディアの治安警察を自任する、神学校出のように偏屈なチョラサンを対話者として私はみなさない。しかし、テーマがCNNトルコについてであるため、説明をした。そして、ヒュッリイェト紙の発行総責任者であるエルトゥールル・オズキョクに送った。適切な形で公表されることと思う。    このテーマについて読者の皆様方にもお知らせしたい。   「 全文をよむ

2007-05-19 Fikret Bila コラム:「左派連合」に対するバイカル共和人民党首の考え (Milliyet紙)

共和人民党(CHP)のデニズ・バイカル党首は、CHP-民主左派党(DSP)の選挙協力の決定は非常に有意義なものであると述べた。朝の散歩の最中に彼が道で出会った誰もが例外なくこの決定を拍手をもって迎え、祝福したという。CNNチュルクで昨日ムラト・イェトキンと私がゲストに招いたバイカルは、CHPとDSPの間で過去に起きた分裂の生み出した険悪な雰囲気は、(今回の選挙)協力の決定によってたちどころに消えたという考えだ。      ■協力を超えた「共同行動」見越す      バイカルはDSPとの選挙協力を 全文をよむ

2007-05-17 Turker Alkan コラム:道具、手段、あるいは乗り物としての宗教! (Radikal紙)

エルドアンさんは一種の「道具/乗り物」(解説参照)の苦痛の最中にある。民主主義は道具で、世俗主義は道具で、ひいては(神よゆるし給え)宗教さえも、彼にとっては道具である!「選挙ひとつに、神は、なんといろいろな道具を出されることよ!」と私は言わずに居れなかった。      問題は全て、(かつてエルドアン首相が行った)「民主主義は路面電車のような一種の乗り物である。降りたい停留所で我々は降りるのだ」という発言に端を発する。そもそも、このような比喩は福祉党所属の人々にとっては、ちっとも新奇なものではなか 全文をよむ

2007-05-05 Hasan Cemal コラム:銃剣の陰に民主主義はない! (Milliyet紙)

真夜中に出た4月27日の(軍部の)警告を大目に見ること、なんだかんだと正当化すること…。      ある者は知りつつ、意識的にこれを行っている、つまり、軍部の介入を支持している。ある者は知らずに、無自覚に行っている。      第一グループの人たちを問題にしない。警告をはっきりと支持する人々は実際、少数派である。世論でもそうだし、メディアでも同様だ…。これに対するメディアの全般的な雰囲気も、(新聞のコラム)コーナーと論調も、軍部の介入を快くは思っていなかった。      真夜中の警告を未消化の人 全文をよむ

2007-05-03 Gungor Uras コラム:共和人民党よ、頭を冷やせ、正気に戻れ! (Milliyet紙)

野党第1党の共和人民党(CHP)は何を求めていたのか?(与党とは)違った経済政策や社会政策があってそれを擁護していたのか?いや、単に「公正発展党(AKP)政権はひどい。彼らに退いてもらって、我々が政権を担おう」と言っていたのだ。      タイイプ・エルドアン(首相)に大統領になるなと言い、アブドゥッラー・ギュルが大統領になるのを阻止する一方で、(CHPには)彼らの代わりに大統領によりふさわしい候補がいただろうか?いや、単に「彼らが(大統領に)ならないように」と言っていたのだ。      早期選 全文をよむ

2007-05-03 Emre Kongar コラム:現実のトルコと「仮想の」トルコ (Cumhuriyet紙)

親愛なる読者の皆さん、ジュムフリイェトの編集方針は、本紙だけを読んでトルコの重要な問題について後をたどることのできる機会を読者に提供する、という原則に基づいて定められた。このため、他のどのメディアにも載っていない(あるいは載せられない)ニュースを皆さんに提供するとともに、販売部数の多い新聞のスクープ記事もコンプレックスを抱くことなく、次の日であっても新たな展開を付け加えて載せている。この原則に合うものとして、今日の私のコラムではまず2つの新聞に掲載されている2つの記事について取り上げようと思う。 全文をよむ

2007-05-02 Taha Akyolコラム:法と選挙 (Milliyet紙)

非常に多くのご意見を頂いている。民主主義だと拍手喝采する人々、政治的反動とののしる人々。政治的二極化の時代はこのようになる、白か黒か!    しかし、社会や政治の現実は常にとてもカラフルだ;白と見ることも黒と見ることも必ずや部分的な盲目を生みだす!    エーゲ大学のある教授は以下のように発言している:   「私にとって最も重要なのは共和国である、これがなければ法も何もなすことは出来ない。私が(憲法裁判所の)裁判官だったならば、下す判断が法的であるかは全く考慮さえしなかっただろう。私の決定は共和 全文をよむ

2007-05-01 Oral Calislarコラム:諸々の政治的展開 (Cumhuriyet紙)

もはや日々の展開を前もって分析することも、予想することも不可能にみえる。そもそもそれが必要だとも思わない。重要なのは長期においてどのような「トルコ」が現れるかだ。先に「総選挙の早期実施」が見えてきているので、この前倒し総選挙の後で我々が何に遭遇するかが重要になってきた。      憲法裁判所が定足数367の条件を必要とみなせば、それは「総選挙の早期実施」を意味する。必要だとみなさなくても、近い将来において総選挙の早期実施はやむをえないと思われる。前倒し総選挙があるという前提で今後を考えるのが筋だ 全文をよむ

2007-04-29 Hasan Celal Guzel コラム:国民の意思を踏みにじるのか? (Radikal紙)

親愛なる読者のみなさん、私にはこの日曜日がひどく憂鬱だ。トルコは、またしても、堂々と新たな問題に―求められるがままに―引きずり込まれていく。国民の意思に敬意を払わない人々は、法をゆがめて捻じ曲げて、司法判断をいたずらに行使しては、専横と強制によってトルコ大国民議会の大統領選挙を阻もうと努めている。いつの場合でもそうであるように、国民の意思の後ろ楯を得られない人々は、「司法の寡占(状態)」の助けを見込んでは、国民主権を亡き者にしようと尽力しているのだ。      ■「367」という数字の無意味さ  全文をよむ

2007-04-28 Derya Sazakコラム:大統領選出に必要な367票の危機 (Milliyet紙)

 大統領選出にあたっての第一ラウンドは「367票の危機」と共に始まった。晴れたアンカラの環境。トルコ大国民議会の15時の開会前に裏手でフィクレト・ビラと共に私達はいた。    ある人はやって来て、ある人は通りすぎる…記憶は1980年の春に連れていく:(第6代大統領)コルテュルクの後、空席となる大統領を選ぶための堂々巡りが始まった日々に…六ヶ月続いた無駄な堂々巡り!トルコは一歩一歩クーデターに引きずり込まれている時、人々は(当時の国民的女性シンガー)アジダ・ペッカンにうつつを抜かしていた。     全文をよむ

2007-04-28 Murat Yetkinコラム:大統領選を司法の判断にゆだねること (Radikal紙)

議会は昨日、トルコの第11代大統領を満場一致で、最初の投票で選出するはずだったが、そうはならなかった。共和国史上初めて、大統領選が司法に委ねられた。この状況はトルコ民主主義とトルコ大国民議会の観点から残念なことであると、最初に述べる必要がある。共和人民党(CHP)が、憲法裁判所に起こした提訴の意味する所は、ある見地からは「我々は議会総会で何人いたのか数えられなかった、あなた方が判断して下さい」という事であり、別の見地からは、「我々は今後185人の議員が、550人の議会の大統領選にとって障害になり 全文をよむ

2007-04-26 Mumtaz'er Turkone コラム:「新時代」を迎えて何が変わるのか? (Zaman紙)

我々は「大統領になるのは誰か?」という問いをめぐる論争を、ほぼ1年にわたって繰り広げてきた。バイカル(共和人民党党首)がアブドゥッラー・ギュルが(大統領)候補になることに対して示した反発は、「死を見てマラリアを受け入れる」人の気持ちを反映している。一方でもちろん「タイイプ・エルドアン(首相)が大統領になることを防いだ」ことの美酒に酔った状態でもある。公正発展党(AKP)執行部の採った戦略と(大統領候補選出過程に伴う緊張を)解きほぐした相次ぐ戦術が成功を収めたことは明らかだ。(我が)国はカオスに陥 全文をよむ

2007-04-23 Can Dundar コラム:ノクタ誌、終止符はうたれたのか (Milliyet紙)

1986年1月の最終週のことだった…。   ノクタ(雑誌)のアンカラオフィスで私は働いていた。今は亡きエルジャン・アルクルが編集責任者を務めたこの雑誌はすばらしいメンバーに恵まれ、毎週世間を沸かせるような記事で最新ニュースを伝えていた。      ちょうどその頃、私はロンドンで6ヶ月勉強するための奨学金を得た。飛行機で私の隣にはエルジャン氏がいた。「来週すごいニュースを載せるよ。残念だが君は逃してしまうね」と彼は言った。      「特ダネ」とは、拷問していた警官の告白のことだった。拷問の一部始 全文をよむ

2007-04-22 Fikret BILAコラム:「大統領候補問題おさらい―想定外の候補、想定内の候補」 (Milliyet紙)

首都アンカラの舞台裏では、大統領選の候補となりうる名前が飛び交い続けている。   一方でこれら挙がっている名前について肯定的、または否定的な議論が続いているが、その一方ではエルドアン首相の発言や行動が注目されている。   ここのところの首相の発言、すなわち「サプライズがあります。皆さんはショックを受けるでしょう。」といった内容の発言について、いくつかの憶測が書きたてられている。      エルドアン首相のこのようなメッセージは、現在挙がっている以外の候補者はいない、という方向で解釈されており、首 全文をよむ

2007-04-15 Turker Alkan コラム:テレビ発明以前のはなし (Radikal紙)

電池式のポータブル・ラジオが登場した時には、それが一種の革命のように思ったものだ。もはや、ラジオ放送は、山や丘で世界から隔絶された生活を営んでいた村人にも届くはずだった。村人は、読み書きができなくても、世情に通じることができるはずだった。第三世界の民衆は反乱を起こすはずだった。様々な騒乱は次から次へと続いていくはずで、土地を持たない村人や、支配されていた民衆は反旗を翻すはずだった。その筋書きについての多くの本や論文が書かれ、様々なことが語られた。ひょっとすると、1960年代や1970年代における 全文をよむ

2007-04-14 Hasan Cemal コラム:トルコ自身の問題に目を向けよ-参謀総長談話とノクタ誌捜索に関し (Milliyet紙)

トルコを分割し分裂させようと望むのは、EU、米国、バルザーニ(イラクのクルド地域政府代表)などの外部勢力…。ヤシャル・ビュユクアヌト参謀総長が一昨日(12日)の記者会見で言及したこの問題を、昨日の私のコラムではとても手短に解説をおこなった。      ビュユクアヌト大将のこうした見解を基づいて、(私なりに)いくつかの問答を要約的に展開してみよう。      (1)トルコ共和国の政治が当初から正しかったのであれば、例えばこの国で29のクルド反乱は発生したでしょうか?      そうは思いません。  全文をよむ

2007-04-14 Resul Tosun コラム:危機的なのは共和国ではなく共和人民党 (Yeni Safak紙)

今日(4月14日)、アンカラで集会が開かれる。共和国を守る集会だ。この集会の主催者を支持する人々や参加者に目をやると、そこには国民に立腹している勢力がいるのがお分かりになるだろう。国民の選んだ政権に立腹している勢力をご覧になるだろう。司法に立腹している勢力をご覧になるだろう。在任時には国民の意思に反する不法行為を抑えることができず、今は引退した人々をご覧になるだろう。野党第1党として国会で(国民を)代表する共和人民党(CHP)をご覧になるだろう。      こうした人々は、国民が覚醒すると共和国 全文をよむ

2007-04-14 Taha Akyol コラム:キルクークはイラクの都市だ! (Milliyet紙)

ヤシャル・ビュユクアヌト参謀総長は、政治的命令がある場合には、軍はテロに対して「越境作戦」を行う軍事力を「十分に」保有していると述べた。テロとの戦いの文脈で言及したにもかかわらず、アメリカもEUも(これに対し)「外交上の言葉で」異議を唱えた。   「干渉する者の手を切り落とす」というイラクのマシュハダニ国会議長の発言は、完全に遊牧民のたわ言であった。イラクでは大統領はクルド人(タラバーニー)、首相はシーア派アラブ人(マーリキー)、国会議長はスンナ派アラブ人である。マシュハダニはスンナ派であるにも 全文をよむ

2007-04-12 Cengiz Candar コラム:「連邦国家」イラク ―トルコはどう付き合うべきか? (Hurriyet紙)

トルコで最も広く蔓延している病気の筆頭格である「知識を持たずに考えの持ち主になる」病。その影響が最も顕著に現れているのがイラク問題である。      特に我が国で北イラクと名付けられ、イラク・クルディスタンが含意させる地域、すなわち我が国の国境の奥に位置し、トルコがイラクと直接接している地点で、地域の経済活動の屋台骨がトルコ人の実業家の何十億ドルという金額に上る協定によって支えられているにもかかわらず、トルコの世論と政治エリートが持っているこの地域に関する知識はごくわずかである。      私は 全文をよむ

2007-04-11 M.Ali Kislali コラム 大学の政治における先導 (Radikal紙)

 軍が憲法共和国体制にどれ程結びついているか、このアタテュルクの遺産である体制を守るためどれ程決定的であるかは疑いがない。しかしトルコの共和国制度を基本的な性質と共に維持できることは、ただ市民社会や国家が、他の重要な機関がこれらの基本を守るという決心にも結びつく。特に今日EUが―民主主義を、それらの国々が我々の国に全く似ていない条件の中で持っている国々―軍が憲法体制を守ることに疑いの眼差しを向ける時、市民団体の用心深さはより重要性を増す。    今日に至るまで残念ながら、憲法体制を受け入れた民 全文をよむ

2007-04-09 Yildirim Turker コラム:実のところ我々は何者なのか? (Radikal紙)

コンダ(調査コンサルタント会社)が実施した「我々は何者なのか」と題された調査は、一部の人々を怒らせてしまった。      市民組織の中には、『ミッリイェト』紙が調査結果を公表する一連の記事を、差し止めさせようと裁判沙汰に至るところさえあった。問題はこういうことだった。5万人を対象とした徹底的な調査の結果、トルコは確固とした一体的な存在として立ち現れてこなかったのである。      この国のあらゆる人間にとって、「我々は何者なのか?」という問いは、世界の他の多くの人々に比べて、より一層、頭痛の種で 全文をよむ

2007-04-06 Fikret Bila コラム:大統領選、エルドアンが立たなければ誰のチャンスが広がる? (Milliyet紙)

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、大統領職への立候補について市民社会組織から意見を聞くため、一連の会談を行う。      最初の会談を昨日、トルコ労働組合連盟(Türk-İş)のサリフ・クルチ書記長と行った。クルチは会談後、「中立な」大統領を求めたことや、(社会に)緊張が生じることなく選挙の過程が完了することを重視していることを明らかにした。同書記長は、以前にも(大統領は)「幅広い集団の中に浸透できる人物」と定義付けていた。   トルコ真の労働組合連盟(Hak-İş)は、「大統領選挙が体制の 全文をよむ

2007-04-05 Fikret Bila コラム:依然解けないエルドアンの大統領選「立候補パズル」 (Milliyet紙)

大統領職のための立候補の届け出は4月16日に始まって4月26日に終わる。届け出期間の開始まで間近に迫ったにもかかわらず、エルドアン首相が立候補するか否かは不明だ。エルドアンは、立候補に関して態度をほのめかしていない。4月15日まで公正発展党(AKP)としてこの件で何も発表しないということを以前に通知していた。      「立候補パズル」は続いている。エルドアンの発言を解釈しながら立候補するかどうかの推測が行われている。(だが)今日時点で候補に「なる」、あるいは「ならない」という判断に達することは 全文をよむ

2007-04-04 Haluk Sahin コラム:インターネット検閲で忍び寄る言論統制 (Radikal紙)

あなたが砂漠のほとりにある一軒の家に住んでいるのなら、砂粒から解放されるのは難しい。あらゆる機会を捉えて、特に嵐の時期には道や穴や隙間やひびを見つけてそこから入り込んで、全く思ってもみない(部屋の)隅々に届く。ロクマ(※一口ドーナツのようなお菓子)を噛んだとき、がりっという音が... 砂はそこにも入り込むことができたのだ。      表現の自由の禁止という観点から見て、トルコはこのような(=砂漠のほとりにある家と同じような)位置にある。我が国の肥沃な大地の上のあるいかなる種類の異なった考え方も、 全文をよむ

2007-04-04 Ece Temelkuran コラム:穏健なイスラーム国家へと突き進むトルコ (Milliyet紙)

行政裁判所第8局のメンバーはお疲れさまでした!-内務省が作成し、タイイプ(・エルドアン)首相が必死になって擁護していた「赤い点」政策が却下されたのだ。   内務省は、お酒が街のどこでも飲めることに対して不快に思っていた。アッラーが他の苦しみをお与えにならないようにと... このため(内務省は)各自治体がお酒の飲める場所を地図上に赤い点で示した「ゲットー」に制限すべきと考えていた。だが、トルコにおける「陥落しない最後の砦」である司法は、この「アルコールゲットー化」計画に待ったをかけた。万一内務省の 全文をよむ

2007-04-03 Ismet Berkan コラム:選挙は「占う」ものなのか? (Radikal紙)

その大方を人は覚えていないが、かつて西側のメディアや西側の情報機関では、「クレムリン学者」と称される人々が勤務していた。私は今になって思うのだが、アメリカのコンドリーザ・ライス国務長官も、彼女のキャリアを「ソ連学者」として始めたので、一時期、私的な「クレムリン学者」を務めたことがあった。      では、「クレムリン学者」とは何を意味していたのだろうか?ソ連は閉鎖的な国家であり、また閉鎖的な体制でもあったため、今からすればニュースの価値がないような事柄、特にソ連の指導者に関する情報の断片が、大き 全文をよむ

2007-04-01 Abdullah Aymaz コラム:失業率改善のお手本となるアイルランドモデル (Zaman紙)

アイルランドをあちこちまわりながら、この国の経済状況についても情報を集めている。      トルコでは2001年危機の後に経済が順調に成長している一方で、11パーセント前後で推移する失業率の改善では、IMF(国際通貨基金)との取り決めや予算不足から投資に資金を回すことができなかったため残念ながら大きな成果を上げられなかった。しかしながら、世界には慢性的な失業に苦しめられながら、一方で短期間で非常に大きな成功を収めたお手本となる国々がある。こうした国の1つがアイルランドである...      トル 全文をよむ

2007-04-01 Soner YALCIN コラム「ヨーロッパ人のトルコ・イメージ」 (Milliyet紙)

Soner YALCIN コラム「ヨーロッパ人のトルコ・イメージ」   2007年04月01日付 Milliyet紙      ミッリイェト紙とコンダ(調査コンサルタント会社)が共同で行った「我々は何者なのか?」調査は、トルコ人の間に大きな反響を生んだ。      さて、ヨーロッパの人々にとって「我々は何者なのだろうか?」。ヨーロッパにおけるトルコ人のイメージはどのように生まれたのだろうか?トルコ人のイメージは、時間の経過の中で、どのように形作られてきたのだろうか?そして、今日ヨーロッパにおいて 全文をよむ

2007-03-31 Derya Sazak コラム セゼル現大統領時代 (Milliyet紙)

