ラマダーン月に病気にならないために シャルグ紙
2005年10月22日付 Sharq 紙

2005年10月22日付シャルグ紙24面

【キャターユーン・プールヴァリー:栄養士】祝月ラマダーン月は神の御許に近づく良い機会であると同時に、健康状態を知るのにも最も適した時期であろう。虚弱体質が原因で、ラマダーン月に断食という神への宗教的義務を果たすことができない人が多くいる一方、断食を行う者の中には、この月に病気になってしまう人もいる。もちろん、断食前の夜明けの食事と断食明けの日没後の食事のあり方を改善する以外、このような病気を治すための方法はない。下記に挙げるこの種の病気には、特別な原因などなく、ただ体に必要な食品が不足していることが原因で発生するものである。

 《便秘》
 便秘は長期にわたると、肛門に傷ができ、痔疾の原因となる。この病気は、ラマダーン月に栄養価の低い食事を大量に摂り、さらに食物繊維と水が不足することで発生する。

 この月に便秘を治すためには、ぬか入りのナンや野菜、葉物を多く摂取し、日没から日の出までの時間帯に水を飲むようにすることが必要である。

 《消化不良》
 この病気は、過食、脂肪分の多い炒め物や香辛料を多く含んだ食事を大量に摂ることで発生する。治療法としては、過食を控え、水やフルーツジュースを充分飲むといったことが挙げられる。

 《血圧低下》
 水分と塩分の摂取が減ると、血圧の低下に直接結びつく。血圧が低下すると、異常に汗をかきやすい、体質虚弱、疲れやすい、めまい(特に座っている状態から立つときに起こる立ちくらみ)、蒼白といった症状を伴う。この治療法は水分と塩分の十分な摂取である。もちろん高血圧や低血圧の病気にかかっている場合は、薬を調合してもらうために医師と相談することが必要だ。

 《頭痛》
 カフェインの不摂取・禁煙(通常カフェインを多く摂取し、また喫煙の習慣がある人の場合)、睡眠不足、空腹、過密労働などは、ラマダーン月に頭痛を引き起こす原因の一つであると考えられる。頭痛を予防するためには、カフェイン入りの飲料の摂取を〔普段から〕減らすことが必要。それによってこの期間、体が少量のカフェイン摂取に慣れ、よい睡眠がとれ、ストレスを感じにくくなるだろう。

 《血糖値の低下(糖尿病患者を除く)》
 特に夜明け前に、高炭水化物のような糖分を多く含んだものを食することは、体内のインシュリンの分泌が活発になり、血中に存在するブドウ糖が減少する原因となる。発汗、虚弱、めまい、疲労、集中力の低下、震え、頭痛、動悸、体の活動機能の低下といった症状は、血中の糖分不足によるものである。この病気の発生を防ぐには、決して夜明け前の朝食を省略しないことだ。単純炭水化物の摂取量を限定しよう。

 《痙攣》
 痙攣の最も主要な原因は、カルシウムやマグネシウム、カリウムのような塩分を充分に摂取しないことにある。上に述べた塩分を含む食品、例えば野菜、果物、乳製品、肉類、ナツメヤシといったものを摂取することは、この病気の発生を押さえるのに非常に有効である。

 もちろん高血圧や腎臓結石にかかっている人は、必ず医師と相談しよう。

 《消化器官の潰瘍》
 空腹時の胃酸量の増加は胃や肋骨の下の痛みの原因となり、時にはこの痛みが喉まで続いてしまうこともある。香辛料入りの料理、コーヒー、コーラを控え、専門医の管理の下での投薬治療を行うことがこの病気の唯一の治療法である。

 《腎臓結石》
 水分の摂取量が少ない人は腎臓結石を発生させる可能性が通常より高い。それ故、日没から夜明けまでの時間に水を充分に飲むことが必要である。

 《関節痛》
 礼拝の時間が増加するラマダーンの期間は、関節(特に足)へのストレスが増加する。そのため、高齢者や関節炎に悩む人にとっては、痛みや不調の原因となる。このような痛みをなくすには、関節への負担が軽くなるように、体重を減らすことで十分である。膝にかかるストレスを減少させるため、足や関節の適度な運動をしよう。

 言うまでもなく、病気のない健康な体を維持することで、ラマダーン月を精神的に享受することが可能となるだろう。

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( 翻訳者:岩間 縁 )
( 記事ID:1162 )