Serpil Yilmazコラム:中央アナトリア・カイセリ市の変化(Milliyet紙)
2005年10月20日付 Milliyet 紙

 ベルリン中心部にある欧州安定イニシアティブ(ESI)より9月19日に発行された、「カイセリとイスラーム・カルヴァン主義者:中央アナトリアにおける変化と保守主義」というレポートは、レファレンス新聞および「開かれた社会研究所」が、カイセリで開催した「トルコのスター都市」という会議において議論された。

 1万2千人へ送付されたこのレポートの最初の送付先の一人には、EUの決議プロセスに加わっている、欧州委員会のオッリ・レーンがいた。レーンはこのレポートを、アブドゥッラー・ギュル外相に伝えた。
 東南ヨーロッパの発展に関する最大の思想団体として1999年に発足したESIによる、「カイセリ物語」には、同地域で有力なジョージ・ソロスが組織した「開かれた社会研究所」のトルコ所長ハカン・アルトゥナイと、レファレンス新聞出版部長エユプ・ジャンも関心を寄せた。ジャンは、昨日カイセリで二度目の「スター都市」会議にレーンを招待した。
 しかしレーンは、10月3日直後にトルコを訪問した際に、ディヤルバクルへ行く予定となっていた。レーンは、ジャンの提案に関心を示し、ギュルをカイセリへ招き、EUでの新たな議題、「プロテスタンティズムとムスリムの同胞性」を議論する場を設けた。
 EU加盟ロビイストたちの立場から、カイセリは、プロテスタントの創始者ジャン・カルヴァンの「労働は信仰である」という思想に基づく「カルヴァン主義者」的考え方を共有している。つまりイスラームの伝統を疎外しない発展モデルである。
 会議では、ドーアン音楽会社(DMC)代表取締役エルジャン・サアッチと、サッカー連盟会長レヴェント・ブチャクチュが、カイセリ市の音楽とスポーツの扉を開こうとしている。カイセリ市民は「ご存知の通り」の様子である。彼らは第三回カイセリ会議に、著名な通貨の魔術師、ソロスを招待したいと考えている。

■3万人収容スタディアム
 カイセリの議題は、ブチャクチュの登場により「スポーツ」が焦点となった。カイセリ市長メフメト・オズハセキは、実施が計画されている3万人を収容するスタディアムの建設を、来春に開始すると述べた。
 ブチャクチュは、「スタディアム建築については、専門の会社を派遣する予定である。経費はサッカー連盟が支援する」と約束した。カイセリは、2012年の欧州チャンピオンズリーグ決勝戦開催候補地の一つである。
 トルコ国内リーグ「スーパーリーグ」において三大チームに対する「優遇措置」がアナトリアのチームに対する圧力になっているという主張がブチャクチュに向けられた。彼は、「レフェリーも人間なので、ミスを犯すこともありうるということを、認める必要がある。意図的にミスをしたか否かが重要である」と述べるとともに、「スポーツマンシップ」を支援するためのプールシステムの導入促進に注意を喚起した。さらに、4億ドルに達するサッカー市場において、スポンサー収入は1千6百万ドルになると説明した。

■サッカーのオーナーシップ
 ブチャクチュとともにイスタンブルへ戻る際に行った談話で、連盟は、タラブヤにある「優雅な別荘」を、年間3千億リラ相当で49年間、財務省から借り受けたと述べた。
 昨年始まった入札では、年間賃貸料6千億リラ相当額でもって最高額を提示したトレム・テキスタイル社のほか、イスタンブル工業会議所(ISO)を含む多くの民間企業が「優雅な別荘」入札に参加した。
 さらにブチャクチュは、必要ならば「取り壊して、本来のあり方に合うように建設しなおす」予定の「優雅な別荘」に引越し、さらに連盟による工事が続くレヴェントの「お化け屋敷」も、「サッカー博物館」にするつもりであると語った。
 ブチャクチュは、エルドアン首相が彼に伝えたという「アルバニア対トルコ戦で、ナショナルチームに賞金を出そう」との提案を承認しなかったことを打ち明けた。どうやら、サッカーのオーナー企業は、イスタンブルのオーナーシップと同様ではないようだ。ブチャクチュは、トルコチームがアルバニアへ出かける際、パイロットに頼んだ「首相は成功を祈っている」というアナウンスは、なされなかったと述べた。


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( 翻訳者:幸加木 文 )
( 記事ID:1131 )