5月16日で7年間の大統領任期が終わるアフメト・ネジュデト・セゼルを歴史は世俗的な共和国に結びついた、譲歩しない、そして尊敬される一人の「法律家」として思い出すだろう。   セゼルはこの人間性を「宣誓式」のため国会に向かった最初の日に示した。   大統領の最初の命令は一般の国民のように自分を運ぶ公用車が赤信号で停止することだった。セゼルは自らを憲法裁判所長官からチャンカヤ(の大統領公邸)に連れた国会議員達に以下のように呼び掛けた:   「法律の上に位置する人間などいない;法律の優位性という原則に 全文をよむ

2007-03-30 Derya Sazak コラム デミレル元大統領:後ろは見ない (Milliyet紙)

 第8代目大統領トゥルグト・オザルが1993年4月17日に「突然」死亡したので当事の首相スレイマン・デミレルにチャンカヤ(訳者註:大統領公邸のこと)への道が開かれた。    デミレルは正道党―社会民主人民主義党連立期の首相であった。1991年総選挙では、祖国党にやりきれなくなった、「私達を助けてくれ、オヤジ!」と言う有権者達の票で第一党の座に躍り出て、(エルダル)イノニュの社会民主人民主義党と連立した。このようにして、9月12日(1980年軍事クーデター)以前のトルコを危機から救う公式であった、 全文をよむ

2007-03-29 Taha Akyol コラム:国内移住と社会統合 (Milliyet紙)

トルコで最も深刻な社会問題は国内移住だ... 100年遅れではあるが、我が国は大変光栄なことにこの50年間都市化を経験している。史上初めて農村社会から脱し、田畑への従属から解放されようとしている。このプロセスが遅れてしまったために、急速に、まさに各都市に人が次から次へと積み重なっている状態である。インフラは十分でない。農村出身の、教育や社会適応能力の不十分な何百万人という人々が都市の郊外に集積している。   失業と経済的生産性の低さ(の問題)以外に、文化的・政治的危機もこの変化のプロセスで生じて 全文をよむ

2007-03-27 İlhan Selçuk コラム: この国に優勢な「非愛国」 (Cumhuriyet紙)

土曜日(3月24日)の『ジュムフリイェト』紙1面の下段2番目のニュースの題名はこういうものだった。      「テロの罠;3名殉職」      「ディジレ県で陸軍車両が道路に埋められた地雷を踏み、兵士2名も負傷」      「テロ組織PKKが道路上に埋めた地雷が、またも兵士の家庭(の平穏)に炎を放つ」      その他の各紙はどのように報じたのか?      ご自身で探して見つけていただきたい!      *      月曜日の『ジュムフリイェト』紙は、殉職した兵士たちが、悲しみに沈んだ葬儀によ 全文をよむ

2007-03-24 Türker Alkan コラム:新時代に際したとまどい―脳と「宗教」の関係性 (Radikal紙)

人間は生物学的な一種の機械なのか?肉でできたある種のコンピューターなのか?      こういった問いを今後より一層問うていくことになるだろう。なぜなら、テクノロジーは、急速に向上しており、多くの問題について、人間が神の力によって創られたわけではなく、進化よって実現した高等な機械であると主張するのがもっともだと示す結果を明らかにしているからだ。      例えば、数ヶ月前、人間の思考力によってコンピューターを(遠隔)操作することに成功した。救いようがないほどの唯物論者である友人のひとりはこう言った 全文をよむ

2007-03-23 Taha Akyol コラム:種々のアイデンティティと人口調査 (Milliyet紙)

世俗的なトルコは、いつの時代でも人々の宗派(宗教)を問うセンサス(人口調査)を行ってこなかったが、しかし1965年まで「母語」を問うセンサスは行ってきた。   今日我々の手には、アイデンティティ(自分は何人・何系であるか)に関するセンサスの数値はない。(そのため)種々の推測や願望に応じた数値が示されているのだ。   公的なセンサスにおいて母語をクルド語とした人の割合は、1965年までは約8%だった。その時代には経済的、社会的構造に重要な変化がおきていなかったので、この状況が定着したのは当然である 全文をよむ

2007-03-18 Haluk Şahin コラム:詩の効用―3月21日世界詩歌記念日を前に― (Radikal紙)

人生とは一方では喪失のプロセスである。何が本当に重要で、何が重要でないのかを、生きていくうちに我々は学び取っている。日々の生活のあらゆる局面で火花が飛び散り、炎が燃え立つけれども、個々の精神のなかにあるボイラーでは、ひとりでに、ある種の蒸留作用が絶えることなく進んでいる。      ぽた・・・ぽた・・・ぽた・・・      蒸留器から滴りおちるのだ、蒸留を経た液体が、混じり気のない純水が。   人によっては、歳を重ねるにつれ、財産や権力欲、功名心の無意味さを悟りはじめる。賢明な人は、この問題につ 全文をよむ

2007-03-14 Taha Akyolコラム:またも高揚するナショナリズム―「アタテュルク主義、民族主義」関連公刊書籍点数の推移から― (Milliyet紙)

アタテュルク主義と民族主義に関する書籍の出版数がはっきりとした形で増加している。国立図書館のトゥンジェル・アジャル館長は、大まかな傾向として、「危機の数年間におけるアタテュルク主義や民族主義について扱った書籍(の出版)が大きく増加している」と語っている。   「アタテュルクとアタテュルク主義」や「民族主義と国民主義」をテーマとし、国立図書館の蔵書に加わった書籍の数について、「5年毎の平均刊行冊数」を合計すると、次のような一覧が明らかとなる。      ①1970年~1979年 93点   ②19 全文をよむ

2007-03-14 Fikret Bilaコラム:北イラクへの軍事介入議論 (Milliyet紙)

トルコの北イラクへの軍事介入は頻繁に議論されているテーマである。   もちろん軍事作戦を世論で議論して行なうことはありえない。しかしこのテーマは、トルコとアメリカとの間の「口論のタネ」であるかのように世論に提示されている。       ■軍事介入―軍事作戦   まず、諸概念からみていくことにしよう。   「軍事介入」とは広義且つ、より永続的な、政治的な結果を生み出す概念である。   一方、「軍事作戦」とはより狭義的な、そしてテロとの戦いに関する具体的な目標を示す主張。トルコの北イラクへの軍事介入 全文をよむ

2007-03-14 İsmet Berkanコラム:アルメニア―トルコ間の歴史共同研究、頓挫の背景にあるもの (Radikal紙)

このコーナーで以前お伝えしたように、イギリスで設立された重要なアルメニア研究機関のひとつ、ゴミダス研究所のアラ・サラフィアン氏とトルコ歴史協会会長のユスフ・ハラチオール教授が共同研究を行う目的で連絡を取っていた。おそらく皆さんもご存知と思うが、先週記者会見を開いたトルコ歴史協会会長のハラチオール教授は、共同研究はできなくなったと公表した。      この会見のあとで誰も残念がっていないのは実に興味深いことだ。トルコとアルメニアの歴史家が一緒に1915年以降にアナトリアで起きたことを調査しようとい 全文をよむ

2007-03-07 Haydar Ergulen コラム:「私たちは皆ジプシーだ!」宣言のすすめ (Radikal紙)

DNAテストはファシズムの根を枯らすだろうか?「イスラーム教徒と黒人は我々の伝統をめちゃくちゃにしている」と言ったオーストラリアのファシスト政治家であるポーリン・ハンソンの遺伝子が「不完全」であることが分かった!イギリス系とアイルランド系住民の賞賛を受けているこのファシストが、DNAテストによって(遺伝子の面から)9パーセントが中東人、32パーセントがイタリア人、ギリシャ人あるいはトルコ人、59パーセントが北ヨーロッパ人であることが判明した。国内(=トルコ)のファシストもDNAテストを受ければ、 全文をよむ

2007-03-06 Hasan Cemal コラム:オザル、デミレルの次にチャンカヤに上るのは... (Milliyet紙)

我々が使っている政治用語で「チャンカヤ(※1)」というとき、大統領府を意味する。   チャンカヤにはもう1つのコードネームがある:「海抜864メートルの丘」だ!   今、誰もが問うている:エルドアン首相は海抜864メートルの丘に上る(=大統領になる)のだろうか?   7年ごとに1回そうであるように、政界は(今回も)やはりこの問いで持ち切りである。政治の舞台裏では(いまだ)はっきりとした情報が掴めない状況だ。      14年前だった。   1993年4月18日。   トゥルグト・オザル大統領が急 全文をよむ

2007-03-03 Altan Öymen コラム:なぜ「フォーク」について語るか?―「右手で食べよ」のハディースに思う【下】― (Radikal紙)

「フォークと手」についての私のコラムには少なからざるコメントが寄せられた。問題を重要だと考える方もあれば、他愛のないことだとして、私に「こんな些細なことにどうして血相を変えるのか?」とおっしゃる方もいる。   そもそも、私にしても、このようなことを真剣に捉えるべきではないと思っている。けれども、イスタンブル県宗務局のような国民にとって大きな影響力をもつ機関は、そうは考えていない。この問題を説教に取り上げた。説教原稿を書く役を担ったイスマイル・イペキ氏は「ナイフを右手に、フォークを左手に持ちながら 全文をよむ

2007-03-01 Altan Öymen コラム:フォークを持つ手は右か左か?―「右手で食べよ」のハディースに思う【上】― (Radikal紙)

食事をするときフォークを持つのは右手なのか?左手なのか?・・・昨今の問題のひとつはこれだ。   コトは、イスタンブル県宗務局が用意した説教でテーマに取り上げられた。説教を作成した委員会メンバーのひとり、イスマイル・イペキ氏は、『ヒュッリイェト』紙に対して行った会見で、右手で食事をするのがハディースの定めるところであるとし、以下のように語った。   「礼儀作法だからと言ってナイフを右手に、フォークを左手に持ちながら食事するのはふさわしくありません。この食事の作法は西洋の習慣です。我々に関して言えば 全文をよむ

2007-02-28 Taha Akyol コラム:「ジェノサイド」の要件示したボスニア虐殺の判決 (Milliyet紙)

ボスニア・ヘルツェゴビナのイスラーム教徒が犠牲になったジェノサイド(大量虐殺)は世紀の恥ずべき事件であった。メフメト・アーキフ(※)の言葉を借りれば、ヨーロッパの「仮面を付けた良心」はこの惨事を傍観し、クリントンによる北大西洋条約機構(NATO)(軍)の出動でようやく収束させることができた。   ハーグの(国連)国際司法裁判所は、2月26日に「ジェノサイドを行ったこと」ではなく、「ジェノサイドを防げなかったこと」についてセルビア政府の責任を認めた。良心がそれほど傷つけられたので、この判決がイスラ 全文をよむ

2007-02-28 Fikret Bila コラム:矛盾に満ちた北イラク融和説 (Milliyet紙)

北イラクに関連して主張されるようになったシナリオの1つが「よい隣人関係」、さらには「パトロン関係」を築くというシナリオである。   このシナリオは、経済を軸とするものである。北イラクに位置するこの地域を経済的にトルコと結びつけるという説に基づいている。海への出口を持たない北イラクがトルコ経由で世界市場にアクセスできるようになり、また経済インフラと物流機能もトルコからまかなうことができるという考え方を基盤とする。   この説には議論すべき面があるのと同様に正しい面もある。   この考えを基に、トル 全文をよむ

2007-02-26 Tarhan Erdem コラム:トルコ歴史協会長の発言は歴史的誤り (Radikal紙)

トルコ歴史協会(TTK)のユスフ・ハラチオール会長が、アナトリア通信のブルジュ・ビルギン記者に昨日語った内容を驚きを持って、また悲しい気持ちで読んだ。私が驚いたのは、TTKの会長がフラント・ディンクの葬儀の参加者を一括りにして「この社会は」で始まる言葉で批評したことや、彼らを「特定のイデオロギーの信奉者」と定義したこと、「何千人もの人々による『まるで彼のこの死が前々から分かっていたかのような行為』だと決めつけたことや、スローガンやプラカードはあらかじめ用意されていたと口にしたことだ。      全文をよむ

2007-02-23 İsmet Berkan コラム:地震を予想はするけれど-ゼイティンブルヌのビル倒壊に思う― (Radikal紙)

イスタンブルのゼイティンブルヌで起きたビルの倒壊は、思い出さないようにしてきた避けようのない現実を、我々の眼前につきつけた。地震は避けようがない。地震は自然現象のひとつであって、防ぎようも逃げようもない。但し、地震による被害を避けることはできる。      おそらく悪い偶然なのだろうが、ゼイティンブルヌの倒壊現場で捜索が行われている時間帯に、南東部でマグニチュード5.9の地震が発生したとの報が入った。過去には、アフヨンのディナルで発生した同規模の地震によって数十人の人命が失われたことがあったが、 全文をよむ

2007-02-22 Murat Yetkin コラム:イラク・トルコの「クルド人ライン」と総選挙の行方 (Radikal紙)

アブドゥッラー・ギュル外相は、イラクのアーディル・アブデュル・マフディ副大統領と行った会談で、キルクークの地位に関して年末までに行われる見通しだった住民投票の延期について意見を交換したと語った。(ギュル外相は)この問題についてマヌチェフル・モッタキ外相とも会談したことが判明している。   イラクのクルド系のジャラール・タラバーニー大統領を補佐するシーア派のマフディ副大統領は、キルクークにもイラクにおけるクルド労働者党(PKK)の存在にも言及しながら「外からの干渉には反対である」と話した。外部から 全文をよむ

2007-02-21 Sami Kohen コラム:東地中海での資源探索、エーゲ海の教訓は生きるか (Milliyet紙)

先週レフコシャ(ニコシア)の南キプロス(キプロス共和国)側地区で、華やかな式典で東地中海での石油・天然ガスの探索プロジェクトの最初の重要な一歩を踏み出したパパドプロス政権は、トルコの反対にもかかわらず国際的な支持獲得に向けた動きを速めている。   加盟しているEUを初めとして、さまざまな場にこの「新たな問題」を持ちかけている南キプロスのリーダーは、今日アテネを訪れる。パパドプロス(大統領)の望みと期待は、ギリシャがこの壮大なプロジェクトで後ろ盾になってくれることだ...   この計画は実現するだ 全文をよむ

2007-02-18 Turker Alkan コラム:世俗主義は原因か、結果か? (Radikal紙)

メフメト・ユルマズ氏は昨日〔2月17日〕、ヒュッリイェト紙の(コラム)コーナーで、科学研究に割かれた資金、発表された科学研究、エンジニアや研究者数など非常に多くの点で、トルコがイスラーム諸国のトップであることに触れ、「原油のおかげで金持ちな国もあるイスラーム諸国の中で、なぜ〔産油国でない〕我々は首位なのだろうか?」という問いに次のような答えを出していた。      「この違いを生んだものとして、私の考えでは、二つの重要な点がある。一つは、トルコには千年以上も遡る「多文化」の社会や国家の伝統がある 全文をよむ

2007-02-17 Melih Arat コラム:移住の準備はお済みですか? (Zaman紙)

様々な問題に対する手短な解決策についての提言・・・      臓器提供(推進)キャンペーンの成功は、トルコ国民が運転免許証、あるいは身分証明書に「私の臓器を移植に提供します」というメモを挟み込めるかどうかにかかっている。(キャンペーン成功の目安は)バス一台が横転し、30名が死亡した場合、そのうちの20名の身分証明書で臓器提供をする意思が明示されることだと言えよう。      ***      イスタンブルの交通問題の解決策について・・・      両岸を行き来する際に海上交通で対岸へ。あるいは片 全文をよむ

2007-02-15 Turker Alkan コラム:「メルスィンに注意!」の記事を見て思うこと (Radikal紙)

昨日の本紙の見出しを見て怖くなった:見出しには「メルスィンに注意!」とあった。「愛国者(※1)や民族主義者を自認する市民社会組織が民族差別をけしかけている」。   「市民社会組織は民主主義の基盤を形成する」と言う政治学の本が必ずしも真実を言い当てていないことをこのようにして知ったことになる。民族差別を助長することに、民主主義の面からも愛国主義の面からも擁護できる点などない!   記事を読むと、再びメルスィン人としての自覚が呼び覚まされた。確かにここ数年はメルスィンに帰っていないが、人口4万人の古 全文をよむ

2007-02-12 Can Dündar コラム:命の値段・・・2リラ (Milliyet紙)

ここ数日、ずっと2リラ分の硬貨(新トルコ・リラ:約180円)を掌のなかで遊ばせている。   2トルコ・リラ…   道端に落ちていても、わざわざしゃがみ込んで拾わない方もいる。   つり銭であれば気にも留めない方もいる。   やれ、お小遣いだ、チップだ、義援金だといって貰っても顔を背ける方もいる。   2リラぽっちだし…      ***      2月6日深夜、シャンルウルファに大雨が降った。   ジェイハンプナル農業労働(機構)の農場の中を流れるチュルプ川が氾濫した。川に架かる頑丈な通路は崩壊 全文をよむ

2007-02-10 Fikret Bila コラム:野党バイカル党首:警察の組織改革には「ハラキリ」が必要 (Milliyet紙)

共和人民党(CHP)のデニズ・バイカル党首は、昨晩開かれた記者団との会食で自らの考えを明らかにした。話の主なテーマはやはりフラント・ディンク殺人事件とその後の事態の進展についてであった。バイカルは、フラント・ディンク殺人事件後に起こった事件が警察内の「宗教に基づいた」組織構造を明るみにしたと考えている。      ■「ハラキリが必要」      バイカルCHP党首は、警察組織は再度、新たな認識に基づいて作り直されなければならないと言い、新たな組織の構築のため「トルコの腹にナイフを差し込んで“警察 全文をよむ

2007-02-08 Sahin Alpay コラム:「深層国家」とは結局何なのか? (Zaman紙)

トルコにおける政治的安定を崩すことを目的とした殺人事件が起きたいずれのときと同じように、アゴス紙総発行人のフラント・ディンクが殺された後にも「深層国家(derin devlet)」の議論が盛んに行われた。      この(言葉)の概念がそもそもトルコの政治用語に入ってくるきっかけとなったのは、1996年12月に起きた「ススルルク・スキャンダル」だと言うことができる。このスキャンダルは、何人かの国の高官がPKK(クルド労働者党)を支持していると思われる人物を殺すために裏社会の構成員(無法者の殺人犯 全文をよむ

2007-02-08 İsmet Berkan コラム:「好機」か「危機」かは我々次第 (Radikal紙)

中国語は表音文字ではなく単語の意味を抽象化した表意文字という文字で書かれる言語だとご存知のことと思う。中国語ではfırsat(好機の意味あり:訳者)という語とtehditあるいはrisk(いずれも危機という意味がある:訳者)という語は同じ表意文字、つまり形で書かれるのである(*1)。      現実をご覧になれば、好機と危機それぞれにはそれほど大きな概念的差異はないのである。時に人は好機を手にするが、その好機を(好機であると)評価できず、結果として好機は危機へと転じてしまう。逆に危機にあっても、 全文をよむ

2007-02-07 Fikret Bilaコラム:ディンク殺害事件後の安易な単純化への危惧 (Milliyet紙)

アルメニア系トルコ国民のフラント・ディンク氏が暗殺されてからの議論は、次第に「糾弾」へと変わっていった。感情的な反応や説明が議論の中心となり、事実とその背景にある原因を分析しようという良識あるアプローチの代わりに、「根拠なき一般化」が前面に出てきた。      2つの大きな誤りがある。   1-ディンク氏暗殺に抗議する人々すべてを「アルメニア人」や「トルコ人の敵」と見なすこと。   2-ナショナリスティックな気持ちで反応を見せる人々すべてを「殺人犯」あるいは「殺人犯候補」と見なすこと。      全文をよむ

