ニセ托鉢僧、逮捕 ハムシャフリー紙
2005年10月17日付 Hamshahri 紙

2005年10月17日付けハムシャフリー紙事件面
【事件部】それらしいメーキャップと服装をし、正体を偽って、詐欺をはたらいていた男が逮捕された。

 当紙記者の報告によると、数ヶ月前から似たような苦情がテヘランやハシュトゲルド、ラシュトの市民から各州検察庁に寄せられていた。それによると、レザーとイーラジ、及びモジュガーンと名乗る男2名と女1名が周到な計画によって、数100万トマーン単位の詐欺を行っているというものであった。〔100万トマーンは日本円で約12万円〕

 報告を受けた警察は事件として捜査にのり出し、イーラジとモジュガーンの隠れ家を突き止め、2人を逮捕した。

 両容疑者は警察の取り調べに対して、容疑を認め、レザーとの共犯であったことを自白した。二人の容疑者の協力によって、ラシュトにあるレザーの隠れ家を割り出し、犯罪グループの首謀者であった同容疑者が、自動車購入と偽って架空の取引を行っていたところを取り押さえ、逮捕した。

 レザー・Fは警察の取り調べで、このグループがこれまで犯してきた詐欺行為について、次のように供述した。

「数年前まで、ある政府機関で管理職としての地位にあったが、諸般の事情で解雇されてしまった。その後、当時の肩書きを使って身分を偽り、詐欺をはたらくようになった。ある時は、ペイカーン車〔イランで最も安い旧式の国産車で、最も流通している〕からサマンド車〔ペイカーンに代わる国産車として約3年前から登場した新型車。ペイカーンよりも高い〕に買い替えようとしているタクシー運転手らを見つけて、ニセの紹介状を示してだまし、なるべく早くサマンド車を彼らに引き渡すといって650万トマーン〔約80万円〕をせしめ、それから姿をくらます、といった方法で金をだまし取った」。

 レザーはこのようにして、タクシー運転手らから総額1億5千万トマン〔約1900万円〕をだまし取った。彼は自分が犯した別の罪についても、次のように供述した。

「ハシュトゲルド地区〔テヘランの西にあるキャラジ近くの町〕の病院院長と知己の間柄となり、この関係を悪用して、街の人々に自分も医者だと称し、不思議な力で不治の病を直すことができると触れ回った。自分で繕ったそれらしい身なりのおかげで、人々も私の話を信用し、近隣だけでなく遠方からも、治療のために私のところにやってくるようになった。私の方も、彼らの信用を得ようと、一定期間、病人を病院に連れていき、彼らに私が医師であることを信じ込ませ、それからある特別なやり方を用いて、彼らから治療費として多額の現金を受け取っていた」。

 さらにまた別の容疑では、レザーは数人の女性たちに自分はダルヴィーシュ〔「イスラーム神秘主義者」のことで、アラブ圏では一般に「スーフィー」と呼ばれる。それらしい服装をして、街中やバーザールなどで詩を吟唱して、人々から喜捨を受けることが多く、仏教用語では「托鉢僧」にあたる〕だと偽り、彼女たちを信じ込ませ、詐欺をはたらいた。

 捜査員らはレザーを逮捕した際に、宝の地図とおぼしきものも発見、押収した。

 レザーは警察の取り調べの中で、次のように話した。「ラシュトの自動車販売業者も騙そうとして、虚偽の契約を結んだところ、私は逮捕されてしまった」。

 警察は容疑者の写真を報道陣に公開し、この男にだまされた人は中央警察署に被害届を提出するよう求めた。この容疑者に対する取り調べは今後も続けられる見通し。

Tweet
シェア


現地の新聞はこちらから

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:久野華代 )
( 記事ID:1128 )