アメリカ国税庁長官はトルコびいき(Milliyet紙)
2005年10月17日付 Milliyet 紙

アメリカ国税庁のマーク・W・エヴァーソン長官は、1991年から滞在したトルコで2人のトルコ人の子どもを養子に迎えた。仕事が終わるとトルコ人の友人と一緒にトルコレストランでラクを飲む。

アメリカで特に納税の時期に「もっとも嫌われる人々」の頂点に立つ国税庁のマーク・W・エヴァーソン長官は大変トルコに友好的だ。首都ワシントンの実力派の官僚の一人であるエヴァーソン氏は、毎晩仕事を終えると運転手なし、ボディーガードなしにラフな格好で行き付けのトルコレストランに向かう。トルコ人の友人と一緒にラクを飲み干し前菜を食べる。

■「素晴らしい日々」

同氏は1991年3月から1993年4月までイズミルに滞在していた。その間を「素晴らしい日々」だったと形容するエヴァーソン氏は、トルコの人々に感心させられたり、トルコが近代的・民主的な社会に変わっていく様子を目の当たりにしたと語った。イズミルに来たときには夫妻に子供がいなかったというエヴァーソン氏は、次のように続けた:「イズミルで3歳と4歳の男の子、女の子一人ずつを養子にした。名前はバハドゥルとプナルだ。あれから13年経ち、二人ともすっかり大きくなった。一人は警察官に、もう一人は先生になりたいと言っている。二人ともトルコ語は分からないがぜひ習ってほしい。トルコから帰国してからトルコ語と使う機会がなかった。

■トマトと桃

トルコ人の思いやりの気持ちと温かさが一番懐かしい。働いていた会社のお客であれ、周りの人であれ、大変仲良くなることができた。皆ストレートで温かい付き合いをする。マルマリスで船に乗って周遊旅行に出かけたときことがあるが、信じられないほど素晴らしい景色だった。メゼ(前菜)が懐かしい。トルコ料理は本当においしい。ドマテス(トマト)やシェフターリ(桃)はもちろんのこと、他の果物や野菜もびっくりするほどおいしかった。ラクを飲むことも忘れてはいない」。

■パリ・ヒルトンに匹敵するアクセス数

アメリカ国税庁が年間集める2兆ドルの税収は、アメリカ政府の“ふところ”そのものだ。10万人の職員と100億円の予算を統括するエヴァーソン氏は「税金はアメリカでは大変重視されており、その根底には深遠な哲学がある。英語には「人生には税金と死という二つの真実がある。残りは物語だ」という格言がある。一方でトルコでは税金逃れは時に自慢の種になり、成功のあかしのように見られている」と言う。
人口2億7000万人のアメリカには、1億8300万人の納税者がいるというエヴァーソン氏は、国税庁が100ドルの税金を集めるコストはわずか48セントなのに対し、トルコでは政府が100リラ(約8000円)の税金ごとに2リラのコストを支払っていると指摘する。
国民から税金を電子的に徴収することの重要性を強調する同氏は「(国税庁のホームページには)昨年1億4000万件のアクセスがあった。これはパリ・ヒルトンのホームページのアクセス数に匹敵する」と述べた。
アメリカ人の人気者ではないと告白するエヴァーソン氏は、こんな話をした。
「我が家には毎朝起きると近寄ってふところに飛び込んでくる、ヘラクレスという名前の犬がいる。でも4月15日(納税期限の日)には、私が起きてもあいさつをしないし、顔を見ようともせずに、まっすぐ妻のもとに行く。妻も『ごらんなさい、毎年この時期には犬さえもあなたを嫌うのね』と言う」。

■EU加盟プロセスを支持

アメリカはトルコのEU完全加盟を最も強力に支持している国だというエヴァーソン氏は、トルコとフランスで生活した経験を持つ立場からこの問題に大変関心を持っているという。トルコはヨーロッパとアジアとの架け橋の役目を果たしていると言う同氏は、「西側はトルコと良好な関係を築けないならば、他のイスラム諸国といい関係を築くことはできない。EUが完全加盟を最終決定し、問題が10年後ではなくすぐに決着することを願っている」と述べた。

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( 翻訳者:岩根 匡宏 + 穐山 昌弘 )
( 記事ID:1111 )