2007-02-05 Gungor Uras コラム:優遇措置廃止でメリットの薄れる自由貿易地域 (Milliyet紙)

1985年以来、トルコでは21の自由貿易地域(フリートレードゾーン)が作られた。自由貿易地域とは(簡単に言えば)、周りを鉄線で囲まれた土地の区画のことである。この土地は、関税と税金の法律の及ばない外国の土地であるとみなされている。自由貿易地域で生産と貿易を行う企業は、トルコに所得税や法人税などの税金を払っていない。雇用する労働者のためには、社会保険機構(SSK)保険料さえ負担すればよい。自由貿易地域の門のところには税関の組織がある。この門からトルコに入って来る物が輸入品とみなされ、関税の対象とな 全文をよむ

2007-02-01 Hasan Cemal コラム:祖父アフメトの教訓 (Milliyet紙)

家庭で、「アルメニア人革命主義者」の襲撃の犠牲となった祖父についての話を聞かされながら私は育った。      私の祖父は、ジェマル・パシャ(*)である。      統一と進歩委員会のエンヴェル―タラート―ジェマル三頭政治の一角だ・・・オスマン帝国の崩壊にも、わが国の歴史に「アルメニア人強制移住」として登場する恥ずべきページの記述にも、責任があった人物である。      一方で彼は私の祖父であり・・・      一方で彼は歴史であり・・・      時を経るにつれ、私はこの両者を分けて考えることを 全文をよむ

2007-02-01 Ismet Berkan コラム:私を脅迫する「名無し」たちへ ― ディンク事件の余波 (Radikal紙)

特にフラント・ディンクが殺されて以来、電子メールを使って私に届いた、私への嫌悪感を伝えるもの、あるいは脅迫のメッセージの数が明らかに増えた。たとえば月曜日には52通、火曜日には47通、昨日この文章を書いている時点では35通の電子メールのメッセージが、私を嫌いという趣旨をさまざまな形で、もちろん全く丁寧でない表現で伝えるものか、嫌悪感に加えて私が殺されなければならないと書かれたものであった。      前にこの件については放っておくと書いたが、注意して見てみるといくつかの共通の特徴があることに気付 全文をよむ

2007-01-31 Murat Yetkin コラム:英駐土大使が語るトルコへの3つの期待 (Radikal紙)

イギリスのニコラス・ベアード駐土大使は、トルコが総選挙を迎える今年(2007年)に直面するであろう国内外での事態の進展が、政府のこれまでとってきた外交政策の方針に悪影響を与えないことを望んでいると話した。トルコには「グローバル化した世界」に対し果たすことができ、それと引き換えに得られるであろうとても多くの役割があると指摘したベアードは、トルコに対する期待を大きく次の3つにまとめた:EUからの否定的なシグナルに対し辛抱強く毅然とした態度をとり続けること/中東とのパイプと対話を断ち切らないようにする 全文をよむ

2007-01-31 Türker Alkan コラム:ソコク・・・ディンク・・・ネコガナク・・・―「共感」はどこへいったか― (Radikal紙)

さて、極めて単純なとんち話をひとつ。      司令官が兵を整列させ、最前列にいたメメドに尋ねた。   「さあ、メメド、言ってみたまえ。祖国とはなにか?」   「我が母であります、閣下!」   「よく出来た、メメド。では、アリ、言ってみたまえ。祖国とは何か?」   「メメドの母であります、閣下!」      数年前、このとんち話を聞いていたある大学生が話した人の顔を見て、「えぇ、続きは?」と言うのを見て、私はひどく驚いてしまった。とんち話を話す場合に最悪な成り行きは、相手にどうして笑う必要がある 全文をよむ

2007-01-30 Taha AKYOLコラム:イスラム世界におけるトルコの位置づけ (Milliyet紙)

 あらゆる観点において、トルコはイスラム世界で最も成功し、最も発展した国家である。    フォーチュン誌による調査もこれを立証している。イスラム世界における大企業の上位100社のうち、25社がトルコ企業なのだ!    人口が10億人を超えるイスラム世界のうち7千万人を有するトルコ人は、企業の上位100社の4分の1をも占めているのである!   これは何を意味しているのだろうか。あるものは教育の成果だという。またあるものは企業や生産組織、経営、技術、世界への進出、競争力のおかげだとし、またこれら全て 全文をよむ

2007-01-30 Can Dundar コラム:「私たちは皆アルメニア人」という言葉の意味するもの (Milliyet紙)

日曜日にマラトゥヤで行われたマラトゥヤスポル対エラズースポルのサッカーの試合...   観客席のエラズースポルのサポーターが「マラトゥヤはアルメニア人」というスローガンを叫んでいる... なぜならフラント・ディンクはマラトゥヤ出身だったからだ。   それから次のような横断幕を掲げた:「アルメニア人でもマラトゥヤ人でもない。我々はエラズー人だ。トルコが大好きだ」。   これに対してマラトゥヤスポルのサポーターは「PKK(クルド労働者党)は外へ出ろ」と叫んでいる。   野次り合いは乱闘に発展した。  全文をよむ

2007-01-29 Fikret Bila コラム:民族主義者行動党首、ディンク事件と民族主義との関わりを否定 (Milliyet紙)

フラント・ディンク殺害の責任を「民族主義と民族主義者」に負わせようとする動きが、民族主義者行動党(MHP)のデヴレト・バフチェリ党首と党員を不愉快にさせている。さらにディンク殺害の容疑者であるオギュン・サマストと、その扇動役と言われている人物たちが世間に「民族主義や理想主義青年組織」と関係があるかのように紹介されたことが、この不愉快さを反発へと変えさせたようだ。      MHPのバフチェリ党首は、今回の殺人事件と民族主義とを関連付けようとする努力と、一部の高官が殺人事件が「民族主義的感情により 全文をよむ

2007-01-29 Tarhan Erdemコラム:トルコの政治的空白の意味 (Radikal紙)

フラント・ディンク氏の葬儀について論じた先週の私のコラムは「あの日大通りを埋め尽くした数十万人の人々は、国全体に直せば数百万人の人々である。この数百万の人々が、大声で自信を持って『我が党』と言うに足る政党が(目下)ないことこそ、トルコの政界にとって危険な空白である」という文章で締めくくった。      今日はこの「空白」について書き進めていこうと思う。      まず、私の犯した誤りを訂正しておかねばならない。かのコラムで、私は、行進に参加した数十万の人々とトルコの政界との間にある溝を評して、「 全文をよむ

2007-01-28 Fikret Bila コラム:トルコ軍から見たキプロス問題 (Milliyet紙)

陸軍司令官大将のイルケル・バシュブーが北キプロス・トルコ共和国(北キプロス)で行った演説は、トルコ国軍が現段階でキプロス問題をどのようにとらえているかを示すものである。      バシュブー大将が(演説で)置いた力点をたどると、一つの道筋が浮かんでくる。この道筋は、アナンプラン(※)の受け入れにもかかわらずその後に起こった事態が生みだした失望を指し示すと同様に、北キプロスに向けたメッセージも含んでいる。   北キプロス当局がトルコ政府の支援も受けて常に歩み寄るにもかかわらず、キプロス共和国(南キ 全文をよむ

2007-01-23 Sahin Alpay コラム:刑法301条は即刻廃止すべき (Zaman紙)

フラント・ディンクは、私の敬愛する友であり、大いに敬意を表するジャーナリスト仲間であり、トルコの最も優れた知識人の1人であった。知っていることの正しさを躊躇せずに話す貴重な人物だった。      真の愛国者であり、そのために生涯をトルコ人-アルメニア人の友好関係の再構築に捧げていた。彼の死はこれからも残念に思われることだろう。彼の残した足跡に敬意を表するために必要なことは、死から得られうる教訓を冷静に、できる限り明確に明らかにすることである。      フラントが殺されたことは、何よりもまずトル 全文をよむ

2007-01-22 Erdal SAĞLAMコラム:フラント・ディンク殺害事件と市場経済 (Hurriyet紙)

■いつか来た道をまた歩く我々     また若い殺人者、また社会に騒乱を巻き起こす殺人、また社会的不安の結実たる殺人、また治安の脆弱さ、また政治家による同じ声明…。     みなさんは、「しかし今度は民主主義が発展し、経済が成長し、市場経済が定着しており、より敏感な市場があるではないか」と考えようとしていることだろう。しかしよく見てほしい。金曜日(1月19日)の、つまり殺人のあった日に市場で起きたことを。前日までと何ら変わりのなかった市場を。     わかりきったところからわかりきった反応があがっ 全文をよむ

2007-01-20 Ismet Berkan コラム:フラント・ディンクを殺したのは「私たち」 (Radikal紙)

私の妻が電話で涙をすすりながら尋ねた:「なぜ殺されたの?」そもそも私はのどは既に締め付けられていて、「どうしてなんだろう」「彼がアルメニア人だったから」と言うのがやっとだった。ニュースを聞いて以来、頭の中が打ちつけられるように感じている。フラントとともに私の一部が死に、皆の一部も死んだ。    フラントは金の心(=金と同じくらい高貴な、素晴らしい心)を持つ人だった。私が誇張したと思わないでほしい、本当に金でできた心の持ち主だった。しかし我々の社会で後を絶たない殺人鬼にとって、彼には大きな罪があっ 全文をよむ

2007-01-18 Sahin Alpay コラム:加盟交渉「継続」を強調する欧州委トルコ代表 (Zaman紙)

サバンジュ大学イスタンブル政策センターとヨーロッパ地中海研究所が1月12、13日にカタルーニャの首都バルセロナで開いた「第7回EU-トルコ年次会議」の席上、トルコ-EU関係の歴史、将来の両面について興味深い講演が行われ、見解が示された。    これらの内で最も注目に値するものの1つが、2カ月前に新たに欧州委員会在トルコ代表に就任したマルク・ピエリニの講演だった。約30年間EU委員会に所属し、トルコの前にはアルジェリア、シリア、チュニジアで任務に就いていたピエリニは、次の点を強調した。    加盟 全文をよむ

2007-01-17 Fikret Bila コラム:PKKの主張と重なるクルド会議報告書(Milliyet紙) (Milliyet紙)

アンカラで2日間にわたって開かれた「トルコはその平和を求める」と題する“クルド会議”の最終報告書に示された見解は、クルド労働者党(PKK)の方針に近いものに留まった。参加者の満場一致で承認されたことが明らかにされた報告書は、方法、内容の両面でPKKの主張や要求と重なっている。    ■政治的な要求    最終報告書に記された10項目から成る「政治的提言」は、PKKとその方針を擁護する政党・組織が掲げている要求と軌を一にしている。  1- 報告書では、(クルド)問題に「暴力とテロリズムの問題」とい 全文をよむ

2007-01-13 Can Dundar コラム:イラク・クルドに主導権が移りつつあるクルド問題(Milliyet紙) (Milliyet紙)

先週ブリュッセルからの放送を行ったクルド労働者党(PKK)の報道機関、ロジテレビは、(北イラクに拠点を持つクルド民主党(KDP)指導者であるマスード・)バルザニのクルディスタンテレビと共同放送をした。2つの組織の首脳が生放送で会談し、共同政策の策定について話し合った。  地域を知る者にとって、これは見慣れない放送だった... なぜなら、少し前までPKKとKDPの間には流血を伴う衝突があったからだ。ロジテレビが立ち上げられて以来、「KDP党員によって殺されたPKKゲリラ」のための追悼放送が流されて 全文をよむ

2007-01-13 Melih Arat コラム:トラウマの妙薬 (Zaman紙)

幽霊・・・。映画や文学作品でお目にかかっても、幽霊を魅力的だと考える人はごく稀だ。幽霊とは、私の知りうる限りだが、総じて、この世で彷徨う死んだ人間にうりふたつのもの、とされている。    言い換えれば、まだ生きている人間は幽霊ではない、少なくとも私が知りうる限りでだが。では、この幽霊たちは、映画や文学にどうして登場するのだろうか?ほぼすべてのケースにおいて、彼らは、何かをより相応しいように変えたり、(生前)出来なかったことをしようとする。彼らには、生きている時にはけりがつかなかった問題がある。だ 全文をよむ

2007-01-08 İsmet Berkan コラム:客員編集者オルハン・パムク-2007年1月7日紙面の裏側- (Radikal紙)

晴れた9月のある日だった。イスタンブルを臨む丘の上にあるレストランで、文化芸術部編集者のジェム・エルジエスと共にオルハン・パムクをもてなした。我々の目的は、夏の数ヶ月に本紙社内で行った一連の会議で出てきたあるアイディアを彼に伝えることだった。    2006年の夏、創刊10周年に際して実施する活動について議論しようと、社内で一連の会議が行われた。その中で出てきたとても興味深いアイディアの最たるものは、客員編集者に紙面を委ねる日を何日か設ける、というものだった。絶えず物事の構造を気にかける性質の私 全文をよむ

2007-01-03 Haluk Şahin コラム:トルコ映画復権―良質国産映画とスターの誕生― (Radikal紙)

新年最初のコラムは、我々のいい面から(書き)始めることにしよう。2007年、私はトルコ映画界からのすばらしいニュースを心待ちにしている。昨年の最後の月に観た2本の映画によって、この分野での私の期待は揺ぎないものとなったが、(ここではその2本の映画である)『タクヴァ』(*)と『ベイネルミレル』(**)を取り上げる。    トルコ映画は大衆と再会している。    2006年、トルコ映画が入場者数でハリウッド映画を上回ったことは、文化的観点からすれば意義あることだ。おそらく、ドネルケバブがドイツでマク 全文をよむ

2006-12-31 Murat Yetkinコラム:サッダームの処刑は誤りでありイラクの混乱を増幅させる(Radikal紙) (Radikal紙)

イラクのサッダーム・フセイン元大統領が2006年12月30日早朝に処刑されたことが公式に発表された。  無慈悲な独裁者達を記憶にとどめておく方法は、彼らを処刑することだ。  独裁者だけではない。反逆者や抵抗勢力の指導者達を記憶にとどめておく方法も彼らを死刑に処すことだ。死刑には間違いを訂正する余地はない。(執行してしまったことを)後悔することも許されないし、過ちはなくならない。死刑を執行しなければよかったなどとは言えないのだ。    死刑は、刑罰ではないのだ、殺人なのだ。    1982年にドゥ 全文をよむ

2006-12-29 Haluk Şahin コラム:新たな「チュルク」たちへの忠告 (Radikal紙)

単なる偶然だろうか?でなければ、私には判り得ないなにか深い理由があるのだろうか?二人の有名な外国人がトルコ国籍を取得し、同じ名前を申請している。    (その名は)アタカン(*)!    そのうちの一人は、フランス人歴史家のジャン-ミシェル・ティボーさん。フランス国会でのアルメニア人虐殺否定を罪とする法案に抗議すべくトルコ国籍を申請し、その申請が内務省に認可されたそうである。    アナトリア通信が伝えるところによれば、ティボーさんは今後アタカン・チュルクという名を使用していくらしい。    い 全文をよむ

2006-12-26 Türker Alkan コラム:偽預言者あるところに偽信者あり? (Radikal紙)

活字メディアで時々目にする表現がある。「偽預言者逮捕される」、「偽聖者迫害される」、「偽シェイフ襲撃される・・・」。    きっと、この件については私が門外漢だからなのだろう。これら宗教上の大人物たちを偽者と本物とに区別する何らかの方法があるのだろうか、と非常に気になっている。仮に偽者だと判断された本物の預言者たる人物を拷問にかければ、それは少々恥ではなかろうか?「我は預言者なり!」と言う人物が、笑うことなくそう言えるのであれば、視線をそらすことなくその文言を繰り返せるのであれば、きっと本物の預 全文をよむ

2006-12-23 Murat Yetkin コラム:国の二極化をもたらす“エルドアン大統領”― 実業界の見方(Radikal紙) (Radikal紙)

昨日アンカラで開かれたトルコ実業家協会(TÜSİAD)評議委員会の会議は、昨年同様に今年も政治的な議題が熱く討論される舞台となった。昨年、会議に弁士としてアフメト・ネジュデト・セゼル大統領が招待されたことは、世俗主義に関するメッセージとともに、政治の司法への介入問題と選挙における最低当選得票率の引き下げの問題を議論したことが政府を不愉快にした。TÜSİADが今年招いた弁士はアブドゥッラー・ギュル外相だった。話し合われたテーマはやはり政治に関するものであり、EU戦略から大統領選挙、さらに早期選挙の 全文をよむ

2006-12-23 Ismet Berkan コラム:「漫画のような人物だった」ニヤゾフの死に寄せて(Radikal紙) (Radikal紙)

旧ソ連地域で、特にトゥルグト・オザル、スレイマン・デミレル両大統領のおかげで中央アジアの「トルコ系」共和国において、一時期あちこち回る機会を多く得た。    カザフスタンの砂漠で、タジキスタンで、キルギスで、アゼルバイジャンで、トルクメニスタンで、さらにモンゴルで、これらの国々が20世紀に味わい経験した社会変革を見知り、議論するチャンスを得た。もしかしたらキルギスと、モンゴルをも除くとして、他の全ての国は鉄の拳を持つ独裁者によって導かれていた。ソビエト連邦の「西の方」にある国々に比べ、東にある国 全文をよむ

2006-12-22 Haluk Şahin コラム:中央アジアを見直してみる -ニヤゾフ(トルクメンバシュ)大統領逝去に際して (Radikal紙)

トルクメニスタンの指導者サパルムラト・ニヤゾフの死によって、我々の顔は否応なく西から東へ向いている。正直なところ、ヨーロッパ映画で目にするものにそろそろ飽きが来つつあった。要するに、新年間近のこの折に、ヨーロッパ以外の場所に目をやり、別のことを考えてみるのもいいだろう。    我々が「同胞」たるトルクメニスタンを見やると、そこで、我々の気力を萎えさせるものや、逆に鼓舞してくれるものに出会うことができる。    ソ連崩壊直後、私は新聞記者として首都のアシュガバードに2日間滞在したことがある。ニヤゾ 全文をよむ

2006-12-20 Ertugrul Ozkok コラム:エルドアンが大統領になったら、ならなかったら(Hurriyet紙) (Hurriyet紙)

私の目の前にあるシナリオはこうだ。2007年5月17日午後4時35分... トルコ大国民議会は先刻投票を終えた。  ビュレント・アルンチ議長が結果を発表している。  レジェプ・タイイプ・エルドアン(現首相)が354票を獲得してトルコ共和国の第11代大統領となった。  皆が列をなして彼を祝福している。  議場には共和人民党の議員の姿はない。  彼らは棄権したのだ。  つまりエルドアンは公正発展党(AKP)議員の票だけで選ばれたのだ。    ***    ここまでは普通の話だ。  この2年間議論して 全文をよむ

2006-12-20 Fikret Bilaコラム:民族主義者行動党バフチェリ党首の記者会見(Milliyet紙) (Milliyet紙)

 民族主義者行動党(MHP)のデヴレト・バフチェリ党首は、昨日朝食時の記者会見で、最近話題に上っている大統領選と総選挙について考えを述べた。    バフチェリ党首はエルドアン首相と共和民主党(CHP)のバイカル党首にむけてメッセージを送った。また、大統領選挙と総選挙について、「民主的闘争」との言葉を使って考えを表明し、MHPの考える民主的闘争の枠組を説明した。    ■通常の手続きで    バフチェリ党首は、大統領選より前の2007年3月11日に総選挙を行うべきだと提案する一方、「正統性を欠いた 全文をよむ

2006-12-17 Haluk Şahinコラム:象徴としてのラクダ -占星術とラクダ事件を繋ぐもの (Radikal紙)

イスタンブルのアタテュルク国際空港の滑走路で解体されたラクダのことは、我々だけでなく、世界中の注目を集めた。というのも、象徴的な事件として様々な次元に影響を及ぼしたのだから。    例えば、『ファイナンシャル・タイムズ』紙は「EUサミットの場でトルコについて協議されている場合でも、ラクダが」解体されたことが何らかの意味を持つこととなった、と伝えた。この事件が少なからざるヨーロッパ人の脳裏に、トルコは「自分たちとは別物で受け入れられない」ことの証として刻まれたことは、何ら疑いない。    「白と青 全文をよむ

2006-12-16 Taha Akyolコラム:空港でラクダ解体!―トルコ社会における「文化遅滞」― (Milliyet紙)

空港の駐機場でラクダを解体させた人もそれほど「物知らず」だとかいうわけではない。航空機に関わるのは高度な技術者だ。イギリス、アメリカ、フランス、スイスの航空会社においては、「技術部局長」「技術部門代表」あるいは「技術計画責任者」といった高度で専門性が求められる業務に携わるという。    その職員パスを誰が見ても、彼は「機体整備部門のトップ」だと見なされよう。しかし、この知識と経験を備えたシュクリュ・ジャンは、駐機場でラクダを解体させ、我々が今だこの世で見たことがなかったある「コト」をやってしまっ 全文をよむ

2006-12-12 Akif Emreコラム:戦争、文化的遺産、そしてアイデンティティ―バグダッドにおける「記憶」の抹消・収奪― (Yeni Safak紙)

アフガニスタンとイラク占領の口実として考えられている「9.11」が仮に起きていなかったとしたら、果たして戦争の言い訳は何であっただろうか?アフガニスタンで起こったバーミヤン石仏の危機に際して、アメリカが人類の文化的遺産に対して示した敏感な反応を覚えている人なら、バーミヤン石仏の危機は、それだけで、開戦理由になったと考えるだろう。もはや思い出すのさえ難しいが、「9.11」の直前、タリバーン政権によって爆破されたバーミヤン石仏は、ほぼ、世界史上初めて戦争の理由となった芸術作品という称号を得るはずであ 全文をよむ

2006-12-09 Türker Alkanコラム:「あぁ、なんと快適な、華やかな暮らし」の陰 (Radikal紙)

わかってます。物乞いに施すのはおそらく正しいことじゃない。ましてや、物乞いの子供たちに施すのはとても間違ったことだ。子供につけ込むのを助長するほかに何も生み出さない。しかし、物乞いたちに、(例えば)都市のど真ん中で地面に座っている体が二重(ふたえ)に曲がった老人や、半裸の子供をあやしている女性に、何も施さずに通り過ぎるとき、私は自分の中に満ちてくる罪の意識を抑えようがない。    もしや、彼らが本当に施しが必要な状況にあるのだとしたら?これは永久に答が出ない問いだ。    私は、車に乗っている時 全文をよむ

2006-12-05 Türker Alkanコラム:首を傾げたくなる「人々とのつながりかた」 (Radikal紙)

「神への祈り(ibadet)」も「神に対する罪(kabahat)」も隠れたものだ(=成否が外目にわかるものではない)」と先人たちは言った。まず、「神に対する罪」がどうして隠れてなくちゃいけないのかってことは分かる、と言いましょう。じゃあ、「神への祈り」はどうして隠れてるべきなんでしょうか?きっと、みせかけであってはいけない、ってことなんですね。「祈り」というのは、神と僕(しもべ=人間)の間の個人的対話。間に誰かを関わらせるべきものではないのです。    しかし、ここ数年、ますます、「祈り」とはす 全文をよむ

2006-12-04 Taha Akyolコラム:キリスト教会員クラブとしての欧州連合(Milliyet紙) (Milliyet紙)

ドイツの新旧の首相、シュレーダーとメルケルの間の政策の相違はとても多くのことを物語っている。    社会民主党(SPD)のシュレーダーは、トルコの加盟したヨーロッパが内部的にはより多元性や創造性の源となり、対外的には戦略的ビジョンや実行力を確立するであろうことを認識していた。彼にはエルドアン首相をはじめとして、トルコに多くの友人がいる。トルコ人も彼を好ましいと思っている。    一方キリスト教民主同盟(CDU)のメルケルはといえば、文化的な多元性よりも「同質であること」に重きを置いている。トルコ 全文をよむ

2006-12-03 Türker Alkanコラム:痩せ細る地球-総人口1億人の2050年のトルコを考える- (Radikal紙)

堂々巡りの数値に関するアピールというのがある。ある時、エルバカンがそれにとらわれた。    「10万台の戦車、10万機の戦闘機を建造する予定であります」とぶちあげた。認可されなかったらしい。そもそも、わが国には、それほどの戦車と戦闘機を配備する場所もなかったし、操縦する人手もいなかった。実際のところ、エルバカンは人口増加を求めていた。「それら戦車・戦闘機ができたあかつきには、わが国の人口も1億人に達するべし」と言って譲らなかった。今は亡きトゥルケシュも同じように考えていた。「人口1億のトルコ」と 全文をよむ

2006-12-02 Özdemir İnceコラム:困りますよ、ハサン・ジェマル・ベイ!―Milliyet紙「メフメド・ウズン特集」への私見(後)― (Hurriyet紙)

作家メフメト・ウズンは、『ミッリイェト』紙上(2006/11/17付)でハサン・ジェマルのある質問に答えていた。(昨日の私のコラムを思い出してみてください)    「クルド語小説を書くことは、トルコ語やペルシア語を書くこととは違う。なぜなら、その言葉は禁止された言葉なのだから。教育、通信、現代生活から遠ざかった言葉なのだ。つまり、去勢された言葉ということだ。このような言葉を使って、豊かで近代的な文学を生み出すのは非常に困難だった。」    対話者は、このような答が返ってくると、別の質問をしなくて 全文をよむ

2006-12-01 Özdemir İnceコラム:「リングワ・フランカ」のひとつとしてのトルコ語―Milliyet紙「メフメド・ウズン特集」への私見(前)― (Hurriyet紙)

アラブ人が「ルガト・エル・イフランジ」と呼ぶ「リングワ・フランカ」には3つの語義がある。    ■第1の、かつ古典的語義  地中海の諸港、とりわけチュニスと西トリポリ(現リビアの沿岸部)において14世紀以降に話されたコミュニケーション言語。一種の「ピジン」言語、混成語。語彙面ではスペイン語、イタリア語が重きをなしたものの、この人工語には、アラビア語、マルタ語、トルコ語、フランス語の要素も含まれていた。    ■第2の、かつ現代的語義  異なった言語、方言で話す人々や集団がその間で意思疎通するため 全文をよむ

2006-11-29 Fehmi Koruコラム:法王ベネディクト16世の訪土をきっかけに宗派間・宗教間の連帯を(Yeni Şafak紙) (Yeni Safak紙)

 法王ベネディクト16世の訪土が全世界の関心の的となっている。2000人もの報道関係者が我が国に来ているというだけでこう言っているのではない。まだ訪土が始まってもいない段階で、世界のメディアに出ているニュースや解説は、すでにファイルが満杯になるほど大量だ。なぜこれほど世界は今回の訪土に興味津々なのか?     新法王がムスリムの国を訪問するのが初めてだといっても、これまでに法王は何度もイスラム世界を訪問している。ベネディクト16世は、ここ40年間でトルコを訪れた3人目の法王である。これだけの関心 全文をよむ

2006-11-28 Fikret BİLAコラム:ローマ法王訪土に過激行動を慎むよう宗務長官がよびかけ(Milliyet紙) (Milliyet紙)

 ローマ法王ベネディクト16世が本日訪土することが、西側の一部のメディアによって「地獄への旅」と描かれている。ローマ法王が大きなリスクの下で訪土することが述べられ、彼の「勇気」が褒め称えられている。西側メディアは、ローマ法王の訪土をこのような方向で誇張しているのだ。    こうした杞憂は、疑いなく、たとえビザンツ皇帝の言葉からの「引用」だとしても、預言者ムハンマドやイスラムに否定的な彼の発言が大きく影響しているのだ。今回の訪問は、ローマ法王のこの過ちを帳消しにするはずがなく、問題全てを解決するわ 全文をよむ

2006-11-27 Hasan Pulur コラム:失業率は下がっているというけれど・・・(Milliyet紙) (Milliyet紙)

(作家の)アズィズ・ネスィンがどれだけ「経済は学問ではない」と言ったとしても、また一部の経済学者がアズィズ・ネスィンの言葉の正しさを認める発言をしたとしても、世界経済は経済を学問として認めている。  ただ、トルコの経済はおかしな経済で、詳しい人の説明するところによると、インフレ率が上がると商店街やバザール(市場)での価格が上がり、下がると物価も下がるらしい。    だが、真相が何であれ、政府は「インフレ率を下げた」と言って数字を並べて見せているが、店頭の価格が下がったりしたことはない。バザールに 全文をよむ

2006-11-21 Fikret Bila コラム:左派よりも民族主義者行動党の方を向く共和人民党 (Milliyet紙) (Milliyet紙)

CHP(共和人民党)のバイカル党首は、MHP(民族主義者行動党)と同党のバフチェリ党首が民族主義的主張を共和国の価値観とアタテュルクの原則に合わせることを重視していると語っている。バイカルは、DSP(民主左派党)のセゼル党首の「会談を期待している」とのコメントには「公式の会談要請はない」と答えた。    CHPのデニズ・バイカル党首は、MHPのデヴレト・バフチェリ党首が党大会で行った演説を「大変重要な見解だ」と評価した。バイカルが重視したのは、自らを民族主義的右派であると認めてきたMHPと党首の 全文をよむ

2006-11-18 Hasan Cemalコラム:ノーベル賞受賞後のパムクへの対応は、軍文化の影響(Milliyet紙) (Milliyet紙)

メフメド・ウズンは、オルハン・パムクへのノーベル賞受賞後の対応を非難している。ウズンは、「中国以外でこのようには対応されなかった。コミュニストのサラマーゴ、ユダヤ人のケルテースもノーベル賞を受賞すると祖国で賞賛された」と語った。    メフメド・ウズンは1970年代、「3月12日」事件(1971年3月12日に起こった、トルコ軍部によるクーデター)のころ、アンカラの有名なママク軍隊刑務所に収監されていた。同じ刑務所でトルコ人知識人とともに過ごしたその一時期を重視している彼は、このように語っている: 全文をよむ

2006-11-17 Hasan Cemalコラム:現代クルド文学の重鎮メフメド・ウズン -クルド語で話していたら・・・(Milliyet紙) (Milliyet紙)

癌と闘病中のメフメド・ウズンは、「人間を母語から切り離すことは人道的罪であり、非道だ。監獄で、法廷で『クルド語という言葉はない。クルド人もいない!』と言われた。ひどく傷ついた。私は自分が無力であると感じていた。」と話した。      メフメト・ウズンは、非常に穏やかで、落ち着いて、句読点を打つように話す。内面の平静さを手にした人に特有の、自信に満ちた雰囲気を持っている。彼のやわらかな眼差し、顔の表情を見れば、彼が本当に誠実な人間であることがわかるだろう。    痩せ細ってしまった…  「メフメド 全文をよむ

2006-11-10 Hasan Cemal コラム:EU加盟交渉、今必要なのはキプロス問題への「創造的」アプローチ (Milliyet紙) (Milliyet紙)

(トルコと)EUとの関係の進展においていかなるサプライズもない。EUの執行機関である欧州委員会の年次報告書は、概して想定された範囲内の内容で出された。欧州委員会は、ボールを欧州評議会へ、つまり12月に開かれるサミットに投げる一方で、トルコの南キプロス(キプロス共和国)への港湾の開放に向けた要望を繰り返した。トルコに対して次のように述べた:「仮に来月中に港を南キプロスの船に開放しないならば、我々もEUサミットで貴国についていくつかの否定的な要望を行うつもりだ」。    (欧州委員会は)サミットで何 全文をよむ

2006-11-07 Murat Yetkinコラム:エジェヴィトは神話の英雄だった (Radikal紙)

入り口の上の階にあるビュレント・エジェヴィトの部屋へ上がったとき、私は自分が人生の重要な段階にいることに気づいていた。1981年の憂鬱な日だった。エジェヴィトはその当時、1980年9月12日クーデタ後に刊行を始めた『探求』誌創刊号で発表した「拷問」と題する記事のために審問され始めていた。    エジェヴィトは以前、1971年3月12日のソフト・クーデタのあとで、軍部に対してそつなく振る舞わずに共和人民党書記長の職を投げ出したのと同様に、9月12日のあとにも彼に対して政治的発言を禁じたケナン・エヴ 全文をよむ

2006-11-04 Turker Alkan コラム:短気なエルドアン首相、節度ある発言を(Radikal紙) (Radikal紙)

エルドアン首相はすぐに腹を立てる人だ。立腹すると度を過ぎた言い方で過ちを犯し、頑なな、人の意見を聞き入れない指導者のイメージを与える。このことはただ野党の役に立つだけで、AKP(公正発展党)にとっても彼自身にとっても利するものは何もない。インパシュ問題でマスコミに報じられた記事への反論においても、怒りをなかなか抑えられない姿をさらけ出した。これまでマスコミに向かって闘いを挑んだ政治家がそれから利益を得たのを見たことがない。    しかし、政治家と呼ばれる人は(首相であればなおさら)冷静でなければ 全文をよむ

2006-11-02 Dogan Heperコラム:共和制は世俗主義をもって完全となる(Milliyet紙) (Milliyet紙)

共和制、民主主義、そして世俗主義はそれぞれ互いに補完する。  体制として共和制だけでは欠陥がある。つまり人々を幸福にしない、といっても間違いにはならないだろう。  世俗主義、すなわち宗教的事柄が国政から分離すること、そして国政に宗教を混在させないことは、共和制を完全なものとさせる。  つまり、共和制、民主主義、世俗主義の3つは一緒に存在する必要があるのだ。共和制には民主主義が相応しい。わが国では1923年に共和制が敷かれ、1946年に民主主義によって共和制は正統なものとされた    ***  憲 全文をよむ

2006-10-30 Ismet Berkan コラム:共和国記念日の祝賀パレードに思う(Radikal紙) (Radikal紙)

子どもの頃、母は私に、後には弟にも、10月29日の共和国記念日を必ず祝わせたものだった。少しは彼女が強いたせいもあって、イスタンブルのヴァタン通りで開かれる祝賀パレードを観客席から眺め、とりわけ軍楽隊や戦車が通り過ぎるのには熱狂したものだった。子ども時代のその頃に撮られた、手に(国)旗を持って振っている半ズボン姿の私の写真が今でも私の手元にたくさん残っている。    もちろんその後、私と弟は学校に上がった。私たちは学校のパレードに参加するか、学校(の行事)としてパレード会場まで歩いて行った。私は 全文をよむ

2006-10-15 MuratBelgeコラム:ひとつのノーベル賞、ふたつのトルコ(Radikal紙) (Radikal紙)

ある時期から新聞各紙は、オルハン・パムクが今年のノーベル賞受賞へ徐々に近づいてきたと書き始めていた。しかし正直に言って、私はそうは思わなかった。その理由は単に、比較的若い人がこの賞を受賞するのをあまり見たことが無かったからである。    しかし、オルハン・パムクは受賞したのだ。    彼の受賞に、私がどれほど喜んだかを説明するのは難しい。その一方で、私の喜びを説明するよりも、この出来事を解説する必要性を確信している。    私はロンドンへ向かっている飛行機の中でこのコラムを書いている。ノーベル賞 全文をよむ

2006-10-15 Ismet Berkanコラム:オルハン・パムク受賞―人々を隔てる川、まとめる川(Radikal紙) (Radikal紙)

理論家たちも同じ文句を好んで使っているが、そもそも法律の中でもこの決まり文句は繰り返されている。私たちは国家に帰属意識をもつのみならず、互いに対しても共通感情を抱くようでなければならない。国民は悩みや喜びにおいてひとつでなくてはならない。正確には、同じようなことに悩み、同じようなことに喜びを感じるべきである。私たちをひとつにする事柄はまずこういったことでなくてはならない。しかしこの原則はトルコであまり機能していない。    ワールドカップ出場をかけトルコ代表チームがスイスと試合を行った際は、私た 全文をよむ

2006-10-15 CanDundanコラム:オルハン・パムク式文学作法―インタビュー(Milliyet紙) (Milliyet紙)

何年か前、ノーベル賞受賞のオルハン・パムクとテレビのリポートを行い、彼がどんなふうに執筆するのか、私は説明を求めた。彼は「書斎」でたっぷりと語ってくれた。彼自身にとっても、トルコにとっても重要な意味を持つ賞を受け、彼の言葉をここに公開したいと思う。作家を目指すものにとって、指南となるかもしれない…。    昔は、夜に仕事をしていた。街が寝静まって…朝方の4時まで…ちょうど4時に寝ていた。この16年間はそんなふうであった。小説の一番よくできた部分の多くは、夜中に静寂の中で書いたものである。だが娘が 全文をよむ

2006-09-25 Can DUNDARコラム:トルコは信仰深くなってきているのか(Milliyet紙) (Milliyet紙)

■一昨日晩、ラマザン期間中夜明け前の食事の時間を告げる太鼓の音が響き始めた…  ラマザンおめでとう!     ANAR(アンカラ社会調査センター)の2004年の調査によると、トルコ国民の64%が断食をしていて、21%がしていない。   「ときどき断食する」と回答した人は、全体の11%。   この割合が1960年代にどれだけだったかはわからない。もしわかっていたら、トルコ国民の宗教的義務の実践が昔のそれと比べて、より敏感になったのか、より疎かになったのか知ることができたのだが。     ただ、共和 全文をよむ

2006-09-08 Taha Akyol コラム:権威主義かリベラルか、世俗主義の行方 (Milliyet紙) (Milliyet紙)

最高裁判所のオスマン・アルスラン長官は、法廷年度の年頭スピーチの中で、世俗主義の定義をした。アルスランの定義と、憲法裁判所による世俗主義の定義の間には、いくつか異なる点がある。    アルスランの定義は次の通りである:「世俗主義とは、宗教が国家的事項に、国家が宗教的事項に干渉しないこと、国家と宗教が互いに分離していることを意味する…」。  アルスランは、この定義から始めて、世俗主義の2つの要素を強調している。1つ目は「政治的」性質を持つことである。アルスラン曰く、宗教は国家を運営できず、国家は宗 全文をよむ

2006-09-04 Semih Idiz コラム:「政争の具」と化している派兵問題、まずは自国のポジションを定めよ(Milliyet紙) (Milliyet紙)

レバノンへの派兵をめぐって我が国で続いている議論の大半は、中東での状況、あるいは中東で生じた新しいバランスについてではない。これほど重大な問題をまたも国内政治に埋没させた状態にある。皆この問題を利用して相手をおとしいれようと懸命だ。明日の議会での派兵許諾書をめぐる審議でも同じことが繰り返されるだろう。    状況をはっきりさせるために、一歩引いて全体像を見てみよう。セゼル大統領は、派兵問題における苦言によって「PKK(クルド労働者党)に対抗して我々に誰が援助しているというのか。(していないのだか 全文をよむ

2006-08-24 Ismet Berkan コラム:国民教育省「100冊の基本図書」、中身の質をどう高めるか(Radikal紙) (Radikal紙)

朝、ヒュセイン・チェリキ国民教育相から電話があった。本紙が連日見出しに取り上げた、国民教育省の発表した「100冊の基本図書」の各出版社から出されたバージョンに関する記事について議論した。チェリキ大臣は、これらの本が「国のお墨付き」あるいは「教育省のお墨付き」と見なされることに非常にご立腹だ。「でも先生、」私は言った。「国民教育省推奨と書かれていますよ?」    実際、ある本が「国民教育省推奨」を名乗るためには、(同省の)教練・指導委員会のチェックを受け、この委員会から「推奨に値する」と認められな 全文をよむ

2006-08-14 Koray Düzgörenコラム:クルド人の合法的政治参加を妨げる最低得票率条項(Yeni Şafak紙) (Yeni Safak紙)

 国民の意思を真の意味で初めて議会に反映させたことで賞賛されている公正発展党は、実は人々の自由選挙権に対する制限を維持しようと画策している。そのうえ、その制限をより強化しようとさえしているのである。     議員選出にかかる最低得票率条項や、現在もこの条項をクリアするために望まれている、合法的な無所属議員という手段を妨げる目的で導入されようとしている全国区最低得票率条項のことを言っているのである。     この問題は、ただ代表権における公正原則の実現やそれへの違反という問題ではない。公正発展党が 全文をよむ

2006-08-10 Yasin Doğan コラム:街頭の声と民主主義(Yeni Safak紙) (Yeni Safak紙)

「アラブ諸国とはいったい、何という国々なのか?イスラエルは、レバノンとパレスチナを血で汚した、と声もあげていない」と皆が言っている。アラブ諸国の信じがたい沈黙に対する反発は至極もっともである。長年、自らをパレスチナの兄と自負するエジプト、サウディアラビア、そしてヨルダンが、数多くの無辜の死にも関わらず、国家としては沈黙したままであることは恥である。しかし、真の恥はイスラエルの「テロ組織を掃討する」という主張に消極的に加担していることだ。    アメリカとの有無を言わせぬ戦略的同盟と、過激派組織に 全文をよむ

2006-08-05 Türker Alkanコラム:アメリカの新造語「イスラモファシズム」(Radikal紙) (Radikal紙)

 アメリカ人には造語の才がある。今また新たに彼らが発明した言葉が議論を呼んでいる。   それは「イスラモファシズム」という言葉である。この用語でなにを言い表したいのかは定かではない。おそらくは自分たちもよくわかっていないだろう。この言葉がアメリカで出現するや否や、我々の間でも議論が巻き起こっている。   一般的な反応は否定的なものだ。すなわち、「ムスリムはファシストになりえない!」     まずは思い出してほしい。アメリカが似たような名前をつけるのは最初のことではない。前にも戦争相手に似たような 全文をよむ

2006-07-14 Hurşit Güneşコラム:ジダン、やや粗暴だが自尊心ある幕引き(Milliyet紙) (Milliyet紙)

ワールドカップの決勝戦前日、エルドアン首相は、共和人民党(CHP)の新本部を訪問した際、バイカル(CHP党首)との会話で、(トルコの)EU加盟を支援したためイタリアを応援すると話していたとのことだ。バイカルも同意したらしい。幸運を祈る。私たちはフランスを応援していたのだ。   イタリアの最近の選挙では、かろうじて社会主義者が勝利した。バイカルは、社会主義者としての連帯精神でイタリアを応援していたというのなら理解できるが、そうではなかったらしい。エルドアンはといえば、「「首相は友人だ」というつもり 全文をよむ

2006-07-14 Ismet Berkanコラム:バクー・ジェイハン石油パイプラインの本当の意味(Radikal紙) (Radikal紙)

私たちは本当にこんなに臆病で自分に自信のない国民なのだろうか?どうしてこんなことを聞くかというと、理由はこうだ。昨日正式に開通したバクー‐トビリシ‐ジェイハン(BTC)石油パイプライン。これを喜び、一つの“戦略的勝利”であると見なし、さらに発展させていこうと私たちが頭をひねっている一方で、「パイプラインの安全を確保できなければ、今後外国の勢力が(自ら)安全の確保にあたることを要求してくることになりかねない」と言う人々がいるからだ。    第一に、石油パイプラインの安全を私たちがどうして確保できな 全文をよむ

2006-07-11 Ertugrul OZKOK コラム:動かない唇 ワールドカップ国歌斉唱から多文化共生を考える(Hurriyet紙) (Hurriyet紙)

ドイツ―ポルトガル戦が始まる時、私が興味津々で待っていたシーンがあった。それはドイツ代表の選手たちが国歌を歌うかということである。    私はこのことにとても興味を持っていた。というのも、ドイツで最多発行部数を誇るビルド紙が、ワールドカップ開幕の1週間前にキャンペーンを始めたからだ。それは、ほぼ毎日ドイツ国歌の歌詞を掲載し、選手が皆一緒に国歌を歌うよう呼び掛けるものであった。そのため、ポルトガル戦が始まる時、選手たちがどのような態度を示すか私は興味津々だったのである。    ポドルスキ以外の選手 全文をよむ

2006-07-10 Can DÜNDARコラム:トルコで不動産購入の外国人、5万件超す 最多はギリシャ人(Milliyet紙) (Milliyet紙)

外国人による不動産購入はトルコ全土で5万件を越えた。国別ではギリシャ人が筆頭で、ドイツ人がそれに続く。イスタンブル県での売買が最大で、次にアンタリヤ県になっている。    ラフシャン・エジェヴィト(ビュレント・エジェヴィト元首相の夫人)が口火をきった。彼女は、外国人が不動産購入という手段によって内側から徐々にトルコを手中に収めていると主張し、「占領マップ」(の存在)についても言及した。「トラキア地方全体をギリシャ人は手に入れた。ハタイも失われた。南東アナトリア・プロジェクト(GAP)の土地はユ 全文をよむ

2006-07-07 Doğan HIZLANコラム:わが街イスタンブルをどのくらい知っていますか(Hurriyet紙) (Hurriyet紙)

偏見だろうか?私が思うに、人は自分が住んでいる街のことを一番知らない。そのうち見に行くだろう、いつか行くだろうと言って学ぶことをおざなりにする。それどころか自分の街について書かれた本を読む必要性さえ感じていない。    イスタンブル広域市役所と共同でトルコ建築家協会が編纂した『イスタンブル建築ガイド』は、イスタンブルの重要建築を知るための詳細なガイドブックだ。今のところは英語版が出版されている。Dr.アフィフェ・バトゥル教授が編集を担当した。    全4巻のほか、イスタンブルの地図も入っている。 全文をよむ

2006-06-26 Taha AKYOL コラム:ギュル外相のイラン・ミッション(Milliyet紙) (Milliyet紙)

アブドゥッラー・ギュル外務大臣のイラン訪問の目的は「核危機」の解決のため、西洋諸国とイランとの話し合いを始めさせること、つまり、欧州がイランに示した「ウィーン核問題包括提案」について関係者を話し合いの席に着かせることである。  ギュル外相がイランに出発する前、私は彼と短時間話をする機会があった。見たところ、あまり多くを語りたくないようであったし、今回の訪問が注目されることも避けたいという様子であった。  「今回の任務を表立った形で進めたくはない。関係する双方の立場の世論を刺激することなく、冷静か 全文をよむ

2006-06-10 Haluk Sahin コラム:自由の敵か味方か?(Radikal紙) (Radikal紙)

トルコがEUに加盟するか否かという問題については、さまざま考え方がある。キプロス問題の解決に関してもそうであるし、イラク、イラン、アメリカ、そしてアラブ諸国の件でもさまざまな見解を表明することができる。経済的見解についても、宗教的信仰についても、民族的ルーツについてもまた然りだ。  どれ一つの問題についても意見が一致しない、という状況も考えられる。  しかしいつか、我々には次のような根本的な選択しなければならない日がやって来る。それは、自由の味方をするか、敵に回るかという選択である。  歴史を通 全文をよむ

2006-06-08 Yılmaz Çetinerコラム 早期選挙論にもの申す:社会民主系政党に合同のすすめ(Milliyet紙) (Milliyet紙)

 政治において議論が激しくなればなるほど、民主主義の存在は明確になる。しかし国を不穏の中に引きずり込むような、つるはしやシャベルで掘るような地道なやり方を避けてブルドーザーでなにもかも粉砕して突き進むようなやり方がまかり通るようでは、心を込めて我々が守り続けてきた民主主義は鳥のように飛んでいってしまうだろう。   選挙の前倒しがささやかれている。国民は、あたかも半月後には投票することになるかのように焚きつけられている。政権が出す決定や見解に対し、国民やメディアが反応を示すのはもちろん必要だ。しか 全文をよむ

2006-06-05 Yasemin Çongarコラム エルドアンが望むブッシュ大統領との会談:米政府の思惑は(Milliyet紙) (Milliyet紙)

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相のブッシュ大統領に対する会談申し入れを検討しているアメリカの政府関係者は、心の中でこんなことを自問しているだろう。「この会談がトルコで内政問題にならないようにするにはどうしたらいいのだろう」と。   ご存知のように、エルドアンは5月半ばにウイーンからバリに向かう際に行なった会見で、「帰国次第アメリカへ行こうと考えている。会談を申し込む予定だ」と述べ、この緊急会談はイラン問題の話し合いのために極めて重要であると話した。   アメリカの政府関係者に送ったメッセージも 全文をよむ

2006-06-02 Ertuğrul ÖZKÖK コラム:クロイソス王の財宝盗難事件で、本当に恥ずべきことは何か(Hurriyet紙) (Hurriyet紙)

本来ならこういう内容のコラムは私ではなくドアン・フズラン氏(ヒュッリイェト紙の論説員)の専門分野だ。  海外から彼に電話を入れ、一人の読者として今の気持ちを伝えようとした。しかし彼も外国にいて、時差があるためゆっくり話すことができなかった。結局、机に向かって自分が書くことにした。    * * *    ミリィエット紙は非常に重要なことを成し遂げ、トルコの博物館から盗まれた美術品をスクープした。クロイソス王の財宝の中でも貴重な美術品がウシャク博物館で盗難にあったことを、私たちは皆、残念に思った。 全文をよむ

2006-06-01 Can Dündarコラム インターネットで広がる都市伝説(Milliyet紙) (Milliyet紙)

母と子がイズミルのカルフールで買物をしている。  母が売り場のディスプレイを眺めている間に、数人がやってきて子どもにエーテルを嗅がせた。  失神した子どもを小脇に抱えて、「急病人だ!道を開けて」といいながら人ごみを駆け抜け、警備員を抜き去る。1週間後、臓器を取られた子どもの遺体がスーパーのごみ捨て場に置き去りにされていたという。    * * *    またイズミルで、ある女性がガーズィエミールのキパ〔訳注:イズミルで展開している大手スーパーマーケット・チェーン〕に行った。オードトワレの売場を見 全文をよむ

2006-05-21 Ismet Berkanコラム:トルコは世俗主義も民主主義も放棄し得ない(Radikal紙) (Radikal紙)

こういう事件がおこったときは、冷静さが失われ、思考が画一化される。しかし今、我々にはその正反対が必要なのだ。つまり冷静沈着さとすべての物事を多面的に思考することが必要なのだ。    行政裁判所第二部局に対する銃撃と、その銃撃のあとにわかったあからさまな動機は、当然のことながら世俗主義に関する懸念を高め、人々をより過敏にした。銃撃のあくる日、アンカラで執り行われた葬儀の際に市民が示した反発は、人々がいかに心配し、過敏になっているかを示している。    この状況下、世俗主義だけではなく民主主義体制の 全文をよむ

2006-05-11 Oktay EKSI コラム:悪事に手を染めているフランス(Hurriyet紙) (Hurriyet紙)

「ガラスの家に住んでいる人は石を投げてはならない(弱みを持つ者は自分のことを棚に上げて人に文句を言ってはいけない、の意)」は、間違っていなければほとんどどの言語にもあることわざである。    フランスは完全にこの過ちを犯そうとした。さらに過ちは1つだけでなく、2つあるのだ。    ご存知のように、「アルメニア人大虐殺と言われている出来事は、実際は(一方的な)虐殺ではなく相互による殺りくの過程である」という(アルメニア人大虐殺を否定する)言説に対し5年間の懲役刑を科すことを目的とした法案がフランス 全文をよむ

2006-05-10 Fikret BILA コラム:イランのPKK政策 (Milliyet紙) (Milliyet紙)

イランのアリ・ラリジャーニ国家安全最高評議会長官は、アンカラ訪問の際に「アメリカとPKK(クルド労働者党)との会談」について力説した。ラリジャーニ長官はアメリカ・PKK会談についてアンカラ政府に詳細に報告したことも話した。会談の場所と時間も明かした。ムスルとキルクークで1ヶ月前のことだ。    それとは別に興味を惹かれたのは、ラリジャーニ長官のアンカラ訪問と同時に、イラン軍がPKKのキャンプにミサイルで集中的な攻撃を加えたというニュースだった。在アンカライラン大使館主催の食事会でも、ラリジャーニ 全文をよむ

2006-04-28 Tufan Turencコラム:世俗主義に関する尖鋭さ競争(Hurriyet紙) (Hurriyet紙)

ビュレント・アルンチ大国民議会議長とレジェプ・タイイプ・エルドアン首相が理解し望んでいた世俗主義は、現代世界が理解する世俗主義とは、いかなる点からも関係がない。  実際、両者の世界観や信仰に対する考え方が、世俗主義と折り合いをつけることは不可能である。アルンチとエルドアンが夢想する体制は、世俗的かつ民主的な共和制ではない。従って、共和国の諸制度は不本意なのだ。彼らは民主主義の必要条件である権力分立すら望んでいないのである。    国家の幹部をすべて自分の世界観にあった人間で占めてしまおうとする彼 全文をよむ

2006-04-14 Ertugrul Ozkok コラム:バスマラを唱えることの矛盾と意味 (Hurriyet紙) (Hurriyet紙)

昨日、私はすべての新聞に注意深く目を通した。誰も奇妙に思わず、私が今問おうとしている問題を誰も自分自身に問いかけなかったようだ。    先日、イスタンブルでイスラム会議機構(OIC)議会連合の開会式があった。あなたはお気づきになられただろうか? タイイプ・エルドアン首相は、OICの会議の開会式で演説を始める際、バスマラ(「慈愛あまねく慈悲深きアッラーの御名によって」という定型句)を唱えなかった。トルコ大国民議会のビュレント・アルンチ議長も、演説を始める時にバスマラを唱えなかった。    しかしエ 全文をよむ

2006-04-08 Taha Akyol コラム「司法と国民の意思」(Milliyet紙) (Milliyet紙)

トルコの根深い問題の1つに、「(制度化されている)組織や機関」と、国民の意思を反映した「選挙で選ばれた人たち」の間における権限の闘争がある。この問題は、解決されておらず、大きなエネルギー消耗の原因となっている。  1950年代から、我々は未だにこの問題を解決できないままだ!    我が国において、軍、司法そして「上位にある」集団からなる「中枢」は、はるかオスマン朝の昔から、大衆を「周辺部」に留めおこうとしてきた。社会のダイナミズムにブレーキをかけるこれらの権威は、オスマン朝において「世界秩序」と 全文をよむ

2006-03-23 Taha Akyol コラム:ズィヤ・ギョカルプ生誕130周年を機に(Milliyet紙) (Milliyet紙)

今日(3月23日)はズィヤ・ギョカルプの生誕130周年にあたる。彼はトルコの社会学の創始者であり、トルコ国民アイデンティティを方向づけた思想家である。  すべての偉大な知識人と同様、ギョカルプの思想の一部は彼の生きた時代に生じた問題に関するものであり、また一部は来たる時代の姿を照らし出す性質のものであった。    ギョカルプが死ぬまで擁護したカリフ制は今や歴史の一部となってしまった。しかし、カリフ制が歴史の中で変化しつつ政治機構の一部に組み込まれることや、その過程でイスラームの持つ宗教(ファトワ 全文をよむ

2006-03-18 Özdemir İnceコラム:「kamu」*が表す意味とは何か(Hurriyet紙) (Hurriyet紙)

*(注:Redhouse土英辞典によると、「kamu」は「public」「the public」を意味する。リーダーズ英和辞典によると、「public」は「公共の、人民の」を、「the public」は「人民、国民、公衆」を意味する。)    科学が到達したレベルに対し敗北を喫しているイスラーム主義者のイデオロギーは、何をすればいいのか分からず途方に暮れた状態にある。(イスラーム主義的イデオロギーは)国民教育省の呼び方によれば進化の法則となった進化論を否定し、創造のドグマ(宗教的教義)を創造の法 全文をよむ

2006-03-06 Fikret BİLAコラム ビュユクアヌト陸軍大将:私の発言が曲解されている(Milliyet紙) (Milliyet紙)

陸軍司令官ヤシャル・ビュユクアヌト大将は、ヴァン県の検事総長による起訴状によると、シェムディンリ事件(クルド地域で軍の兵士が違法諜報活動をしたとする事件)に関しての判決に影響を与えたことで容疑にかけられた。ヤシャル将軍はシェムディンリ事件で逮捕された下士官のアリ・カヤについて「その下士官を知っている。いいやつだ」という説明をしている。ビュユクアヌト大将が判決に影響を与えうる発言をしたと容疑にかけられているのはこのことである。    ■見解を示したくない  ヴァン県検事総長は懲戒免職決定を下し、ヤ 全文をよむ

2006-03-01 Türker Alkanコラム:大学における言論の自由:米大使講演中止事件によせて(Radikal紙) (Radikal紙)

 先日、アメリカ大使が講演のために招待されていた中東工科大学訪問を断念した。学生たちが大使を部屋に閉じ込めて講演できないようにする準備をしているとの情報が入ったためである。昨年もあるアメリカ人が「CIAの職員である」という理由で講演できなかったことがあった。「中東工科大学はトルコの最高学府の一つだろう。それくらいたいしたことではない」などと考えてはいけない。9月12日クーデタの前にもアメリカ大使の車がそこで焼かれたではないか。     その昔、「教育」を表す単語は、現在の"öğreti 全文をよむ

2006-02-15 Ahu Antmenコラム:「ルーツ」がテーマ ヒュセイン・チャアラヤン[フセイン・チャラヤン]の映像作品(Radikal紙) (Radikal紙)

 ヒュセイン・チャアラヤンの映像作品「テンポラル・メディテーションズ(一時的な瞑想/2004年作品)」にこんな一場面がある。男が足で踏みつけた土地に女が水をまいている。飛行機が空中を飛んでいる。そのすぐうしろには、もう一機、飛行機が飛んでいる。女は水をまき続けている。あたかもアスファルトを破って根を張るかのように、男が大地とひとつになるかのように、水をまいている!…その土地はレフコシェ[キプロス島ニコシア]。この映像を作ったアーティストの出身地であり、同時に彼が既に離れた土地でもある。      全文をよむ

2006-02-15 Fikret Bilaコラム:映画「狼たちの谷、イラク」のメッセージ(Milliyet紙) (Milliyet紙)

 映画「狼たちの谷、イラク」(訳注:概要は下記の関連記事を参照ください)は広く反響を呼び、テレビドラマとしても映画としても大きな関心を呼んだ。「狼たちの谷、イラク」に関して、私見と印象をお話したい。    ■アタテュルクの不在   頭に袋を被せられたことを受け入れることができず、自殺を決意した中尉の部屋のことである。中尉は自殺をする前に、オフィスと思われる机で、ポラット・アレムダルに手紙を書いている。オフィスの机の後ろの壁には2つのメダルが見える。独立記念メダルを思い起こさせるもので、額縁の中に 全文をよむ

2006-02-09 Murat Bardakçı コラム:最後のカリフの娘、92歳で死去(Hurriyet紙) (Hurriyet紙)

最後のカリフ・アブデュルメジト2世の、その美しさで知られた娘であり、オスマン帝国のスルタン・カリフの家系における第一世代の最後の一人であった、ドュルリュシェフヴァル・スルタンが昨晩、ロンドンにて92歳の生涯を閉じた。  1931年、世界で最も裕福なハイダラーバード藩王の息子と結婚し、「ベラールの王女」の称号を得たドュルリュシェフヴァル・スルタンは、今日ロンドンのブルックウック・イスラーム教徒墓地にて埋葬される予定である。    彼女は、オスマン帝国のスルタン・アブデュルアズィズ1世の孫で、最後の 全文をよむ

2006-01-26 Murat Yetkinコラム:2007年大統領選に向け軍の2つの懸念(Radikal紙) (Radikal紙)

1.我々にとって2007年は誰が大統領になるかではなく、大統領が何をやるかが重要。憲法が遵守されれば問題ない   2.分離主義に対して対応が遅れている。政策が明示されるべきだ。       「我々にとって2007年は誰が大統領に選ばれるかではなく、大統領が何をやるかが重要である。大統領が憲法を遵守するかぎり問題は起きない。」軍の幹部が最近注目している政治問題は、現首相のタイイプ・エルドアンがネジュデト・セゼルの後任として大統領に選出される可能性である。そうなればことは内政問題に留まらず、トルコの 全文をよむ

2006-01-21 Özdemir İnceコラム:トルコの左派と宗教 (Hurriyet紙) (Hurriyet紙)

■「左派は議論されてしかるべきだが、宗教は議論されるべきでない」ではいけない   カール・マルクスの「宗教は人民の阿片である!」という言葉は、ある状態を評した言葉にすぎない。しかし、反宗教的言辞としても解釈しうるのであり、またそのように解釈されてきたのである。今や我々は、宗教が人民の阿片か否かを議論するつもりはない。トルコ共和国は、基本的人権と自由、宗教と良心の自由を、憲法によって取り決め、保障する国家である。すべての政党の綱領は、憲法に適合していなくてはならない。共和国主義者と定義しうるであろ 全文をよむ

2006-01-21 İsmet Berkan コラム:世界基準で考えること 付加価値を生み出すこと(Radikal紙) (Radikal紙)

少し前までトルコ経済の最大の課題は国家の対内債務を処理できるかどうかだった。この問題は、先日マフフィー・エイルメズも書いたように解決されたと思われるので、いまや最大の課題は国際収支の莫大な赤字である。ご存じない方のために説明しよう、ある国の経済の国際収支が赤字だということは、その国の外貨の流出が外貨の流入より多いということだ。その差を借入や直接投資の流入によって埋めることもできるが、その場合まさに「ファイナンスされた」ことになってしまう。      トルコ経済が成長する時は必ず深刻な外貨不足が起 全文をよむ

2006-01-16 Doğan HIZLANコラム:EU加盟にむけ、コペンハーゲン基準と同様に重要なこと(Hurriyet紙) (Hurriyet紙)

コペンハーゲン基準が常に取沙汰されているが、私は本日皆様にEU加盟に向けて我々が達成しなくてはならない新しい基準をお伝えしたい。  私はこれをベヤズト基準と名づけた。  以下に記したことをお読みいただけばその正しさを認めていただけるだろう。  ハジェッテペ大学情報管理学科・副学科長のビュレント・ユルマズ教授はアナトリア通信のタメル・トアナシュに何と語っただろうか。  「公共図書館の状況においてトルコとEUの間には重大な格差がある。EU加盟に向けてこのことは問題になるだろう。」  ビュレント・ユル 全文をよむ

2006-01-12 İsmet Berkan コラム:イスタンブル都市計画 プロアクティブな行政が必要だ(Radikal紙) (Radikal紙)

 この2日間イスタンブルの問題点について書いているが、私が言おうとしているのはリアクティブとプロアクティブの違いなのだ。地方自治体も政府もこれまでずっとリアクティブだった。今やプロアクティブな行政が求められている。いち早く求められているのはイスタンブルだ!     リアクティブとは何か?ある問題が起きたとしよう。例えば50年代には地方から都市への大量移住が始まった。その後行政はこの問題の解決策を探し始めた。国庫から村民、農民へ村に留まるための援助金としてお金を渡すという解決策が見つかった。しかし 全文をよむ

2006-01-09 Tufan Turenc コラム:鳥インフルエンザ恐怖のなかでのクルバン・バイラム(犠牲祭)(Hurriyet紙) (Hurriyet紙)

 重苦しい雰囲気の中でのクルバン・バイラム(犠牲祭)になりそうである。世界で東アジアの後に初めて鳥インフルエンザの死者が出た国となったことは、安易に受けとめることはできない…。   先月マンヤスではじめて鳥インフルエンザが確認され、非常な焦りの中この危険に終止符をうつための早期的発表がなされた。   が、その後全くなんの手立ても施されていない。   しかし、ウイルスが渡り鳥によって運ばれることは周知のことだった。   渡り鳥が他の地域へ同じウイルスを運ぶことはなぜ考慮されなかったのか。   ある 全文をよむ

2006-01-08 Hasan Pulur コラム:詩における外国人女性たちの変遷 (Milliyet紙) (Milliyet紙)

 はて、我が国の詩人たちには、どれほど外国風の名を持つ恋人がいるのだろうか。詩にはどれほど外国人女性の名前が使われているのか。   これはヒルミ・ヤヴズが取りまとめなければ、おそらく多くの人の関心を集めることはなかっただろう。   彼によると、トルコ語の詩における外国風の名前は、共和国成立後に作られた詩に相当広範囲に見出されるとのことである。   例を挙げると、オルハン・ヴェリの「エディフ・アルメリア」、メリフ・ジェヴデト・アンダイの「エミリア」、アサフ・ハレット・チェレビの「マリイヤ」、オズデ 全文をよむ

2006-01-04 Bekir Coskunコラム 「『スカーフは心の中で被るべき』に反対する人達へ」(Hurriyet紙) (Hurriyet紙)

一日中私のコンピューターに罵詈雑言が寄せられている。    彼らは「私はムスリムだ」と言いながら、もっとも汚い中傷の言葉を並べ立てている。スルタンタンアフメト裁判所の前で、私の罪を告発し、私への侮辱でいっぱいのプラカードを掲げている。     テレビやニュースで、この話題がひっきりなしに報道され、新聞ではこの記事に多くのページを割いている。     原因は、テンポ紙に私が書いた「スカーフは心の中で被るべき」というタイトルの記事だ・・・。     その記事で、私は自分も含め誰であろうと心の中でスカ 全文をよむ

2006-01-02 Taha Akyol コラム:ムーディーズによる格上げを受けての2006年と以降のトルコ (Milliyet紙) (Milliyet紙)

今年、そして来年以降もトルコに影響を及ぼすであろうあるニュースが、12月17日に格付け会社のムーディーズから発表された。  クルド問題を含む、我が国の根本的な諸問題の行方を定め解決を図る上で経済が重要であればあるほど、このニュースもまた同様に重要である。ムーディーズがトルコの格付けを「非常に投機的な国」から「投機的な国」に格上げしたのだ。    このように3ランク格上げされれば、トルコもロシアや中国のように「投資対象に成り得る国」として見なされ、内外からの投資が急速に拡大するだろう。経済成長、失 全文をよむ

2005-12-20 Taha Akyol コラム:アルメニア問題と歴史(Milliyet紙) (Milliyet紙)

オルハン・パムクは「この土地で150万人のアルメニア人と3万人のクルド人が殺害されたのだ」と言ったが、この言葉がこれほどの騒ぎを引き起こすとは思っていなかったのであろうか? 騒ぎは続き、オルハン・パムクは今や世界のメディアの関心の的である。    一方フランスでは、有力な歴史家19人が一つの声明を発表した。彼らには新聞に意見広告を出すとか記事の見出しを飾るとか、ノーベル賞をとるというような固定観念はなかった。  フランスをはじめ多くの欧州諸国では、いくつかの禁止事項がある。それらはユダヤ人虐殺は 全文をよむ

2005-12-16 Mehmet Ali Birandコラム:イスラームは生活様式だろうか?(Hurriyet紙) (Hurriyet紙)

公正発展党はきっと気づいていないだろうが、トルコの国内外でクエスチョンマークでいっぱいの光景が映されている。この印象はまだ広まっていない。しかし自覚しなければ、取りくまなければ、危険なことに発展しかねない。    公正発展党員は分かった上で行動しているのだろうか、それとも自分の心で感じたままに足を踏み出しているのだろうか。私には分からない。時々あまりにも保守的な方向へ偏ってはそのような決定を出すので、「もしかしたら?」という問いを生まれさせる。    気をつけてみれば、一つも大きな進歩はない。た 全文をよむ

2005-12-09 Yalçın Doğanコラム:西洋諸国でもエルドアンに疑いの目(Hurriyet紙) (Hurriyet紙)

サラエボに様々な国から新聞記者や学者が集まった。その中の何人かは少し前にハタイで開かれた宗教間の対話と寛容に関する会議に出席していた。  彼らと話す機会を見つけ聞いてみると、エルドアン首相に対する見方はとてもネガティブであった。曰く「政権に就いてから、穏健派イスラームという表現を使って欧州に近づいた。欧州や米国はこの3年間、エルドアン政権を寛容に受け入れていたが、徐々にその印象が変わりつつある」。  次いで最も重要な指摘が続く。「エルドアンは、トルコでイスラームを一つのイデオロギーに変えようとし 全文をよむ

2005-12-07 İsmet Berkan コラム:クルド問題 力によらない解決策(Radikal紙) (Radikal紙)

ある上層の防衛関係者は「これまで38回クルド人による反乱が起きた。39回目が起きないという保証はない」と言う。この防衛関係者は何年もそう言ってきた。そして付け加える。「反乱を我々は力で抑えつけている。しかしその後時間が経つとまた反乱が起きる。この繰り返しだ。」    トルコ政府は90年代の後半にこの防衛関係者の見解を少なくともこの部分においては受け入れたように思われる。クルド問題は完全に軍にまかされたのだ。その間政府が行った唯一のことは時々軍からテロとの闘いについて情報をもらうことだった。軍は単 全文をよむ

2005-12-02 Hasan Cemal コラム:上位・下位アイデンティティを巡り(Milliyet紙) (Milliyet紙)

 1960年代前半のアンカラでのことであった。私はアンカラ大学政治学部、通称ミュルキイェで政治学を学び、そこでの授業では政治、法律、経済、社会学、哲学もあった。4年間学んだが、クルドという単語を耳にすることはなかったし、アレヴィーという単語も同様であった。ラズという単語は笑い話で出てきた。厳格なチェルケス人であった亡くなった私の叔父は、この件が話題に上ると、「なあ、出自だの何だのって話はよしてくれよ」と言っていた。   私はこのようにトルコについて学んだのだ。しかし、本当にトルコはこのような国な 全文をよむ

2005-11-26 Bekir Coşkun コラム:コルクト・オザルはどんな人?(Hürriyet紙) (Hurriyet紙)

参謀本部長ヒルミ・オズキョク大将の任期延長の件で政府に助言をしたとされ、何日もメディアで議論の俎上にのせられ、最終的に参謀総長が会見を開く原因となったコルクト・オザルとは誰か?    彼は、宗教勢力の思想的リーダーの一人であり、第一次エルバカン内閣の閣僚の一人である。農業大臣の時代に農業政策に初めて雨乞いを採り入れたが、結局農業国トルコは小麦と米を米国から買うこととなった。  だが、実兄であるトゥルグト・オザルが首相となるや、大人物と見なされるようになる。祖国党政権が成立すると、機に乗じて中央政 全文をよむ

2005-11-23 İsmet Berkan コラム:「クルド」は再び否定されるのか?(Radikal紙) (Radikal紙)

 長い間、この国においてクルドという民族は存在せず、彼らは山岳地帯で生活するトルコ部族であり、雪の上を歩く時の「キュッ、キュッ」という音からその名前が付いたと言われてきた。(では他のトルコ部族が雪の上を歩けば違う音がするのだろうか、あるいは全く音がしないのだろうか。。。)【訳者註:トルコ語でクルドの発音は“キュルト”である。】   何にしてもこのような馬鹿げた説明はもはや必要ない。今となってはクルドの存在は否定されていないし、これは一種の“進歩”であると解釈できよう。クルドの存在を否定しないこと 全文をよむ

2005-11-19 İsmet Berkan コラム:スカーフ問題の行方と次期大統領(Radikal紙) (Radikal紙)

(訳者註:長年トルコで議論を呼んでいるスカーフ問題に関連してのコラム。これまでの議論は17日「スカーフ問題を解決するか黙るか」18日「スカーフ問題に大統領の持つ影響力」各コラムを参照。)これから16ヵ月後にトルコは大統領を選出する。現行の法に改正がなければ、そしてそれまでの間に総選挙がなければ今の議会からの誰か、または公正発展党(AKP)グループの推薦する外部の者が大統領になる。今言ったように、法律に改正がなく選挙がなければ今のAKPグループが新大統領を決め選出するのだ。つまりAKP党員の大統領 全文をよむ

2005-11-18 İsmet Berkan コラム:スカーフ問題に大統領の持つ影響力(Radikal紙) (Radikal紙)

(訳者註:長年トルコで議論を呼んでいるスカーフ問題についてのコラム。詳細は13日「大学構内でのスカーフ着用は自由になるか?」17日「スカーフ問題を解決するか黙るか」各コラムを参照。)トルコの右派保守政治家とスカーフ問題の関係は米国の右派保守政治家と妊娠中絶問題の関係に酷似している。    トルコではスカーフ問題の根底には憲法裁判所が1989年に出した判決がある。米国では妊娠中絶問題の根底に米国高等裁判所が70年代に出した判決がある。我らが憲法裁判所はスカーフ着用を国家の基本原則である政教分離に反 全文をよむ

2005-11-17 İsmet Berkan コラム:スカーフ問題を解決するか黙るか(Radikal紙) (Radikal紙)

(訳者註:長年トルコで議論を呼んでいるスカーフ問題についてのコラム。詳細は12日「エルドアン首相、大学でのスカーフ着用をめぐる欧州人権裁判所の判決に不快感」記事、13日「大学構内でのスカーフ着用は自由になるか?」コラムを参照。)エルドアン首相が昨日、おとといのコペンハーゲンでの発言をスポークスマンを通して訂正し「表現が行き過ぎた」と述べたのはもちろんよいことだ。しかしスカーフ着用をめぐる議論はこれで終結するようには思われない。    このコラムを以前から読んでいる人には周知のことだろう、私はスカ 全文をよむ

2005-11-17 Derya Sazak コラム:スカーフ問題をめぐる議論で首相を「サドラザム」と批判(Milliyet紙) (Milliyet紙)

 めまいを起こさせる飛行機の旅が、ついにはこのような「事故」の原因となるのは明らかであった。   世俗主義である共和国の首相が、欧州人権裁判所のスカーフに関する決定を説明した際、「(イスラーム帝国であった)オスマン朝のサドラザム(大宰相)」のように語った内容は次のとおりである。「欧州人権裁判所はこの件について意見を述べる権利はない。宗教関係者に聞けばよいのだ。この件について、宗教には本当に命令を下す文言があるのか?と。あるならば、あなた方は敬意を払わねばならない。意見を述べる権利は宗教有識者にあ 全文をよむ

2005-11-13 İsmet Berkan コラム:大学構内でのスカーフ着用は自由になるか?(Radikal紙) (Radikal紙)

(訳者註:長年トルコで議論を呼んでいるスカーフ問題についてのコラム。詳細は12日「エルドアン首相、大学でのスカーフ着用をめぐる欧州人権裁判所の判決に不快感」記事を参照。)レイラ・シャーヒンがトルコ政府を訴えた裁判で、欧州人権裁判所が下した判決は、この問題に詳しい人々にとっては何の驚きにもならなかった。あのような判決が出ることは予想されていたのだ。なぜなら欧州人権裁判所が過去に下した判決も同様の方向性を持っていたからだ。つまり、何時スカーフについての訴えがあったとしても欧州人権裁判所は、トルコ政府 全文をよむ

2005-11-12 Ismet Berkan コラム:EUのくれた9万ページ分のノウハウ(Radikal紙) (Radikal紙)

欧州委員会が作成し欧州評議会に提出したトルコに関する加盟パートナーシップ文書についてここのところ話をしている。まずは様々な理由でトルコを悩ませるであろう事項について書いた。昨日は国内少数派についてのEUの消極的な態度に言及した。今日はEUの良い面を取り上げてみよう。    何度もここで書いたことだが、トルコにとってはEUへの完全加盟の道のりは、少なくとも完全加盟それ自体と同じくらい重要である。この加盟への道のりにおいてEUは9万ページを越える、ほとんど全ての事項をカバーする膨大な知識の蓄積を我々 全文をよむ

2005-11-11 Dogan HIZLANコラム:ミーマール・スィナン芸術大学の教官作品展覧会開催される (Hurriyet紙)

11月11日17:30からミーマール・スィナン芸術大学で「芸術アカデミー教官作品展(1928-1982)」が開催される。この展覧会の作品は、美に対する忠誠心の象徴であり、大変貴重なイスタンブル絵画・彫刻美術館コレクションから選ばれている。    作品展カタログの冒頭で、MSGSU(ミーマール・スィナン芸術大学)のイスメト・ヴィルダン・アルプテキン学長が「ひとつの芸術学校の歴史(1882-2005)」という文章のなかで、今後の活動について説明をしている。  「今後、予定されている『ミーマール・スィ 全文をよむ

2005-11-11 Ismet Berkanコラム:EUの求める小数派保護政策-best practice in Member States(Radikal紙) (Radikal紙)

欧州委員会がトルコに関して発表した加盟パートナーシップ文書(KOB)は次期の欧州評議会で承認され公式なものとなる。このKOBに規定されたある文句に私は大きな関心を持った。まずはその文句の英語版をお伝えしよう。"Ensure culturel diversity and promote respect for and protections of minorities in accordance with the European Convention on Human Rights a 全文をよむ

2005-11-10 Ismet Berkan コラム:EU加盟の新たなロードマップ(Radikal紙) (Radikal紙)

欧州委員会はトルコのプログレスレポートだけでなく新たに加盟パートナーシップ文書(KOB)をも発表した。両方とも重要なものだが、どちらかと言えばKOBが優先項目だろう。そこで今日はKOBについて話そうと思う。その後でもプログレスレポートについて話す時間は十分にあるのだから…      新KOBには旧KOBと同様に短期・中期の目標が盛り込まれている。この目標を我々は認められた期間内に達成しなければならない。短期というのは1~2年、中期は3~4年のことである。私の計算が正しければ短期に達成する必要のあ 全文をよむ

2005-11-08 Derya Sazakコラム:スカーフでは解決しないもの(Milliyet紙) (Milliyet紙)

エルドアン首相はドイツへ飛ぶ際に、フランスでの暴動を「スカーフ禁止」に結びつけたそうだ!  偉い人達の外遊はこんなものだ。  飛行機で雑談が始まると、話題は国内問題から離れ「世界問題」になり、ケルンに入るころにはパリの話題にまでなり、そこでの火事に「我々も状況を理解しないわけにはいかない」と言って「文明の衝突」に絡めてスカーフ問題も議論された。  外遊は指導者達に、国内問題から離れる機会を与える。国外に出る頻度が多くなり、行き先も遠くなってくれば、トルコの問題からは遠ざかってしまう。  オザルの 全文をよむ

2005-11-03 Doğan HIZLANコラム:光陰矢のごとし、77年の歳月が過ぎた -写真家アラ・ギュレルとは (Hurriyet紙)

アラ・ギュレルの77歳の誕生日、2005年8月16日、ガラタサライにある写真ギャラリーで特別写真展が行われた。  展示を見学して私が書いたコラムが「アラ・ギュレルの古典作品」(8月19日掲載)だった。展示会カタログが出版されるということもコラムの中で書いた。そしてついに待ちに待ったカタログが手元に届いた。    アラ・ギュレルについていろいろと書いてきた。彼について書くときには毎回、彼の人物像についてのある一面や詳細を新たに発見したものだ。    「光陰矢のごとし、77年の歳月が過ぎた」というタ 全文をよむ

2005-11-03 Güngör Uras コラム:公正発展党の成果か、幸運か-単独政権3年間の経済評価(Milliyet紙) (Milliyet紙)

今日はバイラム(断食明けの祭)だ。イスラーム教徒にとって大切な日であり「私はイスラーム教徒のバイラムを祝う」。  また今日は公正発展党(AKP)にとっても重要な日である。2002年11月3日に行われた選挙で、AKPは単独政権を樹立し得る票を獲得したのであった。当政権にとって、今日は3周年記念日である。政党はなぜ設立され、なぜ選挙に参加し、なぜ政権獲得を望むのか?国を発展させるためなのか、はたまた国民を幸福にするためなのか...  では、いかに国は発展し、いかに国民は幸福になるのだろうか?投資が行 全文をよむ

2005-11-03 Ismet Berkan コラム:ラマザン明けておめでとうは「ミュバーレク」か「クトゥル」か?(Radikal紙) (Radikal紙)

 私の両親はともに敬虔と呼べるような人ではなかった。アッラーを信じていたし、尋ねられれば「もちろんムスリムです」と答えていた。しかし彼らが礼拝する姿を見たことはない。家族の中で他に大人といえば、母方の祖母と私が小学校を卒業する年に亡くなった祖父がいた。祖父についてはあまり記憶がないのだが、それでも信仰が厚かったというような記憶はない。祖母は毎日5回の礼拝を欠かさなかったが、これについても祖父が亡くなった後で信仰心が強くなったようである。私自身宗教は信じていないが、この文化の中で育ったため、望む望 全文をよむ

2005-10-28 Hasan Cemal コラム:国家と宗教、国家と民主主義(Milliyet紙) (Milliyet紙)

イスラームと西洋、イスラームと民主主義、イスラームと改革、諸文明の出会い、これらは9・11以後の世界の課題といえる。2001年にニューヨークのツインタワーがビン・ラーディンによって攻撃されたことで、今日的課題となったのだ。  ビン・ラーディニズム、タリバニズム、そして過激なイスラームを育む根源がいかにしたら絶たれるのか、という問題を議論するさまざまな場が9・11以降設けられた。  こう言い換えることもできる。  対話や思想を生産する新たな場が設立され、市民のイニシアティブが始まった。  その一例 全文をよむ

2005-10-27 Ismet Berkan コラム:イスタンブルの高層ビル群(Radikal紙) (Radikal紙)

(訳者註:先日、ドゥバイ系企業とイスタンブル市の共同投資で行うイスタンブルの都市計画が発表された。都市計画の第1弾として、高層のツインタワーが建設される予定である。このコラムはそのことを踏まえた上で書かれている。ツインタワーの詳細は10月25日の記事「イスタンブルに高さ300メートルのツィンタワー:ドゥバイの建設会社がデザイン(Milliyet紙)」を参照。)    首長はドゥバイを1つの会社のように運営し、信じられないほどの成功を収めている。ドゥバイ、またはアブダビに行った者は影響を受けないで 全文をよむ

2005-10-22 Altan Oymenコラム:トルコの矛盾 オルハン・パムクとトルコ文学(Radikal紙) (Radikal紙)

ドイツ・フランクフルトで開催されたブックフェアのトルコのブースでは「トルコ文学を世界へ」というプロジェクトが掲げられた。プロジェクトはうまく進行していた。しかし誰一人として「トルコ文学を世界に知らしめた先駆者」を思い出さなかったのである。    ■私は今フランクフルトのブックフェアに来ている。このフェアは世界最大規模の国際的ブックフェアであり、参加国は101に上る。トルコは代表として今年度トルコ出版協会が力を入れている。他にも個人的にブースを借りて本を展示しているトルコの出版社が22社あるが、ほ 全文をよむ

2005-10-20 Serpil Yilmazコラム:中央アナトリア・カイセリ市の変化(Milliyet紙) (Milliyet紙)

 ベルリン中心部にある欧州安定イニシアティブ(ESI)より9月19日に発行された、「カイセリとイスラーム・カルヴァン主義者:中央アナトリアにおける変化と保守主義」というレポートは、レファレンス新聞および「開かれた社会研究所」が、カイセリで開催した「トルコのスター都市」という会議において議論された。     1万2千人へ送付されたこのレポートの最初の送付先の一人には、EUの決議プロセスに加わっている、欧州委員会のオッリ・レーンがいた。レーンはこのレポートを、アブドゥッラー・ギュル外相に伝えた。   全文をよむ

2005-10-12 Ismet Berkan コラム:EU加盟交渉‐今すぐ決断する必要はない(Radikal紙) (Radikal紙)

10月3日以来、トルコはEU完全加盟の交渉の席に座っている国となった。事実はそれだけである。単純なことだ。しかしここ何日か野党や一部のコラムニストらを筆頭に、ある人々はこの事実を覆い隠し国民に「トルコは完全加盟の下位となる、第2の枠で加盟する」と信じさせようとしている。くだらない議論を続けることになるかもしれないが、このコラムに書いておこう。なにせ彼らは多くの人の頭を混乱させることに成功したのだから。    事実を簡単に言うとこうだ。EUは、ある説によれば9万、別の説では10万以上の枚数分のノウ 全文をよむ

2005-10-11 Türker Alkanコラム:イスラムとデモクラシー:バーナード・ルイスの論文に思う(Radikal紙) (Radikal紙)

 先日、インターネットでバーナード・ルイスの論文を目にした。「トルコはなぜ唯一のムスリム民主国家なのか?」という論文だ。   ご存知のとおり、ルイスはイスラムの歴史を最もよく知る人物の一人である。論文を興味深く読んだ。   ルイスは、トルコの民主化をさまざまな要因から解明しようと試みている。第一にトルコがずっと独立を保ってきたこと、つまり全く植民地化されなかったことに注目している。仮に植民地化されていたら、西欧的なシステムを取り入れたり自分たちを批判したりすることはこれほど容易にはいかなかっただ 全文をよむ

2005-10-07 Murat Yetkin コラム: EU加盟交渉開始に際しての政治的礼儀(Radikal紙) (Radikal紙)

EU拡大担当委員オッリ・レーン氏が昨日アンカラで行った発表は、加盟交渉が本格的に始まればより一層大変なものになるということを早くも示した。おそらく政府は2004年の12月17日の交渉の後もそうだったように、数ヶ月の間は一息つこうと考えていたはずだ。しかし欧州委員会は交渉の日にちが決まったと同時に交渉は始まっているということを今すぐアンカラに気づかせる必要があると考えているようだ。    レーン氏が人権や社会的平等を強調したことは、トルコの実行してきた国内改革を疑いの目で見ている人々の不満を増大さ 全文をよむ

2005-10-06 Emin ÇÖLAŞANコラム お祭りだ!−EU加盟交渉始まって・・・(Hurriyet紙) (Hurriyet紙)

昨日の朝、家から出て新聞を取りに行った。  みんな幸せだ!通りでは、互いに見知らぬ同士が抱き合い、キスをしている!その顔 は笑顔に満ちている!  郵便受けですれ違った、ハティジェおばさんの顔ですらほころんでいる。  「ねえ、私には月に630リラ年金が入ってくるけど、相場が上昇してるんだって、 きっと私も得できるわよね」  「もちろんですよ。あなただって、黙ってても儲けられますよ」  と、僕は答える。  そこらじゅう、お祭り気分があふれている。  僕らは今、アブドゥッラー・ギュルを、あの2004年 全文をよむ

2005-09-25 Ismet Berkan コラム: 民主主義を学ぶ過程(Radikal紙) (Radikal紙)

【訳者註:最近トルコではアルメニア問題に関する論争が起きている。これはその状況を踏まえた上でのコラム。アルメニア問題に関しては当月の関連記事を参照。】我々はどう言えば自分たちがほめられるのかを知っている。我々はトルコで1946年から「複数政党制民主主義」なるものが実行されたと主張している。しかしこれは正しくない。なぜなら民主主義とは、単に2つ以上の政党の参加する選挙が実施されることではないからだ。民主主義は選挙以外にも多くのことを含めている。そして私に言わせれば、確かに選択の自由は民主主義の中核 全文をよむ

2005-09-20 Murat Yetkin コラム「テロの専門家から見たPKKは?」(Radikal紙) (Radikal紙)

(略)昨日議会で話し合いが行われている間、トルコのテロとの闘いに関して最も名前の通っている人物たちと話をすることができた。彼らの名前と、現在も所属している組織名を書かないことを求めた上で、情報と意見を交換した。その内容は以下のように要約することができる。    ◇PKK(クルド労働者党)は経済的な寿命を終えている。山岳には今や活動的な戦闘はできない年齢かあるいは非常に若い活動家しかいない。新しい活動家を山に連れて行くことができないのだ。彼らの支持者たちも自分の子供を山へは送り出さない。遠くから爆 全文をよむ

2005-09-13 Nuray Mertコラム「アヤソフィアを礼拝に解放すべきか」(Radikal紙) (Radikal紙)

 土曜日ラディカル紙の4ページに掲載された「法皇は礼拝の許可を待っている」という見出しのニュースは、有無を言わさず私の興味を引いた。法皇ベネディクトス16世は11月28〜30日にかけてトルコを訪問することを計画しているらしい。その間に、アヤソフィアで礼拝をしたいという要求が問題になっているらしい。この要求は外務省から認められたのか分からない。また、アヤソフィアの改修に経済的支援もしたいそうである。この望みは公式に説明されたのか、それも分からない。言ったように、とにかくこの記事は興味をそそったのだ 全文をよむ

2005-09-13 Ismet Berkan コラム:80年クーデタの記憶(Radikal紙) (Radikal紙)

(訳者註:トルコでは1980年9月12日に、経済や政治の混乱、左右翼運動の激化を抑えるために軍が国政を接収した。今のトルコはこのクーデタの後に作られた政治制度の延長上にあり、クーデタの起きた「9月12日」は特別な心情をもって語られることが多い。)何とあれから25年が過ぎたのだ。つまり4半世紀だ。あの頃私は高校に通いながら夜間はジュムフリイェト紙のスポーツ報道部で仕事をしていた。あの夜、つまり9月11日から12日へ移る夜には明らかなクーデタの予感が感じられていた。しかし仕事も終わり、新聞も刷られ始 全文をよむ

2005-09-04 チュルケル・アルカン コラム:EUに入れなくても…(Radikal紙) (Radikal紙)

10月3日にはEU加盟の交渉が始まるのか始まらないのか。皆の頭にあるのはこの疑問だろう。交渉は10年は続くと言われているが、なんにせよEU加盟諸国に我々を仲間にする気がないのなら結果は変わらないかもしれないのだ。今までになかった障害や難題が出されることだろう。交渉がトルコの加盟にプラスの方向で終了しても、フランスのような国の国民投票にかけられる可能性がある以上、交渉の結果は無意味になる。つまり交渉が始まるといってもその結果は全く保証されていないのだ。    これまでどの国に対しても使われなかった 全文をよむ

2005-08-24 Metin Ercanコラム:トルコ企業は大規模になれ(Radikal紙) (Radikal紙)

少しノスタルジックな話から始めよう。70年代に子供だった私は夏に家族で映画を見に行った。その映画の間に挟まれた企業紹介のための公告映画を今でも鮮明に思い出す。なかなかに長かったその公告映画では自動車のバッテリーを作っているあるトルコ企業が「中東とバルカン半島で最も大きい」と紹介されていた。私はそれを観て誇りに思った。80年代に経済が自由化されるとトルコで貿易をしている企業の規模は急速に拡大し、中東・バルカン地域の「最も大きい企業」の中に入っていった。    同様の規模拡大は教育にも見られた。教育 全文をよむ

2005-08-23 Murat Yetkinコラム:エルドアンとバイカルのクルド問題定義(Radikal紙) (Radikal紙)

  激しい論争にも関わらず、エルドアンとバイカルはクルド問題論争の枠組みを話し合いつつ明らかにしている。   今日、国家安全保障評議会においてテロ対策という課題が存在するにもかかわらず、非合法組織であPKKとの闘争の枠組みでクルド問題が議論されることは驚くべきことではない。参謀総長ヒルミ・オズキョクが8月5日に「限定的権限」に言及したことから始まった論議は、首相タイイプ・エルドアンが同10日にあるグループのメンバーとの会談の前に「クルド問題」という定義を用いたこと、同11日に共和人民党の党首デニ 全文をよむ

2005-08-20 Taha Akyoluコラム 世界に開かれるトルコ(Milliyet紙) (Milliyet紙)

トルコは急速に世界へ開かれてきている。このことを経済面でも文化面でも我々は目にしている。イスタンブルは国際イベントの開催で先頭にたっている。イスタンブル大都市庁長官カーディル・トプバシュ氏は、ある対談で次のように述べた。    「ルュトフィ・クルダル会議場は、2008年まで予約済みです。それも国際イベント開催のためです。これはトルコが国外へむかって開かれていっているという特筆すべき象徴的出来事です。ルュトフィ・クルダル会議場にとって、1996年の第2回国連人間居住会議が初めての国際イベントであっ 全文をよむ

2005-08-14 Ismet Berkan コラム「インテリジェントデザイン説、遂にトルコへ」  (Radikal紙)

以前のコラムで宗教と科学の根本的な違いについて書いた。宗教の根底には信仰があり、科学の根底には疑問がある。したがって宗教は静的で変化しない。宗教を変えようとすることは神への冒涜となるだろう。一方、科学とは変化を意味するものである。科学の中に、変化しない「真実」や「善」を押し込めようとするのは、科学を宗教に変えてしまうことに等しい。      科学と宗教はかつて多くの分野で衝突した。例えば宗教は宇宙の中心はこの世界であると主張していたが、科学はというと宇宙には中心がないと示したことが挙げられる。宗 全文をよむ

2005-08-08 Yıldırım Türkerコラム:ヒロシマとナガサキ(Radikal紙) (Radikal紙)

 ワシントン・タイムズは明かしてしまった。ジョージ・ブッシュが2002年9月14日に署名した「国家安全保障戦略」では、アメリカやその同盟国に対する科学・生物兵器による攻撃がありうる場合、核兵器で報復する可能性があることが示唆されていた。しかし新聞はその「戦略」を一般市民に公開する際、報道規制がしかれていたことを明かしたのである。   秘密にされた文書にみられた「核による報復」の承認は、市民が飲み込むにふさわしいと認識されず、削除されたのである。敵が科学・生物大量破壊兵器を使用する場合「アメリカは 全文をよむ

2005-08-06 Ismet Berkan コラム:テュルクビュク村の社会学的考察(Radikal紙) (Radikal紙)

ある親戚が、ボドルムのテュルクビュク村で一日を過ごした。【訳者注:トルコは今、夏の休暇のシーズンを迎えている。ボドルムはエーゲ海に面した、西洋人やトルコ人の若者に人気の観光地のひとつ。】彼はかつて小さな村だったそのテュルクビュク村の海岸を何度か歩き、感想を私に言った。「ここにいる人達には歴史がない。彼らがどこから来たのか誰にも分からない」    我々はいつもメディアの爆撃の下を生きている。メディアはただニュースを伝えるだけにとどまらない。生活スタイルをはじめ、我々は何を欲しがるべきで何を欲しがっ 全文をよむ

2005-07-28 Mehmet Y. Yilmazコラム「ターコイズ色のスカーフの少女がのぞむこととは?」(Milliyet紙) (Milliyet紙)

昨夜ミッリイェト紙のサイトの最新ニュースを見ている時、興味深い写真を目にした。  コンヤで行われた第11回目アルトゥンバシャック文化芸術フェスティバルでアリシャンのコンサートの際に写されたものだ。  写真では、頭にピンク色のスカーフを巻いた若い娘が、頭にスカーフのない他の娘と一緒にベリーダンスを踊っているのだ。スカーフの娘はヘソの出た長袖のブラウスとヒップハングのジーンズを着ている。    ■生きた否定のよう    若い娘の頭にスカーフが無ければ、その写真と同じ光景をイスタンブルのクラブのどこか 全文をよむ

2005-07-27 Ismet Berkanコラム:政治的イスラムは未完のイデオロギー(Radikal紙) (Radikal紙)

昨今西洋の、おそらくは全ての国で、ある問題が取りざたされている。それは「なぜアルカイダのテロリストの多くがパキスタンあるいはサウジアラビア出身なのか」という問いである。そしてすぐに返ってくる答えは「パキスタンもサウジアラビアも民主主義じゃないから」というものだろう。「これらの国では圧制を敷くために今日までイスラムに多くの特権が与えられてきた。イスラムの特権と圧制がテロを生みやすくしたのだ」という答えは、道理にかなう部分もあるが、問題の全てを表しているとは到底言えない。    昨年スペインの列車の 全文をよむ

2005-07-20 Ismet Berkanコラム:最近のクルド関係の展開に関して(Radikal紙) (Radikal紙)

「参謀本部副長官の会見で失望した者たち」    先日「トルコ人知識人(Türk aydını:Turkish intellectual)」とされる数人のグループが共同声明を発表し、分離主義テロ組織PKKの活動中止を訴えた。声明にクルド系の者は参加していないことが気になっていたが、すぐに「クルド人知識人(Kürt aydını:Kurdish intellectual)」を名乗るグループが現れ、彼らもテロの終結を呼びかけた。    アンカラではこの「クルド人知識人」という言葉に神経を尖らせていると 全文をよむ

2005-07-16 Mustafa Akyol:コラム 現代の難問とイスラーム(Radikal紙) (Radikal紙)

ヨーロッパのムスリムが過激化している。テロはほんの一握りの熱狂的な戦闘員が起こしているにしても、少なからずの人々が理解を示している。例えばイギリスではムスリムの13%がビンラディンを正しいと考えている。    2001年9月11日のテロ以降、ヨーロッパのムスリムはテロの潜在的な支持基盤として見なされ、偏見を持たれている。先週のロンドンでの、罪もない人々が70人以上も犠牲になった“野蛮な”攻撃は、この偏見を助長した。ムスリム世界の指導者はこのテロを激しく非難し、トニー・ブレアも「ムスリムの多くが、 全文をよむ

2005-07-16 Zachary Shore:コラム「国民見解」に注意(Radikal紙 7月15日付けヘラルド・トリビューンより引用) (Radikal紙)

もしテロリストの真の目的がアメリカをイラクから掃射することにあるなら、次の目標が何であるか予測できる。多くの人は次の標的がイタリアやデンマークであると考えている。それは両国がイラクに派兵をしているからであり、ロンドンでの事件後に出された警告のせいでもある。しかし320万のムスリム人口を擁するドイツも、標的になっていると考えられる。ドイツはイラク戦争に反対していたが、アフガニスタンには2千人規模の軍隊が駐留しており、アルカイダにとってはイラクのアメリカ軍同様に挑発的な存在である。   イタリアやデ 全文をよむ

2005-07-08 Ismet Berkanコラム:ロンドンを襲った野蛮人たち(Radikal紙) (Radikal紙)

爆弾が爆発し、罪のない人々が亡くなった。そんな時によりよい世界を作るための意見を交わすというのは容易なことではない。たった数日前に何十万という人がロンドンに集まり貧困の救済を訴えた。おそらくだれもが彼らの心からの誠実さを疑わなかっただろう。    しかし今日何が起きたか?貧困でも飢餓でもなく、アフリカも地球温暖化も関係ない…これらはもはや議題ではなくなってしまった。これまでの努力が少数の野蛮人の恐ろしい爆弾によって犠牲になったのだ。イギリス人は驚きの中で「爆発の前に何の警告もなされなかった」と述 全文をよむ

2005-07-02 Ismet Berkan コラム:トゥルクテレコムの売却(Radikal紙) (Radikal紙)

(訳者注:1日に国営通信社トゥルクテレコムの民営化・売却が成立したことを受けてのコラム。2日のMilliyet紙訳参照。)トルコは20年もの間、民営化に取り組んでいる。私の知る限りでは1983年からの選挙では民営化を主張した政党がいつも勝っていた。しかしなぜか民営化を実現できないでいる。一体なぜだろう?      その答えは、トルコでは権力が選挙に勝った政党の手に集中していないからだとも言える。トルコでは政府機関や司法がしばしば自分たちの理想とする思想を、それを主張するべき立場にないのにもかか 全文をよむ

2005-07-01 解説コラムSemih İdiz「アゼルバイジャンのキプロス支援は重要だが遅すぎたし不十分」(Milliyet紙) (Milliyet紙)

セミフ・イディズ    エルドアン首相のアゼルバイジャン訪問によってバクー政府が表明したキプロス支援は極めて意義深い。が、遅きに失し、満足のいくものではない。ラウフ・デンクタシュ前大統領もきっとそう考えているはずだ。会談が済んでみて、ここでアゼルバイジャンという時、どこか任意の一国家について論じるわけではない。血を分けた兄弟国家について論じるのだ。そのうえ、トルコがカラバフ問題について徹頭徹尾支持を表明しているかの国について論じるのだ。    ■支持の限界  エルドアンが、イルハム・アアリエフ大 全文をよむ

2005-06-26 Radikal紙コラム Avni Özgürel「アタテュルクと女性の服装」 (Radikal紙)

アタテュルクと女性の服装(アヴニ・オズギュレル)    ムスタファ・ケマルが女性の服装を規定した言行は一つもない。どのような服装をするべきではないかに関する言行は、今日のアタテュルク主義者を満足させるないようではないだろう。    動物世界においてジャッカルにはある特徴がある。獲物が新鮮なうちは手を付けず放置して、他の動物に食べさせる。そして時間が経過し獲物が腐りかけた頃に食べ始めるのである。この例は我々が解決すべき問題を、まず「腐敗させ」そして「いかに解決するか」を示すために説明した。  学生 全文をよむ

2005-06-24 Milliyet紙コラム Hasan Cemal 「EU関連(4):モデル論争、変革への危機」 (Milliyet紙)

EUが危機に瀕している!これは何の危機であろうか?フランスとオランダでの欧州憲法批准否決、その直後の首脳会議での予算論争、そして膠着状態…。さらにユーロの対ドル下落…。  EUはどこへ向かっているのか?どのような危機が生じているのだろうか?どこまで根が深いのか?今後、EUはバラバラになってしまうのか、それとも統合するのか。  頭の中はごちゃごちゃ。    しかし、鳥瞰してみると一つの点が明らかになったと言える。  ヨーロッパで生じている危機の背後にはモデル論争が存在するのだ。そしてこのモデル論争 全文をよむ

2005-06-22 Milliyet紙コラム Mehmet Yilmaz トゥルバンのために「憲法を変えること」は可能か? (Milliyet紙)

祖国党党首エルカン・ムムジュが首相レジェプ・タイイプ・エルドアンに行った「トゥルバンのために憲法を変える提案」は政府から「好感」をもって迎えられた。  政府報道官と…大臣ジャミル・チチェクは、チチェクは、新聞記者たちの問いを「この問題の聞き手は政府ではない」と答えた。首相も、記者たちの同じ方向の問いにまだ「安心させる」答えをした:みなさんよい晩を!  しかし2002年11月25日の首相補佐メフメト・アリ・シャーヒンも、エルカン・ムムジュと同じように考えていたのだ。  シャーヒンは、憲法の42項を 全文をよむ

2005-06-22 Radikal紙コラム Haluk Sahin 「トゥルバンに分別ある解決を」 (Radikal紙)

トルコのトゥルバン問題は本当に解決する必要がある。近日の一連の出来事は、解決にかなり近づいたこと、広い部分が認められる合意が成り立ったことを示している。エルズルム・アタテュルク大学の卒業式にスカーフを被った保護者が式に来れないという発端の後に、軍人や市民から示されたサインは解決について分別に近づいたことを明らかににした。    分別とは、すでに何度も述べられている:公的空間での「サービス領域」に、トゥルバンを含め、スカーフ禁止を適用できない;「サービスを行う者」には適用される。なぜなら、公的サー 全文をよむ

2005-06-22 Uğur Gürsesコラム「農業の多角的関係」(Radikal紙) (Radikal紙)

2004年のEU拡大では10の国が新たにEUに加盟した。EUは15国体制(EU15)から25国体制(EU25)になった。EU15では農業従事人口は約700万人だったが、10カ国が新たに加盟したことでこれに400万人が加わることとなった。    この新加盟10国において、農業が国民総所得に占める割合は5%に満たないが、農業従事人口が全ての労働人口に占める割合はおおまかに言うと10%ほどである。    トルコの農業従事人口は約750万人。国民総所得に占める農業の割合は10から12%ほど。そして農業従 全文をよむ

2005-06-17 Ismet Berkanコラム「少数派宗教財団の不動産」(Radikal紙) (Radikal紙)

さて、トルコのEU加盟に向けて古いながらも新しい議論が再燃している。はっきりしているのは、これから数ヶ月の間我々はこの問題を取り上げていくだろうといういうことだ。この問題によってEUがトルコを苦しめ、もっと言えば脅迫する様を我々は見ることになる。まずその問題を明らかにしておこう。    トルコにある少数派宗教財団(訳者注:少数派宗教とはトルコ国内のユダヤ教、ギリシャ正教、アルメニア教を指している)は、保有していた不動産の多くを失った。「失った」のには訳がある。①政府に「これはあなた方の所有物では 全文をよむ

2005-06-11 Milliyet紙コラム Taha Akyol 「少女たちを学ばせる」 (Milliyet紙)

首都アンカラから110キロ離れた所にアタキョイという村がある。そこでは少女たちを学校に行かせる率が非常に低いのだ!  CNN TURK(トルコ版CNN)のニュースで観たのだが、娘を学校に行かせない父親が「娘が学校に行ったら、一体誰が家事をするんだ?」などと言っていた! 母親達の中にさえこう考える者がいるのだ!  もちろんこの「家事」の中には、生まれたばかりの赤ん坊の兄弟の世話も含まれている!  CNN TURKの記者、ディジレ・エレンは、村で小学校を終えた少女達と話していた。勉強を続けることや、 全文をよむ

2005-06-11 Hasan Cemal コラム「米土関係-師匠と弟子の関係?」(Milliyet紙) (Milliyet紙)

エルドアン首相のワシントン訪問の結果について話し合っていた。トルコ側の上級の担当者の一人は、アメリカの態度について次のような不満を漏らした。  時にアメリカは、「さあ、私の子弟になれ!」「私に従え!」という。だがこんなことがあってはならない。アメリカの言いなりになる“イエスマン”の関係は両国にとって利益にはならない」  もっとも、これは最近のことではない。冷戦時代にもアメリカはこうだった。強大な権力をもつ存在として、全ての発言に敬意を払われることを望み、言うことに従わないことを快く思わなかった。 全文をよむ

2005-06-10 Ismet Berkanコラム「イスタンブルに3つめの空港」(Radikal紙) (Radikal紙)

 いつからこの話題が始まったのか把握していないが、突然イスタンブルのヨーロッパ側に3つめの空港が作られるというニュースが各紙に載るようになった。友人に聞いたところ、発端はエルドアン首相の発言らしい。交通省大臣も先日、3つめの空港ができるという「吉報」を伝えた。もちろん各紙は土地投資家のために今から空港ができるという場所を予測し始めた。      我々ラディカル紙も報道部会議で何日もこの問題を取り上げている。なぜなら今イスタンブルにある2つの空港でさえ、受容能力いっぱいに使われているわけではないか 全文をよむ

2005-06-07 Milliyet紙 Taha Akyol コラム「フランスのEU憲法否決の根底に流れている精神」 (Milliyet紙)

(フランス、オランダのEU憲法否決をうけ)一般的には、「ヨーロッパ合衆国」計画は死んだも同然、と見られている。EUはもはや「連邦国家」ではなく、経済優先の「国民国家集合体」への道を歩もうとしている!   「ヨーロッパ連盟」を殺したのは、なんといってもフランス人だ。英誌TheEconomistは気の利いたシンボリズムを用い、フランス革命を描いた有名なある絵を今週号の表紙にして、このことを婉曲に表した。ダヴィッドの有名な油絵は、革命の怒れる闘志マラーが浴室のバスタブで刺殺された状況を描いている。マラ 全文をよむ

2005-06-06 Milliyet紙 Semih Idizコラム「目を閉じて、デミレル元大統領の話を聞く」 (Milliyet紙)

スレイマン・デミレル第9代大統領の話を、昨日CNNトルコの番組「アンカラの舞台裏」で聞いた。あらゆる面で“リベラルな民主主義者”という姿が描かれていた。内向きの国家主義者の集まりやベールに包まれた反EU主義者たちを全く評価しなかった。最近の論争にも言及したデミレルは、任命されたり選ばれたりした人に対する干渉を批判し、常に国会を通じて解決を図るべきだと主張した。    スカーフの話になると国民の大多数は反対しないだろうと語るデミレルは、まず政治的な議論がなければならないと言う。ここでも議会と「話し 全文をよむ

2005-06-04 Ismet Berkan コラム:ディヤルバクルの再生 (Radikal紙) (Radikal紙)

 長いことディヤルバクルには行っていなかった。昨日、過密スケジュールでディヤルバクル観光をして、ここを長い間どれだけ無視してきたかということに気がついた。ドアンメディアホールディング(Doğan Yayın Holding)が「アナトリアのヨーロッパ」「ブランド力」というテーマのもと開催する、各地方都市での集会がこのたびディヤルバクルで開かれたのだ。私はこれまでこの一連の集会には何度も参加している。先月はチョルムに行った。この集会は各地で注目を集めている。アダナ、イズミル、アンタリヤといったあま 全文をよむ

2005-05-24 Ismet Berkanコラム「EU加盟」(Radikal紙) (Radikal紙)

 ドイツのノルトライン・ウェストファリア州での選挙(23日)で与党の社会民主=緑の党連立が敗北したことは非常に重要な意味を持つ。シュローダー首相は可能であればこの秋に前倒し選挙をすると発表した。ドイツの法律では前倒し選挙には障害が多く、今から選挙があるかどうかはっきりと言うことはできないが、その可能性はかなりあるということを受け入れなければならない。そしてもうひとつ、高い確率で与党は敗北し、代わりにキリスト教民主同盟が政権に就く。このドイツでの避けられないと思われる政権交代はトルコに直接の影響を 全文をよむ

2005-05-20 Ismet Berkan コラム「公正発展党は改革主義政党か」(Radikal紙) (Radikal紙)

 以前にも書いたことだが、もう一度皆さんに思い出してもらおうと思う。私が思うに、トルコの中道右派の政党には必然的な寿命がある。その寿命を決めるのは、その政党が政権に就いた時に、最も貧しく中央のシステムからはずれた外側の人々をより中央近くへ移動させられるかどうかだ。つまり、多くの人を移動させ続ければその政党は存在し続け選挙に勝ち続ける。少ししか人を移動させられない場合や、それを諦めて以前に中央部へ移動させた人々をより豊かにし続けた場合はその政党の寿命は終わったということを意味する。ここでこの理論を 全文をよむ

2005-05-20 Erdal GÜVENコラム「カリモフの金襴の衣」(中央アジア関係)(Radikal紙) (Radikal紙)

カリモフは、9・11直後から明快かつ周到な(少なくともカリモフ自身と現体制にとっての話だが)ふたつの策を講じた。まず、空軍基地のひとつをアメリカに提供したこと、次に、自らに対する反対勢力を、イスラーム原理主義者と定義してしまうことである。状況がそうであったがゆえに、ウズベキスタンは程なくして、アメリカの中央アジアにおける第一の協力国となった。以降、投資もアメリカからの政治的、軍事的支援も望み通り・・・無論、アメリカは、カリモフが反対派を「煮えたぎった湯で茹で上げる」ほどの薄汚れた身なりであること 全文をよむ

2005-05-19 Ismet Berkan コラム「公正発展党の失望」(Radikal紙) (Radikal紙)

公正発展党は政権に就くやいなや自らの伝統的なルーツから完全に離れてしまった。トルコにおいて伝統的なイスラム主義的政治とは単にイスラム主義なだけでなく同時に反西洋という性格を持つ。しかし公正発展党ははじめからトルコの将来をより一層西洋に近づけようとしていた。ある説によれば、この政策は当時の状況から判断された実用的な選択ではなかった。トルコの将来を西洋に求めたのはより根の深い政治的分裂の結果だったという。    この説によれば当時トルコにイスラム主義国家を作ることは現実的ではなかった。そのため公正発 全文をよむ

2005-05-18 Milliyet紙 Taha AKYOLコラム「ウズベキスタンとトルコ世界」 (Milliyet紙)

キルギスは、20世紀まで遊牧が行われていたことで、イスラーム化と組織化のいずれもが満足に根を下ろさなかった国家である。ゆえに、民衆は困窮がもとで暴動を起こした。暴動において、イスラーム的なモチーフは見られなかった。そして、軍や警察組織が脆弱な体制はすぐさま崩壊した。    一方、ウズベキスタンは、中央アジアで極めて由緒ある文明を経た国家であり、ティムール帝国、イマーム・ブハーリー、ウルグ・べクの(伝統の)継承者である。ゆえに、イスラーム化も、組織化も、より強固な起源をもつ。困窮を原因とした暴動に 全文をよむ

2005-05-14 Milliyet紙コラム Sami Kohen「変革の順番はいずれに?」(トルコの中央アジア報道) (Milliyet紙)

中央アジアで、反対デモ、あるいは暴動というニュースが伝わるや、決まって「今度、革命の順番が回ってきたのはこの国なのだろうか?」という問いが頭をよぎる。問題となる国家は、ウズベキスタン…つい2ヶ月前に無血革命を経験したキルギス共和国の隣国である。ウズベキスタンのキルギス国境に近いアンディジャン市で、週日に平和的に始まりながら、ついに昨日流血の事態に至ったデモは、一見したところ、(これまでの)変化の潮流が同国においても予兆を示したのだという見解を生んだ。この見解はどれほど正しいものだろうか、あるいは 全文をよむ

2005-05-06 Ismet Berkanコラム 「トルコ的マゾシズム」(Radikal紙) (Radikal紙)

 我々トルコ人は自分たちのやるべき仕事以外のあらゆるものに興味を持つ。特に「大きな」問題を好む。トルコ人は、かの有名な社会学者マックス・ウェーバーが著書「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」で描いた人間たちの正反対である。アンチテーゼですらある。その訳はトルコ人がプロテスタントではないということとはあまり関係はないだろう。     我々は楽な人生を選ばない。自分の仕事に集中し、それを工夫し発展させればいいものを、国の「巨大な」問題を解決しようとする。その当然の結果、我々は何事にも満足せず 全文をよむ

2005-04-30 Ismet Berkanコラム「また民営化は失敗するのか?」(Radikal紙) (Radikal紙)

トルコでは20年もの間、民営化が話題となってきた。しかし民営化においてトルコがどんな道を歩んできたかは周知の通りである。反対に、我々が民営化を検討していた間に共産主義諸国では民営化が進み、完了してしまったところすらある。トルコの非・民営化プロセスの象徴として最も重要なのはトゥルクテレコムだろう。我々は長い間この会社を民営化しようとしてきた。政治的衝突もなく、違憲判決が出たわけでもなく、法律が作られたわけでもないが、今だにトゥルクテレコムは売られていない。もし問題がなければ今年の終わりまでにはこの 全文をよむ

2005-04-26 Ismet Berkanコラム「ナショナリズムの程度」(Radikal紙) (Radikal紙)

ナショナリズムや愛国心はある程度まではいいが、それ以上になるとややこしい。「適切な」または「正しい」程度がどんなものかは分からないが、私が個人的に「適度なナショナリズムを持つ国」だと思っている国がある。それはイギリスである。 私が思うには、ある国のナショナリズムの適切な程度を決める重要な要因のひとつは、その国の過去に関して国民が和解しているかどうかである。トルコでの問題はこれだ。我々は過去に対して統一した見解を持っていない。現在同じ社会に暮らしていながら、過去のことで敵対してしまう。    しか 全文をよむ

2005-04-25 ジャン・デュンダルコラム:トルコ-アルメニア首脳級会談(Milliyet紙) (Milliyet紙)

今日、トルコとアルメニアは外交関係を築くため、互いに直接的、間接的な方法で探り合っている。両国とも国民の反感を無視できない状況が続いており、事態はなかなか進展しない。両国が歩み寄るきっかけは、12年前にさかのぼる。    MHP(極右政党)党首トゥルケシュは、1993年3月12日にフランスのパリで秘密にアルメニア首相のペトロスヤンと会見した。この会見は、長い間マスコミや一般には秘密にされた。この会見のきっかけを作ったのが、当時ヨーロッパでアルメニア支援団体の代表を務めていたオザララットである。  全文をよむ

2005-04-08 Ismet Berkanコラム「イスタンブル医学部学部長に通告」(スカーフ問題)(Radikal紙) (Radikal紙)

先日イスタンブル大学付属の学部のホールでイスタンブル弁護士会の表彰式があった。その弁護士会と大学の間には組織的な関係はないということから考えて、このホールはおそらく弁護士会が賃借していたものと思われる。この式で表彰されたある弁護士の配偶者はスカーフを被っていた新聞に載った写真を見た限りではこの女性はイスラム主義者のようにスカーフを被っていたわけではなく、例えば私の母が葬儀や礼拝に参加する時にするような方法で被っていた(または英国女王が寒さを凌ぐためにするように)。何であれ被り方は重要ではない。こ 全文をよむ